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おもしろ体験 ~Vin de TAHITIの“イタリア”という名の品種が気になって~ [ワイン]

       21日の第3週シャンパーニュ講座の最後に、
       泡以外のスティルワイン体験[わーい(嬉しい顔)]
       ラベルの絵柄はサンゴ、回りのデザインにもサンゴ

       講座生のY氏が、1月半ば、チリのイースター島にご出張
       渡航ルートが、日本⇔タヒチ⇔イースター島だったので、
       経由地タヒチのワインをお土産に持ち帰ってくださいました。
       ちなみに、所要時間はトランジットを入れて計18時間程とのこと
       私の場合、チリ行きはアメリカやカナダ経由だったので約30時間
       フライト時間、大違い[ふらふら]

        希少な甘口白ワイン
        Vin de TAHITIのMONAMONA

         裏ラベルにある地図を拡大すると・・・

 産地の位置がわかります!

 ぶどう品種の探求
 HPにはマスカット、イタリア、カリニャン・ルージュの表示
 第3週のメンバーから「イタリア種って、何?」の声

 出典:植原葡萄研究所のHP 
 1953年の開設以来、確実な品種と台木による健全な苗木を生産販売している
 山梨県の植原葡萄研究所のHPにイタリア種がありました、さすが!!
 上記(出典:植原葡萄研究所)のようなぶどうでした。


 モナモナのデータ
 生産地域 : フランス領ポリネシア ランギロア環礁
 栽培面積 : 5.6㌶
 ぶどう品種:マスカット、イタリア、カリニャン・ルージュ
 糖度:20g/L

 source :Vin de TAHITI のHP
 サンゴに由来する石灰質土壌

 source :Vin de TAHITI のHP
 熟したぶどうを選別するために手摘み収穫、収穫は5月と12月の年2回  
 ぶどうの樹齢は15~20年、台木無しの自根

 ワイナリーのコメント(要約)
 20gの残糖にもかかわらず、アタックはフレッシュ、しっかりした果実味のアロマ
 カリニャンがワインに骨格と心地良いバランスを与え、
 フルーティーかつミネラル感を伴う余韻
 フルーツとあわせてすぐに飲むことも、2~3年寝かせて飲むこともできる。

 青木私感は・・・
 マスカット種だけでなく、イタリア種にもマスカット系のアロマがあるので、 
 ファーストアタックは素直にマスカット満載、若干ペトロールのニュアンス
 舌の上に糖分のねっとりした感じはありつつ、
 フレッシュな舌触りと南国果実の風味がうまく溶け合い、
 土壌由来のミネラル感が中盤以降続くチャーミングなワイン
 テイスティングして、イメージしたマリアージュが、
 ■ロックアイスを入れてキ~ンと冷やして
 ■完熟したパイナップルとあわせて or パイナップルのアイスキャンデー


イタリア種のさらなる深掘り
南太平洋のタヒチにはなかなか行けません。ゆえに、とても貴重な体験になりました。
ヴァン・ド・タヒチは南太平洋のフランス領ポリネシアのツアモツ諸島で造られています。ドミニク・オロワ・エステートはランギロア島にある唯一のワイナリーで、1992年に初めてぶどう樹を植樹。30年以上前に、ドミニク・オロワ氏が、ツアモイ諸島でワインが生産できると信じ、様々な品種にトライし、試行錯誤しながら今に至りました。近年はワイン品評会でも良い評価を得ています。

イタリア種についてネットサーフィンしていて、興味深い記事を発見しました。
山梨県南アルプス市のMなびに「イタリアという名の欧州種葡萄」の項がありました。
なんと、ぶどう栽培の導入期(明治から大正期まで)に、南アルプス市で生食用に栽培されたぶどう品種のうち、日本古来の「甲州」、米国種の「デラウェア」、欧州種の「イタリア」の3品種が確認できたという記述等があり[exclamation×2]

Y氏のお土産ワインがきっかけで、新鮮な情報を得ることができました。
備忘録にします、ありがとうございました!
気候変動の影響下、海面上昇が取り沙汰されている折なので、
南太平洋の島々に問題が出ないことを願っています。
海水温によるサンゴの害は気になります。

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伊ピオ・チェーザレの若きリーダー フェデリカ・ロージー・ボッファ・ピオ当主が語る伝統の継承 [来日したワイン生産者&関係者]

