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ぶどう畑の個性を活かすルイ・ジャド社のワイン造り [ワイン]

ブルゴーニュの造り手の中でも特に気になる存在は、ルイ・ジャド社です。
初来日した最高醸造責任者ジャック・ラルディエール氏のセミナーで・・・よく動く手と話出したら止まらないそのパワーに思わず “ある方”を連想してしまいました。
「似ている!」と思った相手は、ビオディナミの教祖と言われるニコラ・ジョリ氏なのですが、ラルディエール氏のお話を伺っているうちに、ルイ・ジャド社でもビオディナミ農法を取り入れていることが判明。両氏には、間違いなく“ビオ”という共通点がありました。

ルイ・ジャド社のワインラベルに、“ビオディナミ表記”をしているものはありません。この点についてラルディエール氏は、
「弊社のエステートには確かにビオディナミで栽培しているところがあります。でも、そのことよりも、ぶどうが育った畑の個性をワインに活かすことの方が大事なのです」と語っていました。
昨今、「ビオ、ビオ」と騒々しいワイン界ですが、それを前面に出して宣伝していないルイ・ジャド社、さ~すがです!

今回、テイスティングした白ワインはすべて2001年ヴィンテージで、左から順に(1)ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム、(2)ピュリニー・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・コンベット、(3)ピュリニー・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・ガレンヌ。



グリーンで囲ってある部分が(3)のワインができる畑、赤い部分が(2)のワインができる畑、そしてブルーの部分が(1)のワインができる畑です。



こちらはぶどう畑の全体図で、右側がムルソー方向、左側がピュリニー・モンラッシェ方向になりますが、左端中央部に見えるオレンジ色の所まで進むと、アレクサンドル・デュマが「帽子を手にし、ひざまずいて飲むべし」と表現した、世界最高峰の辛口白ワイン『モンラッシェ』の畑に突き当たります。



ブルゴーニュの土壌は地殻変動を受けたことで、複雑な要素が絡み合っています。
2004年8月、鉱物学の分野の重鎮である武田弘氏のセミナーを受け、その内容をまとめたものがあります。http://www.sommelier.jp/07/kikanshi/So_81/p07_13.pdf
1億9500万年前に始まったジュラ紀や、6500万年前に終わった白亜紀など、きちんと整理しないと難解だけのリポートになってしまうことがイヤで、武田先生にメールを送り、やり取りして作成したリポートです。カラーなので、土壌の複雑性もお伝えできると思います。
ブルゴーニュの畑ごとの微妙な味わいの違い、それを構成している土壌、奥が深いと思います。

地図提供:、日本リカー株式会社


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Wino

ルイジャドもビオの畑あるんですかー!
今週は金曜に金井農場を訪問、来週の火曜には
ニコラ ジョリーのセミナーに。
少しビオづいてます。。
by Wino (2006-11-20 21:43) 

fumiko

蟹座のwinoさん、早々のチェック、ありがとうございます。嬉しいです♪
>ルイジャドもビオの畑あるんですかー!
知っている人はほとんどいなかったと思います、ビオを謳うつもりがないので。私もびっくりでした!
>来週の火曜にはニコラ ジョリーのセミナーに。
私は30日です。ニコちゃんとサース夫人にお会いします。winoさん、ニコちゃんパワーに圧倒されてきてください(笑)。
by fumiko (2006-11-20 22:15) 

hako

モンラッシュの名前、どこかで想い出したいと思います。
土壌の話、凄い方が日本にも居るものですね。地学を専攻するのって
宇宙に走るならまだしも、地球に向かったら生活と離れてしまう気がしますが
ワインと結びつくとは何とも素晴らしいです。
by hako (2006-11-20 22:47) 

fumiko

武田弘先生はホント、凄い方です。ソムリエ協会から『ブドウ畑の自然環境』というCD-Rも出していますが、フランス、イタリア、カリフォルニアの土壌なら何を伺ってもOK、とてもとても勉強になります。
by fumiko (2006-11-21 00:12) 

徒然わいん

リンク先の土壌のお話、とてもためになりました。つい先日、ブログ上で、ジュブレ シャンベルタンとサントネイの土壌が似ているという話を田崎真也氏が以前書いていたということが話題になって、その根拠はどこにあるのだろうという話になってたのです。まさに、ブルズ アイ、どんぴしゃりの資料でした。田崎さんもこの講演を聞かれてたのですね。
by 徒然わいん (2006-11-21 13:17) 

fumiko

徒然わいん様がお悩みかなぁという気がしておりました。勘だけは良いもので(笑)。Good Timingなら嬉しいです。
>田崎さんもこの講演を聞かれてたのですね。
2004年のことなので、聴講していないと思います。田崎副会長はご自身でかなりフランスの畑を歩かれていますので、その結果ではないでしょうか。
by fumiko (2006-11-22 00:29) 

pauillac

こんばんみ!
先日お会いしたときの、ルイ・ジャド社ムルソー(稲葉)の件はお聞きしましたか?ちょっと気になっていましたので・・・。
by pauillac (2006-11-24 20:13) 

fumiko

pauillacさん、稲葉さんではなく、モトックスさんですね。
あれは並行物だそうで、正規代理店の日本リカーさんとしては困っているそうです。まあ、並行物にしてはしっかり管理されていましたが・・・。
by fumiko (2006-11-24 22:52) 

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