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『ド・スーザ』のシャンパンと2007年世界最優秀ソムリエのアンドレアス・ラーソンさん [オープンカレッジ]

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カレッジの秋期講座第2回シャンパン編では『ド・スーザ』を取り上げました。
ナパから戻ってすぐの講座だったので、ドメーヌ・シャンドンで購入してきた赤のスパークリングワインも仲間に入れ、全部で6アイテムのワインを試飲。第1フライトとして左から3本目までのブリュットを、続いて第2フライトとしてロゼ2本を利き比べました。

コート・デ・ブランの特級畑アヴィーズ村の中心にカーヴを持つ『ド・スーザ』は、ブラン・ド・ブランで高い評価を得ているレコルタン・マニュピランで、1999年からビオディナミを導入しています。
特徴は●樹齢の古いぶどう樹が多い ●ドザージュが少ない ●収穫はぶどうの完熟を待って行う

今回はその対抗馬として同じくコート・デ・ブランのル・メニル・シュル・オジェ村にある『ピエール・ペテルス』のプレステージを供出してみました(左から2本目)。シャンパン名は『キュヴェ・スペシャル・レ・シェティヨン・ブリュット ブラン・ド・ブラン グランクリュ2000』、オーナーはロベール・ペテルス氏で、彼の叔父にあたるのが著名なジャック・ペテルス氏、ヴーヴ・クリコの元醸造長です。

<第1フライト>
■Brut Tradition ブリュット トラディション(ド・スーザ)
シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%のブレンド。バランスが良く、万人から好まれるタイプ。講座生の6割が「好みの香り」と答えていました。

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裏ラベルにはデゴルジュマン(澱抜き)の年月が記載されており、2007年世界最優秀ソムリエであるアンドレアス・ラーソンさんの推薦マークも添付されています!

■Cuvee Speciale Les Chetillons Brut Blanc de Blancs Grand Cru2000
キュヴェ・スペシャル・レ・シェティヨン・ブリュット ブラン・ド・ブラン グランクリュ2000
シャルドネ100%。最初は柑橘系果実、スワリングでトロピカルフルーツの香りに。味に丸みがあり、熟したぶどうの良さが伝わってくるシャンパン。口中なめらか、長い余韻。講座生の5割が「好きな味わい」と回答。香り&味わいともに魅力的なシャンパン。

■Cuvee des Caudaliers キュヴェ・デ・コダリー(ド・スーザ)
シャルドネ100%。第一香控えめ。白い花、酸を予感させる香り、へーゼルナッツ、ヴァニラ。空気と触れ合うことで複雑味が増し、柑橘系果実の内側の白皮に通じるエグミ感あり
※コダリーとは余韻の長さを示す単位で、それをシャンパン名に使用

<第2フライト>
■Brut Rose ブリュット・ロゼ
シャルドネ92%、ピノ・ノワール8%、セニエ法で色素を抽出。アセロラのような明るい赤に近い色調。口当たりが柔らかく、赤い果実と合わせて楽しみたいシャンパン。

■Cuvee des Caudalies Rose キュヴェ・デ・コダリー・ロゼ
シャルドネ90%(アヴィーズ)、ピノ・ノワール10%(アイ)。典型的なサーモンピンクの色調、ヴァニラ、へーゼルナッツ、スパイス、甘草、漢方薬的なニュアンスあり。クリーミーな口当たり、複雑で奥行きのある味わい。私を含め、多くの講座生をとりこにした素晴らしいロゼシャンパン!!

<番外>
■Domaine Chandon Sparkling Red ドメーヌ・シャンドン スパークリング・レッド
ジンファンデル、ピノ・ノワールのブレンド。深みのある濃厚な色調。黒系果実やマッシュルームの香り、ぶどうの旨味とスパーシーさを備えたワイン。赤のブリュットタイプのスパークリングワインと気泡の関係については以前、メルシャンの安蔵光弘ワインメーカーから、わかりやすい解説をいただきましたので、参考までに転記しておきます。

スパークリングワインは炭酸ガスの泡を持ちますが、瓶内2次発酵をしたものは泡の持ちが良いと言われています。シャンパンのように瓶内2次発酵を行うものは、酵母と澱が長期間接触しているため、たんぱく質がワインに豊富に溶け出します。たんぱく質は界面活性作用(石鹸はこの作用を持つため、泡立ちます)を持つため、泡持ちが良くなるのです。

