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ジョヴァンニ・マッツォーニが語るトスカーナ州『Podere Forte ポデーレ・フォルテ』 [来日したワイン生産者&関係者]


イタリア・トスカーナ州カスティリオーネ・ドルチャのポデーレ・フォルテからコマーシャル&マーケティングディレクターのジョヴァンニ・マッツォーニさんが来日し、プレス対象のディナーを開催。ナビゲーターは同ワイナリーへの造詣が深いソロイタリアの林茂さんが担当しました。

創業は1997年。2002年に完成したワイナリーは壮観な5層(地上2階、地下3階)構造。200年以上の歴史を持つぶどう畑を取得してワイン造りを開始。オーガニック栽培からスタートし、2004年ビオデイナミを導入、2011年にデメターを取得。ワイン用ぶどうの栽培面積は12㌶、主要ぶどうはサンジョヴェーゼで、他にはカベルネ・フラン(CF)、メルロー(ME)、プティ・ヴェルド(PV)、年間生産量は2500ケース。
2018年のヴィンテージは最終的に良かったとのこと。冬は激寒、3月に寒波襲来、春は多雨、7月は平年より遅い動き。その後、気候が好天、9月の少雨と日照度の多さで、ぶどうの熟成具合は良好。収穫は10月10日に終了、例年より3割程少なめ。


モンタルチーノとモンテプルチアーノの間、標高250~550mの火山地帯に位置し、敷地は400㌶強。オリーブ、養蜂(はちみつを生産)、キアナ牛、豚、羊およびホロホロ鳥や鴨の飼育。古代品種の小麦も栽培していてパスタやパンも生産。敷地内には人工貯水池があり、灌漑用に使用


口開けはスプマンテ、所有するレストランと同名の#1『ぺリッラ2014(サンジョヴェーゼ100%)』


訪日回数も多いジョヴァンニ・マッツォーニさん


裏ラベルには2011年に取得したデメターを表示
ワイナリーのシンボルは中央に描かれているアーモンド(商標取得済)
「アーモンドは空と大地の融合」とジョヴァンニさん


最後にトップレンジ『ぺトルッチ2014』
肩も丸いラインはドームの屋根の形をイメージ


供出された赤ワイン左から
#2:ぺトルッチーノ2015/オルチャD.O.C.
ぶどう品種:サンジョヴェーゼ85%、メルロー15%
2002年に誕生したワインで同ワイナリーの“プルミエ・クリュ”クラス、3種の容器(バリック、トノー、大樽)を使用、樽熟成16ヵ月、瓶熟14ヵ月。香りはチェリーやストロベリー、ラベンダー、ミネラル、酸味&タンニンともに柔らかで口中滑らか。好感度100%。生産量は2万本。2015年は秀逸年

#3:グアルディアヴィーニャ2013/トスカーナI.G.T.
ぶどう品種:カベルネ・フラン45%、メルロー44%、プティ・ヴェルド11%
「我々が“グラン・クリュ”と表現しているクラスで、意味するところは薄い表土のすぐ下に岩が多く、構成のしっかりしたワインができるから」とジョヴァンニさん。様々な樽を使い18ヵ月熟成、瓶熟も18ヵ月。収量2.5t/㌶、生産量5000~7000本。2013年は9月5日から独特の現象が起こり、一気に15度位温度が降下したことで、ぶどうの熟度が緩やかに。しっかりした香りのインパクト、ミント、タバコ、甘草、アーシー、バルサミコ似の香り、タンニンの存在感はあるがこなれたニュアンス

#4:グアルディアヴィーニャ2010/トスカーナI.G.T.
ぶどう品種:カベルネ・フラン30%、メルロー35%、プティ・ヴェルド12%
2013同様、香りのインパクトあり。バルサミコ、ミネラル、酸の広がり、口中での力強さと繊細さ、バランス良

#5:ぺトルッチ2014/オルチャD.O.C.
ぶどう品種:サンジョヴェーゼ100%
「2001年に誕生した我々の“魂”と言えるワインで、コレクターや星付レストランのアイテムになっています。生産量は4000~5000本。2014年は難しい年だったので選果に気を遣いました。デキャンター誌から97点評価されたことで、選果が報われたと思っています」とジョヴァンニさん。ラズベリーやブルーベリー、赤い花、質感の良いタンニン、全体的に優しい味わい、2014年ならではの“エレガンス”


グラス右から#1~#5

アンジェロコート東京の料理に合わせて

生マグロのカルパッチョ  バルサミコのグラッサート


生ハムとチーズの盛り合わせ


ペトルッチの可愛い弟分ぺトルッチーノ2015
赤い果実の風味、綺麗な酸味が口中に広がりハムやチーズの脂分を洗い流して


イタリア産ポルチーニ茸の焼きリゾット


グアルディアヴィーニャ2013の茸やバルサミコ的な要素と絶妙
当日のお気に入りマリアージュ!


自家製手打ちパスタタリアテッレ 鴨とザクロのラグーソース × グアルディアヴィーニャ2010
ザクロの使い方がお見事、ザクロの酸味がブリッジ食材に!


マルサラワインで煮込んだ国産牛バラ肉とペトルッチ2014は旨味で相乗


いちじくのセミブレッド ラズベリーソース


乾杯はペトルッチ2014!


ジョヴァンニさんと林さんの2ショット、お疲れ様でした!


絵ハガキのような雪景色
■Podere Forte ポデーレ・フォルテ カスティリオーネ・ドルチャ-イタリア
■お問い合わせはSOLOITALIA(渡辺) ℡03-3619-9353

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ヴィレッジ・セラーズの新規シャンパンメゾン『ドゥ・ヴノージュ』にフォーカス!! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

今年最初のシャンパン講座は、受講生の皆さまにお年玉!!


