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カリフォルニア研修ツアー2014 ~ソノマからサンフランシスコまで(最終回) ~ [カリフォルニア・ドリーミング・ワインツアー]

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カリフォルニアワインテイスティング2015ですが、2日の大阪会場には約600名、4日の東京会場には1,000名弱の参加がありました。多くの店舗のエントリーに期待したいです。

ラストの訪問はソノマ・カウンティ
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最終日、5日目はソノマ・カウンティ・ヴィントナーズの合同テイスティングからスタートしました。同協会は1944年に創立、現在200名以上のメンバーが加盟しています。この日参加のワイナリー(楽しみにしていたアイアンホースは欠席)は16でした。


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Alexander Valley Vineyards/Cattleya ・ Shared Notes/Chateau St. Jean/Dutton Goldfield Winery/Ferrari Carano/Flowers Vineyard and Winery/Francis Ford Coppola Winery/Keller Estate/Kunde/Laurel Glen Vineyard/Migration ・ Decoy/Pedroncelli Winery/Ramey Wine Cellars/Rodney Strong Vineyards/Sivas Sonoma ・ Don & Sons/Silver Oak ・ Twomey Cellars
Iron Horse Vineyard (欠席)


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品の良いシャルドネとピノ・ノワール
エステート・ディレクターのグレッグさんから「来年、IPOBのメンバーと日本に行くよ」とのお話が。今年に入って4月中旬の具体的な日程も決まりました。IPOBはピノ・ノワールとシャルドネに特化し、バランスを重視しています。10月のワインのこころに書きましたので参考にしていただければ嬉しいです。

すべてに満足、さすがのケンダル・ジャクソン
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ケンダル・ジャクソンは1982年に故ジェス・ジャクソンさんが設立したワイナリー

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ランチにはジャクソン・エステートのヴィオニエとシラーが登場、数量限定のプレミアムワイン

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テーブルセッティングやお花のアレンジも素敵!

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一週間に4回だけ焼くスペシャルブレッド
カベルネの果皮を挽いて小麦粉に混ぜ込んだポリフェノールたっぷりのパン

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最後の晩餐ならぬツアーメンバーとの最後のランチ


地産地消をモットーにしたメニュー
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トマトは同ワイナリーにとって特別な作物です。きっかけは初代シェフとジェスさんが「何か面白いことをしよう」ということから始まりましたが、これはジェスさんの幼少時代の思い出とつながっているそうです。

トマトの植樹から18年、今では毎年9月にトマトフェスティバルも開催され、2500名以上の参加があるとのこと。トマトの数はなんと175種類、すべて種から栽培していて、種はワイナリーでも販売しています。

南カリフォルニアの冷涼なエリアに位置するアリソン・ヒルズ・ヴィンヤードはコート・デュ・ローヌに似た地形で、砂利の多い砂質ロームの土壌から豊かな酸を備えたぶどうが収穫できます。トマトのフレッシュなジューシーさとヴィオニエの青さがうまく調和していました。

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16,000エーカーの土地の3分の2は自然をそのままに残しています。
メインに出たラムも飼育場で育てたもので、ジューシーで柔らか、絶品。ソースは15年熟成させたバルサミコを使っていました。シラーも同じくアリソン・ヒルズ・ヴィンヤードで、果実ではブラックチェリーやカシス、スパイス系では黒胡椒や甘草の要素を感じました。スペシャルなゲストだけに出すシラー、嬉しいことです。

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シェフとパティシエのご両人、用意された食材は朝ガーデンから摘んだばかりで超フレッシュ!

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伝統的なアーモンドアップルタルト、シャルドネのキャラメルソースとホイップクリームはローズマリー。ここで使われたリンゴは16年前に植えられたものとか。今回ヘーゼルナッツだけが自家製ではなかったのですが、99.9%地産地消、素晴らしいです!


