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日本のワイン産業140年!  シャトー・メルシャンの「甲州」3種と新登場「岩崎甲州」 [ワイン]


赤紫色の甲州ぶどう

ルーツについては2013年に独立行政法人酒類総合研究所の後藤奈美研究企画知財部門部門長(現 理事長)が日本ブドウ・ワイン学会(ASEV Japan)で行った発表で詳細がわかります。

5月16日にメルシャン株式会社(以後メルシャン)から4種の甲州ワインがリリースされました。
『シャトー・メルシャン 山梨甲州(参考価格1,830円+税)』、『同甲州グリ・ド・グリ(参考価格2,780円+税)』、『同甲州きいろ香(参考価格2,780円+税)』と、新製品『同岩崎甲州(参考価格3,020円+税)』。ヴィンテージは2016年、先の3つは従来からのアイテムで、岩崎甲州はシャトー・メルシャンの源流つながりの“甲州ぶどう”から造られています。

シャトー・メルシャンの源流『大日本山梨葡萄酒会社』誕生から140年
この画像はクリックで拡大可


日本が誇るシャトー・メルシャン。この源流は日本初の民間ワイン会社『大日本山梨葡萄酒会社』で、明治10年(1877年)、140年前に設立されました!
同社はフランスに高野正誠と土屋龍憲のふたりの青年を派遣。彼らは現地でぶどう栽培と醸造技術を学び、帰国後、本格的なワイン造りを開始しました。新発売の『岩崎甲州』は、ふたりの実家、高野家と土屋家が手掛けるぶどうで造ったワインです。両家は今でも勝沼町岩崎地区でぶどう栽培を行っているので、この記念すべき年に、シャトー・メルシャンの『岩崎甲州』としてデビューすることになりました。

好天に恵まれた2016年
暖冬で、4月の気温は観測史上3番目に高い記録。その後も良い気候で、甲州ぶどうの開花は過去10年で最も早かった昨年と同日。梅雨入り後も晴天で、猛暑は7月中旬まで続いた。収穫は酸の低下を注視し、9月下旬から10月上旬に実施

甲州3種をお寿司に合わせて


甲州ワイン4種が揃ったので、赤酢を使ったお寿司でマリアージュ探求をしてみました。
ただ、甲州きいろ香だけは、故富永敬俊博士とお約束したことがあり・・・



『きいろ香』の生みの親 富永博士が2008年6月に急逝なさってから、9年経ちましたね。
甲州プロジェクトの第2弾が『きいろ香』でした。私はスタート時から取材してきましたが、きいろ香に関しては「リリースしてすぐに飲むのではなく、少なくとも半年は待ってから」というのが私の持論。博士にも意見を述べ、博士からも「そのほうが望ましい」とのお返事をいただいていたので、リリースして間もない『きいろ香』は今回は外しています。これは半年セラーで寝かせてから、お寿司に合わせてみたいと思っています。 

5年物の赤酢は酸味まろやか、素材の旨味も
相性チェックの場所は、豊洲移転報道の真っ最中の築地。過去にも何度かお邪魔しているつきぢ神楽寿司で、ここのシャリには若干色が付いています。これはオリジナルの5年物の赤酢を使っているからで、酸味はまろやか、素材の旨味が引き立つ赤シャリです。

発酵&醸造も3種3様
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左から
山梨甲州は9月下旬から10月上旬に収穫した山梨県甲州市、甲府市、韮崎市などの甲州ぶどうを使い、シュール・リー製法で仕上げたワイン。ステンレスタンク主体で発酵、同じくステンレスタンク主体で約5ヶ月間育成。淡い黄色、レモンや和風柑橘系果実、吟醸香、爽やかな酸味、余韻に軽いビター感。素材をそのまま生かした食材がお薦め

岩崎甲州は10月上旬に収穫した勝沼町岩崎地区の甲州ぶどうで、樽で約14日間発酵、オーク樽で約3ヶ月間育成。色調はイエロー、レモンやライム等の柑橘系アロマ、ブリオッシュやイースト香、フレッシュでキレの良い酸味&心地良い渋味、好印象

