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イタリアのアルト・アディジェ〝小さな土地の偉大なワイン〟 [来日したワイン生産者&関係者]

最北部のワイン産地アルト・アディジェ
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フランスだけを管轄していたSOPEXA(フランス食品振興会)ですが、現在ではEU加盟国のワイン活動にも尽力しています。今回はイタリアからのワイン関係者です。

アルト・アディジェ・ワイン協会のマーケティング・ディレクターのヴェルナー・ヴァルトボットさんが来日し、同州のワインの魅力を語りました。主要な輸出先はドイツ、アメリカ、スイスで、昨年から日本向けのプロモーションを開始しています。輝き始めた伊最北部のアルト・アディジェというタイトルで、昨日(6月11日付)の産経EXでも紹介させていただきました。

アルト・アディジェ概要
1919年までオーストリア・ハンガリー帝国に属していましたが、第一次大戦でオーストリアからイタリアに。第二次大戦後、独立自治州となり、公用語としてドイツ語とイタリア語を使用。住民の7割はドイツ語を母国語にしています。

アルト・アディジェのぶどう栽培面積は5,300㌶、全生産量は33万hl、イタリアの総生産量のわずか0.7パーセントという小さな産地。品種は20種超。大事な品種は白はピノ・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、ゲヴュルツトラミネール、赤はラグレイン、スキアーヴァ、ピノ・ネロ。「近年の研究でゲヴュルツトラミネールは東仏原産と判明。とはいえ、数百年以上も前から栽培されてきたぶどうなので固有品種として捉えています」とヴァルトボットさん
印は固有品種

アルプス山脈が北からの冷たい風を遮ぎり、南からの暖かい風がぶどうの生育に良い影響を与えています。日照時間は年間300日、降水量500~800ミリ、昼夜の温度差が激しいことで、アロマ豊かな白ワインを造るのに適しているエリアと言えます。土壌は班岩、石灰岩、粘板岩など様々

ワイナリー数は160超 = 協同組合13、エステートワイン(ぶどうを購入してワインを生産)36、独立系生産者(ぶどうも自分で生産)100以上

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プレスランチで供出された白4、赤2、デザートワイン2を資生堂ファロの料理と合わせて

#1:ピノ・ビアンコDOC “シルミアン” 2013 / ナルス・マルグライド、協同組合
シルミアン畑のぶどうを使用、アロマ、ミネラル、酸味豊か、アスパラガスとの相性◎

#2:ピノ・グリージョ DOC 〝プルヴェマーイ” 2012 / カステル・ザレッグエステートワイン
2,700円という納得価格、種の大きな果実(桃、杏、プルーン)等のアロマ、ミネラル、活き活きした酸が楽しめるチャーミングなワイン

#3:ソーヴィニヨン・ブランDOC“クオルツ”2013 / カンティーナ・テルラーノ、協同組合
酸とミネラルが際立ち、レモン、マンゴー、パパイア、ハーブ的なニュアンスも。協同組合のなかでも重要なワイナリーであり、熟成できるタイプのワインを生産しているとのこと

#4ゲヴュルツトラミネール リゼルヴァDOC “ブレンタル”2012 / コルタッチャ、協同組合
「樫の大樽で熟成させたリゼルヴァ。本来ゲヴュルツトラミネールでリゼルヴァは造らないが、このワイナリーでは造ります」とヴァルトボットさん。 ライチ、マンゴー、オレンジなどの南国フルーツ、ラベンダー、ゲヴュルツにはぴりっとしたアロマがあるのでエスニック料理に

#5:ピノ・ネロ・リゼルヴァDOC “プレポージトゥス”2011 / アバツィア・ディ・ノヴァチェッラ、エステートワイン
ロゼワインで有名な生産者、ロゼはアルト・アディジェの中で最も北にある畑のぶどうを使用。#5は修道院のぶどうと買付ぶどうを使用。赤系果実、ボリューム感、バランスの良さ。アバツィアとは修道院の意味で、このワイナリーはローマやヴェネツィアに向かう巡礼者の休憩所として利用されていた由

#6:ラグレイン・リゼルヴァ DOC “カステル・リングベルグ“2010 / エレナ・ワルク、エステートワイン
女性ワインメーカー(エレナさん)の手による繊細なワイン、20カ月バリックで熟成。ロースト香、ココア、ヴァニラ、タバコ、酸味穏やか、タンニンまろやか

#7:モスカート・ローザDOC 2012 / フランツ・ハースエステートワイン
レイトハーヴェストによる中甘口のワイン。青リンゴ、爽快な酸と甘味のバランス。エレガント!

#8:ゲヴュルツトラミネール ヴェンデミア・タルディーヴァDOC “テルミヌム”2011 / トラミン協同組合
レイトハーヴェストによる甘口ワイン。南国果実、ハチミツ、上品な味わい、長い余韻、ブルーチーズがお薦め

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グリーンアスパラガスのグラティナートと生ハムのクレマ

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真鱈のソテーとバッカラ・マンテカート 春菊のソース

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カボチャとビエトラのリゾットとピノ・ネロ・リゼルヴァDOC “プレポージトゥス”2011

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島根県産 猪のブラザート

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リンゴのストゥリューデル シナモンのジェラートと共に


資生堂ファロのシェフソムリエ、第3回JETCUP イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクール優勝者の本多康志さんはアルト・アディジェのワインについて「小さな産地ですが、白ワインに関しては重要な産地です。ワインはミネラル感やしっかりした果実味、酸味が魅力です」とコメント

本多ソムリエのおっしゃるように、白ワインはとても良かったです。上品で清冽、和食との相性もイメージできるワインたちでした。赤はタンニンもソフトで重厚過ぎない点が気に入りました。如何せん、ワインの価格帯が6000円、7000円だと、日本市場でアルト・アディジェ産がどこまで入り込めるかは疑問です。ヴァルトボットさんにはその点について忌憚ない意見を言わせていただきました。品質が良いだけに価格次第で、日本での動きにも期待できると感じています。

来年以降のプロモーションで、なんらかの変化を感じさせてくれれば嬉しいです。

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