昨年12月からヴィレッジ・セラーズ(VC)が輸入を開始したde Venoge ドゥ・ヴノージュにフォーカスしました! 
VC様からのサポートで、贅沢なヴィンテージを揃えることができました。歌舞伎『三人吉三』の名セリフにあやかって「春から縁起がいいわぇ」と言いたい気分です。

メゾンの沿革
スイス人アンリ・マルク・ドゥ・ヴノージュが1837年にエペルネに創業した『ドゥ・ヴノージュ』はスイス・レマン湖に流れ込むヴノージュ川に由来しており、ラベルにも川が描かれています。
2代目ジョセフ・ドゥ・ヴノージュが1851年にリリースしたメゾンの顔『コルドン・ブルー』には、シャンパーニュ地方で初めてイラスト付きラベルを使用しました。また、ドゥ・ヴノージュ家は代々商才に長けており、ジョセフの息子ガエタンは海外、特にアメリカ市場への販路を拡大させました。現在生産しているコルドン・ブルーのラインはブリュット、エクストラ・ブリュット、ロゼ、ドミ・セック、ブラン・ド・ノワールの5アイテム。
オランダ王室オラニエ公へのオマージュアイテムとして1864年に造られた『プランス』は、エクストラ・ブリュット、ロゼ、ブラン・ド・ノワール、ブラン・ド・ブランの4アイテムあります。
透明のカラフェ型ボトルに入ったトップキュヴェ『ルイ15世』は1728年5月25日シャンパンの瓶詰めを許可したフランス王ルイ15世を記念したアイテムで、最高の年にのみ生産、ブリュットとロゼがあります。
発酵・醸造ともステンレスタンク、MLFは実施。少量生産を保ち、年間100万本以下。1998年からボワゼル・シャノワーヌ・シャンパーニュ・グループの傘下になっています。



第1フライトはメゾンの顔コルドン・ブルー

#1:ドゥ・ヴノージュ コルドン・ブルー ブリュットNV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN50%、M25%、CH25%
ドザージュ:6.1g/L、瓶内熟成:36ヶ月
価格:6,800円 (税抜)
気泡細やか、酸を予感させる香りのインパクト、青リンゴ、レモンやグレープフルーツ、ソフトで口中滑らか、柑橘果実の内果皮似のビター感、中盤以降綺麗に伸びる酸の余韻

#2:ドゥ・ヴノージュ ブラン・ド・ノワール NV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%)
ドザージュ:6.0g/L、瓶内熟成:48ヶ月
価格: 12,000円
#1同様の気泡の繊細さ、色調は若干濃い目、フランボワーズやカシス、赤リンゴ、スミレ、果実の厚みとコク、生地がきれいでバランス良し、講座生からの支持大


第2フライトはロゼ比較

#3:ドゥ・ヴノージュ コルドン・ブルー ブリュット・ロゼ NV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN60%、M20%、CH20%
ドザージュ:7.8g/L、瓶内熟成:36ヶ月
価格: 8,400円
やさしいサーモンピンク、赤リンゴ、スミレ、綿菓子(講座生の意見)、余韻に切れの良い酸味とまろやかさ、軽いビター感、赤系果実のデザートと合せて

#4:ドゥ・ヴノージュ プランス・ロゼ NV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%、レ・リセのPN6%ブレンド)
ベースワイン2013年、リザーヴワイン2012年
デゴルジュマン:2019年1月
ドザージュ:6g/L、瓶内熟成:48ヶ月
価格: 12,000円
#3より淡い色調で、香り閉じ気味、赤系果実(イチゴ、グロゼイユ)、若干のタンニン、ぶどうの熟度を感じる味わい&クリーミー、温度変化を楽しみたいアイテム


コルドン・ブルーの裏ラベルにはデゴルジュマンとドザージュ量を記載
デゴルジュマンは2018年2月/ドザージュ量は7.8g/L

お気に入りのヴィンテージ比較1996vs2008

透明ボトルなので色調の違いがよくわかります。リリースして間がない2008年(左)は淡いイエロー。1996年のコルクは時の経過を感じさせる締まり具合!

#5:ルイ15世 2008
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN50%(ヴェルズネイ41.5%、ブージー8.5%)
CH50%(アヴィズ20%、クラマン15%、メニル・シュル・オジェ15%)
ドザージュ:6g/L、瓶内熟成:120ヶ月
デゴルジュマン:2018年
価格:45,000円
2008年ヴィンテージはメゾン初のノン・マロ(非MLF)
今後造るものはすべてノン・マロになります。
今世紀の秀逸なヴィンテージ、酸味の豊かさを残して通常よりもさらに長熟なシャンパンを目指そうとの気合が伝わってきます。フレッシュ感と2008年らしい厚み、複雑味もあり、5年間隔で定点観測すれば面白いかも。ただ、2008年ヴィンテージはトップメゾンがこぞって生産しているだけに、この金額(45,000円)で、クリスタル(35、000円)やウィンストン・チャーチル(32,000円)、ドン・ペリニョン等と渡り合っていけるのか少し気になります。シャンパーニュ愛好家にドゥ・ヴノージュがどの程度まで浸透しているか・・・
まずは、メゾンのスタイルを知っていただくためにも、しなやかでスリムな印象のコルドン・ブルーを一度お試しいただきたいと思っています。

#6:ルイ15世 1996
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN50%(ヴェルズネイ、アンボネイ、マイィ、ブージー)
CH50%(アヴィズ、クラマン、オジェ、シュイィ)
ドザージュ:6g/L、瓶内熟成:120ヶ月
デゴルジュマン:2018年
価格:38,000円
色調はゴールド、古酒由来の香りと味わい、焙煎香、ココア、ブリオッシュ、焦がしバター、エスニックスパイス、白胡椒、リンゴのコンポート、アプリコット似の酸味、泡はワインに溶け込みクリーミー、シームレス、タンニンの存在感もあり、熟成を経た複雑な味わい、鼻腔から抜ける香りに果実味。96にしては全体的に優しい印象、派手さはなく、丁寧な造りの溌剌さとスリム感のあるスタイル



ルイ15世の2008年の泡沫、とてもとても元気!


