SSブログ

ロブマイヤー4代目の究極のシャンデリア [お気に入りシリーズ]

2006年も今日から折り返し。Blogの記事もタイミング良く100回目。今日はそれを記念して、お気に入り3ステップで行きます。長編で~す(笑)

【ステップⅠ】

拙著『おいしい映画でワイン・レッスン』の「シャンパン編」で『月の輝く夜に(1987年・米)』について書きました。
舞台はNY。惚れやすいイタリア人気質を陽気に描いた傑作です。映画の冒頭、メトロポリタン歌劇場で上演予定のオペラ『ラ・ボエーム』の看板が大写しになりますが、このオペラと歌劇場は映画の核のひとつ。ふたりの恋を大いに盛り上げる要素になります。

N・ケイジ演じるロニーは満月の夜、兄のフィアンセのロレッタ(シェール)と恋に落ちてしまいます。別れなければならないふたり。ロニーは楽しみにしていた『ラ・ボエーム』を彼女と観ることで、この恋に終止符を打とうと考えます。

待ち合わせ場所は歌劇場の噴水の前。ロニーの前に現れたロレッタは最後のデートのために大変身をしています。髪を染め、眉を整え、メイクも完璧。真っ赤なドレスを優雅に着こなし、赤い靴でピタリと決めたロレッタの姿にロニーは一瞬目を疑います。そして褒め言葉。「キレイだ」。アカデミー主演女優賞をゲットしたシェールの好演には思わず惹かれますし、一見の価値ありです。

【ステップⅡ】
H・ハラルト・ラートがジャガイモと自転車のスポークで作ったシャンデリアのドローイング(左)


噴水の先にはメトロポリタン歌劇場があります。中には恋するふたりを優しく包みこむような究極のシャンデリア。シャンデリアに魅せられ、黙々と作品づくりに励んでいたロブマイヤーの4代目ハンス・ハラルト・ラートがアメリカからの要請を受け、完成させた最高傑作です。
制作当時、シャンデリアの模型を作るための材料が思うように手に入らず、彼が苦心して見つけてきたのが「ジャガイモと自転車のスポーク(車輪の輪に向かって出ている放射状の細長い棒)」。左側の画像が彼のドローイングですが、確かにジャガイモです。
1966年、待望のシャンデリアはアメリカに納められました。歌劇場の名物になっているロブマイヤーのシャンデリアは、温かくて気持ちを和ませてくれるような不思議なパワーがあるように思います。

【ステップⅢ】


昨年、オーストリア訪問の合間を縫ってロブマイヤーのショップを覗いてきました。レジ横にあった「イヤー・クリップ」に思わず注目!なんと、メトロポリタン歌劇場のシャンデリアがベースの作品だったからです。しばし悩んだ後、「自分へのご褒美」として買うことにしました。情報によると、シャンデリア仕様は「ペンダント」と「イヤー・クリップ」の2種類で、日本に上陸しているのは前者のみ。
お気に入りの「イアー・クリップ」ですが・・・1年経過しても、使うチャンスは未だ到来せずです。


nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 5

YUTAKA

青木先生、100記事おめでとうございます。どの記事も、とても丁寧に書かれていて、普通のblogとはちょっと違うな、といつも思っていました。いつもタイムリーでハイクオリティな情報をありがとうございます。

僕はオペラが好きですが、中でもプッチーニの『ラ・ボエーム』はとても悲しいですね。それとメトロポリタン歌劇場がキーになっている、この映画をまだ観ていません。満月の夜ですか・・・

今日は、後藤ソムリエの好きなオペラがBGMでかかっているシノワで、シャンパンブランチを楽しみに行けたらいいな、と思っています。頼むのは、マムのコルドン・ルージュのシャンパンカクテル。非現実的なことをつい書いてしまいました(笑)。

あと、ロブマイヤーのイアー・クリップ、きっと先生にはお似合いだと思います。ぜひ、華やかな席で、お披露目をしてくださいね!
by YUTAKA (2006-07-01 10:33) 

ayaco

「月の輝く夜に」、私も大好きな映画です。シェールがデートの準備をしながら赤ワインを飲んでいるシーン、素敵ですよね!こんな女性になりたーい、と悶えていたのを思いだします(笑)

先生、先日は本当にありがとうございました。控室で先生がおっしゃってくださった言葉、「飲みなさい!」といって飲ませてくださったヴィノテーク、私、一生忘れません。

セルジュ・デュプスのお店・・・。昼夜2回予約入れてありま~す!!
by ayaco (2006-07-01 10:37) 

fumiko

私のお気に入り映画の双璧は『カサブランカ』と、この『月の輝く夜に』なのですが、この2作品共に登場しているのが、マムの『コルドン・ルージュ』、これまた大好きなシャンパンです。
前者は恋人同士の設定で、セリフはあの「君の瞳に乾杯!」です。後者はすったもんだの挙句、結婚することになったロニーとロレッタの婚約を祝うシャンパン・カクテル。シャンパンの泡と、角砂糖のダブル・バブルが楽しいエンディングになっていました。結婚を祝う席でマムを飲んでいる映画があったかな。但し、上の2作品ほどの質がないとダメですが。

ayacoさん、良かったです。そして・・・Bon voyage♪
by fumiko (2006-07-01 11:36) 

YUTAKA

僕のちょっとした自慢話は、生まれて初めて買ったコートが、リックが着ていたのと同じものだったことです。もう20年近く着ていますが、いまだ現役で丈夫です。数ヶ月前に観たときに、あっ、同じだ、と思いました。『カサブランカ』は本当に大好きな映画です。いつかモロッコにも行ってみたいなぁ・・・と思います。

『月の輝く夜に』のDVDは今日借りてきて、シアターで観るつもりです。残念ながら、コルドン・ルージュはないので、別なシャンパーニュになりますが。確かに、それだけの舞台がないと映えませんね。

青木先生、Von Viaje!よい旅になることを、祈っています。

さて、角砂糖を探さなくては・・・
by YUTAKA (2006-07-01 19:18) 

YUTAKA

角砂糖というのは、なかなか売っていないものですね。
結局自転車を走らせて大きなスーパーマーケットまで買いに行ってきました。フランス産のア・ラ・ペルーシュというもの。シャンパーニュに入れると、とてもよく泡が立ちますね。
『月の輝く夜に』は、思ったより淡々と進行をしましたが(もっと大恋愛のようなものを想像していました)、逆にそれが大人なのだと感じました。
とにかくニコラス・ケイジが若い!エネルギーにあふれた彼を見たのは、初めてかもしれません。彼は好きなのでいろいろ見たのですが、ラスベガスに行く前に見た『リービング・ラスベガス』もまたシャレにならない映画でした(弁明をしますが、僕は中毒ではありません ^^;)。今回の映画も一期一会みたいなものも感じました。
また満月は、先日のビオディナミとも、とても重要なつながりがありますね。
オペラが好きなので、今は、ベニャミーノ・ジーリで1931年と1937年に録音された、ラ・ボエームのアリアを聴いています。
コメディタッチでありながらも、とてもいい映画だなと思いました。全く別のジャンルですが、マストロヤンニとジャック・レモンの『マカロニ』を少し思い出しました。

"You are beautiful." シンプルだけどいい言葉です。シェールがどんどん美しくなっていったのが印象的でした。
by YUTAKA (2006-07-02 00:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0