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醸造家レベッカ・ワインバーグが語ったクインテッサの最新VT2020とワイナリーの取り組み [クインテッサ]

     Beyond Bordeaux Tokyo 2023でクインテッサ2020を先行試飲
 
黒系果実、スパイス、ドライハーブ。マスキュランかつ繊細さを持ち合わせたタンニン、ミネラル、バランスの良さを伴って広がる余韻。2017年ヴィンテージから現地と繋いで、最新情報を伺いつつ、先行試飲してきたクインテッサ。年々酒質の向上を実感しています。
 
                 🍷 🍷 🍷


今年は9月22日にオンラインインタビューをさせていただきました。
2年続きで、レベッカさんが対応してくださったので、昨年のリポートをご覧いただくことで、クインテッサの魅力がより鮮明になると思っています。宜しくお願いします!

                
       クインテッサから届いた2020VT
       【Quintessa2020/クインテッサ2020 375ml
       収穫時期:9月3日~9月26日
       醸し期間:果皮と共に平均20日
       オーク樽:フレンチオークの新樽60%
       熟成期間:22カ月
       Alc度数:14.5%
       瓶詰時期:2022年7月
       ぶどう品種:87%カベルネ・ソーヴィニヨン、7%カベルネ・フラン
             4%カルメネール、2%プティ・ヴェルド


 
2020年ヴィンテージは、乾燥した冬の後、春は温暖な気候で、3月下旬には芽吹き開始。ぶどう樹の成長も早く、糖度も蓄積され、小粒で高いレベルのタンニンを備えたぶどうを収穫。ほとんどの収穫を終えたのは9月26日でしたが、その翌日27日にグラス・ファイアがあり、穫み残していたぶどうにはスモークテイント(煙害)の影響が出たとのこと。


2020年の山火事
山火事は、通常だと、収穫を終えた10月頃なのですが、2020年は8月下旬と9月下旬の2回発生しました。幸い、1回目は煙が高く舞いあがっていたので、ぶどうに影響はなかったのですが、2回目のグラス・ファイアは、クインテッサがあるラザフードにも近かったので、穫み残したぶどうに煙害が[ふらふら]

■2020年ヴィンテージは9月26日までに収穫したぶどうを使用
■煙害対策は、2022年のリポートに記述した通り、コンテナー内にオゾンを充満させ、煙の分子を分解させようと一晩の静置を試みましたが、「思っていたほどの効果はなかった」とレベッカさん。煙害に関しては、3年前にはほとんど調査がなかったので、当時は手繰り状態での対応だったようです。2020年は温暖だったので収穫が早くスタートし、最終的に、煙害無しのぶどうだけで醸造できた由


 土壌へのさらなる取り込み
 source: Quintessa
 (画像中央)池の右側マウスポインターのある場所がドラゴンズ・ブロック

 source: Quintessa
(地図の右上)池の上部ポインターで示した場所がドラゴンズ・ブロック、ヴァカ山脈側


以前からの取り組みをさらにバージョンアップ。
昨年から開始した調査には、テロワール研究の第一人者アメリカ人のブレンナ・クイグリー女史、チリの地質学者ヘドロ・パラ氏がチームに加わっています。具体例としては、上記のドラゴン・ブロック。今までは一つのブロックとして見ていたエリアですが、調査・分析で、ふたつの異なる地質があることが判明。現在、その分析に基づいて、4区画に分けて、剪定や灌漑等の方法を変えながら、新たな取り組みをしています。ドラゴン・ブロックはクインテッサのメインとなるぶどう畑なので、今後、さらなる酒質の向上に期待!!


                  🍷 🍷 🍷



        こころ惹かれたイルミネーション2022
       【Illumination2022/イルミネーション2022】
        アペレーション:45%ナパ・カウンティ / カリストガ
                55%ソノマ・カウンティ / ベネット・ヴァレー
        収穫時期:8月22日~9月22日
        Alc度数:14%
        瓶詰時期:2022年7月
        ぶどう品種:50%ソーヴィニヨン・ブラン・ムスケ(SBの亜種)
              33%ソーヴィニョン・ブラン
              17%セミヨン

ナパは温暖で朝夕の日較差が大きいのが特徴。ソノマは霧の影響下にある冷涼な地域。2つの産地のぶどうを手摘み収穫、全房発酵で醸造。容器は60%が使用樽、15%がステンレスタンク、20%がコンクリートエッグ、フレンチオークの新樽1%、アカシアの新樽4%の5種を使用、とてもユニーク!

ぶどうの半分以上はソーヴィニヨン・ブランの亜種ムスケで、この品種からはシトラスフルーツやストーンフルーツのニュアンスが。セミヨンを使うことで、ワインにまるみが加わります。イルミネーションを味わった時に感じる柑橘果実の内果皮似のビターさは様々な料理と合わせて楽しみたくなります。


 source: Quintessa ボルドーのネゴシアン経由で流通、日本ではファインズの取り扱い


今年の収穫は
オンライン当日の9月22日からイルミネーションに使うソーヴィニヨン・ブランの収穫が始まった由。2023年は冬から春にかけて多雨。2021年と2022年が干ばつだったので、雨によって土壌は潤い、復活したようです。夏は暑くもなく熱波もなかったので、特筆出来るヴィンテージになりそうとレベッカさんは力説していました。

レベッカさんからクインテッサ・ファンにメッセージ
クインテッサのワインを味わった瞬間、ナパにトランスポートして欲しいですし、イルミネーションを口にした時にはカリファルニアの太陽を感じて欲しいです。ワインからクインテッサの複雑なテロワールを感じ取っていただけると嬉しいです。


      マリアージュ探求
      石鯛のお造り × イルミネーション2022
      フレンチスタイルのSB、真っ先に感じたのはスパイスのニュアンス
      それも和の要素で、私的にはもみじおろし
      もみじおろしを少し舐めてからワインを味わうと抵抗感なく渾然一体
      新鮮な白身魚の薄切りにもみじおろしを添えて!

 
黒系果実のプラム、ブラックベリー、ダークチェリーのアロマ、MLF由来の乳酸、タンニンは木目細かく、酸味はおだやか。抜栓初日より、2日目のほうが全体的にバランス良好。第一印象はシャイなので、空気と触れあわせることで、本領を発揮するワイン。今のところマイベストは緻密で凝縮感ある2019年ヴィンテージなのですが、それより若干ソフトな印象、定点観測してみたいヴィンテージ。

 
 スティックカリフラワーと三年味噌のバーニャカウダ
 トマトとモッツァレラのシンプルサラダ
 なすと肉のオーブン焼き

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