甲州グリ・ド・グリは10月上旬に収穫した山梨県国中地域主体の甲州ぶどうで、ステンレスタンクおよびオーク樽で約20日間発酵、ステンレスタンクおよびオーク樽で約4ヶ月間育成。最近、メルシャンでは“オレンイワイン”と呼称している由。色調は果皮由来のオレンジ、紅茶(ダージリング)、ドライフラワー、低い温度だと渋みを感じ、徐々に温度変化していくことでマイルドに。旨味&複雑味が魅力。みりんや醤油を生かした料理、炙りもの、山菜や春野菜のように苦みを生かした料理に合せて


大トロ()、しまあじ(
大トロは山梨甲州、しまあじは岩崎甲州、ガリも岩崎甲州で◎
岩崎甲州は酸のメリハリがあり、上品!


鱚変わり揚げ、ずんだあん
脂分があるので、グリ・ド・グリのタンニンが口中を洗い流してくれる印象
青唐辛子の揚げ物は山梨甲州と素直な相性



アスパラすり流し
上部はアスパラガスとトウモロコシ、中段はじゅんさい、エビ、小柱が入った茶碗蒸し仕立て。手の込んだ一品。いろいろな素材が入ったすり流しには包容力のあるグリ・ド・グリが!



左から)赤身、金目鯛炙り、あじ、穴子、玉子
赤身やあじは岩崎甲州、金目鯛の炙りは旨味が凝縮されていて香ばしい風味、岩崎甲州グリ・ド・グリと合わせてナイスマリアージュ! 穴子は深みのあるグリ・ド・グリ

つきぢ神楽寿司では三浦友久専務にお世話になりました。また、マリアージュ探求ではワインサロンフミエールの友原範士社長と宮川文子主宰にもご同席いただきました。
いつも、ありがとうございます!!!

[ハートたち(複数ハート)]140周年を記念した日本ワインづくり140年の系譜のサイトで、シャトー・メルシャンの製造部長兼チーフ・ワインメーカーの安藤光弘さんが「甲州」について語っています。このページ全体必見です!


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another Fumiko

冨美子先生が企画してくださる「料理とワインの相性を探求する会」は目からウロコの組み合わせに遭遇することばかりで本当に勉強になります。
今回テイスティングしたメルシャンさんの3アイテムのワインは、甲州種の品の良さを最大限に引き出したスタイルで、その共通の味わいの中にそれぞれの個性が光っていました。
つきぢ神楽寿司さんの赤酢のシャリは、冨美子先生がおっしゃるとおり、酸味はまろやか、素材の旨味が引き立ちます。そのシャリと組み合わせる素材によってそれぞれの甲州がいろいろな表情に変わり、とても楽しく味わうことができました。
山梨甲州の爽やかさには、素材をそのまま生かした淡泊な白身魚にレモン、ライム、ゆず、カボスなど柑橘系果実の酸味と香りを添えると、ワインの爽やかさがより引き立つと思います。
岩崎甲州はきれいな酸味とコックリ落ち着いた旨味があり、どの素材と合わせても安心できる味わいでした。赤身のマグロや鯵にもピッタリ!甲殻類の素材を生かしたお料理とも試してみたいと思いました。
甲州グリ・ド・グリはどのような素材に合わせても「うまい」と言い切れる度量の広さがあります。懐が深い味わいに驚きました。
色々な素材に合わせた甲州ワイン3アイテム!どれもこれも興味深く探求心は増すばかり!でも何といっても一番のお気に入りは脇役のガリとワインの組み合わせです!
ガリの存在に気が付かせてくださった冨美子先生に感謝です(笑)

by another Fumiko (2017-06-27 13:25) 

fumiko

文子さま
認証確認が遅れてしまいました、sorryです m(_ _)m
メルシャンの甲州3種探求、面白かったですね。
7年前、ジャンシス・ロビンソンMWに「世界に向けて甲州を仕掛けるには」と質問した時、料理とのことを語っていました。以下、ご参考までに
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2010-02-24
香りもリースリングやSBほど主張せず、後口の軽いビター感は料理と合せた時には効果的、そんな甲州なので、日本の食卓にもっと侵透させたいです。秋になったら「甲州きいろ香」を試しましょうね


by fumiko (2017-07-31 10:23) 

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