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ギガル、シャプティエ、ドメーヌ・ペラン [オープンカレッジ]

オープンカレッジの夏期(7月、8月、9月)はローヌにフォーカスしています。
IMG_5140第1回ローヌ編.JPG
第1回目(7/23)は北ローヌの「コンドリュー」、「サン・ジョセフ・ブラン」、「コート・ロティ」を楽しみました。

<第1フライト>は、ぶどう品種ヴィオニエを比較するため、ギガルの『コンドリュー2006』と、カレラの『ヴィオニエ マウント・ハーラン2006』を選んでみました。
コンドリューは黄金色で、干ぶどうや杏のニュアンス、ミネラル感もあり、時間の経過で複雑味がどんどん広がってきます。さすがギガルが誇るローヌの銘醸ワイン!
カレラは果実味たっぷりでミネラルも豊か、口当たりがとにかくGoodなので、講座生の多くがその飲みやすさに感歎していました。柑橘系果実の内側の白皮部分に通じる心地良いエグミ感が良いですね、かわいいワインだと思います。

<第2フライト>では『サン・ジョセフ・ブラン・デシャン2006』をじっくり試飲。生産者はM・シャプティエ。花崗岩質の土壌から生み出される「マルサンヌ100%」のワインは“花崗岩のジュース”と表現されるほどミネラル感豊かなのが特徴。サン・ジョセフは納得価格のワインと言えます。

そして<第3フライト>はローヌ・スタイルの探求。デキャンターに移して供出してみました。
理由は2つ。パワーのあるワインという点と、デ・ボルトリの栓がスクリュー・キャップだったから。敏感な受講生は「ワインの栓の違い」で産地を推測してしまうからです(笑)

ギガルの『コート・ロティ・ブリュヌ・エ・ブロンド2003』はシラー95%、ヴィオニエ5%のブレンド。豪州・ヤラヴァレーにあるデ・ボルトリの『シラーズ/ヴィオニエ2006』もシラーズ95%、ヴィオニエ5%のブレンド。
空気と触れ合うことでパワーを発揮してくるのはギガル。デ・ボルトリのワインは果実の甘さが印象的で、価格はギガルの約半分。豪州におけるローヌ・スタイルは近年になって台頭してきましたが、注目できるワインのひとつです。



IMG_5150第2回ローヌ編1.JPG
第2回(8/27)は「コート・デュ・ローヌ」、「サン・ジョセフ・ルージュ」、そして「エルミタージュ」

<第1フライト>はコート・デュ・ローヌACで、ギガルとドメーヌ・ペランを比較。ギガル社のフラッグシップワインとも言える『コート・デュ・ローヌ2005』はバランスが良く、飲み飽きしないタイプ、とてもリーズナブルです。ボーカステルの『クードレ・ドゥ・ボーカステル・ルージュ2004』はワンランク上のコート・デュ・ローヌAC。原料ぶどうの質の良さがしっかり伝わってくるナイスなワインですね、超お薦め!

<第2フライト>は第1回でも試飲した注目の産地サン・ジョセフの赤にフォーカスしてみました。
ここでは、ちょっとした実験をしながらワインを楽しんでみました。

1本はボトルからそのままグラスに注いでテイスティング、もう1本はワイングッズ「ワインエアレーター」を使って。
ワインエアレーターについての詳細はグローバルのサイトをご覧ください。
http://www.globalwine.co.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=06500

ワインエアレーターを上から見た画像
エアレーター 上.JPG

大事なワインが空気穴からこぼれ出てしまっては大変です!
使う時はグッズを手に持ち、ボウルの壁面にワインを伝わすような感じでゆっくりと!
エアレーター アップ.JPG

イタリアの物理学者ジョヴァンニ・バッティスタ・ベンチュリー氏の理論を、
アメリカの会社が応用して、ワイングッズとして完成した「エアレーター」
エアレーター 全形.JPG

