9月に全世界でリリースされる『クインテッサ2019』は過去最高の仕上がり! [ワイン]
ナパ・ヴァレー ラザフォードにあるクインテッサのヴィンテージを先行試飲
【Quintessa2019/クインテッサ2019】
収穫時期:9月18日~10月25日
醸し期間:果皮と共に平均26日
オーク樽:フレンチオークの新樽60%
熟成期間:22カ月
Alc度数:14.5%
瓶詰日:2021年7月6日~14日
ぶどう品種:91%カベルネ・ソーヴィニヨン、4%カベルネ・フラン
2%メルロ、2%カルメネール、1%プティ・ヴェルド
赤系果実のアロマ、様々な要素が層になって広がるワイン
ラズベリー、ブルーベリーのような果実、ローストや燻香、グラファイト(筆箱)や杉、リコリスやスパイス、アーシーなニュアンス、品の良い酸味、木目細かでまろやかなタンニン、若干アルコールのインパクトを感じつつも、口中に広がる酸味とタンニンのバランスが良好、安定した味わい。ワイン・エンスージアスト誌は100点評価
2017年ヴィンテージから毎年試飲してきましたが、ブレがなくバランスも素晴らしい2019年! 私は過去最高の仕上がりと感じました。
Zoomでインタビュー
photo by Quintessa
2020年からワイナリーの外部スタッフとしてマーケティングを担当している
鈴木優子さん(サンノゼ在住)を交えて、
先行試飲&インタビューをさせていただいています。
今回お話を伺ったのはワインメーカーのレベッカ・ワインバーグさん!
カリフォルニア大学ディビス校で栽培と醸造学の修士号を取得後、
2015年からクインテッサに参画し活躍中
レベッカさんが語ったクインテッサと2019年ヴィンテージ
2019年はすべてにおいて理想な要素を備えていたそうです。
テイスティングコメントとして「繊細なニュアンスと深み、長い余韻が楽しめます。花や森、湿った土の香りが複雑に調和し、きめ細かいタンニンと活き活きとした酸があります。透明感と共に緻密さを持つワインです」とレベッカさん
醸造面で、昨年と異なる点は、発酵前にSO2を添加しなかったこと。添加したほうが安心でしたが、収穫したぶどうを見て決断。完成したワインをテイスティングして、判断に間違がなかったと確信したとのことでした。
2018年ヴィンテージから導入したコンクリートタンク
温度管理が容易で、味わいもまろやかになる由
「2018年VTの醸造で学んだことを新たにチューニングしている感じ」とレベッカさん
✼気候変動に絡んだ話題
カリフォルニアでは、再生農法 (有機物を増やし、炭素隔離を促進することで土壌の健全化を再構築する農法)の実践例として不耕起/最小限の耕起、カバークロップ、動物の放牧/共生化等をしています。
カバークロップ(被覆作物)
現在3通りの方法で観察を行っています。
①すき込む(耕す) ②すき込まない ③折り込んだり、踏み潰す
レベッカさんがワイン業界に参入した18年前は、夏は乾燥し、冬は多降雨だったので、
夏は刈り取るように指導を受けていました。
近年、冬に雨が降らなくなり、旱魃も続いているため、温暖化対策として、
3年くらい前から、上記3つの方法のどれがよいか観察中だそうです。
地中の水分の保持や微生物が生息するヘルシーな土壌形成のために、
①のすき込みは、昔ほど行っていない由
最近の研究では、すき込まないほうが良いとの意見が主流
②と③に関しては、地表の温度コントロールに役立つことがわかってきた由
温暖化対策、SDGsにも関わりがあるので、今後の調査を注視
羊の放牧
放牧もカバークロップと同じような効果があるとのこと
ぶどう品種
カベルネ・ソーヴィニョンは重要な存在!
クインテッサとしては、次の50年間を考え、様々なやり方や考え方を取り入れながら、
気候変動対策をしていくので、そのためにもカベルネは要となる品種
オゾンガスの活用
2020年は8月と9月に山火事がありました。
いつも山火事は10月なので、ぶどうへの影響はなかったのですが、2020年は例外。
8月の火事はナパを取り囲む森が焼失し、それによって生じた“灰”が、
太陽光線を遮ってしまったので、日照量が十分に得られませんでした。
ゆえに、2020年の生産を中止にしたワイナリーも出ています。
レベッカさんは、2020年を“そのようなヴィンテージ”と捉え、すべてのぶどうを収穫。
できるだけ良いワインを造ることに専念しました。
多くは通常通りの醸造を行い、一部だけオゾンガスを充満させたコンテナーに入れて、
フレッシュさを取り戻す工夫を施しました。
使用したコンテナーは海運輸送に使うタイプで、
オゾンガスによって、野菜や果物を新鮮に保つことができるものです。
「オゾンガスなら鎖状の構造を持つ煙の分子を分解できる」と考えたレベッカさんは、
コンテナーを活用しました。
2020年ヴィンテージは収量自体、とても少ないヴィンテージになりますが、
その成果に期待したいです。
ビオディナミ農法に関して
クインテッサはデメターの認証を取得しています。
欧州から始まったビオディナミですが、全てを規定通りに行うのではなく、
カリフォルニアの気候に即した栽培をしています。
一例として、シリカはぶどうの成熟に関わる調剤ですが、
カリフォルニアの日照度は欧州とは違うので、
年に1度の散布で十分な効果を得ることができます。
レベッカさんは「ワイナリーに即した方法を取り入れています」と語っていました。
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photo by Quintessa
毎回参加してくださる輸出担当ディレクターのディエゴ・ギャレイさん
前職はセーニャやアルマヴィーヴァでジェネラル・マネージャーを担当、
日本市場に精通しています。
8月24日に、CVBG主催『ビヨンド・ボルドー東京2022』が予定されており、
今回もクインテッサが出展されるので、再度、しっかりテイスティングしてきます。
ディエゴさんから「白ワイン『イルミネーション』も初出展します」とのお話も!
とても楽しみです。
9月からボルドーのネゴシアンを介して販売されるクインテッサの評価、
大いに期待しています!
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タグ:クインテッサ2019
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