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シャンパンの業態別登録記号CM、MA、RC、SR、RMで復習を [オープンカレッジ]

昭和女子大学オープンカレッジの講座では、毎回のワイン画像&ワインリストを受講生の皆さまに配信しています。
2001年開始当時はPCの普及率も低く、受信できない方もいたのでコピーが大活躍していました。
幸い現在では新規のメンバーさんを含め、すべての講座生の皆さま受信OKなので送り甲斐があります。でも・・・ここ2ヶ月ほど配信が大幅に遅れ気味、皆さま~、何卒ご容赦あれ。
その反省も含め、今週はできるだけ早めにたまっている事を片付けたいと思っているところです。

ここからシャンパンのおさらいです。
IMG_3727シャンパン編5本 コピー.JPG
これは6月の最終回でお出しした5種類のノン・ヴィンテージのシャンパンです。左から順に、
ボーモン・デ・クレイエール(CM)、タイユヴァン(MA)、アルロー(RC)、ギィ・シャルルマーニュ(SR)
そして最後、ミュズレ(針金)部分が紐になっているフランソワーズ・ペデル(RM)
シャンパンの銘柄に続くカッコ内のCMやMAは、タイトルに書いた「業態別登録記号」です。




IMG_3742CM.JPG
CM(生産共同組合)は組合員が栽培したぶどうからシャンパンを造り、組合ブランドとして出荷するもので、最大手はニコラ・フィアット。少しわかりにくいかも知れませんが、右側の金色の字をじ~っと見ると、CM、おわかりになりませんか。

IMG_3740MA.JPG
MA(顧客の要請によるプライべートブランド)は有名レストランやホテルなどがシャンパン製造業者に依頼して造るプライベートラベル。講座で使ったのはタイユヴァンのシャンパンです。

IMG_3736RC.JPG
RC(ぶどう栽培業者兼共同組合員)は、加入している組合から製造過程の原酒を買い取り、シャンパンを製造・販売。または出荷準備ができたシャンパンを買い取り、自社ブランドとして販売するもの。

IMG_3735SR.JPG
SR(ぶどう栽培業者団体)は同じ団体に所属する会員の畑で穫れたぶどうでシャンパンを製造。

IMG_3733RM.JPG
RM(ぶどう栽培業者兼醸造業者)は日本ではすでにおなじみですね。自社畑のぶどうでシャンパンを造る個人あるいは法人。
いずれもかなり小さな文字なので、判読しずらいですよね。ましてや老眼にはキツイです(苦笑)
 参考文献:シャンパーニュデータブック2007(ワイン王国刊)

折も折、昨日、シャンパーニュ委員会(C.I.V.C.)から2度目のメールが届きました。
内容は、「洞爺湖サミットで供出されたシャンパンについて、誤った情報が流れているので、シャンパンの愛飲家に正しい情報をお知らせ願います」というものでした。サミット開催時、外務省が発表した文面に「日本人が初めて設立したワイナリーで造られたシャンパンがサービスされた」という事実と異なる表現があったようで、その件についてフランスのシャンパーニュ委員会ジャン・リュック・バルビエ総局長が外務省のG8サミット事務局担当者に文書(7月18日付)で抗議したそうです。
サービスされたのは、前述の「MA」にあたるシャンパンだったということです。

シャンパン好きの皆さま~
シャンパンの多くはNM(ネゴシアン兼醸造業者)記号ですが、これを機に登録記号をチェックすることもお忘れなく!