ドゥ・ヴノージュ初体験の受講生が多かったので、年明けのアイテムとして新鮮味がありました!
下半期の講座もあと2回。3月の内容は決めているので、2月は久々に講座生の皆さんからのリクエストを募ろうと思っています。引き続き、ワクワク感のある2時間にいたします!

■ドゥ・ヴノージュについてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ株式会社
℡0766-72-8680

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フードペアリングセミナー by Taste Napa Valley 2019 [来日したワイン生産者&関係者]

Taste Napa Valley 2019
2年に1度、カリフォルニア・ナパヴァレーのワイン生産者が来日して行う“Taste Napa Valley”、該当年の今年はNapa Valley Vintners (NVV) に加盟している31社が来日し、1月15日から5日間にわたり、東京、大阪、京都で業界関係者および一般消費者向けの20のイベントを実施、気合の入ったNVV週間になりました!

私は15日に開催されたエンパイアステーキハウス六本木でのバイザグラス・アンコールフェア2018授章式&アンバサダーランチ、16日のパラッツォドゥカーレでの東京トレードテイスティング&第1回ナパ・トリビア王決定戦、そして17日のビストロ・バーンヤード銀座での『フードペアリングセミナー(試食・試飲付)』の3日間お付き合いさせていただきました。
ナパヴァレーの約550のワイナリーが加盟する非営利生産者団体

フードペアリングセミナー@Bistro Barnyard Ginza

(左から)
クリフ・レイディのレミ・コーエン副社長、フープスのマークさん、小枝絵麻NVV駐日代表、キーナン・ワイナリーのレイリ―・キーナンさん、ケークブレッド・セラーズのブルース・ケークブレッド社長、サン・スペリー・エステート・ヴィンヤーズ・アンド・ワイナリーのエマ・スウェインCEO

各ワイナリー提案のメニューと合せて


ワインを料理に合わせる時に、NVVではペアリングの“方程式”を用いています。
今回のセミナーでは、生産者が現地で実際に合わせている料理のレシピを日本に送り、それを再現して検証しました。モデレーターを務めたのはワイン&フードコンサルタントでNVV駐日代表の小枝絵麻さん。小枝さんはナパヴァレーにあるアメリカ最高峰の料理大学として知られているCIA(The Culinary Institute of America)での学習と、ワイナリーシェフインターンの経験を生かしてセミナーを展開しました。

(左から)
#1:Cliff Lede Vineyards (Sauvignon Blanc 2017) × Citrus glazed hamachi crudo with avocado
2001年にスタッグス・リープ地区に設立、ボルドー品種に特化。樹齢の古いSB86%にセミヨン12%とソーヴィニヨン・ヴェール2%をブレンド、発酵にコンクリートエッグ、使用したフレンチオーク、ステンレスタンクの3容器を使うことで複雑味を表現

#2:Hoopes Vineyard (Chardonnay 2017) × Bistro jeanty's cream of tomato soup with puff pastry
1980年代にオークヴィルにぶどう樹を植樹、初ヴィンテージは1998年。温暖なエリア、このCHは発酵・醸造ともステンレスタンクのみ。2012年から女性醸造家が参画。愛犬の姿をあしらったラベルにも注目

#3:Long Meadow Ranch Winery (Merlot 2015) × LMR grassfed beef meatballs with spiced tomato marmalade
標高300㍍の冷涼なラザフォードと温暖なヴァレーフロアの2つの畑のメルロをブレンド。「ミッドパレットに感じるチェリーやラズベリーのニュアンスはヴァレーフロアに由来」とクリスさん

#4:Keenan Winery Mailbox Vineyard Reserve (Merlot 2014) × Coloradito mole with salsa de chile ancho chile
1974年創業、現在3代目。スプリングマウンテン地区にあり、標高の一番高いところは600㍍で23度の傾斜。畑は霧の上に位置し冷涼ながら、太陽の恩恵も受ける。黒系果実やスパイスの要素、古典的なメルロ

#5:Cakebread Cellars Vine Hill Ranch (Cabernet Sauvignon 2001) × Red wine braised short ribs with shaved garden vegetable & herb salad
1973年創業、「わずか数樽からスタートしたワイナリー」とブルースさん。『ヴァイン・ヒル・ランチ』は栽培家のフィリップス家がマヤカマス山麓に所有する単一畑で、ケークブレッドでは1981年以来、このワインを生産。

#6:St. Supéry Estate Vineyards & Winery Dollarhide Vineyard (Cabernet Sauvignon 2014) × Aka miso braised pork belly
すべて自社畑、ナパヴァレー北東のヒルサイド約335㍍に位置する単一畑ダラーハイドのカベルネは1982年に植樹。サン・スペリーは2008年にナパクリーンランド、2012年にナパグリーンワイナリーの認証を取得

ペアリングの方程式


左(ライト/1点)→中央(ミディアム/2点)→右(フル/3点)となり、食材、調理法、味付けもそれに順ずる。一例として、食材が野菜(1点)+調理法がてんぷら(2点)+味付けが塩(1点)なら計4点になるので、ワイン+ブリッジの項にある3~5点のなかの泡、SB、CHがおすすめ。その際、記載してあるブリッジ食材を活用することで、ワインとの相性がより良くなる。

表はクリックで拡大

























(C)Napa Valley Vintners (C)Ema Koeda



セミナーに参加した6ワイナリーのメンバー
後方のパネルは第1フライトの『ハマチ(脂分があるので2点)+生(1点)+塩(1点)』について記載。クリフ・レイディのソーヴィニヨン・ブラン(SB)と合せて



当初のレシピは唐辛子入りだった由。小枝さんは唐辛子ではなく、ブリッジ食材として「シソと生姜」を使用。お皿の中央にシソ、生姜はみじん切りにしてはっさくの上にまぶして。#1のワインを口に含み、アボカド、ハマチ、はっさくを同時に食すと、中盤以降、はっさくの味わいに続いて生姜の風味が広がり、ワインの果実味をより膨らませてくれる印象。
私感:SBの隠れた要素を引き出す生姜とのペアリング再発見!



