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シャンパン用ぶどう品種にフォーカスしてみました♪ [オープンカレッジ]

カレッジのシャンパン編第2回では講座生の皆さんと面白い体験をしました。
IMG_8113シャンパン編
画像は左から
(1)オブリ・フィス ブリュットNV(ぶどう品種:ピノ・ムニエ40%、シャルドネ30%、ピノ・ノワール30%)
(2)オブリ・フィス ル・ノンブル・ドール“カンパナエ・ヴュテレス・ヴィテス”ブリュット2002
(ぶどう品種:フロモントー別名ピノ・グリ24%、プティ・メリエ20%、ピノ・ノワール20%、アルバンヌ15%、シャルドネ10%、ピノ・ムニエ8%、ピノ・ブラン2%、アンフュメ1%) ←規定8品種を使用
(3)デュフール ブラン・グルマン・エクストラ・ブリュット2003 (ぶどう品種:ピノ・ブラン100%)
(4)オブリ・フィス ル・ノンブル・ドール“サブレ・ブラン・デ・ブラン”ブリュット2000
(ぶどう品種:シャルドネ40%、プティ・メリエ30%、アルバンヌ30%)
(5)ピエール・ジモネ ブリュット・キュイ・プルミエ・クリュ・ブラン・ド・ブランNV(ぶどう品種:シャルドネ100%)

これら5本は、すべてシャンパンですが、(2)のようにシャンパーニュ地方で認められている「8品種」をすべて使ったり、(4)のように8品種の中の「白ぶどう3品種だけ(Blanc des Blancs)」を使って仕込んだシャンパンが入っています。

IMG_7915.JPG

2007年3月にシャンパーニュを訪問した時、現地CIVCのウィブロット広報宣伝部長に、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ以外の品種について質問してみました。
広報部長のお答えは以下の通リでした。

「シャンパーニュ地方の伝統的な品種としてアルバンヌ(栽培面積1.55ha)、プティ・メリエ(同3.72ha)、ピノ・グリ(同1.02ha)、ピノ・ブラン(同85.07ha)、アンフュメ(極少量)があり、これらの品種の後に、ピノ・ムニエが、その後に、ピノ・ノワールとシャルドネが登場しました。ただ、前述の伝統的な品種はシャンパーニュ全体の92ha程度です。ネゴシアン・マニピュラン(NM)でこれらの品種を作っているのはデュヴァル・ルロワだけだと思います。それ以外はレコルタン・マニピュラン(RM)が取り込んでいます」

今回、講座でフォーカスしたのは、まさにこのRM、代表的なオブリ・フィスの8品種ブレンドを試すことができました。ちなみに、シャンパーニュ地方全体の栽培面積は約32,000haなので、伝統的な品種の栽培面積が、いかに少ないか、おわかりいただけますよね。

オブリ・フィスの輸入元である出水商事様から届いた情報を載せておきます。
■シャルドネ Chardonnay
白ぶどう品種。上質でエレガント、そして非常に力強いアロマを持ったワインを生む。白い果物やスイカズラ、エキゾチック・フルーツなどの香りと味わいに加えてミネラルのノートを持つ。

■ピノ・ノワール Pinot Noir
黒ぶどう品種。美しい色調、非常に心地良いブーケ、長く余韻が残る味わいを持つ熟成向きのワインを生み出す。力強く肉付きのよい骨格。イチゴや白トリュフの香りと味わいを持つ。

■ムニエ(別名:ピノ・ムニエ) Meunier (Pinot Meunier)
黒ぶどう品種。薄い色調で、ピノ・ノワールよりフルーティーで早熟なワインを生む。木イチゴ、チェリー、温かいパンなどの香りと味わいを持つ。

ピノ・ブラン Pinot Blanc
白ぶどう品種。ピノ・ノワールが突然変異した品種。緑みを帯びた黄色の果皮を持ち、果物の香りが豊かで、シャルドネとよく似た特徴を持つが、シャルドネよりはマイルド。

フロモントー(別名:ピノ・グリ) 誤:Fromonteau 正:Fromenteau (Pinot Gris)
バラ色がかった灰色から青みがかった灰色までバラエティーに富んだ果皮を持つ品種。非常に上品で高い品質のワインを生み出す。過熟が可能な品種。チェリーやチェリーブランデー、白スグリなどの香りと味わいを持つ。

アルバンヌ Arbanne
白ぶどう品種。ドライで生き生きとして、香り高いブーケを持ち、並外れた熟成力を持つワインを生み出す。(特に良作年は豊満なワインになる。)スミレやお香、シナモン、スズランなどの香りと味わいを持つ。

プティ・メリエ Petit-Meslier
白ぶどう品種。豊満で新鮮さに満ち溢れ、非常にフルーティーなワインを生み出す。オレンジのコンフィ、グレープフルーツ、南イタリアのベルガモットエッセンス、フレッシュアーモンドなどの香りと味わいを持つ。

アンフュメ(別名:ムニエ・フュメ) Enfumé (Meunier-Fumé)
黒ぶどう品種。その名前の通りピノ・ムニエに近い品種で、半透明のバラ色の果皮を持つ。ドライ・フルーツや小さなレッド・フルーツの香りと味わいを持つ。
ぶどう品種資料:出水商事



