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VINEXPO香港2018 快調なチリワイン&伸び続ける中国市場 from IWSR report [ワイン]

世界のワイン動向と日本のワイン市場

2018年5月29日~31日@香港で開催

VINEXPO ヴィネスクポは英国の調査会社The IWSR(The International Wine and Spirits Research)に依頼して、世界のワイン&スピリッツの状況調査をしています。毎年5年間予測(今回は2016年から2021年)をしていますが、今回はいつにも増して〝China〟連発でした。


ギョーム・ドゥグリーズ ヴィネクスポCEO(専務理事)が解説


まずは世界の動きから
2011年から2021年までのスティルワイン&スパークリングワインに関して大幅な増加はなく、横ばい状態。2013年に中国の低迷で市場が若干落ち込んだものの、現在市場は回復しています。
 
ワイン消費では欧州が57%を占めており、2021年の段階でも最大の市場ですが、その割合は徐々に減少し、今後5年間に毎年1%ずつ減少。その逆がアジア・太平洋地域で今後5年間で毎年2.8%ずつ上昇、米国市場は横ばい。スティルワインで一番伸びているのがプレミアムクラスで、2021年に向けて261~300ケース(9㍑/ケース)、年間18%増の予測

今後の消費のけん引役は中国

中国は2021年までの5年間で3.3%の伸び、3000万ケースまで拡大。米国の成長率は年間1%。中国は2020年には米国に次いで金額ベースで世界第2位に。日本は現在第9位で、2021年にはロシアに抜かれて第10位になるとのこと。多くの市場が成長していくなかで、フランスは縮小を続けるとの分析でした。

輸入トップ5

第1位ドイツ、第2位英国。両国は国内でのワイン生産量が限られているので、消費の多くを輸入に頼っています。第5位の中国は、ここ数年で第4位との予測。中国では国産より輸入ワインを多く消費しています。

ホットなカテゴリーはスパークリングワイン
世界のスパークリングワイン消費量は2016年から2021年で、2億5300万ケースから2億7900万ケースに。泡ものをけん引しているのはイタリアのプロセッコで、5年間で2700万ケースから4000万ケースまで拡大。シャンパンやカバはあまり伸びず、期待できるのはプロセッコやエントリーレベルのスパークリング。

ロゼのシェアは徐々に拡大
5年間で10.1%から10.6%増。数字的には大きくありませんが、ロゼが増えた分、赤ワインが減少傾向。


アジア・太平洋地域の動き
2016年のワイン消費量は2億9200万ケース、2021年は3億2900万ケース。中国は金額ベースでも拡大し、2021年には400億ドルに到達すると分析。
ワインの伸びの要因は・・・
■中国の中産階級の台頭/ワインをtrendyな飲料と考えているので、それが消費につながっている。
■女性層の拡大/ワインをstylishだと思っている。 
■若年層への浸透/伝統的なものより、モダンなものを好む傾向、それがワイン。
■健康志向/中国では酒からワインに移行。
■Eコマースの役割/中国で動きが顕著。 


ひとりあたりの消費量

第1位オーストラリア 28.9㍑、第2位NZ 26.8㍑。第3位 マカオ11.9㍑、第4位 香港5.6㍑、そして、第5位の日本は3.4㍑。中国は第7位でわずか1.4㍑。IWSRは「中国全体では大きな市場だが、ひとりあたりの消費量はまだ少ない。今後伸びていくであろうが、日本の消費量を超えることはない」と。

日本ワイン市場

スティルワインは2015年がピークで、それ以降、年間1.2%で縮小との予想。今後5年間で輸入ワインは約100万ケース減、2021年では2300万ケースになるとのこと。赤ワインは約70%で、ロゼワインは今後5年間で3.8%増の見込み。日本市場は他国と比べて白ワインの割合が多いのが特徴

若い世代は日本酒、焼酎、ビールから他の飲料を好む傾向にあり、RTD(開けてすぐ飲める低アルコール飲料)やワインが好まれています。

スティルワインとスパークリングワインの消費量
2016年にチリワインが輸入量No.1となり、現在に至っていますが、今後5年間で年間平均3.6%増の見込み。オーストラリアは0.7%増、ともにEPA(経済連携協定)の好影響。
スパークリングワインは今後伸びていくカテゴリーであり、日本は世界で最もスパークリングワインの成長が早い市場のひとつ。カバは大幅な伸びを示し、2016年には最大の利益を得ました。この成長は今後5年間にわたり、年平均の成長率8%で推移すると予測。日本ではシャンパンが最も消費されているカテゴリーで、スパークリング全体の15%以上を占めています。カバのシェアは6.7%、プロセッコは3.8%。


2016年のスティルワイン&スパークリングワインの消費量は3930万ケース、2021年は3830万ケースと減少傾向。内訳はスティルワインは3540万ケース(2016年)から3340万ケース(2021年)の減、一方スパークリングワインは390万ケースから490万ケースとなり、25%増の見込み。


チリ産スパークリングワインは16.8%増

日本における スパークリングワインのけん引役はチリ!
フランス、スペイン、イタリア、チリ、オーストラリアのトップ5なかで、 2016年から2021年の5年間の伸びは、フランス、スペイン、イタリアが約2~3%なのに対して、チリは16.8%増の予測。IWSRは、「日本の消費者はチリワインを価格だけでなく、品質面でも認めている。コスパのあるものを求める傾向にあり、チリワインには若さを感じさせるイメージもある」と分析

スピリッツ市場はウイスキーが元気
アジア・太平洋地域ではスコッチウィスキーが最も多く消費されているスピリッツで、輸入量の3分の1近くを占めています。
日本はスコッチウィスキーの消費量が2021年までに9%以上増加して156万ケース予測。また、日本はプレミアウィスキーの主要な生産国のひとつであると同時に米国産ウィスキーの消費国です。2021年までにはアジア・太平洋地域最大の米国産ウィスキー市場になる見込みで、2021年までに10%以上増え、超130万ケースと予測されています。ひとりあたりのスピリッツ消費量は韓国がトップで年間30㍑、日本は10.4㍑。



VINEXPO香港の主賓国はオーストラリア

香港、中国本土で人気のオーストラリアワイン
繁華街コーズウェイベイにあるハイサンプレイスの地下にあるスーパーマ-ケット『ジェイソンズ』で見かけた、中国語で〝奔富〟の意味を持つペンフォールドの陳列、存在感がありました!

ヴィネクスポは業界のプロフェッショナル向けにワイン&スピリッツのイベントを開催しています。既定の5都市(ボルドー、香港、東京、新しくニューヨーク(3月開催)、パリ(2020年1月予定))における展示会。さらに巡回展示会(ヴィネクスポ・エクスプローラー)も運営しており、今年は9月にカリフォルニア・ソノマで開催。VINEXPO香港の公式サイトはコチラです。


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