ライムとレモンのどちらの酸がSBの酸に合うかとの実験で・・・ライムをかじってから少しだけ塩をなめてワインを試飲、同様にレモンも試してみると、ライムのほうが素直に馴染み、余韻にも広がりが。レモンだと柑橘系果実の内果皮のビター感が出ます。



ナパで著名な『ビストロ・ジャンティ』のレシピをセミナー時に再現、美味!
トマトスープの酸と白ワインの酸のペアリング。パイシートを使うことで、シャルドネに由来する蜂蜜やバターの要素が繋がり、パイシートに少しだけ、ブリッジ食材のレモンを搾って食すことでバランスが良くなる印象。
私感:ステンレスのみより、樽(新・旧)を使用したシャルドネのほうがスープのコク、パイシートとの組み合わせが楽しめたような・・・



シャルドネの酸はライムよりレモンのほうが好印象
ちなみに、小枝さんは和風柑橘を代表する“柚子”に関して「樽の風味を抑え、シトラスのニュアンスを前面に出すことができる食材。酸のあるSBには、柚子の皮を加えることで香りにも味わいにも複雑味が加わる」と参加者に伝授



ロング・メドウ・ランチはワインだけでなく、農業(野菜、牛や羊の飼育、養鶏、養蜂等)も手掛け、レストラン『Farmstead』も経営。ペアリングに関してはエキスパート!
ミートボールだけを食してみると淡白な印象になるのですが、トマトマーマレードが加わるとワインの果実味が増し、ナイスハーモニー。ブリッジ食材としてのラスエルハヌートスパイス(コリアンダー、キャラウェー、クローヴ、ローズバッド、シナモン、胡椒、生姜)がメルローのハーブ感とも相乗。
私感:所有するレストラン『Farmstead』では、マーマレードは甘さだけでなく、香りも十分に生かされているとのこと。ナパで人気の甘辛ソースの魅力を垣間見た気がしました。万人受けするペアリング、これはおすすめ!


コロラディート・モレ(甘味を抑えたチョコレート・ソース)と辛みの利いた唐辛子のソース(左)
※現地では唐辛子を焦がして使いますが、日本では同種の唐辛子が入手できなかったので辛さと風味の度合いは若干違っていたと思います。


ビーフストックをブリッジ食材にして3時間じっくり煮込んだ逸品


熟成したナパのカベルネとシンプルながら味わい深い家庭料理とのペアリング


食材は豚バラでブリッジ食材はココアパウダー(コーヒー粉)、赤味噌、たまり醤油



脂身と赤身、各部位に分けて#6のワインに合せてみると、赤身はスパイスの風味、脂身はカベルネの酸を感じ、様々な味わいや香りを堪能できました。
私感:脂身は熟成したケークブレッドのカベルネとの相性も◎。また私的に試して面白かったのは、サン・スペリーと4番目のメキシコ料理。メルロだと唐辛子の辛みが舌の上にいつまでも残り、気になったのですが、サン・スペリーのカベルネは唐辛子と相乗。コロラディート・モレ、タンニン、唐辛子(カプサイシン)の3つのポリフェノールと、ワインの乳酸(MLF)効果で、メルローの時よりスムース感あり

登場した6アイテム

(左から供出順に)
#1:2017 Cliff Lede Vineyards Sauvignon Blanc,Napa Valley
#2:2017 Hoopes Vineyard Chardonnay,Yountville
#3:2015 Long Meadow Ranch Winery Merlot, Napa Valley
#4:2014 Keenan Winery Merlot, Spring Mountain District
#5:2001 Cakebread Cellars Cabernet Sauvignon, Oakville
#6:2014 St. Supéry Estate Vineyards & Winery, Dollarhide vineyard Cabernet Sauvignon,Napa Valley


左から#1から#6

NVVのペアリングの方程式は昨年6月の現地訪問でも体験できましたが、今回はお料理が本格的で多くの学びがありました。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!

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三国ワイン主催でチリ・ウンドラーガ社ラファエル・ウレホラ来日セミナー@チリ大使公邸 [来日したワイン生産者&関係者]

1885年創業、6世代にわたるウンドラーガ

(左から)輸入元三国ワインの須佐敏郎社長、ウンドラーガのラファエル・ウレホラ ヘッドワインメーカー、通訳兼コメンテーターを務めた『チリ最優秀ソムリエコンクール2017』 第2位の稲岡美里氏、ウンドラーガのアクセル・バデアジア・パシフィック担当輸出マネージャー

10月最終週はエデュアルド・チャドウィック氏とのディナー翌日に、ウンドラーガ社のラファエル・ウレホラ が来日し、セミナーでワイナリーの沿革やワイン造りの哲学を語りました。まさにチリ週間!
冒頭、須佐社長は「2015年に4,000ケースから輸入を開始したのですが、2017年には1万ケースをクリアし、2018年の1~10月の販売数量は前比40%増。極めて好調な動きです」とコメントしていました。

会場は駐日チリ大使公邸

エントランスにはチリの紋章



グスタボ・アジャレス駐日チリ大使は所用のため、不在でしたが、マリア・イザベル・コンポス夫人が笑顔でお出迎えしてくださいました。大使の代理として同席なさったのは商務部 チリ貿易振興局 日本オフィス商務参事官ハイメ・リベラ氏。日本語を交えながら「ウンドラーガはチリで130年以上の歴史があり、ワイン産業をけん引してしてきた造り手であり、スティルワインだけでなく、スパークリングワインの生産にも力を入れています」とご挨拶。


