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ヴィレッジ・セラーズ創業30周年記念:NZの『フェルトン・ロード』&『ノイドルフ』両醸造家によるランチセミナー [ワイン]

The Family of Twelve のフェルトン・ロードとノイドルフにフォーカス

フェルトン・ロードのブレア・ウォルターさん(左)とノイドルフのトッド・スティーヴンスさん

ニュージーランドの名門12生産者グループThe Family of Twelveのセミナー&テイスティングが日本で初開催されました。講師はフェルトン・ロードのブレア・ウォルター、ノイドルフのトッド・スティーヴンス両醸造家。フェルトン・ロードのブレアさんは親日家で今回が6回目の来日、トッドさんは初めての日本訪問でした。The Family of Twelveのセミナーの報告は改めていたします!

輸入元ヴィレッジ・セラーズ(以後VC)にとって、今年は創業30周年の記念年です。
今回は両ワイナリーの醸造家によるプレスランチリポート。2004年と2010年の垂直試飲も盛り込まれていたので、NZワインの熟成具合についても検証できました。

フェルトン・ロード&ブレア・ウォルター
セントラル・オタゴは世界最南端に位置し、標高が高く、昼夜の日較差が大きいエリアで、年間降雨量は350mm。フェルトン・ロードでは2001年からスクリュー・キャップを導入、2010年にデメター認証取得。
ワインメーカーンのブレアさんはリンカーン大学農学部に入学、同大学院での醸造・栽培学修士課程を終了後、海外(豪州、ナパ、オレゴン、ブルゴーニュ)で研鑚を積み、1996年フェルトン・ロードに参画。ランチの席上、「ワイン造りをしていくなかで、質感やのど越し、フレーバー等、ワインの細部に配慮するようになってきました。そのための良き教材が様々な国を訪問し、その国独自の料理とフェルトン・ロードのワインを合せる体験。これにより、自分たちのワインスタイル、大事なポイントを学んでいます」と語っていました。

ノイドルフ&トッド・スティーヴンス
ノイドルフのあるネルソンは南島北西部の端にあるので日照時間はセントラル・オタゴより長い。湿気が多く、降雨量はセントラル・オタゴの3倍。NZのなかでは一番風が弱いエリア。畑はサスティナビリティ栽培、NZのサスティナブル・ヴィティカルチャー・グループ設立メンバー。トッドさんのワイン醸造家としてのキャリアは13年。2008年から2012年の途中までの約5年間、フェルトン・ロードでブレアさんのアシスタントワインメーカーとして従事。その後、ノイドルフのワインメーカーに就任。


輸入元ヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長と中村芳子専務との4ショット

ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクール2017の間違い探し問題にも登場
5月にウィーンで行われた表記のコンクールで、フェルトン・ロードに関する問題(3つの中から1つの間違いを探す課題/制限時間30秒)が出ていたので、ブレアさんに画像をお見せしたところ、びっくり&大喜び、なさっていました!
画像はクリックで拡大可






-Felton Road Bannockburn Chardonnay2015, Marlborough(, New Zealand   Central Otago(

The World's Most Admired Wine Brands 2017では13位!

出典:Drinks International
また、フェルトン・ロードは今年3月に、Drinks International が発表した“The World's Most Admired Wine Brand 2017(MW、 ソムリエ、ジャーナリスト200名以上による投票)”で、ペトリュスやサッシカイヤを抜いて13位にランキングされています。コーエン社長がプレスランチの冒頭、“世界に影響を与えている小さなワイナリー”と形容なさっていましたが、まさに的確な表現!


第1フライトはモダンカビネットスタイルのリースリングvs注目のピノ・グリ

2015フェルトン・ロード・リースリング・バノックバーン (セントラル・オタゴ)
ビオディナミ農法。自生酵母(セラー内に棲みついている酵母)、全房圧搾後、ステンレスタンクに果汁を移し、甘味、酸味をみながらバランスのよい時点で発酵を停止させ、自然の甘味を残したワイン。2015年ヴィンテージの残糖度は74g/L(平均は50~65g/L)、Alc8.5%、生産量600ケース
甘さと、その裏に控えた酸のハーモニーが魅力。ドイツのカビネットタイプのワインで、NZの最南端に位置するセントラル・オタゴならではのリースリング、20年位の熟成にも耐えられる秀逸なワイン。2015年は収穫後半、かなり気温が下がったので酸は高め。今年(2017年)も同じような気候だったようです。

EUの規定ではAlc8.5%以下のワインは輸出できない為、フェルトン・ロードでは改善に向けての働きかけをしている最中とのこと。「その昔、低アルコールのワインは劣悪な年のものが多かったので、それを流通させないための規制で、ドイツやイタリアの寒いエリアに関しては例外措置が取られています」とブレアさん


