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百聞は一見に如かずの『クリストム』、必見の土壌、絶対に外せないピノ・ノワール [ワシントン/オレゴンワイン]

クリストムからの嬉しいお便り

Tom Gerrie san(left) & Randy Ford san at the Eileen Vineyard
オーナー兼ワイングロワーのトム・ゲリーさんと営業副社長のランディー・フォードさん

一昨日、クリストムの輸入元中川ワインさんから嬉しいメールが届きました。
営業副社長のランディーさんが、ワイン王国10月号に掲載しているワシントン・オレゴンハーベストツアー2019の記事を素晴らしいと褒めてくださったメールでした。

I have attached a picture of Tom and I picking some of the very last fruit from the the estate, Eileen vineyard! Please share with Ms. Fumiko Aoki if you wish and give her our best regards.
との文面がありましたので、私も添付していただいた画像をブログでシェアすることに!
アップ予定の記事の順序を入れ替えて、今回はクリストムにフォーカスします。

7月の現地訪問では、クリストムのぶどう畑から強烈な印象を受けました。
以下の画像は、すべて拡大して見れるようにしてあります。
青木目線で捉えた躍動感が画像からお伝えできると確信しています!


クリストムの2つの土壌
クリストムの創業は1992年、オレゴン州ウィラメット・ヴァレーのエオラ・アミティ・ヒルズの中央東側に位置するワイナリーです。オーナーのトムさんが車で連れて行ってくれたのは、自社畑で標高の一番高いアイリーン・ヴィンヤード(210m)で、ここには2つの異なるタイプの土壌が存在しています。
余談ですが、我々が訪問する少し前、ピノ・ノワール・セレブレーションが開催されていたので、参加していた200名余りがクリストムを訪れ、ぶどう畑の視察を行ったようです。

1つ目はウィッツェル土壌
1500~2000万年前の火山活動で流れ込んだコロンビア・ヴァレー玄武岩、これはウィッツェルソイルと呼ばれています。オレゴン州ではエオラ・アミティ・ヒルズの一部に少量分布しています。かなり深く掘ってあるので、細かな観察ができます。


乾燥した土壌で、拡大すると白くなった部分が見えますが、これらは風化したものです。
ウィッツェルソイルからできるワインは凝縮感があり、ビッグなスタイルになるとのこと。


固く見える玄武岩、でも、手で簡単に割れます。


火山爆発で流れ込んできた溶岩は冷え固まっていく段階で、棒状の塊になり、それが年月とともに風化していきます。画像にある大きな塊は地中から掘り出されたものです。

2つ目はジョリー土壌

オレゴンの典型的な玄武岩の火山性土壌ジョリー。粘土質で鉄分を含み、保水性があり、色は赤味を帯びています。この土壌からできるワインはミネラル、チェリーや赤系果実のニュアンスがあります。
アイリーン・ヴィンヤード内にある2つの異なる土壌は、それほど遠くない距離にあります。クリストムのワイン造りに重要な役目を果たすぶどう畑から、エネルギーが伝わってきました。

新AVA ヴァン・ドゥーザー・コリドー
今年1月、AVAに認証されたコースタルレンジの切れ目ヴァン・ドゥーザー・コリドーは太平洋からの冷たい風が吹きぬける通り道。夜中の1~3時に風速30mの風が通過するとの話でした。


この画像をLIVEで撮り、ホテルの部屋で確認した時の驚き、すごいパワー!



今年植樹したシャルドネのぶどう樹
クリストムではシャルドネも生産していますが、トムさんは「ピノ・ノワールと同品質のシャルドネの完成を目指しています」と語っていました。昼夜の温度差があり、エオラ・アミティ・ヒルズで最も冷涼なエリアのヴァン・ドゥーザー・コリドーで造るシャルドネは世界レベルのワインになること間違いなし、ワクワクします!

ワイナリーでのテイスティング

サーモンピンク色のエレガントなロゼ(日本未輸入)


ピノ・ノワールの利き比べ



#1:ピノ・グリ エステイト2017
1993年に植樹、自根、一部MLF、塩味、中盤から厚み。「ピノ・グリから感じ取ることができる上質感、それをシャルドネでも表現したい」とトムさん。アイリーン・ヴィンヤードに植樹したシャルドネ、そのスタイルの見本となるピノ・グリ
#2:ヴィオニエ エステイト2018
自社畑、1993年に植樹。収量低め。ステンレスと樽(使用樽)併用。一部MLF。輝きのあるイエロー、クリーンな酸、マイルド
#3:ロゼ・オブ・ピノ・ノワール2018
酸が綺麗で爽快、口中を洗い流してくれるワイン
#4:ピノ・ノワール マウント・ジェファーソン2017
自社畑のぶどう60~65%使用(アイリーン・ヴィンヤードのぶどう25%ブレンド)と買いぶどうをブレンド。天然酵母、47%全房発酵、スパイス、シナモンやカルダモンのニュアンス
#5:ピノ・ノワール アイリーン・ヴィンヤード2016
1997年植樹、ヴァン・ドゥーザー・コリドーの冷涼な風を受けて育ったぶどうはメリハリのある酸味と溌剌とした果実味とのバランス良好、ぶどうが熟すのが一番遅い
#6:ピノ・ノワール ジェシー・ヴィンヤード2016
1994年植樹、ウィッツェル土壌とジョリー土壌が交じる畑、クリストムのなかで一番急斜面。濃い果実の味わい、旨味、複雑味、長い余韻
#7:ピノ・ノワール ルイーズ・ヴィンヤード2016
クリストムがこの土地を所有して一番最初1993年に植え替えをした畑、風の影響を受けない森に囲まれたぶどう畑。熟すのが一番早く力強いワイン


2012年に創始者で父親のポール・ゲリーさんから所有権すべてを受け継いだトムさん
名前に関する情報では、ワイナリー名の『クリストム』は、姉のクリスティ-ンさんとトムさんに由来しています。また、自社畑で男性名が付いているのは唯一ポール・ゲリー・ヴィンヤードだけで、それ以外はすべて女性名になっています。

Wine and SpiritsでTOP100のなかに入っていたクリストム。Wine Spectator ではマウント・ジェファーソン・キュヴェ2017が9 Top-Rated Oregon Pinot Noirs for Fallの1本に選ばれていました。
テイスティングすれば、必ずその魅力にハマるクリストムのワイン
ますます目が離せません。

■製品についてのお問い合わせは(株)中川ワイン
℡03-3631-7979

タグ:クリストム
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