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新年はお節とマデイラでマリアージュを堪能!! [ワイン]

  あけましておめでとうございます!
  20歳を迎えたマデイラと!

昨年中は拙ブログにお立ち寄りくださいまして、まことにありがとうございました。
2020年はコロナ禍で前代未聞の事態になり、2021年もしばらくは落ち着かない日々になりそうですが、ワインだけじゃない (Non Solo Vino) 情報発信をして頑張っていきたいと思っています。
引き続き、何卒宜しくお願いいたします!


 守備範囲の広いマデイラ

2018年、マデイラに特化したセミナーで、スティルワインやスパークリングワインと相性の悪い食材 (塩辛、数の子、納豆巻きetc) にも、堂々と太刀打ちする存在に、感嘆の連続でした。その時から、お節に合わせたいと思っていたので、2021年のお正月は『マルヴァジア コリエイタ2001』で遊んでみました!
主要品種はマルヴァジア100%、コルクを抜いた瞬間から芳醇さが漂ってきます。香りは黒糖、アプリコットやヘーゼルナッツ、胡椒や山椒、木香。口に入れると、甘味、その後から酸味、ロースト風味が広がり、鼻腔にアプリコットを食した時のような香りが残るリッチで凝縮したタイプのマデイラです。
甘口なので、基本的にデザート類と良く合います。


      試して納得!
      黒豆とは甘味が相乗、田作りの苦みはまるく包み込んでくれます。
      貝真砂和え(昆布がブリッジ役)、数の子は全く問題なし
      昆布巻きはヨード感も楽しめます!
      画像にはありませんが、栗きんとんや伊達巻もウェルカム
      今年は、マデイラをもっと身近に感じて頂きたいと思っています!
       
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日本ワイン&チリワイン× 鮨メニューを最小メンバーで! [ワイン]

 福岡県人会+One/2019年11月29日

福岡出身のメルシャン松尾・藤野両氏&ワイン王国村田編集長、プラスOneは東京生まれの私。今年はコロナ感染拡大で、集合ならず[もうやだ~(悲しい顔)]



そこで村田編集長と相談し、同社から至近距離の場所でミニマムな忘年会。今年の〆はつきぢ神楽寿司の赤酢でリフレッシュできました!

 メンバーは九州組、村田惠子さんと大分県出身の森上久生ソムリエ
  山形県出身のワイン王国大久保絵美さん、それからプラスOne!!

 長崎・五島ワイナリーのスパークリングワインナイアガラ
 前菜は磯つぶ貝、白子焼、新唐墨
 日本ワインに関わるワイン仲間からいただいたナイアガラの泡もの。
 従来のナイアガラとは異なるイメージで、香りは控えめ、酸味は綺麗、塩味の印象も!


 五島ワイナリーの8月23日のツイート
 今年は台風到来間近ということで心配も多かった由


 お造りは、かつお、寒ぶり、平貝
 ライムと一緒に食すとより好感度が増しました!


           大分の安心院葡萄工房のアルバリーニョ
アルバリーニョ.jpg
      大分県にある安心院ワイナリー、森上ソムリエの評価も高いです!
    アルバリーニョはポルトガルの白の主要品種。和柑橘の風味、酸味程よく上品


      きんき塩焼の皮部分のサクサク感と身の部分の柔らかさが好印象


     ビオディナミ農法の導入が早かったコート・デ・バール地区のフルーリー
     ピノ重視のメゾン、BNはピノ・ノワール100%!


 寿司の第1弾は生いくら (下に赤酢のシャリ) 、づけまぐろ、金目鯛炙り
 私はシャンパーニュに合わせていくらを楽しみました。ここで・・・


  森上ソムリエがいくらに合わせて推奨したのがナイアガラ
  これは意外も意外、驚きでした!


          コノスルが誇るピノ、チリ自慢のピノ
     煮物はクエちり蒸し、ポン酢添え
     オシオの酸味とポン酢の酸味の相乗、モミジおろしは必須!
     “休暇”を意味するオシオは時間をかけてゆっくりと味わいたいワイン


  寿司第2弾は大とろ、白海老、うに、かます炙り

神楽寿司の三浦専務に事前にお願いしていたのが、赤酢と絶妙な“炙り”の握り。
今回は日本ワインが主体だったので『シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー シラー2015』を持参。和の清涼感を備えたシラーのスパイス風味、炙りと良く合いました[わーい(嬉しい顔)]


   昨年の12月もシラー
  帰宅後、1年前のワイン王国の忘年会のツイートをチェックしてびっくり!
  様々な種類のお料理とワインが登場し、私は椀子と鴨居寺のシラーの利き比べを満喫。
  1年経過した12月の同時期に、なんと椀子シラーを選んでいた不思議[exclamation×2]
  ちなみに、昨年ドイツのシュペートブルグンダーを薦めてくれたのは森上さん!


       神楽寿司のガリともナイスな相性


                  ☆☆☆
    築地も、他の繁華街同様、時間規制下で、例年のような元気がありません。
 コロナの影響を受けることなく、いつものように健康なエリアに戻ることを願いつつ!!