最後に、シャンパーニュ委員会日本代表川村玲子氏から届いたメールを載せておきます。

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ジャーナリスト各位

外務省サミット事務局のニュースリリースに「日本人が初めて設立したワイナリーで造られたシャンパンがサービスされた」とあり、これにもとづいて多くの記事が書かれたことは大変に残念です。
2008年7月7日の総理夫妻主催の社交ディナーで供されたLe Rêve Grand Cru / La Seule Gloire Champagneは、フランス、シャンパーニュ地方のChampagne De Sousaという生産者が生産したものです。

サンケイビバレッジ株式会社は、Champagne De Sousaにプライベートラベルを貼ってもらい、輸入、販売しているにすぎません。
日本の企業がシャンパーニュ地方のブドウ畑を買った事実はありません。また「日本人がプロデュースしたシャンパン」という表現は、シャンパーニュ原産地名称保護を損なうものです。シャンパーニュの生産は、シャンパーニュの定義にもとづき、生産地域、醸造地域、剪定法、醸造法、すべて厳密にフランスの法律に定められており、日本企業のコンセプトや助言によって変えることはできません。

シャンパーニュの生産者は卓上で確認することができます。シャンパーニュを生産するためにはシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)が交付する業者番号が必要不可欠で、すべてのボトルのラベルにこの番号が記載されていなければなりません。番号の頭にMAと書いてあれば、顧客がシャンパーニュ地方の生産者に依頼して、ラベルだけを特別にかえてもらっただけのプライベートラベルということがわかります。

事実無根、虚偽の広告、宣伝に惑わされないようにしたいものです。

2008年7月8日
シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会
日本事務局代表 川村玲子


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AKI

冨美子先生

ボーモン・デ・クレイエール(CM)は私にとってなじみの深い
シャンパーニュですが、こんな小さなところに「CM」と
書かれていることに冨美子先生のブログで始めて気がつきました・・・。

この様な比較ティスティングもとても面白いですね!


by AKI (2008-07-31 11:29) 

stickman

はぁ~、なるほど。こんなに様々な登録記号があったんですね。
これらをちゃんと憶えておけば、購入時の検討の参考になるし、生産の傾向を掴むことが出来ますね。

サミット・ワインの報道の問題は残念ですね。こういった情報でも一次情報を鵜呑みにせず、多少の裏付けも求めなかったマスコミ側のワインに対する知見の浅さが海外に曝されたようで、むしろ虚しい気分です。まぁ、エチケット端の業者番号と「MA」までを丹念に確認出来るのはそこここ専門のジャーナリストくらいなのでしょうが…
by stickman (2008-07-31 23:38) 

fumiko

AKIさん、コメントありがとうございました♪
プロでも業態別登録記号のチェックはあまりしていないのでは・・・
ボーモン・デ・クレイエールがサンプルで丁度、良かったかな(笑)


stickmanさん、記号は本当に小さいので、今度ボトルとじっくり対面なさってください。

プロのライターとして私が一番気をつけていることは「裏取り(事の真偽をきちんと調べる)」です。署名原稿なら、なおさらです。
今回の件は、stickmanさんもコメントしてくださった「一次情報を鵜呑みにした」ことからスタートしています。怖いことです。

by fumiko (2008-08-01 00:58) 

uge

当地NYも暑い日が続いているので、ついつい泡モノに手が伸びてしまっています。日本では見たことがないシャンパン(きちんとした"シャンパン"です)があると、ちょっと飲んでみようかと買ってしまっています(笑)。

実はギィ・シャルルマーニュ(SR)はRMだと思ってまして(汗)。
業態別登録記号、ほとんどNMとRMしか意識してなかったのですが、改めて勉強させていただきました。
by uge (2008-08-04 01:41) 

fumiko

ugeさん~、お元気ですか~
お陰さまで日本醸造協会の発表、うまくいきました。感謝、感謝です!
NYでのシャンパン情報、面白い話があれば、ブログに書き込んでください。

ほとんどの方はNM、RM、MA(プライベートラベル)程度しか、意識していないと思います。NYに居ながらにしてシャンパンのお勉強、便利な時代になりました(笑)

by fumiko (2008-08-04 21:39) 

fumiko

くらいふさん、チェック、ありがとうございます♪
by fumiko (2008-08-26 00:53) 

YUTAKA

ソムリエ試験の勉強でしか知らなかった記号のワインを、実際に体験
できて、興味深い講義でした。いつも、ありがとうございます。

サミットの件は、残念でしたね。外務省のサミット報告のページからは
件の Champagne は削除されているようですが・・・
by YUTAKA (2008-09-07 13:31) 

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