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和の素材との相性を楽しみながらペルーワインをダブル探求!  [ワイン]

ペルーワインにまつわるエトセトラ
28日はペルー共和国の独立記念日でした!
本国では6月に行われた大統領選で勝利したペドロ・クチンスキ氏の就任式もありましたね。
3年前チリで、独立記念日直前まで取材をしていたことがあるのですが、その時、中南米の方々は、クリスマスと同じくらい独立記念日を重視していることを学びました。
祝 ペルーの独立記念日!!




今月、エラルド・エスカラ ペルー駐日大使のご配慮で、ペルーワインを試飲するチャンスに恵まれました。テイスティングしたのは、ペルー最古のワイナリーで在日ペルー大使館公認ワインとして知られているTacama、1880年創業サンティアゴ・ケイローロのアイコンIntipalka、1897年創業のTaberneroの3ワイナリーの、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、カベルネやメルロー、シラーやマルべック、タナ等を使った16アイテムです。


ペルーはエクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリの5カ国と国境を接し、西側は太平洋に面しています。地図にicaと表したイカ州はペルー最大のワイン産地。5郡(チンチャ、ナスカ、パルパ、ピスコ、イカ)に分かれていて、イカとその周辺は伝統的な蒸留酒ピスコの原産地としても知られています。イカ州の大半は乾燥地帯ですが、ワイン造りではアンデスからの雪解水が地下水として流れてくるのでそれを利用しています。

地図は画像をクリックすると拡大します
IMG_2475 Peru of map.jpg
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16種のペルーワイン
大使館でのサプライズテイスティングから4日後に、私の元に16本のワインが届きました。
チリ、アルゼンチンワインと比べると、日本での侵透率はまだまだのペルーワイン。そこで、ワインサロン『フミエール』の友原範士校長と宮川文子主任講師にお声をかけ、食との相性をチェックしながら、再テイスティングすることにしました。

後列左から
白ワイン
#1:タカマ ブランコ・デ・ブランコス2013
SB37%、ヴィオニエ29%、CH34%
発酵も熟成もステンレス、洋梨、かりん、トロピカルフルーツ、ミネラル、余韻は中程度、SBのビター感とヴィオニエの白い花のニュアンスとCHのナッティさ。3品種の特徴が生かされたワイン
#2:タベルネーロ ブランコ・デ・ブランコス2014
CH、シュナン・ブラン、SB
濃いイエロー、エスニック(ハーブ)、お香、トロピカルフルーツ、凛とした酸、ミディアムボディ
#3:タカマ グラン・ブランコ2013
シュナン・ブラン、SB、CH
イエローカラー、お香、黄金糖、中盤から広がる酸と厚み
#4:タカマ ドナ・アナ シャルドネ2014
明るいゴールド、蜂蜜、 ナッツ、パパイア、樽香、バランス良好、「味わいしっかり、シンプルでありながらエレガント」と宮川講師
#5:インティパルカ シャルドネ2012
黄金色、ネクタリン、洋梨、ナッツ、ミネラル、白コショウ、まろやかな酸、軽いタンニン、クリーミー
#6:インティパルカ ソーヴィニヨン・ブラン2014
淡いイエローグリーン、ライム、グレープフルーツ、白桃、ミネラル、口中をリフレッシュさせる酸

私的感想:赤ワインより白ワインの方が完成度が高いと思いました。大使館では白ワインをサービスするまで少し時間がかかったのですが、グラス内の温度変化でも、ブレ感は少なかった印象。加えて、自宅での再検証後、飲み残しのワインを3人で分け、翌日以降もワインの味わい等、変化をチェックしました。私の手元に残っていた#1#6は雑味も出ず、適度なコンディションを維持。2,000円以下という価格から考えて、ペルーワインの実力を示せるアイテムだと思います。

前列左から
赤ワイン
#7:タカマ グラン・ティント2013
マルベック、PV、タナ
ペルーワインのエントリーレベル
#8:タベルネーロ グラン・ティント・フィナ・レゼルバ2013 
マルベック、メルロー
ブラックベリー、プラム、シダー、清涼感のある酸、「第一アロマからインパクトあり」と宮川講師
#9:タカマ セレクション・エスペシアル2013
タナ、PV
酸味と果実味の重なり、黒コショウ、甘草、ソフトなタンニン、熟成したクロミエ(白カビ)にも!
#10:タベルネーロ カベルネ・ソーヴィニヨン2013 
CS100%
色調はガーネット、熟したイチゴやカシス、ブルーベリー、ロースト、ミント、ドライイチジクと!