 伊ピエモンテの老舗ワイナリー『ピオ・チェーザレ』
 5代目フェデリカ・ロージー・ボッファ・ピオ当主

1月から取扱いを開始した輸入元WINE TO STYLEの招聘でフェデリカさんが来日。ブルガリ イル リストランテ ルカ・ファンティンで8種のワインの試飲を交えながら、家族の系譜や新たな取り組みについて語りました。

 
   画像提供:WTS

初めてフェデリカさん(1997年生)と会ったのは、父親ピオ・ボッファ当主と一緒に来日していた2017年秋で、あどけない面影が印象的でした。
彼女が23歳の時、ボッファ当主がCOVID-19の合併症で逝去。それを契機に、フェデリカさんは5代目としてワイナリーを継承。今は、いとこのチェザーレ・ベンヴェヌート・ピオさんと143年の歴史を有すピオ・チェーザレを仕切っています。7年余りの間にいろいろありましたが、成長ぶりに感心しました。

「1881年にワイナリーを興した初代チェーザレ・ピオは、ワイン好きの情熱をビジネスに変えた人で、当時20歳。イタリアでのパスポート番号はNo.55、早くから海外を視野に入れ、販売にも力を入れていました」とフェデリカさん。ピオ家は、20代の若さが原動力なのかも知れませんね。ちなみに、ワインは現在、世界55ヵ国に輸出されています。

ピオ・チェーザレの独自性
イタリアの北西部ピエモンテ州ランゲ地方アルバ村の旧市街地の中心部にあり、歴史的なアルバ村に位置する唯一のワイナリーとして、村の紋章をラベルに載せることや、バルバレスコとバローロの生産も許されています。1700年代後半に建てられたセラーには、ローマ人が遺した城壁の跡があり、地下4層構造の最下層はタナロ川の地下水脈よりも低いことがわかっています。ワイナリーが手狭になってきたことから、現在、新しい施設を拡張中で、完成後は、白ワインの醸造やロジスティック部門で活用するとのことでした。

ぶどう畑は80㌶で、すべて自社畑。栽培には化学薬品を使わないサステナビリティを優先した農法を採用し、太陽熱を利用したソーラーパネルでワイナリーの電力の60%をまかなっています。栽培のスタッフはすべて正社員として雇用し、敷地内の住居で生活しているので、ここでも親から子へと仕事がきちんと引き継がれているようです。

ピオ・チェーザレでは、国際品種ソーヴィニヨン・ブラン(白ワインの大家ドゥ二・デュブルデュー教授は亡くなる直前まで醸造のコンサルタントをなさっていました)やシャルドネ、ネッビオーロに10%シラーをブレンドしたロゼを手掛けていますが、ピエモンテ地方の土着品種ティモラッソにも注目。数年後には新しいアイテムがリリースされる予定とか。長熟可能の白ぶどう ティモラッソの品種特性を考え、現在熟成中。晴れのデビューが楽しみです!


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

             
              ピオ・チェーザレのラインナップ


      食前酒ヴェルモット・ディ・トリノNV
      限定生産1000本
      シャルドネベースの酒精強化ワインでヨモギやオレンジの皮など、
      25種以上の芳香のあるハーブをブレンド
      最後に焦した砂糖を加えることがポイント
      飲むときはレモンの皮のスライスを添えて、
      14~15度の温度帯にしてストレートで!


 個性が異なるシャルドネ
 鮪のタルタル トマトウォーター

4代目当主はピエモンテ州の白ぶどうとは異なる長熟タイプの品種を探していました。カリフォルニアの『ロバート・モンダヴィ・ワイナリー』で数ヶ月研鑽を積んでいた折、樽熟成で個性を発揮するシャルドネに目をつけ、帰国後、ネッビオーロを引き抜き、持ち帰ったシャルドネの苗木を1981年に植樹しました。
そのシャルドネから造られた『ピオディレイ(右)』、“ピオ家の女性”の意味を持つワインで樽発酵・樽熟成。彼女たちのように、味わいはしっかり&リッチです!

