シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会日本事務局主催のブラインドテイスティングディナー [シャンパン]
メディア向けのディナーは6アイテムをブラインドで
今月半ば、シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(CIVC)日本事務局主催のディナーがありました。画像はCIVCが作成したブローシャーの第2弾『シャンパーニュ ~カーヴからテーブルまで~』、完成したばかりの最新冊子です。
冒頭、川村玲子CIVC日本代表が「6種のシャンパンをブラインドで味わっていただきます」と挨拶
シャンパン&料理の相性についての解説はワインテイスターとして活躍中の大越基裕さん
料理は会場となった外苑前 プレヴナンスの静井弘貴オーナーシェフが担当
供出されたシャンパンは(左から)
アペリティフはアンリ・ジロー ブラン・ド・クレ
白ぶどうCH100%でドザージュは7g/L
①はビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴNV
3品種ブレンドでCH30% PN25% PM45% ドザージュ7~8g/L
②はルネ・ジェフロワ プルミエ・クリュ キュミエール・エクスプレッション・ブリュットNV
3品種ブレンドでCH10% PN40% PM50% ドザージュ8g/L
③はマイィ グラン・クリュ ブラン・ド・ノワ-ル
黒ぶどうPN100%でドザージュ8g/L
④はペリエ ジュエ ベル エポック 2006
3品種ブレンドでCH50% PN45% PM5% ドザージュ9g/L
⑤はドゥモワゼル ブリュット ロゼNV
2品種ブレンドでCH85% PN15% 赤ワインはブジー産 ドザージュ10~11g/L
アイ村のシャルドネ(55%)を使ったアンリ・ジロー
樽のニュアンスと味わいからルイ・ロデレールのブリュット・プルミエ?と推測したのですが、明らかな違いは温度の上昇による酸の存在(ルイ・ロデレールは凛とした酸が残る)。アンリ・ジローのBdeBはシャルドネの拠点コート・デ・ブランではなく、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのアイ村にある自社畑のぶどう(55%)を使っているので、全体を貫く酸はまるい印象。
アペリティフは
鯖リエットとグラニースミスのコルネ、リ・スフレ 菜の花、鱈ブランダード、ワカサギ じゃが芋、パンスフレ カニ アボカド セミドライトマト、サボイキャベツチップ、雲丹とキャビアタルト
「酸味のあるトマトやサワークリーム、イースト系の香り(香ばしさ)に近いタルトレットや揚げ物はシャンパンと相性が良い」と大越さん
余談ですが、映画『バベットの晩餐会』にキャビアとブリニが出てきます。サワークリームを使った絶妙な組み合わせです。もともと相性の良いキャビアとシャンパンをより一層おいしくする工夫として、酸味とイースト風味を生かしていますが、これは大越さんがコメントしていた通りです。
アミューズブーシュ
クヌギ鱒のタルタル
自家菜園二十日大根 燻製クリーム シトロンコンフィ × アンリ・ジロー
燻製の要素と樽、シトロンコンフィと酸味が、力まず程良いマリアージュに。
第1アントレ
帆立ポアレ、天然平茸、天然クルミ、ラルド、根セルフィーユ、花穂 ゆず × ビルカール・サルモン
香りは華やか、白い花、柑橘系果実の内側の白い皮、ビターさを感じて、シャルドネ主体と推測した私。答えは勝手知ったるビルカール、う~ん、大はずし(泣)
低温&ステンレス発酵、熟成は36ヶ月、リザーヴワインの使用率は40%のビルカール・サルモン。料理とあわせた時に、セルフィーユ由来のクリームの甘さと食感(クリームの濃度)が、シャンパンの滑らかさと少しずれた印象。大越さんも「もう少し緩めのソース(彼の表現でシャバシャバ)だと馴染みが良かったはず」とコメント。
第2アントレ
シャンパンはルネ・ジェフロワ、色調から黒ぶどう主体であることがわかります。ムニエ由来のフラワリーな香り。6アイテムの中で唯一MLFをしていないタイプ、ドザージュ量と酸のバランスが絶妙なので酸味は品よく溌剌。大越さんから「レカンのハウスシャンパンでした」とのこぼれ話も。