ラファエル氏は2007年からウンドラーガ社に参画し、テロワール・ハンターのワインメーカーを務めています。ビオディナミの大家アルバロ・エスピノサ氏からワイン造りに関してアドバイスを受けていますが、ウンドラーガ自体はビオディナミは導入していません。今後の目標として、「安価なイメージを払拭して、チリワインの高品質&プレミアムなワインを浸透させていきたい」とコメント。
ラファエル氏は、ティム・アトキン マスターオブワインチリ2017スペシャル・リポート(英・評論誌)で『ワインメーカーオブザイヤー』を受賞、ドリンクビジネスマガジン(英・酒類飲料業界紙)からは2014年に『注目の若手ワインメーカー30人(40歳以下)』に選出されていて、他にも数多くの受賞歴をお持ちです。

ウンドラーガ社の沿革
フランシスコ・ウンドラーガ氏によって1885年に創立されたチリ最古のワイナリーのひとつ。拠点はマイポ・ヴァレーで銘醸7地域に8つの自社畑、計1359㌶を所有。品種の個性、多様なテロワールを駆使して、カリテプリなタイプから高品質なワインまでを生産しています。ぶどう樹は25年から100年までの古樹で自根。チリでの輸出実績は現在第12位、輸出相手国は70ヵ国以上。ウンドラーガファミリーは2006年に新しい取り組みとしてビオディナミとオーガニック農法に特化したプレミアム・ワイナリー『コイレ』を設立。

スパークリングワインは1910年から手掛けており、スパークリングメーカーのリーダー役でもあります。アドバイザーは元モエ・エ・シャンドンのワインメーカー&農学者のフィリップ・クーロン氏。シャルマ製法によるカジュアルなタイプから瓶内2次発酵の本格的なタイプまで多様なスタイル。使用ぶどう品種はシャルドネとピノ・ノワールのみ。

テイスティングは5アイテム

#1:スパークリング スプレーメ
産地:レイダ・ヴァレー、ぶどう品種:シャルドネ65%、ピノ・ノワール35%、リザーブワイン30%(直近3-5年)、ドザージュ5-6g/L
参考小売価格3,000円(税別)
瓶内2次発酵によるレンジ『スプレーメ』は冷涼エリア、レイダのぶどうを使用。柑橘系果実、白桃、石灰質土壌由来のミネラル、軽いビター感、口中ドライで、余韻に切れの良い酸、重すぎず軽すぎずのスタイル

テロワール・ハンターシリーズ
新たなプレミアムワインを創造するプロジェクト“T.H.テロワール・ハンター”は品種の個性を表現するために最適な土壌、マイクロクライメットをリサーチし、実験を重ねて完成させたウンドラーガ渾身のワイン。産地は10ヵ所、品種は18種、区画は全て7㌶以下

#2:テロワール・ハンター ソーヴィニヨン・ブラン レイダ2015
産地:レイダ・ヴァレー、ぶどう品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
参考小売価格3.500円(税別)
和風柑橘(柚子、スダチ)、ライチ、南国果実、味わいにグレープフルーツの内果皮、中盤から果実の広がり。ラファエル氏いわく「レイダの石灰質土壌なので、フルーツ感と複雑味を併せ持ち、熟成とともに塩味も感じるはず」。

#3:テロワール・ハンターカリニャン マウレ2013

産地:マウレ・ヴァレー、ぶどう品種:カリニャン100%
参考小売価格3,500円(税別)
サンチャゴから南に400kmに位置するマウレ・ヴァレー。ぶどう樹の樹齢は70年、畑は非灌漑。「カリニャンは表情力豊かで酸も豊か、バランスの良いものが取れます」とラファエル氏。さくらんぼ、アメリカンチェリー、ドライフラワー、スパイス、ミネラル、アーシー。果実味、酸味、渋味のトライアングル、まるい味わい。

#4:テロワール・ハンター カベルネ・ソーヴィニヨン アルト・マイポ2015
産地:マイポヴァレー、ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
参考小売価格3,500円(税別)
標高700~800m、アルト・マイポの冷涼なエリア“ピルケ”の畑のぶどうで樹齢30年。果粒は小さく凝縮したタイプ。酸味を残すため収穫は早めに実施。樽熟(新樽率30%)14ヶ月、クラシックなカベルネ、飲んでリフレッシュできるワイン

#5:アルタゾール2014
産地:マイポ・ヴァレーぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン82% カルメネール10% カリニャン8%
参考小売価格10,000円(税別)
ウンドラーガのアイコン・ワイン『アルタゾール』はチリの詩人ビセンテ・ウイドブロ氏の詩集名に由来。「ブレンド比率は年によって異なりますが、ワインに骨格やバランスを与えるCSは通常80~90%使用。スパイスやタバコのニュアンスはカルメネール、赤系果実やフレッシュ感、エレガントさを与えているのはカリニャン」とラファエル氏。樽熟16ヵ月、瓶熟24ヵ月。イチゴ、ミント、甘草、シダ、黒鉛、タバコ、複雑味&余韻。生産量12,000本、飲み頃は2024~2026年


セミナー後はカクテルパーティー





抽選でスペシャルプレゼント


招待された得意先やプレスが入場の際に渡した名刺を抽選箱に入れてのお楽しみタイム
ラファエル氏から「チリから持ってきた『テロワール・ハンター カベルネ・ソーヴィニヨン アルト・マイポ2014 マグナム』を2名の方にプレゼントします」とのアナウンスがあり・・・


まぁ、なんとなんと、ワインの天使が私に微笑んでくれました[プレゼント]
ラファエル氏からサインもしていただきハッピー
マグナムサイズなので、しばらくセラーで寝かせておきます、ありがとうございました!