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案内役はワイン・エデュケーターのぺドロ・ラスクさん、笑顔がとってもイイです。
後方の卵型発酵タンクはテイスティングルームの訪問者に供出するワイン造りに使っています。今ツアーでは何軒かのワイナリーで卵型タンクを見かけました。タンク内の対流が良いこと、空気の微量な入り具合が木樽とは違う意味で効果があることが利点とか。容器自体の寿命は10年くらいだそうです。

前回のブログで触れたサステイナブルについて、ジャクソン・ファミリーでも熱心に取り組んでいます。ワイナリーの屋根はソーラーパネルです。これは自動車メーカーのテスラ製で、大きなバッテリーでチャージさせた電気はワイナリー全体に回しています。干ばつが続くカリフォルニアの目下の問題は水資源。水の再利用を含む同ワイナリーの地球環境への取り組みはワインのこころで紹介しました。

自社樽がもたらす効果
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ランチとは別に供出された同ワイナリーの売れ筋ワインたち
なかでも、右から2本目の『ヴィントナーズ・シャルドネ』は米国で22年間連続売上のトップを誇っています。日本ではエノテカが輸入(2800円・税別)しています。

ケンダルジャクソンではフレンチ、アメリカンそれとハンガリアンのオークを使用しています。品質の良いワインがリーズナブル価格で出せる理由は「自社で樽工場を持っているから」とペドロさん
フランスにある工場で、樽の木材を購入し、ケンダル・ジャクソン独自に製樽。内部の焼き加減については200通りもあるとか、びっくり!


サンプリングヴィンヤード&野菜ガーデン
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28のぶどう品種が植えられ、仕立て方の違いの工夫もしています。

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ウェザーステーションの機器で風の向きや風力、温度を観測

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フルーツゾーンの温度や湿度、地表の温度や地表から6フィート下の湿度の観測等も、5分ごとにヴィンヤードマネージャーにデータが送信されているそうです。

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ぶどうから連想できる植物のコーナー。たとえばシャルドネの場合、パイナップルセージが植えてあり、香りのレッスをすることができます。ケンダル・ジャクソン型学習ヴィンヤード


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ワイナリーの庭や畑すべてがサステイナブルかオーガニックです。セントラル・ヴァレーではぶどうだけでなく、多くの作物を生産しているエリアなので、ケンダル・ジャクソンでは知恵を生かし、それらをサポートしています。


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ケンダル・ジャクソンの野菜ガーデン担当のタッカー・テーラーさんは「収穫した作物はワイナリーだけでなく、サンフランシスコのトップレストランにも出荷しています。世界中の珍しい作物を持ってきて栽培していますが、フランスで見つけたオイスターリーフ(スコットランド産/噛んでいるとオイスターの味がする植物)やアフリカの海岸沿いで栽培されているアイスプラント(塩分を含み、ダイヤモンドのようにキラキラ光っているのが特徴)などもあります」と解説。手の上にあるのがアイスプラント

故ジェス・ジャクソンさんは畑もぶどうも動植物も、すべてバランス良く生かすことを大事にしていたようです。その教えはファミリー経営の同ワイナリーで正しく伝承されていることを感じました。素晴らしい時間でした。


フィリ―タイムはサンフランシスコ
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サンフランシスコの青い空、フェリービルディングの看板時計


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ホテルはThe Warwick Hotel San Francisco
お部屋は少し狭かったですが移動にはとても便利

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ホテル内のアヴェリーン・レストランはスタッフの対応も丁寧、サラダにも気遣いがありました。


サンフランシスコのおすすめスポット
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宿泊したホテルから数分のところにはナパバレー・ワイナリー・エクスチェンジ

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丁寧な接客の日本人スタッフ岩元美度里さんとカリフォルニアワインの生き字引ドン・ジレットさん
現地で頑張るヤマトナデシコとして岩元さんを紹介したワインのこころもご覧ください。

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穏やかなサンフランシスコ湾とアルカトラズ島

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8年ぶりにフェリービルディングにあるワインショップワインマークチャント
購入したワインはそのまま、隣接しているバーに持ち込むことができます!


