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林茂氏が語るチェレット社のバローロ&バルバレスコへのこだわり [ワイン]

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今回フォーカスしたのはピエモンテ地方アルバ近郊でワイン造りを行うチェレット社のバルバレスコ&バローロ。“単一畑”という方針を明確に打ち出した同社のワインづくり、こだわりについて林茂氏が語りました。

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ナビゲーター役の林氏は1995年イタリアで日本人初のソムリエ資格を取得。現在Eataly Japan(株)CEO、チェレット社の日本マーケティングコンサルタント、講師等として活躍中です。

1939年創業のチェレット社、創始者はリッカルド・チェレットです。その後、2代目にあたる彼の2人の息子ブルーノとマルチェロ兄弟が同社を名実ともに発展させます。ポリシーは「最上の畑で、最上のワインをつくる」。そして、更なる飛躍の担い手が90年代後半から家業に入った3代目の世代で、今やファミリー企業として快進撃を読けています。

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チェレット社は銘醸地ごとに醸造所を設置しています。ゆえにバルバレスコ地区にはブリッコアジリの畑の中にブリッコアジリ醸造所を。バローロ地区では最上の畑と言われているブリッコロッケの畑の横にブリッコロッケ醸造所を設置しています。ですから、一例として、ワインのラベルにある『ブリッコロッケ ブリッコロッケ』はブリッコロッケ醸造で元詰したブリッコロッケ畑のワインとなり、同じ名称がダブります。

ラベルの絵柄には畑が描かれており、赤い字で畑名は明記されています。
#2:バルバレスコ ベルナルドット2006(右)
#3:バルバレスコ ブリッコアジリ2006(左)
2アイテムとも、ステンレスタンクで発酵(28/29度を越えない)、アルコール発酵後、マセラシオン、その後MLF。ワインはフレンチオークの300Lの小樽で24ヶ月以上熟成(新樽と1年使用樽)
ヴィンテージも同じ、製法も同じで、異なるのはテロワール!
#2は南向き斜面でシルト42%粘土質35%砂質23%、ワインはフローラルで赤系果実の要素、タンニン木目細か。#3は南西向き斜面で粘土質48%シルト33%砂質19%、香りが開くまでに時間がかかり、最初は素直に自分を見せない印象。時間の経過で複雑な香りや味わいに。テクスチュアのあるワイン

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#4:バローロ ブリッコロッケ ブルナーテ2006(右)
#5:バローロ ブリッコロッケ プラポ2006(中)
#6:バローロ ブリッコロッケ ブリッコロッケ2006(左)
3つの単一畑のバローロの比較で同ヴィンテージ、製法は#4&#5は温度管理しながらステンレスタンクで発酵、その間自動的にルモンタージュ。1週間のマセラシオン、その後ワインはフレンチオーク300Lの小樽で30ヶ月熟成。#6は28~30度を越えないように温度管理しながらステンレスタンクで発酵7~8日間。その後8~10日のマセラシオン。フレンチオーク300Lの小樽で30ヶ月以上熟成。

#4は南西向き斜面、粘土質52%シルト32%砂質16%でマグネシウムに富んだ土壌。第一香りで感じたのはヨモギやハーブ系のニュアンス、わかりやすい香りで3つのバローロの中では一番飲みやすいタイプ。#5は南向き斜面で、粘土質53%、シルト28%、砂質19%で鉄分を多く含む土壌。力強さと華やかさを持つワイン、長期熟成タイプ。#6は南向き斜面で、粘土質59%、シルト20.5%、砂質20.5%でリンを多く含む土壌。そう簡単には本領発揮しません。じっくり付き合いたい王の中の王バローロ!林氏いわく「現時点では#5プラポはミネラル感が明確に出ている。#6ブリッコ・ロッケはマッチョなワインで頑強、まだまだ先が長い。バローロにクリュの概念を確立した点で、チェレットの革新性は評価されるべき」と述べていました。



もう1点、フォーカスしたのは北京料理とのマリアージュ@帝国ホテルタワー「北京」

「30年間で躍進したチェレット社は良い意味での成り上がりですが、先見の明があり、マーケティングのうまさはさすがです」と林氏。ワインの総生産量は90万~100万本で、うち70万本がアルネイス ブランジェだそうで、1985年に初リリースしたアルネイスがいきなり20万本も売れたというエピソードもそれを証明しています。

アペリティフに登場したのが、その『アルネイス・ブランジェ』
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微発泡を生かした爽快さが受けています。「酸の低いぶどう品種で、戦前は甘口にして、クリスマスなどに飲まれていました。新しいスタイルのアルネイスを誕生させるにあたり、トリノ大学の先生のアドヴァイスを生かし、炭酸ガスを若干残すことで酸の低さを補い、爽やかな印象をあたえるようにしています。

『北京』での菜単
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前菜盛り合わせ#1 『アルネイス ブランジェ』とあわせて
7度、8度から少しずつ温度があがることで、女性受けのワインが包容力のあるワインに変身。
かすかな気泡が口中を洗い流してくれるようなフレッシュな印象、イイ感じです。

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ふかひれの姿煮蟹肉添え バルバレスコとあわせて
ふかひれのスープは#2『バルバレスコ ベルナルドット』と絶妙!
アフターにロースト香が広がり、この相性は素敵です!
 
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伊勢海老の北京ソース

[決定]
北京ダックが出てきました。 #1『アルネイス ブランジェ』と合わせてびっくり! 
意外や意外、合うんです。相性をチェックしているうちに画像失念~
(近々、プロ撮影の画像が掲載できる予定です)

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画像が届きました! 画像協力:グルメジャーナル

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和牛フィレ肉の炒め
#3 『バルバレスコ ブリッコアジリ 』に感じるハーブの香りがお肉のつけ合わせのマコモダケやパプリカ等の野菜と相乗効果あり。パワーのあるワインで最初はしかめっ面をしているかんじでしたが、時間の経過で少しずつ本領を見せてくれました。素晴らしいワインです!

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五目焼き飯

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デザート

林氏は「例えば、2人で食事に行く場合、1本オーダーすれば、ひとりが3杯/人飲むことになるので、3杯飲めるワインかどうかを考えて選びなさいとアドヴァイスしています」と語っていました。加えて「食事の席にワインがないのは極めて不自然です。イタリアではほとんど加工しないで、“飲んで、食べて、気取らずに”をベースにしているので、食べものに通用しないワインは受け入れません」とも。時間の経過で、バルバレスコのブリッコアジリ、バローロ3兄弟もそれぞれの特徴が出てきて、北京料理との面白いマリアージュが試せました。普通、イタリアワインを中華にあわせることはしないので、これは滅多に出来ない体験でした。

チェレットワインについてのお問い合わせは(株)ファインズ/03-5745-2190まで

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