『ランゲ シャルドネ“ラルトロ”(左)』は、“もう一つの”を意味し、ピオディレイの別の顔というニュアンス。一部樽、一部ステンレスを使用。ソーヴィニヨン・ブラン を10%ブレンドしているフレッシュでフルーティーなタイプ


      伝統的なスタイルのバルバレスコとバローロ
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      カルナローリ米のリゾット ラディッキオロッソ

        普通のバルバレスコ、普通のバローロと呼ばないで
        バルバレスコ・ピノ、バローロ・ピノと呼んで欲しい!!


古典的・伝統的な造り
様々な村のぶどうをブレンドして造りあげる完成度の高いワインで、
バルバレスコは4つの村のぶどう、フレッシュさを備えながらもパワフルな味わい
バローロは8つの村で、ストラクチュー、フィネス、複雑味がある味わい
それぞれの畑の個性を生かし、すべての“要素”を融合させて造り上げる伝統製法のワイン!
近年、気候変動の影響で熟すのが難しかったネッビオーロに変化が出ている由。ゆえに樽の使用率も減り、熟成期間も短かくなっています。

 単一畑のバローロ"モスコーニ2018"&バローロ"オルナート2016"

モスコーニは4代目当主の還暦を記念して購入した畑で広さは10㌶。ぶどうは1940年代と1970年代の古樹の区画のセレクション。ワインは濃い色調で黒い果実、バルサミコ、レザーのアロマ、生産本数6300本、ファーストヴィンテージは2015年。2018年は雨が多かったそうですが、冷涼年を反映した品格あるスタイル

オルナートは円形状の南向き斜面で日照時間が長い暖かなエリア、ワイナリーで最も古いワイン。ファーストヴィンテージは1985年。2016年はグレートヴィンテージで生産量は14000本、ガンベロ・ロッソの赤ワインベスト。赤系果実、パワー&タンニンがありながらリッチでエレガント

フェデリカさんの「伝統的な造りのバローロには、モスコーニやオルナートのぶどうも使われています。伝統製法のバローロ・ピオと併せて、単一畑に特化したワインを造ることで、ピオ・チェーザレのパローロはどれも素晴らしいということを証明したかった」との力強いメッセージを聞きながら、私は、故ピオ・ボッファ当主の姿を思い浮かべていました。

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 ジビエとピエモンテのワインの相性良好

    鹿肉 根セロリ アミガサタケ

 2016年に復活したバローロ・キナート
 苺 バニラ マスカルポーネ

1)のヴェルモットも、8)のキナートも1952年までは潤沢に生産していましたが、50年代のカクテルの流行で、活躍の場を失い、生産中止に!
フェデリカさんがワイナリーに参画した2016年から、祖母直伝のオリジナルレシピに則り再生産、歴史あるラベルも採用。セラーには古いワインがストックされているとのことなので、まさに“温故知新”の貴重な酒精強化ワインです、生産量は限定1000本!
キナノキとアカキナノキの樹皮を少量のクラシック・バローロで21日間浸漬。その後、レシピにあるリンドウの根、ルバーブ、カルダモンシード、シナモン等の香草を加え、週週間の熟成の後、クラシック・バローロを加え、少しの砂糖とアルコールで味を調整。ストレートで楽しむ食後酒


 プレスランチに供出されたアイテム
 左から右に
 1)ヴェルモット・ディ・トリノNV
 2)ランゲ シャルドネ“ラルトロ”D.O.C.2022
 3)ランゲ シャルドネ"ピオディレイ"D.O.C.2021
 ※2020年ヴィンテージから4代目へのオマージュとして過去のラベルを復刻して使用

          参考画像:最左は2020年以前のラベル / 2017年撮影

           4)バルバレスコD.O.C.G.2019
           5)バローロD.O.C.G.2019
           6)バローロ"モスコーニ"D.O.C.G.2018
           7)バローロ"オルナート"D.O.C.G.2016
           8)バローロ・キナートNV


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



       フリーテイスティングには新アイテム登場
        祖母の名を冠したロゼ『ランゲ ロージー2022』
        ロージーはフェデリカさんのミドルネームでもあり、
        とっても由緒あるネーミング
        生産本数5000本、ファーストヴィンテージは2017年

 フリーテイスティングのワイン
 左から右へ
 #1:ガヴィD.O.C.G.2022
 #2:ランゲ ソーヴィニヨン・ブランD.O.C.2022
 #3:ランゲ ロージーD.O.C.2022
 #4:ドルチェット・ダルバD.O.C.2022
 #5:バルベーラ・ダルバD.O.C.2021
 #6:バルベーラ・ダルバ スペリオーレ フィデス モスコ-ニD.O.C.2021
 #7:ランゲネッビオーロD.O.C.2019

【製品についてのお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE
 TEL:03-5413-8831
 info@winetostyle.co.jp


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蓮下絵百人一首和歌巻断簡の世界観最高! ~本阿弥光悦の大宇宙~ [伝統美、日本の美]

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      春の気配

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 誕生月に知的な刺激
 本阿弥光悦の大宇宙に飛び込んできました!

