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日本固有のぶどう品種“甲州”にフォーカス! [ワイン]

第1弾は本日発売のシャトーメルシャン甲州きいろ香2009!!

2004年にスタートした「甲州アロマプロジェクト」から誕生した『甲州きいろ香』
これまでの経過は拙サイトをご覧いただけましたら幸いです。
>>>http://www.non-solo-vino.net/column02.html
そして本日(21日)、最新ヴィンテージの2009年がリリースされました!
ニュースリリースは
>>>http://www.mercian.co.jp/company/news/2010/10011.html

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ワインの名付け親である富永敬俊博士没後はISVV(ボルドー栽培および醸造科学研究所)とメルシャン商品開発研究所メルシャン勝沼ワイナリーとの共同研究で進められます。ISVVの所長はというと・・・故富永博士の恩師、ボルドー第ニ大学醸造学部のデュブルデュー教授です。同社は昨年10月にISVVと共同研究契約を結んだことで、今後は所長指揮のもと、富永博士の意思を汲んだセシル博士がプロジェクトを担当していきます。

ボルドー第ニ大学醸造学部とフランスの国立農業研究所INRAが一体となり発足したぶどう及びワインの総合研究機関

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2009年ヴィンテージから感じ取ることができる果実たち!
ボトル左から『勝沼甲州』(5月19日発売予定)、『甲州グリ・ド・グリ』、『甲州きいろ香』

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きわめてフレッシュな色調の『きいろ香』、淡~いイエローの『勝沼甲州』
甲州ぶどうの果皮の色も鮮やかなインパクトある『グリ・ド・グリ』

“きいろ”ちゃんと“とら”ちゃんにも注目を!
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富永ご夫妻が可愛がっていた“きいろ”はラベルの中で自由に飛び回って・・・

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マグナムのT718は「の~んびり熟成させたいので」との願いから
“とら”ちゃんは樹に羽を休めたまま、なんです♪

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テイスティングしたフルメンバーのワインたち
『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香T718 2007』に長期熟成の可能性を感じました。
特に2007年ヴィンテージは富永博士が満足していた年だけに、その意味がわかった気がしました♪

凡庸と言われてきた甲州ぶどうの良き変化をしっかり感じています。
これからも「甲州アロマプロジュクト」の動きに注目していきま~す♪



VSP2009 キュヴェ・ドゥニ・デュブルデュー
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まずは外観から。見かけはワインにとっても、大事な話!
優雅で繊細、時に“はかなさ”すら漂ってくる作風、好きです。
作者は日本画家の千住博さんです!!
4月16日にリリースされた甲州ワイン「VSP」のラベルは、アメリカ建国200周年を記念して建てられたフィラデルフィアにある松風荘の襖絵で、これは永久保存が決まった作品とのこと。会見で千住さんは「ワインは“芸術”です。産地の人だけでなく、国籍や民族を超えて楽しめるもの。まさに芸術の中心的な位置にあり、すべての垣根を越えて等しく楽しんでいただくことができるものだと思っています」と述べていました。

千住さんの作品で一番身近に感るのは羽田空港の天井画。
ソネ・ブロのhakoさんのアイコンにもなっています。
天井画つながりのブログは>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2006-11-29

もう1つは赤坂サカスの滝桜、迫力ある見事な桜です!
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2008-03-29

そして最近、気になっているのが『和楽』に連載中の『平成・源氏物語』、奥深さを感じる挿絵です。>>>http://www.bmshop.jp/m/waraku/200806.htm

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VSP(Vertical Shoot Positioning・垣根栽培)は(株)ミレジムのアーネスト・シンガー社長とコンサルト契約を結んでいるデュブルデュー教授が推し進めている甲州ワインプロジェクトから誕生したワインで、4年前から植樹、栽培してきた自社畑のぶどうをブレンドして生産。千住さんのコメントにあった“垣根”も、実はこの仕立てにかけたシャレなんです。一方、ぶどうを買い付けて生産したワインは『Shizen』と命名。こちらは従来からの白地にグリーンが鮮明なラベルが用いられています。

「棚式と垣根式の違いは」という質問に対して、1本の樹かられるぶどうの房の数~前者だと300房を超えることもあり、後者だと多くても20房程度~で、ぶどうの凝縮度が違うこと。加えて日光が地面に反射して葉の下の部分に当たり光合成をより一層促すこと。それゆえ糖度上がり、質の良いぶどうができる、と。
また、ぶどうの搾汁率も甲州ぶどう特有のビター感がでないように50%に抑えているそうです。

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左が『Shizen』、右が『VSP』
両者とも丁寧な造りで、それほど大きな差は感じませんでしたが、敢えて言えば『VSP』のほうがより酸味のメリハリがあったように思います。

会見後、醸造を担当なさっている樫原信元さんに酸の情報をいただきました。
2009年産 pH 総酸(g/L)
甲州Shizen 3.03  8.77
甲州VSP   3.26  7.57