和の世界が楽しめるPabu IZAKAYA
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リストには80種類ほどの日本酒が載っています。冷酒中心ですが熱燗もあります。ワインは50種類、グラスワインは14~15種類

帰国後、産経EXの食ぺージで西海岸で活躍する日本人を取り上げ、ジャパニーズマインドのタイトルでご紹介しました。その1つがPubu IZAKAYAです。2014年6月にオープンしたばかりの超人気店、予約は必須です。
私は自由行動日に関西組の優秀店、京都The doorの溝口店長と出かけました。唯一の日本人ソムリエール矢冨さんのホスピタリティーで心地良い時間を過ごすことができました。

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同店の人気メニュー〝魚介しゃぶしゃぶ(左)〟
富永シェフと矢冨ソムリエールから嬉しいサプライズ〝柚子風味のカクテル〟
和柑橘の香りと味わい最高


サンフランシスコ国際空港で
2014年の優秀店の皆さま、お疲れ様でした!
1週間の元気ツアーも無事完了、関西組、関東組もいよいよお別れです。

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関西組は溝口さんが見つからず・・・

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東京組の今後ますますのカリフォルニアワイン拡売、期待されていますよ!


ジャパニーズマインド番外編
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番外編として、日本在住でカリフォルニアワイン造りをしているワインライフ(株)の杉本隆英社長(愛称Napaさん)にインタヴューしたコラム(ワインのこころ)を載せておきます。


カリフォルニアワインテイスティング2015から(東京会場
50あまりの輸入元が参加した昨日4日の会場で、頑張っている日本人醸造家にフォーカス

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日本人醸造家の中村倫久(のりひさ)さんが造る『ノリア(スペイン語で水車の意味)』、ワインは2アイテム、シャルドネ2013とピノ・ノワール2012です。初ヴィンテージは2010年。サンフランシスコのホテル日航に赴任し、現地でカリフォルニアワインに魅了された彼は醸造家を目指して退職。UCデービス校で学びながらナパのワイナリーで働き、卒業後は著名な醸造家のもとで多くを体験

中村さんの原点ともいえるワインについて伺ってみました、「16年目、父の容体が悪化し、病院に駆けつけました。幸いなことに一命は取り留めたので、家族一同ホッとしました。その後、レストランで父の病状回復を祝い、ワインで祝杯をあげました。そのお店で飲んだエシェゾーがこころに深く残りました。ドメーヌやヴィンテージは覚えていませんが、そのエシェゾーの味わいがワインの原点です」とおっしゃっていました。中村さんのワイン造りのコンセプトは日本食に合うワインです。アルコール度数は共に14.2%あるのですが、口中でそれが気にならず、こころに優しく浸透してくる味わいです。


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輸入元デプトプランイング扱いのマボロシ・ワイン・エステートは日本人の和市(きさいち)友宏さんが1999年に興したワイナリーです。過去2回ほどインタビューしたことがありますが、凝縮した果実味と繊細さを備えたピノ・ノワールが印象的。ココだけの話ですが、近い将来、和市さんが造る〝Maboroshi〟スパークリングが登場予定とのこと!


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その和市さんがシンセサイザーの喜多郎さんのニューアルバム『ファイナルコール』の発売を記念してコラボしたスペシャルキュヴェが『KITARO ファイナル・コール・ノース・コースト ブリュット(参考価格6,000円)』、比率はシャルドネ60%、ピノ・ノワール40%、シャンパーニュ方式、メンドシーノのぶどうから造っています。輸入元は横浜君嶋屋です。

ふたりのご縁はカリフォルニアのセバストポールに住む和市さんのご近所に喜多郎さんがいらしたとか。このスパークリングは気泡繊細で口中クリーミー。白い花や白桃のニュアンス、バランスがとても良いです。和市さんの初泡ものがコレであればリリース予定のスパークリングが待ち遠しいです。


最後に・・・ワインインスティテュートの堀賢一日本代表、同所の松井花織さま、そして近藤さをりさま、大変お世話になりました。、2015年のプロモーションがより活発な動きになりますことを願っております。感謝を込めて!!


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gillman

ワイングラスの光と影、とても素敵ですね。
by gillman (2015-03-06 13:56) 

fumiko

gillmanさん、ありがとうございます!
ケンダル・ジャクソンのランチタイムで、白いクロスに写り込む
ワインの色と影が良い感じで、思わず撮影モードに入った私です。
カメラプロ級のgillmanさんに褒めていただき、凄く嬉しいです!
by fumiko (2015-03-06 23:00) 

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