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世界各国の素敵なワインたち ~まずはカベルネから~ [オープンカレッジ]

2009年のカレッジは「ぶどう品種」にフォーカスしながら、世界各国の素敵なワインたちを味わうことにしました。初回は黒ぶどうの雄カベルネ・ソーヴィニヨン
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ボルドーの主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)は熟成により本領を発揮するタイプです。ボルドーではもっぱらメルロー(ME)やカベルネ・フラン(CF)、プティ・ヴェルド(PV)などとブレンドされますが、育てやすいことから、世界各地で栽培されており、新世界と呼ばれているチリやカリフォルニア、オーストラリアなどではブレンドせずに、単一品種で造る醸造家も結構います。

授業ではフランス産(ボルドー)を中心に、イタリア産、スペイン産の旧世界ワインと、チリ産、カリフォルニア産、オーストラリア産の新世界ワイン、計6種類をブラインドで探求しました。講座生の皆様には各ワインの特徴、情報をあらかじめお知らせしてから、試飲タイム~

左から供出順に(★はブレンドタイプ)
★(1)チリ/カサ・ラポストールCS2006・・・CS85%、ME25%
(2)アメリカ・カリフォルニア・ソノマ/ディレクターズ・カットCS2006・・・CS100%
(3)オーストラリア/ペンフォールドCS2005 BIN407・・・CS100%
★(4)イタリア/ガイア・マガーリ2005・・・CS&CF各25%、ME50%
★(5)フランス・ボルドー・ポイヤック/ポンテ・カネ2005・・・CS60%、ME33%、CF5%、PV2%
(6)スペイン/マス・ラ・プラナ2004・・・CS100%

ブラインドの結果、講座生(19名、1名欠席)が一番好感を持ったワインはなんと4番! アンジェロ・ガイアがトスカーナに進出して生産しているボルドーブレンドのワインです。総合的に判断して、CS100%より、ブレンドしてあるワインのほうが人気でした。

特筆すべきはボルドー大好き人間のドクターT、ポンテ・カネ2005の特徴をしっかり読み取っていました。さすがは精神分析医! ボルドーワインは相当数味わっており、ポンテ・カネについても2002、2003、2004と購入し、自分なりのゲージは完成している由。2005年ヴィンテージは未飲だったとはいえ、「好きこそ物の上手なれ」のことわざ通り、ピッタリ当てていました、お見事!!

明けて翌日、ワシントンワイン協会主催のセミナーが開かれました。ナビゲーターの話に思わずニンマリ、テーマが「World Class Cabernet」だったからです。カベルネの特徴、世界各国における栽培など、前日のカレッジで講座生の皆様にお話したばかりの内容ではありませんか!

IMG_7809ワシントンセミナーワイン.JPG
ところがここからが大変! 先ほどの喜びから、ドキドキの時間に・・・6種のカベルネのブラインドテイスティングになったのです。昨日の今日なので、カレッジの体験を生かさなくては! ここで外したら講師失格(苦笑)

6種類のワインはカリフォルニアとボルドーが各1種類ずつ、残り4本はワシントン州のワインです。ブラインドテイスティング前に各ワインについての簡単な解説があり、試飲タイム~

供出されたワインは以下の順(★はブレンドタイプ)
(1)ウォーターズ・ワイナリー2006(ワシントン州ワラワラ・ヴァレーAVA)
CS100%
(2)プライド・マウンテン・ヴィンヤーズ2006(カリフォルニア州ナパ・ヴァレーAVA)
Maybe CS100% 
(3)へッジス・ファミリー・エステート“リミテッド・リリース”2006(ワシントン州レッド・マウンテンAVA)
CS100%
★(4)シャトー・サン・ミッシェル“イソス”2005(ワシントン州コロンビア・ヴァレーAVA)
CS88%、ME8%、PV4%
★(5)シャトー・タルボ2005(フランス・ボルドー・サンジュリアン)
CS67%、ME26%、PV5%、CF2%
★(6)アンドリュー・ウィル・ワイナリー“ソレッラ”2006(ワシントン州ホース・ヘブン・ヒルズAVA)
CS70%、ME20%、CF8%、PV2%