これに対して、赤ワインはタンニンなどのポリフェノールを多く含むため、ワイン中のたんぱく質はタンニン分に結合します。そのため、赤ワインの場合は、ワイン中に界面活性作用を持つたんぱく質が少なくなるので、泡持ちは白ワインほどではないと考えられます。

講座の翌日には、『ド・スーザ』3代目当主エリック・ド・スーザさんとアンドレアス・ラーソンさんの来日試飲セミナーが行われたので、復習&学習かたがた参加させていただきました、感謝です♪

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エリックさんと身長194センチの世界最優秀ソムリエのラーソンさん、温かな笑顔です!
ラーソンさんは「年間6,000~7,000本近くのワインをブラインドテイスティングしていますが、画一的なワインが多い中で、ド・スーザはテロワールを最も良く表現しています。酸と熟度の高いワインを生産していることも魅力です」と推薦者になった経緯を説明。

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セミナーのシャンパンは6アイテム。日本未輸入のアイテムもあります。講座生の皆さま~
おふたりからのコメントも載せておきますので、要チェック願います。

Brut Tradition
ラーソンさん「完熟した果実、日本酒の純米吟醸に似た香り、口当たりはクリーミーでなめらかな印象。お鮨やお弁当の盛合わせ等、何にでも合うシャンパン」。デゴルジュマン:2009年2月3日、ドザージュ:6~7g/L

Brut Rose
ラーソンさん「シャルドネの繊細さとピノ由来の赤い果実のアロマが表現されたシャンパン。脂分の多いマグロや大トロ、サーモンやウナギ等と」。デゴルジュマン:2009年3月24日、ドザージュ:6~7g/L

Reserve Blanc de Blancs(日本未輸入)
アヴィーズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイイの5つのグランクリュのぶどうを使用、樹齢は20~50年。自然酵母を使用。ラーソンさん「ピュアで、澱からの旨味とクルミ、へーゼルナッツのニュアンス。上質なピュリニー・モンラッシェのようなイメージ。牡蠣やオマール海老、蟹などと合わせて」。デゴルジュマン:2007年9月25日、ドザージュ:6~7g/L

Cuvee des Caudalies
樽発酵&樽熟成。樹齢(50年以上)が古いので収量は少ない。自然酵母を使い、バトナージュをしっかり行い、旨味を抽出。土壌からのミネラル感が骨格を形成している。ヴァン・ド・レゼルヴは2004年50%(フレッシュ感を表現)、1995年から2003年までの9ヴィンテージを50%(複雑さを表現)。全10ヴィンテージ分をブレンドして、48ヶ月瓶熟させることで、奥行きのある味わいが生まれる。ラーソンさん 「へーゼルナッツ、ピスタチオ、トロピカルフルーツの香りがあり、アフターに塩気を感じるシャンパンで、魚料理は生よりグリル、ソテーしたものを」。デゴルジュマン:2008年1月29日、ドザージュ:3.5g/L

Cuvee des Caudalies Rose
樽発酵&樽熟成。5~6年前から生産。生産量2,000本、ヴァン・ド・レゼルヴは15%(2005年85%、2004年15%)、ピノ・ノワールは樹齢50年で開放型の大樽で発酵させ、小樽に移し、1年熟成させる。熟度の高いぶどうから造っているので、ドザージュ量は少ない。ラーソンさん「魚料理や仔牛、鶏肉などにも合わせて」。デゴルジュマン:2008年4月3日、ドザージュ:3~4g/L

Cuvee des Caudalies2002(日本未輸入)
樽発酵&樽熟成。シャルドネ(アヴィーズ)&ピノ・ノワール(アイ)を各50%。生産量3,500本。年に3回くらいはヴィンテージものを造る。2002年は繊細で良いシャンパンが生産できた。ラーソンさん「まだまだ若い状態なのでシャルドネよりピノの味わいのほうが出ています。ミネラル豊かで、香りには熟した洋ナシ、野生の果実(野イチゴ)、根由来の甘草の甘みなどを感じます。料理は土に接しているもの、たとえばトリュフのリゾットやキノコやトリュフを添えたジビエなど。食事としっかり合わせて楽しむシャンパンです」。デゴルジュマン:2008年4月9日、ドザージュ:3.5g/L



