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2016年はロゼ・シャンパンで〆@ NHK文化センター青山校 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

微妙な色の違いが魅力
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年内最後の授業はロゼ・シャンパンにフォーカス!
講座生からのリクエストを反映した6アイテムに特別供出を加えた全7アイテムの利き比べ

第1フライトはステンレス主体のメゾン
MLFをしないゴッセ、シャルル・エドシックやポル・ロジェのようにステンレスタンク100%のメゾン、樽使いでも新樽の使用率が多いエグリ・ウーリエ、テラコッタを使っているアンリ・ジロー等、メゾンの個性を理解するのに十分なブラインド・テイスティングになりました。

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左から#1~#4

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#1:ゴッセ・グラン・ロゼ・ブリュットNV
生産者: ゴッセ
ぶどう品種:ピノ・ノワール42%(ブレンド用の赤ワイン7%含)、シャルドネ58%
ブジー、アンボネイのPN
ドザージュ:9g/L/非MLF/最低36ヶ月の瓶内熟成
価格: 12,000円/テラヴェール
色調はオレンジを含むサーモンピンク、木イチゴ、マンダリンオレンジ、ミネラル、口中クリーミー、中盤以降の酸の広がり。3年以上の長い瓶熟が非MLFであることを感じさせない絶妙のバランス。時間の経過で本領発揮

#2:マイィ・グラン・クリュ ロゼ・ブリュットNV
生産者:マイィ
ぶどう品種: ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドザージュ: 8g/L
価格: 価格8,400円/合同酒精
古樹のピノ・ノワール90%はセニエ製法。セラーマスターいわく「シャルドネを10%ブレンドすることで、輝きが増し、バランスが良くなる」
色調は#1に類似、若干淡色、グラス表面の泡沫快活、レッド・カラント、ラズベリー、ストロベリー、ドライローズ、フレッシュな酸と果実味の調和、余韻に軽いタンニン、丁寧な造りを感じさせるシャンパン(ボトル差があったので講座生の印象に若干バラツキあり

#3:シャルル・エドシック ロゼ・ヴィンテージ2006
生産者:シャルル・エドシック
ぶどう品種: シャルドネ+ピノ・ノワール90%、赤ワイン10%添加
レ・リセ、モンターニュ・ド・ランスのPN
ドザージュ:9g/L
価格: 13,000 円(税別)/日本リカー
色調はサーモンピンク、気泡細やか、GF、マンダリンオレンジ、ヘーゼルナッツ、アプリコット似の酸味、口中滑らか、豊潤、旨味と長い余韻。レ・リセの主張しすぎないPNが醸し出すエレガントさ。長い瓶熟を大事にしているメゾン。2006年は昨春リリ―スしたばかりですが、2~3年後に次のヴィンテージ2005年が登場予定

#4:ポル・ロジェ ブリュット・ロゼ2008
生産者: ポル・ロジェ
ぶどう品種: ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、赤ワイン15%添加
ブジー、アンボネイ、キュミエールのPN
ドザージュ:8g/L
価格: 13,000円(税別)/ジェロボーム
ノワイエル前社長は「ポル・ロジェが目指すロゼは色調が美しいこと」と語っていましたが、4グラスのなかで、一番鮮やかな赤を含むロゼ。ノワイエルさんは「ロゼシャンパン愛好家の主流は女性なので、何よりフルーティさを大事にしています」ともおっしゃっていました。
持続性のある気泡、レッド・カラント、ラズベリー、ブルーベリー等の赤系果実、GFやカリンのニュアンも。中盤以降、軽いビター感。気泡はワインに溶け込みクリーミー、エレガントなスタイル

第2フライトは樽使いのメゾン
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(左から)#5~ #7

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#5:アンリ・ジロー ロゼ・ダム・ジャンヌNV
生産者:アンリ・ジロー
ぶどう品種:アンリ・ジロー オマージュのキュヴェ(ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%)主体
瓶詰直前に赤ワイン6%添加
アイのPN(樹齢70年)
ドザージュ: 7g/L
価格: 11,000円(税別)/KFW アンリ・ジロー/24ヶ月の瓶内熟成