『インティパルカ』は2009年にデビューしたシグネチャーワイン。イタリア移民ケイローロ・ファミリーが1880年に立ち上げた『サンティアゴ・ケイローロ』の最新ブランド、ラベルもスタイリッシュ。大使館でのテイスティング時、輸入元さんから「ワインメーカーはフランス人」との情報
#11:インティパルカ タナ2012
タナ100%
グラスを透かして下の字が読めないダークカラー、ベリー系果実、アーシー、ソフトなタンニン
#12:インティパルカ マルベック2013
マルベック100%
深みのあるルビーガーネット、カシス、ブラックチェリー、心地良い果実味、Alc由来の甘さと酸味
#13:インティパルカ シラー2012
シラー100%
木いちご、ブラックオリーブ、スパイス、ハーブ、木香、木目細かいタンニン
#14:インティパルカ カベルネ・ソーヴィニヨン シラー2011 レゼルバ
CS、シラー
ブラックベリー、カシス、チョコ、黒コショウ、ミント、ほどよい酸味、無難にまとまったスタイル
#15:タカマ ドン・マニュエル タナ2013
タナ100%
ブラックチェリー、フルーツジャム、アーシー、パワフル、のどの奥に広がるAlc感(14.5%)、旨味
ロゼワイン
#16:タカマ ロゼ セミセコ・ドゥルセ・ナテュラル2013

私的感想:国際品種を数多く栽培しているペルー。個人的にはペルーのタナに興味がありましたが、わずか2回の試飲では全体像はつかめません。仏語のタンニンに由来する“タナ”は深い色調とタンニンを備えています。近年、このぶどうから造るワインをソフトに仕上げるため、発酵過程また貯蔵過程でワインに微量の酸素を補給するミクロヴィラージュが開発され活用されています。ペルーのワイン造りでは導入されているのか? 今回試飲したタナでタンニンが強すぎるというタイプはありませんでした。さて?

マリア―ジュを中心に
さわやかな印象の白ワイン

左はタカマ、右はタベルネーロ
前者はぶどう樹の植樹が1540年という歴史あるペルー最大のワイナリーで、本拠地はリマから300km南下したイカ・バレーにあります。後者は1897年創業でリマから200kmほど南下したシンチャ・バレー(イカ州)にあり、生産量の85%を輸出しています。

#1を試飲して、そのミネラル感から、てんぷら&塩を連想(レモンでもOK)。レンコンのてんぷらに塩をつけて食すと、混然一体感が広がりました!

白ワインと食材の仲介役として便利なのが塩とレモン。相性チェックをする前に・・・・塩を一口舐めて#1を試すと、ワインがお水のような状態ですんなりと入ってきます(相性が事前に察知できます)。次にレモンを舐めてワインを試すと、やはり素直な印象。実際に合わせた相性も事前チェック通りでした。

#2の場合は、塩を舐めてからワインを味わうと、#1の時の感じた素直さより、もう少し重厚な味わい。ゆえに料理も少し厚みのあるほうがお薦め。余韻に残るシュナン・ブランのビター感から、グリーンアスパラの揚げ物を連想。ちなみにペルーはアスパラガスの輸出量が世界一とか。チーズなら熟成したカマンベール&ドライフルーツ添で!

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大使公邸のディナーでサービスされた『セビチェ』

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ライムのような酸を感じさせるセビチェには断然#6がお薦め(画像最右
インティパルカは古代インカ帝国の言語で〝太陽の谷〟を意味しています。サンティアゴ・ケイローロのワイナリーは海岸線から60km内陸に位置し、標高は500m以上、ぶどうにとって大事な昼夜の日較差(20度)もあります。

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これは自家製セビチェ、私は香草(コリアンダー)を多く使います。#6にはハーブのニュアンスもあるので相性良好、前述のてんぷら&塩にも合っていました!

赤ワインにはマスタードや山椒を仲介役に
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赤ワインと食との仲介で役に立つのがマスタード
ここでもマスタードの酸のおかげで、赤ワインはハムとナイスコンビネーション


ペルー大使館公式赤ワインはタカマのセレクション・エスペシアル(トップ画像9番目のワイン)
プティ・ヴェルド&タナのブレンド、酸を感じる黒系果実、ローリエ、黒コショウ、木目細かいタンニン、小売価格2040円、リーズナブルなワイン

ペルー自慢のロモサルタード
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大使公邸ディナーのメインはペルー自慢のロモサルタード(牛肉と玉ねぎ、トマトを炒めた料理。付け合わせはライスとポテト)とセレクション・エスペシアル2013

土用の丑の日に
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大使館での試飲時にもお話したのですが、タナやシラー、マルベックと合わせて楽しめる〝うなぎの蒲焼〟。土っぽさやスパイシーさを備えたワインには、年代を経たうなぎのたれと山椒を使った蒲焼が最適。目黒不動にある『にしむら』のうなぎを友原社長と宮川講師にお出しして、タカマ・ドン・マニュエルやインティパルカの#12マルべックや#13シラーとの相性を診断。山椒効果は絶大で、マリア―ジュは成功でした。

今日は土用の丑の日! 
フジテレビのお昼のニュースでも『にしむら』が取材されていました。次回、うなぎの蒲焼を食べる時は、山椒を用意して、ぺルーワインにトライなさってみてくださ~い

感謝を込めて
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大使館から届いた記念画像
今回ペルーのワインについて調べる良い機会になりました。
エラルド・エスカラ駐日ペルー大使に、こころから御礼申しあげます。ありがとうございました!

■ペルーワインの輸入元
Tacama:キョウダイジャパン
Intipalka&Tabernero:ジーアンドシーコーポレーション


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