結果は(4)をフランスにしてしまったことで、パーフェクトならず。シャトー・タルボの説明の中に「ブレタノミセス、馬小屋臭と呼ばれる匂いがあります」という部分があり、それがずっと気になっていました。「タルボには動物っぽいニュアンスはあっても、ブレタノミセスという表現はちょっと・・・」なんて思いながら、前日の経験を生かし、香りの立ち方が一番おとなしい(5)をチェックしていました。一瞬、馬小屋臭らしき印象はありましたが、2005年のボルドーにしては酸の印象が少なすぎます。迷いに迷って、やわらかいタンニンと(5)より酸が際立った(4)をタルボに・・・残念!

まあ、大外ししなかったのでホッとしていますが、ただ、タルボに関しては、ワインのコンディションが今いちだったのではと感じています。特に2005年ヴィンテージだけに。ドクターT! 今度カレッジでタルボを特別供出してください(笑)

アメリカ第2のワイン生産地ワシントン州。ワシントンのワイン業界は現在570以上のワイナリーと350社のぶどう生産業者、3万エーカーのぶど畑からなる350億ドル産業になっています。とは言え、私のワシントン州ワインの試飲経験はまだまだ。さらにチャレンジしていかなければダメそうです。

ワシントンワインン協会USAは>>>http://washingtonwine.org
ワシントンワイン協会日本代表事務局>>>http://www.washingtonwine.jp
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コメント 4

Dr.T

今回は私がとても好きなジャンルの試飲になり、興味深い時間を過ごさせていただきました。
5番は果実味と酸、ミネラル等が豊かで充実したボディーが素晴らしく、しかし現時点では木目細かいタンニンが厚い壁を作り香りも閉じていました。
また内容の豊かさに比して相対的にアルコールは高過ぎず、とてもクラシックな2005年ボルドー左岸の秀逸シャトーの会心作!とは確信しました。
全体のイメージからポンテ・カネが本線でしたが、近いバランスの「ピション・ロングヴィル・バロンでした」と言われても仕方なく、ピンポイントで確定までは難しいです(苦笑)。
あとタルボおよび元の兄弟シャトーのグリュオー・ラローズですが、確かに動物的なニュアンスがあると思います。
熟成して複雑で魅力的ある芳香を放ち、これは土壌に由来するものと考えていて、醸造過程で酵母が発するものと思わなかったのですが、後者の割合もあるのかどうか?
ブレタノミセス香は不快に感じることが多く、全てのヴィンテージで狙ってごく少量複雑さを加えるレベルに止めるのはかえって難しい気もします。
グリュオー・ラローズは経営が変わって近代的になったという話もあるので、2000年以降のものを飲んでみます。
タルボ供出の件は少し前のヴィンテージで良ければ、ということで(笑)。
by Dr.T (2009-02-03 22:48) 

fumiko

ドクターT、長文のコメント、ありがとうございました♪
第1回CS編のヒーロー!!

ボルドー好きと言っても、その分、ワインにかける経費も大変ですよね。
それが見事に実証されたのですから、何より、何より。
>タルボ供出の件は少し前のヴィンテージで良ければ、ということで(笑)
講座生全員が期待、だと思いま~す(笑)


miumiuさん、check、thank you!!
by fumiko (2009-02-04 12:50) 

fumiko

winoさんはワシントンワインを数多く体験していますか。
今月はオレゴンワインの試飲もあります。アメリカワイン、元気ですね。
by fumiko (2009-02-05 00:18) 

fumiko

YUTAKAさ~ん、昨日のピノ・ノワール編の欠席、惜しいですね~
ルロワのNSGをお出ししたのに・・・近いうちに第3回をアップするので、見てください。私の秘蔵ワインもあったので、ホント、出席していただきたかったです♪
by fumiko (2009-03-12 23:20) 

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