最後に感謝を込めて

SENA 100 POINTS CELEBRATIONにご臨席なさった大使ご夫妻(2018年3月

アジャレス大使から11月9日@チリ大使公邸でのお別れ会に招待されていました。
シャンパーニュ研修ツアーと重なっていたので参加することができなかったのですが、大使は12月に日本を去り、インドネシア在チリ大使として赴任なさいました。日本滞在は約2年程でしたが、公邸でのランチやディナー、ミシェル・バチェレ大統領来日の折の朝食会にもお声掛けくださり、光栄なるひとときを共有させていただきました。マリア夫人はお鮨が大のお気に入り。料理もお得意で、私は手作りのパンをご馳走になりました。日本&日本食を愛していたグスタボ・アジャレス駐日チリ大使とマリア夫人にこころから感謝しています。インドネシアでのご健闘を願っております。
今回、公邸でのセミナーにお招きくださった須佐社長はじめ、三国ワインの皆さまにも、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!

■ウンドラーガについてのお問い合わせは三国ワインまで
Tel:03-5542-3941/Fax:03-3552-0392
URL:https://www.mikuniwine.co.jp/
■Viña Undurraga
URL:https://www.undurraga.cl/

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エデュアルド・チャドウィックE・Chadwickとスティーヴン・スパリュアS・Spurrier両氏が発信する“Into the Future” [来日したワイン生産者&関係者]

昨秋は多くのワイン関係者の来日やシャンパン講座初の研修ツアーもあり、貴重な話をたくさん伺うことができました。リポートアップがなかなか追いつかない状況ですが、早めに行動すべく頑張ります!
まずは、新年に相応しいタイトル“未来へ向けて”と銘打ったイベントから始めます。

未来へ向けて


昨年、英国デキャンター誌の“デキャンター・マン・オブ・ザ・イヤー2018”に選ばれたチリ『エラスリス』のエデュアルド・チャドウィック当主。その前年(2017年)の受賞者『アカデミー・デュ・ヴァン』の創設者スティーヴン・スパリュア氏。2004年のベルリンテイスティング以来、親交篤いおふたりがタッグを組み、2018年6月にロンドンとパリで、“Into the Future(未来へ向けて)”と題するイベントを開催しました。
チリから「秋には中国(北京)と日本(東京)でもやりますよ」という連絡を受けていたので楽しみにしていました。そして・・・昨年10月の最終週、おふたりが来日。東京でマスタークラスセミナーと記念ディナーを行いました。

Into the Futureとは

#1:ブライド・ヴァレー ブラン・ド・ブラン2014(英国産スパークリング)
#2:ラス・ピサラス・シャルドネ2017
#3:ラス・ピサラス・ピノ・ノワール2017
#4:ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ2016
#5:セーニャ2016
#6:ヴィニェド・チャドウィック2016
#7:ブライド・ヴァレー ロゼ・ベラ2014(英国産スパークリング)

供出アイテムは英仏の2都市で行った時と若干異なり、スパリュア氏は英国産スパークリングを2種。私はディナーのみに参加したので、氏とはお目にかかれませんでしたが、新登場のロゼ泡は体験できました。
相方のチャドウィック氏はアコンカグア・コスタの秀逸なシャルドネとピノ・ノワールを披露。さらに2016年ヴィンテージのリリースにあたり、3つのアイコン・ワインを同時に紹介するという過去にない内容でした。

来日記念ディナー@帝国ホテル レ・セゾン


チャドウィック:スパリュア氏が南ドーセットで手掛けているスパークリングワインです。英国は地球温暖化の好影響で有望な産地になっており、英国産スパークリングは未来の産地として注目できます。


3つのアイコン・ワイン!
(左から)ドン・マキシミアーノはレ・セゾンの伊藤靖彦ソムリエ、マギー嬢、ヴィニェド・チャドウィックはチャドウィック氏、セーニャはヴォワザンシェフが手にしています。

チリワインの凄さを世界に知らしめたチャドウィック氏は次なるステップを「テロワールの表現」とコメント。今回愛娘4人のなかの長女マギーさんを同行し、同席メンバーに「マギーは弊社のブランドアンバサダーであり、未来へ向けての存在そのもの」と紹介していました。エラスリスの新たなる発展、未来への動きです。
https://twitter.com/errazurizwines/status/1057014358881038341


ティエリー・ヴォワザンシェフの極上料理に合わせて

鱒とハーブのアミューズ・ブッシュに合わせたのは『ブラン・ド・ブラン2014』

私が初めてブラン・ド・ブランを味わったのは2016年9月で、ヴィンテージは2013年、ナビゲーター役はスパリュア氏でした。
1990年代初め、英国産スパークリング『ナイティンバー』が話題になり、英国ではその後、次々に素晴らしい泡ものが登場。スパリュア氏は2007年にV&Sでジャン=シャルル・ボワセ氏と出会い、その縁でプロジェクトを立ち上げ、スパークリングワイン造りに着手。奥様が南ドーセットに購入した土地に、2009年ぶどう樹を植樹。ボワセ氏の協力のもと、ブラン・ド・ブランを生産。南ドーセットは冷涼気候でシャンパーニュ地方と同じ石灰質(チョーク)土壌です。 「フレッシュで、白い花を彷彿とさせるアペリティフに合うスパークリングワイン」が理想と語っていました。

昨年10月末に試飲した2014年ヴィンテージは明るいレモン色、白い花、白桃、白胡椒、青リンゴのニュアンス、爽快&軽快な味わい、中盤以降に広がるミネラルがアミューズブッシュの塩味と相乗して◎

アコンカグア・コスタの“ピサラス”という名のワイン
ピサラスとはスペイン語で粘板岩を意味しています。「ブルゴーニュの地質調査の専門家フランソワーズ・バニエ - プチ女史に依頼して、特に片岩の多い場所をリサーチしました。根が深く伸びるので、ミネラル豊かで、自社畑の中のグラン・クリュと言える場所です」とチャドウィック氏。土地を購入したのは2005年で、すでに13年経過しています。土壌の名をワイン名にしたのは、エラスリスが追及している“テロワールの反映”、未来への思いを重ねています。
ヴィンテージは2017年、この年は2016年より日照度があり、収穫も3月第1週と少し早目でした。果実の凝縮感と骨格、深み、ミネラルを備えたワインで、生産本数は6000本のみ。