さて、ギガルの『サン・ジョセフ・ルージュ2003』ですが、ワインエアレーターを使ってみると・・・
“デキャンタージュをする手間なしに、簡単にワインの味わいを目覚めさせ、注いですぐにワイン本来の豊かな味わいを楽しむことができる”というコピー通りで、瞬時に香りが開いてきます。少し酸味を含んだ赤系果実の特徴が良く出ており、味わいもソフトでなめらか、とても良い舌ざわりです。サン・ジョセフを初めて体験した講座生が多かったのですが、ワインの印象はとても良く、ワインエアレーターの効果大、ボトルから直接注いだグラスと比べてみると、香り・味わいともに、確かに“時間差”が出ていました。
ワイン本来の味わいをすぐに楽しむか、時間をかけて楽しむか、選択するのは・・・飲み手次第。


<第3フライト>は、エルミタージュの比較です。
ギガルの『エルミタージュ・ルージュ2003』と、M・シャプティエの『エルミタージュ・ルージュ“ラ・シゼランヌ”2005』
前者は樹齢40年のぶどう樹から造られるワイン。濃くて深みのある色調はグラス壁面の脚にも十分に現れています。ブラックベリーや甘草、黒胡椒など黒系の果実やスパイスなどのニュアンス、複雑味があり、時間とともに広がる味わいが魅力。
後者は個人的にも大好きなワイン。紫の色調が十分に感じられる若々しいヴィンテージ。グラスに注いですぐは還元香を感じましたが、空気と触れ合わせることで変化。香りにはアニマル、皮、タバコなどの熟成香あり。厚みがあり、バランスが取れた逸品。ビオディナミ農法によるワイン。

第3回目は来週17日、さてどんなワインが登場するか。カレッジ講座生の皆様、お楽しみに!

【インフォメーション】
オープンカレッジの秋期講座の受付が始まっています。
私が担当するのは好評の「シャンパン編」と「銘醸地編」の2講座です。
銘醸地編は歴史あるワイン産地“イタリア”なので、
できるだけ多くの州のワインをテイスティングする予定なのですが・・・
事務局によると、2講座ともすでにキャンセル待ちとの情報です。

冬期講座日程をできるだけ早めに決めて、お知らせしたいと思っています。
https://www.oc.swu.ac.jp/の「講師で選ぶ」で、チェック宜しくお願いします!
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コメント 7

fumiko

YUTAKAさん、早々のチェック、恐れ入ります。
ドメーヌ・ペラン好きにご満足いただけておりますでしょうか?
by fumiko (2008-09-11 01:27) 

wino

ローヌ系の美味しい季節が、やってきますねぇ~!
by wino (2008-09-11 22:39) 

hako

いろいろ、参考になるレポートですね。
手に入りそうなものから、トライしてみたいです。
by hako (2008-09-14 09:31) 

YUTAKA

青木先生、いつも新しい発見のある講座をありがとうございます。

PERRIN 家のワインは、いつも裏切られることがなく素晴らしいのですが、
この講座でも、そのポテンシャルを大いに感じさせられました。
いつもは贅沢にも Chateauneuf du Pape を楽しむのですが、
Coudoulet de Beaucastel もかなり高いレベルなのを実感しました!

ローヌはだいたい分かったような気でいたのですが、まだまだ奥が深い
なと思ったのが実際のところです。先生の講座で、さらにブラッシュアップ
していきたいと思います。よろしくお願いします。

P.S. ワイン・エアレーターは取り扱い方が難しく感じたのですが、僕の
持っているデキャンティング・ポアラーやクレ・デュ・ヴァンよりも、とても
性能が高いなと思いました。改良された Version 2 が出たら買おうかと、
思っています。いや、今のうちに先生のように熟練した方がいいかな!?

by YUTAKA (2008-09-15 22:42) 

fumiko

winoさん、チェック&コメント、ありがとうございました!
私は今回の講座でローヌの新しい魅力を再発見していま~す。

hakoさんはシャプティエの実力を十分にご存知ですよね。
特別の日のワインを選ぶなら、エルミタージュ『ラ・シゼランヌ』はお薦め!
ギガルのコート・デュ・ローヌACは、お買い得なワインですよ。

YUTAKAさん
3巨頭のブラインド、面白いし、ワインの質の良さも感じますよね。
明日の最終回もブラッシュアップしていただけましたら幸いです。
お楽しみに!


by fumiko (2008-09-16 23:45) 

fumiko

cheeさん、チェックありがとうございました♪
by fumiko (2008-09-16 23:50) 

fumiko

くらいふさま、チェック、ありがとうございました♪

by fumiko (2008-09-26 00:56) 

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