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ボジョレー・ヌーヴォー2020<続編> デュブッフ、モメサン、ドルーアン・・・お薦めメニュー [ワイン]


11月18日深夜、サントリーワインインターナショナル主催で開催されたボジョレー・ヌーヴォーのカウントダウンで、アドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長が紹介してくれたのがボジョレー・ヌーヴォー(ガメ100%)とオレンジ・ヌーヴォー(グルナッシュ・ブランとシャルドネ)でした。


コロナ禍の厳しい状況下で、ボジョレー地区初のオレンジワインをリリースさせたアドリアンさん。年初に偉大な祖父を失っただけに、彼にとっては感無量だったと思います。解禁イベント時、岩田渉ソムリエはオレンジ・ヌーヴォーのマリアージュについて、「生姜焼きに合わせると、ジンジャーのスパイシーさとワインのほのかなスパイシーな香り、アールグレーのような華やかな香りが一体となって調和します」とコメントしていたので、12月上旬、岩田さんの意見に従い、豚肉と牛肉の2種の生姜焼きを作って合わせてみました。生姜焼きに焦げ目があると香ばしさが増すので、一層オレンジワインの味わいに相乗しました。生姜汁への漬け込み時間が若干長かった牛肉のほうが、相性的に良かったです。

 アドリアンさんの大好物がまい泉のとんかつ!
 ひとくちカツは皮のサックリ感と肉質の柔らかさがとてもイイ感じでした。
 定番のボジョレー・ヌーヴォーとはお薦めの相性です!


アドリアンさんにマリアージュの報告をメールしたところ、迅速なお返事が届きました。
解禁日にもおっしゃっていましたが、「ヌーヴォーを無事日本に届けることができて本当に良かった」と。「東京で、祖父の功績を祝いつつ、皆さんと一緒にグラスを掲げたかった」との記述も!
新酒解禁時のフランスは外出禁止令が出ていたので、アドリアンさんはお家でヌーヴォーを開栓したようですが、「ひとりで解禁するのは奇妙でした」との心情を語っていました。
来年は、例年通り、リアルタイムでカウントダウンできることを願っています!!!


  ナパの知恵とフランス産新酒が融合

(左から)ナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)の小枝絵麻駐日代表、NVV公認アンバサダーの青木&近藤さをりさん、若下静NVVマネージングディレクター、料理研究家の吉田千秋さん


  [NEW]Napa Valley Charity Recipe Book
 
小枝さんと若下さんが関わったレシピブックが11月末に完成しました。
今夏、ナパヴァレーを襲った大規模な火災の救済支援のために作った冊子で、1,000円以上の寄付をしてくださった方に贈呈しています。オリジナルレシピから混ぜるだけの簡単レシピまで豊富な内容で、マリアージュの幅が広がります。
ワインラバー&ナパワインラバーの皆さまからのリアクションをお待ちしています!
詳細につきましてはコチラをご覧ください。

 食欲をそそる画像、レシピは日本語と英語併記


  パーティールームを借り切ってマリアージュ探求
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 画像協力:M. Goto

フード&ワインスペシャリストの小枝さんをリーダーにしたメンバーが、ワインと料理の相性をチェック。お料理担当は小枝さんとアシスタントの吉田さん。日頃はナパワインを飲むことが多い小枝さんと若下さんに、フランス産の新酒を体感して頂きました。

    フォトボックスも活用
    画像協力:M. Goto 
    小枝さんが用意してくれたのがフォトボックス
    物撮りがきれいに仕上がり、ホント感謝です!


 ジョルジュ・デュブッフのオレンジ・ヌーヴォー
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 ほうれん草xo 醤炒、銀杏入りを合せて。
 中盤以降グリワイン似の軽いビター感が銀杏の味わいと好ハーモニー


    帝王へのオマージュワイン『ラ・ロズレー』

故デュブッフさんへの功績に感謝を込めて生産した2020年日本限定発売のボジョレー・ヌーヴォーで、ワイン名は“バラ園”、ぶどうは自社畑100%。
赤系果実の凝縮感、ハーブのニュアンスやスパイシーな要素があり、青椒肉絲に使った黒コショウやシナモンとのバランス良好。口中の脂分を奇麗に洗い流してくれるタンニン効果もあり、美味しいマリアージュになりました。


     秀逸なヴィラージュクラスの2アイテム
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    ボジョレー、ボジョレは輸入元各社に合わせて表記
    (左から)ボジョレー・ヌーヴォー ラ・ロズレー2020
    モメサン ボジョレヴィラージュ・ヌーヴォー“ヴァンダンジュ”2020
    ジョセフ・ドルーアン ボジョレヴィラージュ・ヌーヴォー2020




輸入元オエノン扱いのモメサン。毎年、ラベルに収穫日、生産本数、ナンバリングを記載しているヴァンダンジュは同社が誇るプレミアム・ヌーヴォー。私は解禁パーティーで毎年チェックしていますが、今年は特に果実味、酸味、渋味の各要素がきれいに出ていて、それらがバランス良く口中に広がり、余韻も長く好印象。


 解禁日直前に開催される品評会『ル・トロフェ・リヨン・ボジョレ・ヌーヴォー』
 出品された357アイテムのなかから最高賞に選ばれた18点のなかの1本です。
 おめでとうございます!