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      快晴で気分も爽快

 絵と書の融合
 出典:本阿弥光悦の大宇宙ガイド


蓮が大好きなので、蓮にはかなりのこだわりがありますが、
光悦の『蓮下絵百人一首和歌巻断簡』は圧巻、ハート直撃!
展示に「植物のなかで唯一、開花と同時に実がなる花である」との記述があり、とても新鮮でした。

ガイドの作品解説91に「 (中略) 光悦は花と実にかんするこれらの説を結び付け、蓮の下絵に『百人一首』を揮毫したのではないだろうか。そうだとすれば、光悦にとって本作は、法華信仰と古典の造詣が両立した、最高傑作と自負する和歌巻であったかもしれない
出典:本阿弥光悦の大宇宙ガイド

美術館に行っていつも感じる “本物の凄さ”
それは優れた印刷技術を駆使して完成させた書籍でも敵いません。
刀剣鑑定の名家に生まれた本阿弥光悦の諸芸に秀でた才能
『ローマの休日』にアン王女が語る「いずこも忘れがたく」という台詞がありますが、
日本の美をあらゆる面から感じさせてくれる光悦作品は「いずれも素晴らしく」です!



            撮影OKは唯一8Kの映像コーナー
              国宝 舟橋蒔絵硯箱

              金地が輝く器面
 
             光悦の黒茶碗『村雲』
 

 出典:特別展「本阿弥光悦の大宇宙」Xより

  下段右は映像コーナー
  下段左は第2会場の第3章「光悦の筆線と字姿」
  本阿弥光悦筆、俵屋宗達下絵の、
  重要文化財『 鶴下絵三十六歌仙和歌巻』が展示してあったのですが、
  会場に入った瞬間、天井の巻紙にときめき、異次元にタイムスリップ
  この空間だけは、自分の目で見た世界を撮りたかった
  心底そう思いました。
  撮れなくて、口惜しかったです[もうやだ~(悲しい顔)]


 との思いで・・・北斎展にプレイバック!
 2021年に開催された北斎づくし
 会場での撮影は許されていたので、
 躍動感ある空間が撮れました。
 天井から吊された北斎漫画の動きにも同化できました。
 このような対応は、本当に有り難かったです!


               [波][波][波][波][波][波]


    本阿弥光悦の大宇宙は3月10日(日)迄
    まだの方は是非是非!

     2024年初のクリアファイル
    レオナール・フジタ没50年@東京都美術館の時は、
    しりあがり寿さんが担当、とってもお茶目なイラスト
    今年初めて買ったクリアファイルのキャラもユニーク[わーい(嬉しい顔)]

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仏サヴォワワイン生産者来日テイスティングディナー@蕎麦割烹こうもと [来日したワイン生産者&関係者]

 サヴォワ地方のワイン × 日本料理
 2019年9月以来の来日になりました[わーい(嬉しい顔)]

  最新:サヴォワワインの概要

 Le Comité Inter-professionnel des Vins de Savoie (CIVS)
 サヴォワワイン生産者委員会は、ワイン生産者とぶどう栽培者の共同事業体で、
 その使命はワインの生産とマーケティングを指導・調整すること。
 特に市場開拓と販売促進に力を入れています。

2024-02-08.png


 フランス南東部、スイス&イタリアの国境に位置する産地
 2050㌶のぶどう畑、22品種、様々な微気候、標高は250~550m、90%がAOPワイン
 白70%、赤20%、ロゼ6%、スパークリング4%
 年間販売本数1,400万本、年間売上高6,000万€、国内消費95%で輸出は5%
 産業分野のNo.1は酪農、No.2は穀物生産、ワイン産業はNo.3

 主要な3つのぶどう畑

 白ぶどう/ジャケール42%、アルテス12%、シャスラ5%、ルーサンヌ4%
 黒ぶどう/ガメイ14%、モンドゥーズ11%、ピノ・ノワール4%



 来日した8名を囲んで監修役田邉公一さん(後列中央)とこうもとの杉浦康祐オーナー(前列左)
 今回のペアリングはワインを試飲した後、田邉&杉浦両氏が意見交換を行い、
 ベストの組み合わせを構成しました!