用意されていた寿司ご飯とマグロ、穴子、ガリとの相性はVSPのほうが合わせやすかったです。総酸はShizenのほうが多いので、VSPには歯切れの良い“リンゴ酸”が多く残っていたのでは、というのが私感です。

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帰路、桜の樹の間から見えるライトアップされた東京タワーを

従来から参画していたミレジム社との甲州ワインプロジェクトに加え、期せずして、愛弟子だった故富永博士が愛を捧げた『甲州きいろ香』に関しても、ISVVの長として関わることになったドゥニ・デュブルジュ教授。
以前の来日時、「私はそれぞれの国の固有品種に興味を抱いています」とおっしゃっていましたが、まさしく日本固有のぶどう品種“甲州”に熱き情熱を注いでくださっているようです♪
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ナビパ

日本のワインも本場に負けていませんね。
by ナビパ (2010-04-21 19:23) 

Koji

おはようございます。
いつもながら綺麗なお写真と記事楽しませていただきます。
最近はあまり飲まないのですが、一時、地元の「丹波ワイン」に
はまっておりました。鳥居野という銘柄の赤が好みでした。
外国産ワインはあまりよく知らなかったのですが、勉強させて
いただいております。有難うございます。
by Koji (2010-04-22 09:35) 

新井治彦

先生、ワイン会企画しました。
お時間がありましたらぜひ遊びに来てください。
http://winebarespelt.blog.so-net.ne.jp/
by 新井治彦 (2010-04-22 11:15) 

yuka

私も何度か甲州のワインを頂いたことがあります。
こうやって実際にその果物を拝見すると、その香りがリアルに想像されます。
by yuka (2010-04-22 17:04) 

fumiko

ナビバさん、ラベルの中で飛び回る“きいろ”は、
貴ブログで元気に走り回るナミちゃん、ビビちゃんのようです。
今世紀、日本のワインは画期的な変化をしています♪


ほりけんさん、チェックありがとうございました!!


kazukazuさん、はじめまして、チェック感謝です♪
食べることの楽しさが伝わってくる貴ブログですね。
な~るほど、見ているとお腹がすいてきます!


kojiさん、チェック&コメント、ありがとうございます!
画像お褒めいただき光栄です。
リポートも実践活用していただければ本望です。
関西方面のワインはそれほど飲んでいないので、
チャンスを見てできるだけトライしていきたいと思っています。
日本ワインたち、今、頑張っていますからね♪


haruさ~ん、15日! 5月は6日&17日と計3回! haruさん月間!!


Yukaさん、おっしゃる通りです。
甲州きいろ香2009に「例年にはない香り、ライムを感じます」と
味村チーフ・ワインメーカーがおっしゃっていましたが、
画像右端がそれです。温州みかんやGFなども登場しています。
イメージが広がりますね。


Winoさん、チェックありがとうございました!

by fumiko (2010-04-23 01:21) 

ぱんだしゅりけん

きいろ香は素敵なワインですよね。09の甲州はよかった、なんて話も聞きますので、きいろ香09のライムっぽさ、私も体験してみたいものです。
グリ・ド・グリは結構手強い印象があり、以前飲んだ07ヴィンテージは抜栓後3日目ごろにはっきりと印象が変わったような記憶があります。

私も先日、国産ワインを飲む会をやりまして、甲州では旭洋酒さんの千野甲州を飲みましたが、きいろ香やグリ・ド・グリとはまた違った個性・存在感を感じました。甲州、本当に楽しみなワインですね!
ただ、今回の会では、九州のシャルドネの凄さに改めて驚かされる事になりました。
by ぱんだしゅりけん (2010-04-23 06:22) 

vientre-dolor

フルーツとワインを組み合わせた写真に何故かスゴク心惹かれます。
by vientre-dolor (2010-04-23 13:06) 

hako

過去と現在と未来が、ワインや絵画で繋がるというのは、面白いですね。
2006年と2008年の記事を、懐かしく見て来ました。今に繋がっているのが
嬉しいです。
by hako (2010-04-24 07:30) 

fumiko

ぱんだしゅりけんさんの「甲州きいろ香2009」の飲後感、是非お聞かせください。セミナーでは「グリ・ド・グリ」は「きいろ香」や「勝沼甲州」より温度を高めにして供出していました。温度にご注意いただければ“手ごわさ”も緩和するように思います。
九州のCH、どこのワイナリーだったのでしょうか、気になります♪

vinetre-dolorさんがスゴク心惹かれる、といフルーツ&ワイン画像
同じようにおっしゃってくださる方が急増しています。
ここでの黄色は“癒し色”なのかも知れません(笑)

by fumiko (2010-04-25 01:16) 

fumiko

hakoさん、チェック&コメント、ありがとうございました♪
千住博氏の絵画は素晴らしいですよね!
今回甲州VSPの会見で絵画だけでなく、千住画伯の肉声に察することができたのも嬉しい体験でした。
by fumiko (2010-04-25 01:27) 

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