『ド・スーザ』には古樹が多いのですが、エリックさんがメゾンを継いだ1986年当時は、若樹と古樹から穫れたキュヴェの区分はしていなかったそうです。1988年から古樹から穫れるぶどうのポテンシャルを生かすため、キュヴェを区分け。92年~93年には樽発酵・樽熟成に挑戦し、良い手ごたえを感じたので、95年からコダリーの生産に着手、その後出荷することに。MLFは基本的に行っているとのことです。

私的感想:いずれの味わいも忘れがたく・・・キュヴェ・デ・コダリー・ロゼです!(『ローマの休日』風に表現すると・笑)。2日連続で味わいましたが、従来のロゼとは明らかに違う趣きがあり、果実味と漢方薬的な要素が実に実に魅力的でした!

『ド・スーザ』&『ピエール・ペテルス』の輸入元は株式会社中島董商店になります。
ワインのお問い合わせは下記まで
〒106-0045 東京都港区麻布十番1-5-30 十番董友ビル4F
TEL  (03)3405-4222 FAX  (03)3405-4230




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fumiko

Winoさん、機会があれば是非、ド・スーザのキェヴェ・デ・コダリー・ロゼにトライしてください!
by fumiko (2009-11-20 01:06) 

shiomi

RMとは思えない程のスケールの大きさを感じました。

まずBrut Tradition、香りから真っ先に浮かんだのが林檎の切り口!
また飲んでみてヤクルトの様な旨味のある甘酸っぱさ(ちなみにヤクルトは私の好物です(笑))。
飲み慣れていない人でもこれを嫌いと言う人はあまりいないでしょうね。

そしてCuvee des Caudaliers、こういう上品な香り私は好きです!
ドサージュが少ないせいか、生地がいいせいなのか、Brutよりフレッシュに感じました。

チャーミングなBrut RoseはセニエでPN100%でもなくて、
何故こんな綺麗な色になるのでしょうか?不思議です。

ここまででも十分美味しかったのですが、
Cuvee des Caudalies Roseを飲んで他のが吹っ飛んでしまいました(笑)。
何故か三茶のイタリアンBUON SANGUEで食べたデザートを思い出しました。
(何ていうのか、カンパリみたいなリキュールで煮た千切りオレンジピールのソースをかけたフレッシュオレンジ)
このリキュールのイメージはスパイシーな香りからきたのかも知れません。
味のバランスはロゼとして完璧ですね!

by shiomi (2009-11-20 10:07) 

ido-penguin

ド・スーザ:(購入します)
第1フライトの初っ端、グラスに注ぐ間に漂う香に思わず「おー」と声を出してしまいました。あまやかな香、少し赤みがかった色、味はまろやかでうまくまとまっていました。ロゼは、ゴダリーがバランスよく感じられ、泡も木目細やかなで好きなワインです。ロゼといえどもCHが90%以上という味わいを
心に留めていきます。
キュヴェ・スペシャル・レ・シェティヨン:
CH100%とは思えないぶどうの果実味というかてっきりPNが入ってるのではないかと錯覚:(キュヴェ・デ・コダリーと比べて明らかに違うので)コクがあって好きなワインです。
ドメーヌ・シャンドン スパークリング・レッド
ZIN+PNのスパークリングは初めての体験。ZINの印象が強かったのでわかったのですが、PNが入っているとは!?わかる人にはわかるんですね。
感心しました

by ido-penguin (2009-11-20 11:00) 

fumiko

shiomi様

ドゥーツ好きで、他のメゾンに心動かされることがなかったshiomiさんが
ド・スーザのキュヴェ・コダリーのロゼにノック・ダウン♪
私は内心、「やった~」の気分でおりましたよ(笑)

樹齢の古さ、伊達ではない、という印象のシャンパン。お見事ですよね。


ido-penguin様

コメント挿入がなかなかできなかった由、今度so-netに聞いてみます。
世界には素敵なスティルワイン、スパークリングワインがあり、ホント、心ときめきます。
私は毎回、セレクトで悩みますが、それも幸せな悩みだと感じております。
今後ともよろしくお願いします。



by fumiko (2009-11-21 00:16) 

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