[exclamation]2012年1月、タルランについてまとめた折〝シャンパーニュの規定7品種〟について書きました。上記オブリ・フィスの『ル・ノンブル・ドール・カンパナエ・ヴュテレス・ヴィテス・ブリュット』 に関して輸入元は「規定8品種を使用」と明示しています。
シャンパーニュの法律改正で、現在、シャンパーニュ地方で「使用できるぶどうは7品種」と規定されていますので以下追記しておきます

法律原文は以下の通りで、品種(セパージュ)については第1章第5条にあります。
Blanc(白ぶどう) Arbanneアルバンヌ、Chardonnayシャルドネ、Petit Meslier プティ・メリエ、Pinot Blancピノ・ブラン、Pinot Grisピノ・グリ
Noir(黒ぶどう)  Meunierムニエ、Pinot Noirピノ・ノワール

オブリ・フィスのシャンパンに使われている「フロモントー」は、ピノ・グリのことであり、「アンフュメ」 も、ピノ・グリの同義語 シノニムです。

この名称についてCIVCの川村玲子日本代表に質問したところ、 「フロモントーやアンフュメ等は古名であり、現行の法律には記載がありませんので使用しないでください」とのお返事でした。

ピノ・グリの同義語は179例報告されているようです。今回の規定ぶどう7品種に関しては、Georgesさんから、拙ブログに書き込みがあり、細かなデータを頂戴しました。
ありがとうございました!

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コメント 7

stickman

お邪魔致します。

なるほど、近頃はシャンパーニュ用ブドウと言えばグローバル品種3種がピックアップされがちですが、その地方の伝統品種も色々あることをちゃんと知っておかなければなりませんね~。
勉強になりました!
by stickman (2009-02-21 17:26) 

fumiko

stickmanさん、ご無沙汰しております♪

コメントありがとうございます。
>その地方の伝統品種も色々あることをちゃんと知っておかなければなりませんね~。
30,000ha対90haなので、数量的にもわずかですが、このようなぶどうもあるよ~、という意味で、記憶のすみでも入れておいていただければ。

尊敬しているメゾン『デュヴァル・ルロワ』が造る「プティ・メリエ100%のシャンパン」、これは素晴らしかったです!
by fumiko (2009-02-22 09:48) 

miumiu

今月の講座も面白かったです~♪
それにしても8種類混醸のはちょっとむむむ?な感じの香りで最後までむむむ?なままでした。(笑
そして、やっぱり私はムニエ好きかも。。。。
by miumiu (2009-02-22 16:22) 

fumiko

miumiuさん、777のnice、ありがとうございます♪

>8種類混醸のはちょっとむむむ?な感じの香りで最後までむむむ?なままでした。(笑
確かに悩み多きテイスティングでした。
いつも馴染んでいるPNやCHの味わい、香りとは明らかに異質でしたね。

>そして、やっぱり私はムニエ好きかも。。。。
miumiuさんはフラワリーな香りがお好きですよね。
by fumiko (2009-02-27 01:56) 

Georges

現在の法律では葡萄品種のルーツが解明されており、コピーさせて頂くと

V. ― Encépagement

1° Encépagement : Les vins sont issus exclusivement des cépages:
Arbane B, Chardonnay B, Meunier N, Petit Meslier B, Pinot blanc B, Pinot gris G et Pinot noir N.

2° Règles de proportion à l'exploitation : Pas de disposition particulière.

となっています。従って出水商事の云うFromonteauは Fromenteau もしくは Fromentot の間違いでピノ・グリのシノニムのこと。また同じくEnfumé もピノ・グリのシノニムの一つであり両者は同一品種となります。従って8品種ではなく7品種と云うことに相成ります。

訂正の程お願い申し上げます。
by Georges (2011-11-08 12:58) 

fumiko

Georgesさん、ご丁寧な書き込み、ありがとうございました。
シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)日本事務局に、
最終確認を取ってから対応させていただきますので、
しばらく、お待ちいただけますか。
なにとぞ宜しくお願いいたします。

by fumiko (2011-11-08 20:16) 

Georges

おはようございます。早速のお返事まことに恐れ入ります。

さて拙ブログhttp://ameblo.jp/georges-mk/day-20111107.htmlをご覧頂けるとお分かりと思いますがシャンパーニュの法律が改められたのは2010年11月のことで法律原文はこちらhttp://sauroavezza.xoom.it/virgiliowizard/sites/default/files/sp_wizard/docs/CHAMPAGNE%20CDC.pdf をご覧下さい。

セパージュについては第1章第5条に書かれています。

またピノ・グリのシノニムについてはVIVCのこちらhttp://www.vivc.de/datasheet/dataResult.php?data=9275 をご覧下さい。ピノ・グリのシノニムは現在までに179例報告されていてENFUME、FROMENTEAU GRIS、FROMENTOT はその中に含まれます。

またINAO関連のサイトではレジフランスのこちらhttp://www.legifrance.gouv.fr/affichTexte.do?cidTexte=JORFTEXT000023126020&dateTexte=をご覧下さいませ。
by Georges (2011-11-09 11:38) 

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