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「きいろ香」の富永博士を偲んで [ワイン]

5月27日、私の元に1通のメールが届きました。差出人は“きいろ香”の生みの親、フランス在住の富永敬俊博士(Taka)です。メールには「機関誌5月号が手元に届いた報告と3月に逝去した機関誌2代目編集長穴田氏への追悼の言葉」が添えてありました。

「ソムリエ最新号到着しました。ありがとうございました。前のメー ルでも書きましたが、昔は例の3人トリオ、つまり熱田、穴田、田中、の3氏と私の4人でお酒を飲む機会がたびたびありました。穴田さんのアパートにもいったことがあります。前々回お逢いした時にお話したそうでしたが、またいつでも機会があると思い、そのまま今日までになってしまいました。彼のレストラン『マリアージュ』 へは一度も行かなかった事をいまさらながら後悔しています。今年は機会をつくって熱田さんにお目にかかれればなぁ、と考えております」と。
熱田姓はソムリエ協会の名誉会長熱田貴氏、田中姓は理事在職中に他界なさった田中辰幸ソムリエのことなのですが、その2週間後の23時、ワイン仲間のコバヤシ氏から「富永博士6月8日急逝」の電話が入りました。

Takaさんが帰らぬ人となって、1ヶ月近い歳月が過ぎようとしています。

今年の3月のセミナーで、2007年ヴィンテージについて語る富永博士
シャイなTakaさんにしては珍しい柔和なショットです




2007年ヴィンテージについて、
「11月にアッサンブラージュ(ブレンド)しましたが、ますますきれいなワインに仕上がっています。04年のような喜びが07年にはあり、シトラス、柑橘、ハッサク、ゴールデンデリシャスを縦割りにしたような香りがあります。06年よりも酸度の値が低いですがクリスプで繊細な味わいです」とコメントしていました。
また、「きいろ香に含まれる3MHはグレープフルーツにも含まれているので、きいろ香を飲みながらグレープフルーツを食べると、双方の3MHのキャラクターが強調され、口中一杯にグレープフルーツの香りが広がります」と楽しそうに語っていたのが印象的でした。

実はこのセミナー、若干難解な部分があったので消化不良状態の参加者がいたことも事実です。takaさんは後日、そのことに関して、「十分に理解されていなかったことは私の責任です。次回のセミナー内容について深く考えさせられました。反省する良い機会になりました」というメールを送信していました。

私は来年に向けてtakaさんがどのような新展開を見せてくれるのか、内心とても楽しみにしていました。それだけにこの突然の訃報には言葉もありません。「きいろ香」はtakaさんの子供そのもの、その成長を見届けることなく志なかばで逝った彼の胸中には無念の思いがあるはず・・・

機関誌7月号の作業を終えて、今、心静かに前号に掲載してある『甲州ルネッサンス』に目を通しています。セミナー原稿の初校や再校のやり取りでは、びっしりと「朱入れ」してきた完璧主義者のtakaさん。富永博士のご冥福を心からお祈りしております。

味さんをはじめとするメルシャンの醸造チームがtakaさんの遺志を継いで頑張ってくださることを心から願っています。


【富永博士関連ページ】
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2006-02-14
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2006-06-26
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2007-02-14
※書き込みにある「アロマっ子」はtakaさんのハンドルネームです。

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コメント 9

wino

ご冥福を心からお祈りします。
by wino (2008-07-05 12:31) 

fumiko

日本ワインサポーターのwinoさん
引き続き、日本ワイン&「きいろ香」の応援、宜しくお願いしますね。

by fumiko (2008-07-06 10:12) 

uge

アロマっ子さんのコメント、もっと見たかったですね。残念です。
きいろ香は先生に教えていただいたワイン。
これからも飲み続け、どう育っていくのか見守りたいと思います。
by uge (2008-07-06 10:37) 

fumiko

ugeさん、お変わりございませんか?
アロマっ子さんは茶目っ気があり、結構楽しんで書き込みをしていました。今となっては懐かしい思い出です。
>これからも飲み続け、どう育っていくのか見守りたいと思います。
宜しくお願いいたします。
by fumiko (2008-07-07 18:40) 

shiomi

私が嫌いだった甲州ワインが好きになったきっかけになったのが「きいろ香」でした。
図らずも先日勝沼から「きいろ香」のマグナムボトルを買って担いで帰ってきた直後に博士の訃報を知りました。
毎年表情の変わる「きいろ香」がこれからどうなっていくんだろうと楽しみだったので本当に残念です。
マグナムはもうちょと寝かせてから大事に飲もうと思っています。
by shiomi (2008-07-10 15:42) 

AKI

冨美子先生

私も6月8日の日のことが忘れられません・・・。
富永先生に初めてお会いしたのは去年の夏のセミナーですが
「すごい方だな~」とただただ思うばかり・・・その後は富永先生のHPを頻繁におとずれ
お勉強させてもらうこともあったので本当に悔やまれます。

最初の一枚本当にいいショットです。
冨美子先生ありがとうございます。
by AKI (2008-07-14 15:05) 

hako

きいろ香、ほんとにセンスの良い名前ですね。顔にも人柄が表れていると
思います。とても残念ですね。
by hako (2008-07-14 23:57) 

fumiko

shiomiさん
レスが大幅に遅れてしまいました、お許しあれ。
マグナムサイズのラベルにあるきいろちゃんと同じく、瓶内での熟成をのんびりと待っていてください。博士もそれを望んでいることと思いますよ。
by fumiko (2008-07-15 02:51) 

fumiko

AKIさんが受けたセミナーでの博士の印象は? 笑顔なしで一生懸命話していませんでしたか。
これからは照れくさそうな笑顔できいろ香の成長を見続けてくださるのかな。

hakoさん
日本ワインの素晴らしさを「きいろ香」で体感してみてください。
できれば購入後、しばらくおいてから・・・でも、待てますか(笑)

by fumiko (2008-07-16 02:56) 

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