シャルドネは早朝収穫し、丁寧な選果後、ソフトに圧搾、100%全房、天然酵母、36日間の醸し、MLF35%(年によって異なる)、樽熟成9ヵ月、フレンチオーク100%(新樽15%、使用樽2~3年85%)、アルコール度数13%、チャドウィック氏は「石灰やレモンのキャラクターが特徴。パーカーポイント98点でチリ最高の白ワイン」とコメント。
私感:ブルゴーニュ型の大ぶりのグラスで、温度変化や層になって広がる香りや味わいを満喫。ピュアでエレガント、卓越したミネラル感、守備範囲の広いワイン。


セープ茸のカプチーノイベリコ産生ハムをあしらって
ティエリーシェフのスぺシャリテとも言える逸品
私感:スープの滑らかさと旨味、ハム由来の塩味をワインが優しく包み込む至福のマリアージュ、美味!

ブルゴーニュに拮抗しうるワイン


チリの赤ワインと言うと、カベルネやカルメネールを思い浮かべますが、1990年初頭から、海に近い冷涼なコースタルリージョンでのワイン造りが始まりました。カサブランカを筆頭に、レイダ、サン・アントニア、リマリ等。アコンカグア・コスタで最初にワイン造りをしたのはエラスリスで、畑に片岩が多いのが特徴です。2017年は4番目のヴィンテージになりますが、年々品質が向上していて、このワインにはときめきを感じました! 
点数評価を書くのは本意ではないのですが、ジェームス・サックリングはファーストヴィンテージの2014年に98点、2015年に99点、2016年に99点、2017年に98-99点を付けています。


ケース買いして毎年経年観察したくなったピノ、今飲んでも熟成させても美味!

ぶどうは除梗80%、全房20%。厳しい選果の後、低温での醸し、小型の開放式発酵槽へ。発酵後も醸しを継続、樽熟成13ヵ月、フレンチオーク100%(新樽35%)、アルコール度数13%


フォアグラのソテー フヌイユ(フェンネル)と青梅
私感:歯ごたえの異なる食材(ふわふわのフォアグラやフェンネル)や味覚の違い(ソテーの甘味や梅の酸味)を堪能。果実味と酸味ときめ細かなタンニンを備えたバランス感覚抜群のワインとの相性も◎

2016年ヴィンテージの同時披露
来日記念ディナーで、チャドウィック氏は、『ヴィーニャ・エラスリス』、『ヴィーニャ・セーニャ』、『ヴィーニャ・チャドウィック』の各アイコン・ワインの新ヴィンテージ2016年を同時に披露しました。2016年は直近の10年間で最も冷涼。ぶどうが熟すのに時間を要しましたが、「暑い年より涼しい年のほうが、自分が求めるワインスタイル(フィネスとエレガントさ)が表現できる」と語りました。


ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ2016

ヴィーニャ・エラスリスのフラッグシップワイン。創始者ドン・マキシミアーノは1970年にはカベルネ・ソーヴィニヨン100%でワイン造りをしていました。海から65㎞内陸に位置し、ワイナリーを取り囲むようにぶどう畑(MAX1~7)があり、砂利の多い場所にはカベルネ・ソーヴィニヨン、粘土の多い場所にはカルメネール、海岸寄りの冷涼エリアにはソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールを栽培しています。

産地:アコンカグア・ヴァレー、ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン69%、マルベック12%、プティ・ヴェルド8%、カルメネール8%、カベルネ・フラン3%、樽熟成22ヶ月、フレンチオーク100%(新樽65%)、深紫の色調、アロマ豊か、カシスやココア、ブラックチェリー、ブルーベリー、スパイス、シルキーなタンニン、口中滑らかで甘やか


縞鯵の炭火焼き 甘草を香らせたポロネギ モワルのベニエ ソースジェヌボワーズ × セーニャ2016


セーニャが誕生したのは1995年で、最初はヴィーニャ・エラスリスが所有する畑のぶどうから造りました。その後、海から40kmの場所に45㌶の畑を購入。岩が多く、カベルネ・ソーヴィニヨンやカルメネールが成熟する畑、2005年からビオディナミを導入。

産地:アコンカグア・ヴァレー、ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン55%、マルベック20%、プティ・ヴェルド 12%、カルメネール8%、カベルネ・フラン5%、樽熟成22ヶ月、フレンチオーク100%(新樽73%、使用樽15%、フードル12%)、フローラル&フェミニンなワイン、「2015年は100点満点でしたが、個人的には2015年より冷涼年の2016年のほうが好み」とチャドウィック氏


雷鳥のインペリアル風 × ヴィニェド・チャドウィック2016

チリ最高のカベルネ

ヴィニェド・チャドウィック2016

アコンカグア・ヴァレーから南に100km、マイポ・ヴァレーにあるプエンテ・アルトはチリの伝統的なぶどう品種カベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地。1880年代からぶどう生産をしていました。1992年、チャドウィック氏は父親がリタイアした後、会社に入社。かつてのポロの競技場だった場所が現在チリ屈指のぶどう畑になっています。 
産地:マイポ・ヴァレー プエント・アルト、ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン97%、プティ・ヴェルド3%、樽熟成22ヵ月、フレンチオーク100%(新樽80%、使用樽10%、フードル10%)、アルコール度数13%、フレッシュさと品の良いエネルギーを備えたチリの逸品、最もこころ惹かれたワイン!