フォアグラナチュール、カルバドスとバニラ風味のフォアグラパウダー、ルレクチェ、ゴマチュイル
相性ではフォアグラの質感とシャンパンの質感(36ヶ月熟成でクリーミー)に若干の違和感
魚は鮟鱇
鮟鱇、鮟肝、チョリソー、自家菜園人参、オレンジ、黒オリーブ、 レモンタイム × マイィ
輝きのある黄金色、黒ぶどう由来の深みあり。スミレ、黄桃、カリン、スパイス、シダ等、複雑味と熟成感。口中ねっとり&滑らか。私はヴィンテージシャンパンと推測していました。鮟鱇の肝との相性では若干の生臭み
軍鶏肉
川俣軍鶏ロティ、黒トリュフ、カブ × ベル エポック
温度がベストの状態で供出されたシャンパン、エレガントなスタイル。シャルドネ主体? 大越さんの「ムニエが5%、6年熟成」というコメントで、「ベル・エポック???」
「このディナーに22000円のシャンパンが登場するかな」と思いましたが・・・
やっぱりベル エポック\(^o^)/ 料理は好感度B、改めてベルエポックの包容力を実感。
口直し
ミカン マスカルポーネ × ドゥモワゼル・ロゼ
柑橘類の酸味とクリーミーなチーズには、綺麗な酸味を備えたロゼは好印象、好感度A
デザート
薔薇 苺 × ドゥモワゼル・ロゼ
ドゥモワゼルはCH85% PN15%で、PNはブジー産。シャンパンにベリー系果実(クランベリーやフランボワーズ)の要素があるので、皿の上の薔薇と苺のソースが、自然体でナイス・マリーアジュ。ディナーも笑顔で終わりました。
最後に、学習しながらのディナータイム、貴重な時間を共有させてくださった川村玲子CIVC日本代表、事務局の笹本由香理さん。的確なコメントをくださった大越基裕講師、こころこもったマリア―ジュを披露してくださった静井弘貴オーナーシェフに感謝します。ありがとうございました!
2016年のご挨拶
今年も明日1日を残すのみとなりました。年々感じる〝光陰矢のごとし〟
秋以降、中味の濃い、充実した取材が続きましたが、アップできていないものは、来年随時あげていきます。毎年繰り返しになりますが、懲りずに今後ともよろしくお願いいたします。
今年1年の感謝を込めて
どうぞ良い年をお迎えくださいませ
今月半ば、シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(CIVC)日本事務局主催のディナーがありました。画像はCIVCが作成したブローシャーの第2弾『シャンパーニュ ~カーヴからテーブルまで~』、完成したばかりの最新冊子です。
冒頭、川村玲子CIVC日本代表が「6種のシャンパンをブラインドで味わっていただきます」と挨拶
シャンパン&料理の相性についての解説はワインテイスターとして活躍中の大越基裕さん
料理は会場となった外苑前 プレヴナンスの静井弘貴オーナーシェフが担当
供出されたシャンパンは(左から)
アペリティフはアンリ・ジロー ブラン・ド・クレ
白ぶどうCH100%でドザージュは7g/L
①はビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴNV
3品種ブレンドでCH30% PN25% PM45% ドザージュ7~8g/L
②はルネ・ジェフロワ プルミエ・クリュ キュミエール・エクスプレッション・ブリュットNV
3品種ブレンドでCH10% PN40% PM50% ドザージュ8g/L
③はマイィ グラン・クリュ ブラン・ド・ノワ-ル
黒ぶどうPN100%でドザージュ8g/L
④はペリエ ジュエ ベル エポック 2006
3品種ブレンドでCH50% PN45% PM5% ドザージュ9g/L
⑤はドゥモワゼル ブリュット ロゼNV
2品種ブレンドでCH85% PN15% 赤ワインはブジー産 ドザージュ10~11g/L
アイ村のシャルドネ(55%)を使ったアンリ・ジロー
樽のニュアンスと味わいからルイ・ロデレールのブリュット・プルミエ?と推測したのですが、明らかな違いは温度の上昇による酸の存在(ルイ・ロデレールは凛とした酸が残る)。アンリ・ジローのBdeBはシャルドネの拠点コート・デ・ブランではなく、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのアイ村にある自社畑のぶどう(55%)を使っているので、全体を貫く酸はまるい印象。