2013ノイドルフ・ムーテリー・ピノ・グリ(ネルソン)
ノイドルフの拠点 自社畑アッパー・ムーテリー(粘土と砂利の土壌)のピノ・グリ100%。野生酵母、全房圧搾後、67%ステンレスタンク発酵、33%フレンチオークの500Lパンチョン(4~6年使用)、樽熟成6ヶ月、樽メーカーはタラサウド、残糖度5g/L、Alc14%、生産量300~500ケース
ここ数年、NZで人気が出ているピノ・グリ。生産量は第1位のSB、第2位のCHに次ぐ第3位。残糖のあるタイプからドライなタイプまで様々で、エスニック料理と合せることが多いとのこと。

ノイドルフのピノ・グリは白い花、洋梨、白コショウ、中盤から酸味、若干のビター感。「ぶどうのフェノールのバランスを見ながら仕上げていますが、残糖を少し感じる程度の味わい」とトッドさん


先附:才巻海老 炙り帆立 水茄子 茗荷 胡瓜@ コンラッド東京『風花』
ピノ・グリから醸し出される塩味に海老や帆立、ハーブの要素には水茄子や茗荷を合わせて
残糖のあるリースリングは御節料理にお薦めできるアイテム、“弁当”のなかの出汁巻玉子や馬鈴薯酒盗焼きと合わせて

第2フライトはフェルトン・ロードのピノ!

2004フェルトン・ロード ピノ・ノワール・ブロック5(セントラル・オタゴ)(右)
2010同上(左)
ブルック5はワイナリーに隣接しているエルムズ・ヴィンヤード内にあり、土壌は片岩粘土質、砂質レスが混在。自生酵母使用、樽メーカーはダミー。冷涼年の2004年は20%全房、シームレスな果実味とタンニン、スパイス、熟成に由来する旨味&複雑味。良年の2010年は17%全房で22日間発酵、18ヶ月間樽熟成(新樽35%)、ダークチェリー、プラム、ドライローズ、ミネラル、エキゾチックスパイス、タンニンはきめ細かく滑らか、旨味


弁当
(左) 時鮭蚕豆焼 太もずく柑橘和え 出汁巻玉子 鯛木の芽寿司 稚鮎香り揚げ 馬鈴薯酒盗焼 新牛蒡ブルーベリー漬ほか
(右)造り 鰹サラダ仕立て 唐柿豆腐 太刀魚双身揚げ 和牛炭火焼き

エレガントなスタイルの2004年は、和の素材に寄り添い、ピノと日本食の相性の良さを証明してくれました。特筆すべきは、2010年ヴィンテージと食事に添えて出されたお味噌汁。発酵食品のお味噌と2010年の旨味が混然一体となり美味。お味噌との相性はブレアさんも過去何度も感じているとのことでした!

ブレアさんは全房発酵に関して、「セントラル・オタゴの果実味を出すには、全房をしなくても良いと思っています。若い樹や高台で涼しい畑は熟成が遅いので、清涼感が出やすくなるので全房にはしない」とコメント。

第3フライトはノイドルフ自社畑のピノ・ノワール

2004ノイドルフ ムーテリー・ピノ・ノワール(右) 
2010同上(左)
前氷河期にできた堆積土壌の自社畑ムーテリー・ヒルズのぶどう。自然酵母で自然発酵。フレンチ・オークのバリック(40%新樽)で11ヶ月間熟成。2004年は難しい年だったそうですが、13年の熟成を経て、とても良いバランス。赤系果実、ピンクペッパー、なめし皮、果実の凝縮感。2010年はフレンチオークのバリック(30%新樽)で12ヶ月間熟成。清澄、濾過なしで瓶詰、生産量506ケース、ダークチェリー、ドライハーブ、甘草、深みのある味わい、広がりのある長い余韻


塩豚と碓井豆の炊き込み御飯


食事:炊き込み御飯 振り胡麻 留椀 合わせ味噌 香の物 三種盛り
脂分と塩分が凝縮感のある2010年とナイス・マリアージュ!


甘味:抹茶団子二種 季の物


VCが垂直試飲のために用意した2004年と2010年ヴィンテージとの遭遇に大満足なさっていたおふたり。NZではセラーで熟成させることなく、リリースしたら、すぐに飲んでしまうのが飲酒流儀のようなので、古いヴィンテージのテイスティングは日本での感動をさらに盛り上げていたようです。参加者にとってもNZのピノ・ノワールの熟成のポテンシャルを確認する貴重な時間になりました。ヴィレッジ・セラーズのコーエン社長と中村専務に御礼申し上げます。

クリックで拡大可

















[ハートたち(複数ハート)]製品についての問い合わせはヴィレッジ・セラーズ(株) ℡0766-72-8680
URL:http://www.village-cellars.co.jp/winery/

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