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



     和食とワインのマリアージュ
     #1 Mr Mathieu FANTAUZZI / Créman de SavoieNV
     品種:ジャケール40%、アルテス40%、シャルドネ20%
1966年設立、ファミリー経営。ぶどうは手摘み、20ヵ月の熟成を経てリリース。ジャケール(白い花)、アルテス(エキゾチックなアロマ)、シャルドネのブレンド。クレマン・ド・サヴォワは2015年9月に認定され、ジャケールの使用は40%以上と規定されている。万人受けするスパークリングワイン

      <前菜>前菜盛り合わせ  
      水蛸とフルーツトマト  柚子味噌ソース
      水菜と壬生菜のおひたし、からみ鴨含め煮
      帆立寄せ 葉山葵のせ、聖護院大根の茶碗蒸し
八寸に該当する前菜。ペアリングのポイントは、フレッシュさ、深みのある味わい、クリーミーさの3要素。守備範囲の広いクレマンにどの食材もうまく寄り添い、中でも茶碗蒸しは泡のクリーミーなテクスチュアとバランス良好


   #2 Mr Laurent CAVAILLE / Savoie Chignin Terres de Famille2022
   品種:ジャケール100%
1949年創設、土壌は粘土石灰質、フレッシュでミネラル感のあるワインを産出。サヴォワのオンプレミス市場を牽引する存在。サヴォワワイン生産者委員会の会長であるローラン・カヴァイエ氏は「1973年にA.O.P.の認定を受けてからワインの評価、真の発展に繫がった」と言及

       <強肴>吟醸からすみ蕎麦 
同店の看板メニューからすみ蕎麦。ペアリングのポイントはワインからほのかに漂う吟醸香と、磨き抜かれた日本酒で仕上げた吟醸からすみの一体感。双方に共通する塩味効果。ワインの清涼感とからすみ蕎麦の旨味と濃厚さも面白い対比


       #3 Mr Jérémy DUPRAZ / Savoie Apremont Terres Blanches2022
       品種:ジャケール100%
2004年設立、現在弟とワイナリーを運営。モレーヌ土壌(氷堆石)で花崗岩が多いので収穫したぶどうは酸味とフレッシュ感が特徴。小区画ごとに手摘み収穫して個別に18ヵ月熟成させ最後に1つにブレンド。2022年VTは太陽の恩恵を受けた良質なワイン


      <お造り>旬のお造り盛り合わせ
       ~クエ、金目鯛、松皮蝶昆布締め、あおりいか すべてお塩で~
魚介類を塩で食すことにより、ワインの深み、旨味、コク、アフターに広がる塩味とぴったり相乗する組み合わせ


      #4 Mr Pascal PERCEVAL / Roussette de Savoie
      God Save the Altesse2022
      品種:アルテス100%
2005年設立、ぶどうは手摘み、土着酵母で発酵。13世紀にモン・グラニエ山の崩壊によってできた粘土石灰土壌に由来する繊細でフレッシュなアロマ。現在有機栽培に転換中。黄色系果実、エキゾチックスパイス、キノコ(土)、ミネラル、味わいは軽やかでまろやか


      <焼物>鰆生姜焼き きのこ味噌和え
鰆と生姜にはワインのスパイシーさ、別添えの合わせ味噌にはアワビ茸、椎茸、エリンギの3種のキノコを使い、ワインの土っぽいニュアンスとの相性を堪能


      #5 Mr Kevin FOUCHER / Château de la Gentilhommière2020
      品種:モンドゥーズ100%
共同経営ぶどう栽培者のケヴィン・フーシェ氏がワイナリー経営者のフランク・マソン氏とタッグを組み手掛けたワイン。2021年有機農法に転換し、2023年にビオディナミを実践。ぶどうは除梗し、フードルで15ヵ月熟成、こなれたタンニン、口中滑らか


       <肉物>岐阜県飛騨牛フィレ肉ロースト 旬の根菜焼き
ワインとの相性を考え、フィレ肉は炭火でロースト、なると金時に塩を使うと、素材本来の甘さが上品に広がる印象。ケヴィン・フーシェ氏は「先にサービスされた味噌和えにも合う」とコメント。きのこを使った発酵食品の味噌に土っぽさがあったので、彼の意見に同意!