アペリティフは
鯖リエットとグラニースミスのコルネ、リ・スフレ 菜の花、鱈ブランダード、ワカサギ じゃが芋、パンスフレ カニ アボカド セミドライトマト、サボイキャベツチップ、雲丹とキャビアタルト
「酸味のあるトマトやサワークリーム、イースト系の香り(香ばしさ)に近いタルトレットや揚げ物はシャンパンと相性が良い」と大越さん
余談ですが、映画『バベットの晩餐会』にキャビアとブリニが出てきます。サワークリームを使った絶妙な組み合わせです。もともと相性の良いキャビアとシャンパンをより一層おいしくする工夫として、酸味とイースト風味を生かしていますが、これは大越さんがコメントしていた通りです。
アミューズブーシュ
クヌギ鱒のタルタル
自家菜園二十日大根 燻製クリーム シトロンコンフィ × アンリ・ジロー
燻製の要素と樽、シトロンコンフィと酸味が、力まず程良いマリアージュに。
第1アントレ
帆立ポアレ、天然平茸、天然クルミ、ラルド、根セルフィーユ、花穂 ゆず × ビルカール・サルモン
香りは華やか、白い花、柑橘系果実の内側の白い皮、ビターさを感じて、シャルドネ主体と推測した私。答えは勝手知ったるビルカール、う~ん、大はずし(泣)
低温&ステンレス発酵、熟成は36ヶ月、リザーヴワインの使用率は40%のビルカール・サルモン。料理とあわせた時に、セルフィーユ由来のクリームの甘さと食感(クリームの濃度)が、シャンパンの滑らかさと少しずれた印象。大越さんも「もう少し緩めのソース(彼の表現でシャバシャバ)だと馴染みが良かったはず」とコメント。
第2アントレ
シャンパンはルネ・ジェフロワ、色調から黒ぶどう主体であることがわかります。ムニエ由来のフラワリーな香り。6アイテムの中で唯一MLFをしていないタイプ、ドザージュ量と酸のバランスが絶妙なので酸味は品よく溌剌。大越さんから「レカンのハウスシャンパンでした」とのこぼれ話も。
フォアグラナチュール、カルバドスとバニラ風味のフォアグラパウダー、ルレクチェ、ゴマチュイル
相性ではフォアグラの質感とシャンパンの質感(36ヶ月熟成でクリーミー)に若干の違和感
魚は鮟鱇
鮟鱇、鮟肝、チョリソー、自家菜園人参、オレンジ、黒オリーブ、 レモンタイム × マイィ
輝きのある黄金色、黒ぶどう由来の深みあり。スミレ、黄桃、カリン、スパイス、シダ等、複雑味と熟成感。口中ねっとり&滑らか。私はヴィンテージシャンパンと推測していました。鮟鱇の肝との相性では若干の生臭み
軍鶏肉
川俣軍鶏ロティ、黒トリュフ、カブ × ベル エポック
温度がベストの状態で供出されたシャンパン、エレガントなスタイル。シャルドネ主体? 大越さんの「ムニエが5%、6年熟成」というコメントで、「ベル・エポック???」
「このディナーに22000円のシャンパンが登場するかな」と思いましたが・・・
やっぱりベル エポック\(^o^)/ 料理は好感度B、改めてベルエポックの包容力を実感。
口直し
ミカン マスカルポーネ × ドゥモワゼル・ロゼ
柑橘類の酸味とクリーミーなチーズには、綺麗な酸味を備えたロゼは好印象、好感度A
デザート
薔薇 苺 × ドゥモワゼル・ロゼ
ドゥモワゼルはCH85% PN15%で、PNはブジー産。シャンパンにベリー系果実(クランベリーやフランボワーズ)の要素があるので、皿の上の薔薇と苺のソースが、自然体でナイス・マリーアジュ。ディナーも笑顔で終わりました。
最後に、学習しながらのディナータイム、貴重な時間を共有させてくださった川村玲子CIVC日本代表、事務局の笹本由香理さん。的確なコメントをくださった大越基裕講師、こころこもったマリア―ジュを披露してくださった静井弘貴オーナーシェフに感謝します。ありがとうございました!
2016年のご挨拶
今年も明日1日を残すのみとなりました。年々感じる〝光陰矢のごとし〟
秋以降、中味の濃い、充実した取材が続きましたが、アップできていないものは、来年随時あげていきます。毎年繰り返しになりますが、懲りずに今後ともよろしくお願いいたします。
今年1年の感謝を込めて
どうぞ良い年をお迎えくださいませ
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