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出典:KFW アンリ・ジロー(株)のHP

今年の7月1日にデビューしたニューフェイス。アルゴンヌ産のオーク樽で発酵させ、テラコッタのタンクで1年間熟成。その後、2年間の瓶熟。サンザシ、アカシア、ライチ、エスニックスパイス、若干のビター感とタンニン、ボディ感。ただ今、輸入元を介して質問中。■テラコッタの素材■内部のコーティング■酸素の入り方は木樽と比較した場合どの程度、の3つです。お返事が届くのは1月中旬頃になりそうですが、わかり次第、追記します。

#6:エグリ・ウーリエ グラン・クリュ ブリュット・ロゼNV
生産者:エグリ・ウーリエ
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、赤ワインを5%添加
エグリ・ウーリエのコトーシャンプノワ2009(PN)
ドザージュ:4~5g/非MLF
価格:15,000円(税別)/ヴァンパッション、サンリバティー
エグリ・ウーリエを訪問して、コト―シャンプノワを試飲した時、その美味しさに感激しました。様々な赤い果実と綺麗な酸を備えた豊潤な赤ワイン。その旨味が最大限に生かされたロゼ・シャンパン。樽のニュアンスはありながら、樽香はワインに溶け込み、味わい豊か。ミネラル、若干のタンニン、長い余韻(1本がブショネ・泣、大好きなエグリ・ウーリエだけに残念

#7:ボランジェ グラン ダネ ロゼ2005
生産者:ボランジェ
ぶどう品種:ピノ・ノワール(アイ、ヴェルズネイ)72%、シャルドネ(アヴィズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェ)28%、赤ワイン5%添加
コート・オー・ザンファンの区画のPN
ドザージュ:6 g/L
価格:22,000円(税別)/アルカン
特別供出してくださった加藤女史に全員を代表して、こころから御礼申し上げます!!

オレンジ色を帯びたサーモン、活発な泡沫、ブリオッシュ、オレンジの皮やGFの内側の白皮、パン・デピス(ジンジャーやシナモン)、蜂蜜。コート・オーザンファンの赤ワインに由来する赤い果実のバスケットやエレガントな酸が魅力。コク、旨味、複雑味を感じさせるシャンパン

ボランジェのコマーシャル・ディレクターのギーさんは「2005年はクラシックなヴィンテージ」と語っていました。難しい年だったようですが、秀逸なVTが造れた理由はボランジェの自社畑(約70%)の多さ。来日時にギーさんが語った情報をリンクしておきます。購入時のヒントにしていただければ幸いです。


セニエとは
セニエは、黒ぶどうを破砕して、発酵させる前に果汁を引き抜き、薄いピンク色の果汁を発酵させる製法で、色調は淡いピンク。フリーランジュース(一番搾り)に近いニュアンスです。

講座生からセニエについて質問されたので、以前メルシャンの安蔵光弘チーフワインメーカーからいただいた説明をご参考までに記しておきます。
「フランス語でフリーラン・ジュースは、“ジュ・ド・グット”と言います。グットは“雫”という意味で、セニエのことをエグタージュ(〝雫を取り除く〟の意)とも呼びます。ぶどうを潰したあと、破砕機やタンクに入れておくと、下から雫のように果汁が垂れてきます。清酒のしぼり方の〝雫取り〟と同じような感じです。醸しをしていない(発酵前の果汁)ので、色は少ししかついていません。セニエの由来は医学用語の“瀉血(しゃけつ)で、ピンクの色合いと血がぽたぽた垂れてくるイメージが瀉血を連想させたのだと思います」

講座生の皆さま、お疲れまでした!
2017年1月の講座はご期待のクリスタルワールドを満喫していただきます。お楽しみに!

4月から上半期の講座が始まります。2月頃には募集案内が公表されますので、講座に興味をお持ちのシャンパンラバーさん、よろしくお願いいたします[黒ハート]

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gillman

退院しましたが、嗅覚はまだ…。
by gillman (2016-12-28 15:38) 

fumiko

gillmanさん
味覚と嗅覚は極近の関係なのでとても気になります。
小正月頃に何らかの変化が出ることを期待しています!
by fumiko (2016-12-29 10:24) 

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