      #6 Mr Thomas SENGER / Roussette de Savoie Le Marestel2020
      品種:アルテス100%
創業1830年のぶどう農家、16世紀に開拓された畑は泥灰土質のモン・デュ・シャ山の支脈に広がる。現在6代目、ワイン名はマレステル伯爵に由来。ぶどうは手摘み、3年間の熟成。黄桃や杏のような核の大きな黄色系果実、アーモンドや蜂蜜、シャンピ二オン、様々な要素


     <揚物>牛蒡白胡椒揚げ天つゆ
素材は北海道産の牛蒡。2種の調理法で、細切りはフレッシュ、太いのは出汁で炊いたものを天麩羅にして上から白胡椒をまぶした厚みのある味わい。ワインと牛蒡に共通する土のニュアンス、フレッシュな溌溂感とまるみ、天つゆの旨味と渾然一体


         #7 Mr Didier BERTHOLLIER / Chigin-Bergeron Les Salins2021
         品種:ルーサンヌ100%
1998年、ディディエ&ドゥ二兄弟がワイナリーを継承、それを機に有機栽培・ビオディナミに転換。傾斜のきつい石灰質土壌の畑から造られるルーサンヌ(サヴォワでの呼称はベルジュロン)、キュヴェ名サリンはサリニテ(塩味)の意味。生産量3,000本。甘やかなアロマ、黄金糖のニュアンス、旨味&清涼感


  <手打ち蕎麦>胡麻蕎麦 
同店の人気メニューの胡麻蕎麦。蕎麦の濃厚な旨味は、アロマ豊かでコクがあり、しっかりとした味わいのワインと好印象。温かいお蕎麦で試したかった気持ちもあり・・・


      #8 Mr Florent HERITIER / Roussette de Savoie Frangy Altessima2020
      品種:アルテス100%
2004年にワイナリーを設立。氷河期に形成された土壌、ワインはすべてオーガニックから「デメテル」までのビオディナミ認証済。ぶどうは手摘み、コンクリートと砂岩製の卵型タンクで18ヵ月熟成


     <甘味&チーズ盛り合わせ>クリームチーズ麹漬け金柑甘露煮 林檎パイ
同店オリジナルの林檎パイ。多様なチーズを生産しているサヴォワゆえ、田邉&杉浦両氏が熟考したクリームチーズの麹漬け、金柑の甘露煮は、クリーミーな食感や酸味が絶妙!


  フルメンバーの記念ショット

田邉スーパーバイザーと『こうもと』の杉浦オーナーの自信が伝わってくるペアリングでした。生産者の皆さんも満足なさっていました。サヴォワワインは国内消費が多いので、輸出量はわずか5%。今回のディナーに登場した #2、#4、#5、#6、#8はまだ日本市場に参入していません。目にする機会が少ないサヴォワワインですが、日本料理に寄り添ってくれるピュアな味わいは本当に魅力的です。ワインラバーの皆さんに興味を持っていただく“価値大の優れもの”だと思っています!

【お問い合わせ先】
フランス大使館貿易投資庁ービジネスフランス
℡:03-5798-6128

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2023年12月中旬にリリースされた『ローラン ペリエ アレクサンドラ ロゼ2012』 ~ブランドセミナーのリポートも添えて~ [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

 シャルドネ重視のローラン ペリエ
 メゾンの庭にあるシャルドネの畑Vignoble “Les Plaisances ” 

   アレクサンドラ ロゼ2012で乾杯
  2023年6月に来日したアレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール当主
  偉大な父親との絆のアイテム、自らの名が付いたアイテムの最新ヴィンテージを披露
  夕暮れの空に広がる燃え立つような色調のロゼ


