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7月のシャンパン講座は130家族が結集したシャスネ・ダルス&自然派を謳うアンドレ・ボーフォール [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

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ひまわりが映える季節!
7月最終週に開催したNHK文化センター青山校のシャンパン講座では2メゾンにフォーカス

25名から発足していまや130ファミリー
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(左から)#1~#6
今春のプレス会見で、シャンパーニュ委員会のティボー・ルマイヨ―広報部長は、「日本はシャンパーニュ地方から遠く離れているにも関わらず、ベルギーと並んで世界一シャンパンの取扱い数が多い国」と述べていました。確かに豊富な品揃えの日本市場。昨今、さらに新顔が増えている気がします。その1つが、1956年創業の協同組合シャスネ・ダルス。最大手ニコラ・フィアットに次ぐ組合員数を誇っています。#2~#5

もう1つはアンドレ・ボーフォール。これは新顔ということではなく、輸入元ル・ヴァン・ナチュールからお薦めいただいたので2種揃えることに。私にとっては初対面のメゾンでした。 #1#6 

第1フライト
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#1:アンドレ・ボーフォール ポリジー・ブリュット・レゼルヴNV
生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)
ぶどう品種:PN80%(ポリジー産)、CH20%
SO2合計:56mg/L
残糖:8.55g/L
デゴルジュマン:2015年6月
価格:8,000円(税別)

モンターニュ・ド・ランス地区アンボネイ村が拠点。1969年、当主だったジャック・ボーフォール(定年を迎え、現在は息子リオルさんが代表/フランスの相続の問題でRMからNM表記に変わりましたが実質自社の7㌶の畑のぶどうのみを使用)は農薬によって強度のアレルギーに。それがきっかけで1971年から一切の農薬、除草剤、殺虫剤を非使用。有機栽培で活用されているコンフュージョン・セクシュエル(フェロモンカプセルによる産卵抑制)もボルドー液(これは年による)も使わず、現在全くSO2を使わない醸造を実験中。年間の生産量は3万本

色調はゴールド、気泡は穏やかなれど口中では泡の刺激あり。鋭角的な酸、アンズ、キノコ、しょうゆ似の発酵臭。余韻にも酸が続くので、イメージしたのは漬けたてのピクルス。シャンパンだけ味わうより、酸味のあるピクルスのような食材と合せることでアタックを滑らかに。輸入元は「ベースワインは2011年が主体、例年に比べるとかなり酸味が強く、柑橘系の味わいがくっきりしているヴィンテージ」と

#2:シャスネ・ダルス キュベ・プルミエール・ブリュットNV
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:PN60%、CH40%
ドザージュ:9g/L
価格:6,000円(税別)
シャスネ・ダルスの本拠地はシャンパーニュ地方の南端コート・デ・バール地区バール・シュル・セーヌ村にあり、年間の生産量は150万本。ベースワインは2010年、8年分のリザーブワインを30%使用。レモンイエロー、気泡の連なり元気。サンふじ、黄桃、アカシア、ナッツ、ブリオッシュ、口中クリーミー、余韻に軽いビター感


第2フライト
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#3:シャスネ・ダルス キュべ・ブラン・ド・ブラン ブリュット・ミレジメ2005
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:9g/L
価格:8,000円(税別)
最低でも9年熟成させているアイテム、ゴールデンカラー、香り豊潤、グレープフルーツ、洋梨、カマンベールや乳酸似の香り、ヴァニラ、ミネラル、アロマ豊かでバランス良好

#4:シャスネ・ダルス キュベ・ピノブラン エクストラ・ブリュット2006
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:ピノ・ブラン100%
ドザージュ:3g/L
価格:10,000円(税別)
シャンパーニュの規定7品種のなかのピノ・ブランだけを使ったアイテム。白い花、スパイス(アニス)、アカシア、細身の印象からグラス内の温度変化で若干ふっくら系に。ピノ・ブランは栽培が難しく、病害虫からのダメージも受けやすいので、シャンパーニュ地方ではマイナーな品種。シャスネ・ダルスでは1950年代後半からPBを植樹、ブラン・ド・ブランにブレンドして使っていたものを、2004年から単独で生産を開始。畑の広さは約2㌶、生産量は6~7千本

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第3フライト
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MOF(フランス国家最優秀職人)を保有するショコラティエ、パスカル・カフェさんとのコラボシャンパン、それを証明するボトルネックのマーク

#5:シャスネ・ダルス キュベ・ロゼ・ブリュットNV
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:PN65%、CH35%
リザーヴワイン:30%
ドザージュ:9g/L
価格:7,500円(税別)

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サーモンピンク、カシス、ストロベリー、ミネラル、ピンクペッパー、ソフトな酸、エレガント。シャスネ・ダルスのピノは重すぎず軽すぎず、それを生かした万人に薦めやすいロゼ。今講座での一番人気


同メゾンのディレクター、トマ・レクレールさんが来日した折、いくつかの料理にあわせて4アイテムを試しました。じわっと脂分がひろがる腿肉のコンフィは、口中をリフレッシュしてくれるピノ・ブランとの相性〇

第4フライト
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#6:アンドレ・ボーフォール アンボネ・ブリュット・グランクリュ1996
生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)
ぶどう品種:PN(アンボネイ産)80%、CH20%
SO2合計:29mg/L
残糖:11.80g/L
デゴルジュマン:2015年4月
価格:30,000円(税別)
マットなトーンの黄金色。ドライフルーツ(マンゴー、パイナップル)、ロースト香、#1よりは勢い控えめな酸。1996ヴィンテージ(VT)好きなので、同VTをテイスティングする機会は多く、直近では、テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ、デュヴァル=ルロワ ファム(マグナム)、アンリオ アンシャンテルール(マグナム)を試していますが、それらには溌剌とした酸味&ミネラル感(時に蜂蜜、焙煎香、ヘーゼルナッツ)がありました。今回、#6からその共通項を見つけるのは難しかったです。

アンドレ・ボーフォールは基本的にPN80%、CH20%の比率のブレンドで、#6のピノはアンボネイ産。ゆるやかな南東向き斜面から収穫されるピノは高い酸味、日照度もあるので果実味も豊か。チョーク質土壌由来のミネラル感も備えているはずですが、それが反映されていたのか

ちなみに4月の講座ではフルーリーを取り上げ、最後に『ブリュット ミレジメ1990(PN100%)』を供出しました。この時の香りの印象は紹興酒そのもの。古酒由来のココア、焙煎香、ドライレーズンやスパイスのニュアンスがありましたが、シャンパンの状態として頂点を過ぎた印象。ただ、当日用意した鹿のソーセージとの相性が素晴らしく、単独で飲んだ時の酸化した印象は見事に消え、口中でのジビエと一体感から底力を感じました。フルーリーもアンドレ・ボーフォールもビオディナミ農法を導入しており、今回試飲して、この2本の熟成の仕方はとても似ていると思いました。

講座直後から、#6の表現に悩んでいた私にタイムリーな救世主が! 
ジャンシス・ロビンソンMWの直近の2つのコラムがヒントをくれました。
・1996のシャンパーニュ、その泡は健在か?(2016年7月16日付)
・硫黄を減らすということ(2016年7月23日付)
ジャンシス・ロビンソンMWの記事の公式日本語版を発信している小原陽子さんのページをシェアさせていただきながら、今回の体験について改めて追記したいと思っています。


製品の問い合わせ先
シャスネ・ダルス:伏見ワインビジネスコンサルティング ℡045-771ー4587
アンドレ・ボーフォール:ル・ヴァン・ナチュール℡03-6804-9616


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