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本邦初! 日本上陸前の貴重なアイテムを交えたシャンパーニュ講座 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 講師冥利に尽きる素晴らしいラインナップ
 11月の贅沢な顔ぶれ
 パーペチュアルにこだわるメゾンを選択しました。

 シャンパーニュのメゾンがストックしているリザーヴワインの保管に関して、
 ソレラ表現が近年パーペチュアル (永久的な) という言い方に変化しています。

 ソレラ解説
 何年にもわたるワインが混在
 その部分は的確でも、シャンパーニュのリザーヴワインは樽を積み重ねていません。
 説明するには重宝でしたが、実際には、はて? でした。
 ソレラ→パーペチュアル呼称、メゾン側も変更しつつあります。

        第一フライト
        #1:アルフレッド・グラシアン ブリュットNV ニューラベル
        生産者:アルフレッド・グラシアン(NM) / 1864年創業
        ぶどう品種:CH45% ムニエ35% PN20%、ノン・マロ
        ベースヴィンテージ:2019年
        リザーヴワイン:40%

        1990年から父親がはじめた木樽によるソレラは2000年でストップ
        ジェジェ当主は2002年からステンレスタンクでのソレラに変更 

        デゴルジュマン:2022年11月
        ドザージュ:9g/L
        参考上代:9,460円
        輸入元:Wine to Style

グラス上部から見た泡沫がすこぶる元気、白い花や柑橘系果実、酸味はピュアでキレ感あり。スワリングで熟れた果実やリンゴのコンポート、口中クリーン、中盤以降の酸味の伸びと余韻の長さが好印象


        #2:フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ ノン・ドゼ
        生産者:フィリポナ(NM) / 1910年創業
        ぶどう品種:PN67%、CH31%、ムニエ2%
        ベースヴィンテージ:2019年
        リザーヴワイン:34% 

        1946年から木樽で保管しているソレラ
        2012年から開始した木樽によるソレラ(全体の1/3程度使用)

        デゴルジュマン:2023年2月
        ドザージュ:0g/L
        参考上代:11,550円
        輸入元:アルカン

冷蔵庫温度だと#1より香りは控えめ。グラス内の温度変化でリザーヴワインに由来する複雑味。味わいはドライながら、果実本来の熟度を感じさせる膨らみがあり、溌溂感と旨味が見事に調和。フィリポナ当主お薦めのマリアージュが「このノン・ドゼと烏賊の塩辛」、試して納得できました。和食に精通している当主ならではの組み合わせ、お試しくださいませ!

     ■フィリポナがソレラでリザーヴワインをストックするようになった理由は、
      第二次世界大戦後、物資難を乗り切る方策として先代たちが考案。
     もう1つは当主自らが始めた2012年~のソレラ

     ■フィリポナ当主いわく
     古いワインに新しいワインを加えると、ワインは若返ります
     それは熟成感と新しさを備えたワイン造りに打ってつけです。

 
 フードルの種類は2500L、1500L、600L

          シャルドネ重視のグラシアンの方が濃いめ


        第二フライトはパーペチュアル100%の3アイテム
        左からローランペリエ、ユレ・フレール、アンリ・ジロー

        #3:ローラン・ペリエ ブリュット ヘリテージ
        日本未入荷 / 英国では2024年6月20日発売
        生産者:ローラン・ペリエ(NM)/ 1812年創業
        ぶどう品種:CH55% PN45%(グラン・シエクルのキュヴェ50%含)

        パーペチュアル:2014年20%、2016年20%、             2018年30%、2019年30%の4ヴィンテージ

        デゴルジュマン:2023年12月
        ドザージュ:6g/L
        参考上代:16,500円

欧州で今秋リリースされたアイテム(日本での発売は未定)なので、テイスティングを楽しみにしていました。グラン・シエクルのスタイルを継承する妹分的存在。グラン・シエクルは3ヴィンテージのブレンドですが、ヘリテージは4ヴィンテージ。フレッシュネスな2014年、ストラクチャーの2016年、リッチネスの2018年、フィネスの2019年

シャルドネを重視するローラン ペリエならではのエレガンス、白い花や白系果実、柑橘果実の内果皮、ミネラル、余韻に広がる酸味、凜としたスタイル。グラス内の温度によってアロマや味わいに変化があり、できれば大ぶりのグラスで味わいたかった希少アイテム。“オーダーメイドなシャンパンレッスン”を体現させた今月の講座、ヘリテージを提案してくれた優秀な受講生に改めて感謝!

        UKから個人的に搬入したアイテム
        Imported by LaurentーPerrier(UK)Limited


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        #4:ユレ・フレール メモワール エクストラ・ブリュット
        生産者:ユレ・フレール(RM) /1960年創業
        ぶどう品種:PN50%、ムニエ40%、CH10%

 パーペチュアル 1982~2019年100%

 デゴルジュマン:2023年2月
 ドザージュ:2g/L
 参考上代:16,500円
 輸入元:テラヴェール

次世代を担うシャンパーニュの造り手として、私が期待しているフランソワさん。ユレ・フレールの3代目です。メモリーの初リリースは2013年(1982~2009までのパーペチュアル)でした。メゾンのDNAが詰まったリザーヴワインを100%使ったアイテムに講座生から、たくさんの「お気に入り評価」をいただき、第2フライトのテイスティングがより興味深いものになりました。ゆるやかな酸化のニュアンスがあり、石臼で挽いた実山椒、白胡椒、ヘーゼルナッツ、焼き栗、カルダモン、ハーブ、香ばしさ等、層になって広がるアロマ。醤油的なニュアンスがあるので煮物等との組み合わせもお薦め!

       #5:アンリ・ジロー PR(パーペチュアルリザーヴの意味)90-19 
       生産者:アンリ・ジロー(NM) / 1625年創業
       ぶどう品種:PN80%、CH20%

       パーペチュアル1990~2019年100% フュ・ド・シエーヌ
       1950年代からのエスプリ・ナチュールの分も使用(3%)

       瓶詰後、約36ヵ月の瓶内熟成
       ドザージュ:約5g/L
       参考上代:41,800円
       輸入元:アンリ・ジロー ジャパン

10月に90-20リリースされたばかりです。90ー19はその前のボトルになるので、瓶熟期間が長い分、すべてがまろやか、“今飲んで美味しいシャンパーニュ”。1950年代からのリザーヴワインも使った贅沢なパーペチュアル。ゴールドの色調、黒ぶどうPNがメインのメゾンらしい風格。酸味、厚味、旨味、余韻の長さが絶妙!

          ボトルの座標は、はて[ふらふら]

 輸入元アンリ・ジロー・ジャパンからいただいた解説

 

        アグラフで止めたコルクで熟成

 アグラフを開ける時に使うデグラフェール

 【豆知識】
 11月に来日したアルフレッド・グラシアンのジェジェさんが教えてくれたお話です。
 
  転載禁止 画像提供:(C)CIVC


 UKで購入した90-19の外箱を連結させると、まぁ、宇宙空間


 開栓後の5アイテム


      [イベント]新・ワインで巡る世界ツアー
       お陰様で満席になりました。
       早々のリアクション、ありがとうございました!
       新・ワインで巡る世界ツアーのキャンセル待登録はお受けしています。

  フェッラーリ・トレントのセラー・マスターは、
  元シャルル・エドシックのシリル・ブランさんです。 
  シャンパーニュでも大活躍した凄腕に、大いに期待しています!

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