メゾン解説
アレクサンドラ当主は、自らのメゾンを語る時に「古くて新しいメゾン」と形容します。創業は1812年ですが、1948年に母親からバトンを引き継いだ父親ベルナール・ドゥ・ノナンクールさんが、当時100位に甘んじていたメゾンを、僅か40年あまりで、売上高で世界第4位にまでの地位に押し上げたことを踏まえた常套句です。

アレクサンドラ ロゼの由来
アレクサンドラ ロゼは、ドゥ・ノナンクールさんが、愛娘アレクサンドラさんの結婚式で発表したシャンパーニュ。同地方のグランクリュで、ピノ・ノワールとシャルドネが同時に成熟した収穫年に造られる希少アイテムです。

ローラン ペリエの卓越性、シャンパーニュ造りの哲学、技術の伝承、そして家族への敬意などさまざまな思いが込められたトップキュヴェです。

その誕生を振り返ってみると・・・
1982年はグラン クリュのピノ・ノワールとシャルドネが同時に熟したので同時に収穫できました。とても珍しい出来事でした。そこで、ピノ・ノワールのマセラシオン(キュヴェ・ロゼでの経験)をさらに進化させ、20%前後のシャルドネをブレンドさせて、より長熟のシャンパーニュ造りを考えました。爽やかでしっかりとしたストラクチュアのロゼ・シャンパーニュは、セラーのなかで市場にデビューする日を待っていました。

香水業界で働いていたアレクサンドラさんが「結婚したい」と、父親に伝えたのは1987年のことでした。同年10月、結婚式で、花嫁の父のスピーチに代わって、彼の気持ちを雄弁に語っていたのは、アレクサンドラさんの前に置かれたロゼ・シャンパーニュ『キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ』でした。

今回のセミナーでも「父の気持ちが直接心に響いてきた」と語っていましたが、ローラン・ペリエの歴史やドゥ・ノナンクールさんが誕生させたアイテムについては200周年記念イヴェントのリポートをご覧くださると嬉しいです!


    第1フライトは最新ヴィンテージ2012
    色調は深みのあるアンバー(琥珀色)カラー
    フレッシュで軽やか、繊細な気泡、ブラッドオレンジのニュアンス
    赤系果実のアロマ、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感
    芳醇で繊細な味わい、シャルドネ由来の上品な酸味を伴って広がる余韻
    2012年ヴィンテージは12月中旬以降全国で発売中


      ロゼに合せて考案されたメニュー


 ホタテ貝のムース キャビア添え、
 オマール海老のサラダとアプリコットのタルト、フォアグラムース パリブレスト風


 セミナー中のワンショット


 第2フライトに登場した2004年ヴィンテージ
 色調の違いが際だっていますよね。


 アリアージュについて
 新ブランドアンバサダーの角敏行氏のコメント(要約)

 2012年VTはフレッシュで、木苺や酸味を連想させる果実感にあふれ、
 キャビアをしのばせた帆立貝のムースに良く馴染んでいる。
 同じシャンパーニュでもヴィンテージの違う2004年を合わせると印象も変わり、
 オマールとアプリコットのタルトレットの香ばしさは熟成した2004年と好印象
 冷製サラダ仕立てのオマールエビの甲羅から出てくる要素は2012年
 フォアグラとほのかに香るエディブルフラワーをアクセントにしたパリブレストには、
 シャンパーニュの滑らかな食感が最適


 2012年にタイムスリップ
 photo by Fumiko / 2012年10月31日
 画像を拡大していただくと、2004年ヴィンテージの色調がよくわかります。
 10年以上前は、新発売の2012年ヴィンテージ同様、とても鮮やかな赤銅色

       インターナショナルキーアカウントマネージャーの
       ギヨーム・パイヤールさんも交えて!

IMG_2375.jpg
     パイヤールさんから届いた新年のカード

     メゾンのイメージフラワー



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 おめでとうございます🥂
 出典: J・サックリングのサイト

当主の父ドゥ・ノナンクールさんがメゾンを継承して最初に造りあげた『グラン・シエクル』が、2023年末、サックリングのサイトで、2023TOP100の第1位に選出されました。独創性にあふれたドゥ・ノナンクールさんならではのシャンパーニュです。

新シェフ・ド・カーヴのマクシミリアン・ベルナルデューさん(最右)の画像もありますね!
現地では7月に公表されているので、彼が日本で紹介されるのは次回の来日でしょうか、ね

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