(左から)
英国産スパークリングのブラン・ド・ブラン2014、ロゼ・ベラ2014、ヴィニェド・チャドウィック2016、セーニャ2016、ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ2016、ラス・ピサラス・ピノ・ノワール2017、同シャルドネ2017


ベルガモットを香らせた葡萄のソルベ × ブライド・ヴァレー・ロゼ・ベラ2014
“ベラ”はスパリュア氏の妻の名前。2014年ヴィンテージはこの100年間で2番目に温かかった年で、果実味、糖分、酸味ともに満足できるものでした。ピノ・ノワール58%、ムニエ17%、シャルドネ25%で、製法はブレンドではなく、マセレーション。色調は深みのあるオレンジ、泡はスムース、野イチゴ、切れの良い酸味、若干タンニンのニュアンス、軽快な印象。


カシスのジュレとフロマージュブランを合わせた葡萄


エラスリスの看板娘マギー嬢はラス・ピサラス・ピノ・ノワール2017
私はスパリュア氏のロゼ・ベラ2014を持って“Into the Future”にエールを送りました!

[わーい(嬉しい顔)]嬉しい情報
エラスリスのセラーで瓶内2次発酵のスパークリングワインがまどろんでいます。シャルドネとピノ・ノワールのブレンド、シャルドネ100%のブラン・ド・ブランの2タイプで、今年か来年リリースされる予定です。
正式な時期はエラスリスのテクニカル・ディレクター、フランシスコ・ベッティング氏と輸入元ヴァンパッションの川上大介氏による利き酒と話し合いで決まる模様。ラス・ピサラスの畑の秀逸なぶどうから造られるので、期待が高まります。エラスリスからデビューする2種の泡ものも、Into the Futureです!

関連ページ
Look Back in Wonder
~1976年パリ・テイスティングと2004年ベルリン・テイスティングを振り返る~
https://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2016-09-23
■Viña Errazuriz ヴィーニャ・エラスリス
URL:http://www.errazuriz.com/en/

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新年のご挨拶はローラン・ペリエ『キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ1998』と共に! [ごあいさつ]

あけましておめでとうございます!

2019年の口開けのシャンパンは・・・キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ1998!


色で合せるマリアージュ、ロゼと海老の甘煮、納得の相性


初日の出色!
気泡は規則正しい列をなし、グラス表面の泡沫は幾重にも輪を広げて綺麗
ひとことで表現すると“エレガント”、泡はワインに溶け込み、口中クリーミー、赤い果実、アプリコット似の酸味、ピンクペッパー、軽いタンニン、グラス内の温度変化を楽しみたいアイテム
グラスはリーデルのハンドメイド、羽根のように軽い『スーパー・レジェーロ』

Laurent-Perrier playback
ローラン・ペリエ(LP)にお世話になった出来事、平成の10年間をプレイバック
LPがスポンサーだった日本と遊ぼう@平等院鳳凰堂、素晴らし過ぎました!


2009年、世界遺産の平等院鳳凰堂を借り切った贅沢なイベント


壮観!グラン・シエクルのマグナムを手にしたソムリエ軍団


ディナーでは京都の芸者さんとご一緒するチャンスもあってハッピー!


2009年にLPの推薦でシュヴァリエを受章
シャンパン・ラブの私にとって身に余る光栄な出来事!


2012年のオフィシエ受章もローラン・ペリエの推薦、貴重なるひと時

2013年ローラン・ペリエ創業200周年@フランス大使公邸

LPの輸入元サントリーワインインターナショナルの八木社長(当時)&アレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール当主。アレクサンドラさんは「200年という歴史を持つ若いメゾン」と挨拶

北野武さんがオフィシエ・ドヌールを受章した第5回シャンパーニュ騎士団

2014年、ローラン・ペリエの推薦で『オフィシエ・ドヌール』を受章なさったたけしさん
櫻井社長(当時)やLPのインターナショナルキーアカウントマネージャーのジャン・クリさんたちと一緒のメインテーブルに。私も同席でハッピー!


第6回(2015)シャンパーニュ騎士団@マンダリンオリエンタル東京、伊藤寿彦ソムリエのお顔も


第7回(2016)シャンパーニュ騎士団@ハイアットリージェンシー京都
LPアンバサダー、フィリップ・ソーゼットさんと輸入元サントリーワインインターナショナルの山崎社長(当時)


特別供出されたキュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ2004


“舞”をテーマに華麗な回になった第8回(2017)シャンパーニュ騎士団@ウェスティン東京
LPアジア総括ディレクターのマルセルさんと日本・韓国担当のギヨームさんも来日


メゾンのイメージアイテムは白のカラー

白いカラーのイメージはLPのシャンパン同様にフィネス、エレガンス

江戸料理とのマリアージュを披露

2017年11月、manner-BOの大竹奈穂子主宰からのお申し出を受けて開催した浅草・江戸料理店『一直』では、LPのジャン・クリさんとギヨームさんの“男気”で、なんとなんと


看板アイテム『ラ・キュベ(750ml)』と『ウルトラ・ブリュット』『ロゼNV』『グラン・シエクル』の3アイテム(すべてマグナム)のサポートがあり、フィリップアンバサダーと尊敬する剣持ソムリエのサービスで素晴らしいイベントになりました。
ありがとうございました!


2018年はロゼNV誕生50周年記念年

多忙な時間を割いて来日なさったアレクサンドラ当主@フィリップ・ミル

名古屋初開催のシャンパーニュ騎士団

2年前の京都に次いで第9回(2018年)の会場はランスの姉妹都市名古屋
宮下社長とシュヴァリエ受章のニューオータニの鎌倉勝也レストラン総括マネージャーと

平成最後の11月は講座生と現地へ

アレクサンドラさんは風邪気味だったのでお目にかかれなかったのですが、最高のおもてなしに全員感激!

純白のクリスマスカード

アレクサンドラさんとジャン・クリさんとギヨームさん各人自筆の素敵なメッセージのカード。メンバー全員で撮った写真も喜んでいただきました。

この10年にいただいたローラン・ペリエからのホスピタリティーに感謝でいっぱいです。

2019年もブログでの情報発信&シャンパン伝道、頑張ります[わーい(嬉しい顔)]
引き続き、よろしくお願いいたします!!

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