輸入元三国ワイン扱いのジョセフ・ドルーアン。丁寧な造りでエレガント、フェミニンなスタイル。メンバーの多くが「ボジョレ・ヌーヴォーのイメージが変わった」とコメント。いつも感じるのは包容力、守備範囲の広さです。マヨネーズであえた数の子やナンプラーのような癖のある食材にも太刀打ちする優れものです!



収穫したての新酒は若々しい紫色をしているので赤キャベツを使い、色で合わせた一皿
(右)グリル菜の花と赤キャベツのアーモンド醤油和え
(左)ビーツとブルーベリーの白和え


 3種のスパイスを豚に合わせて

(左から)
ナッツ、クミン、コリアンダー、ココナッツ等をブレンドした中東のスパイス“デュッカ”
小枝オリジナルのレッドワインスパイスミックス、ライトなワインに合う調味料
ドライトマトと黒にんにくのスパイスはフルボディーの赤ワインに合う調味料


  小枝風 “赤まぐろのたたきクルミコーティング” 
 いずれのヌーヴォーにも寄り添ってくれた逸品、ボジョレーと赤マグロの相性に脱帽

<材料/手順>
赤まぐろ刺身用サク 200g
オイスターソース 60g
にんにくすりおろし 2g
くるみ 50g
オレガノ乾燥 1/2tsp
シナモンパウダー 1/4tsp
ごま油 適量
・・・・・・・・・・・・
1.小さめのボールにオイスターソース、にんにくのすりおろしを合わせ、マグロを10分マリネする
2.フードプロセッサーでくるみ、オレガノ、シナモンを細かくする
3.マグロを2のくるみミックスで全体をコーティング
4.フライパンにごま油を170度に温めて、マグロを加え全体がきつね色になるまで揚げる


 クリスマス[クリスマス]やお正月に、ワインラバーの皆さまにお試し頂ければ本望です[exclamation×2]


あとがき
2000年代初頭、ソムリエ協会の理事だった頃の出来事です。
フランスの某チョコレートメーカーの重鎮が来日し、セミナーを開催しました。セミナー後、「若い赤ワインとチョコレートの相性についてどう思いますか?」と質問したところ、相手はニガ笑いしながら、「フランス人に無理やり梅干しを食べさせるのと同じような感じです」と答えました。相性的に許せないとの意味だった訳ですが、私は若いワインとチョコレートに共通する“ポリフェノール効果”が好きなので面白い組み合わせだと思っていました。その後(2003年)、“料理とワインの相性”セミナーの講師だった渡辺正澄先生に、その時の話をしました。先生は、ポリフェノールに関する私の考えは間違っていないこと、欧州人よりアジア人のほうが味蕾数が多いので、日本人のほうが味覚が鋭いことをご指摘くださり、私は笑顔になれました。

私は、レシピのなかにあるワインとチョコの組み合わせと『Enjoy Napa Valley Wines with Dandelion Chocolate(右の画像)』と題するリーフレットにある相性表に、こころから賛同できます。ここで、さらに・・・梅干しにも言及 (笑)


左の画像は梅干しとワインのマリアージュ!
その昔、六本木『小田島』に伺った時、ムッシュがブルゴーニュのドメーヌ・シャンソンのワイン(シャルドネでもピノでもok)に添えて出してくださったのが、丸ごとの和歌山県産はちみつ南高梅。双方の酸の相性が絶妙でした。ワインと梅干しの組み合わせも好きです。
小枝さんのレシピは “ブリーとはちみつ梅紫蘇のカナッぺ”で、これは、ワイン&梅干し好きさんにお薦めしたいと思います!

  ボージョレ・ヌーヴォー × あまおうのチョコ
 ベリー系の香りをまとったヌーヴォーにはあまおうのチョコ
 ここではアルベール・ビショーをヌーヴォーを合せてみました。
 季節限定品として多くのメーカーがあまおうのチョコをリリースしているので是非!
 口中で渾然一体感が楽しめますよ。

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ジョルジュ デュブッフ “ボジョレーヌーヴォー2020” カウントダウン&新酒解禁 [ワイン]

  11月第3木曜日はフランス産新酒“ボジョレーヌーヴォー”の解禁日
  画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

  10月18日の23時30分からカウントダウンイベント
  例年はリアル開催なのですが、今年はコロナ禍ゆえ、オンラインで行いました!

 ジョルジュ・デュブッフ&サントリーワインインターナショナルが提唱するボジョパ

  画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

東京の会場 (無観客) にはSWIの宮下敏社長とサントリーワインのブランドアンバサダーの岩田渉ソムリエ。仏ボジョレーのアドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長と事前に選ばれたワイン愛好家の皆さんはオンライン形式で参加しました!
時差が8時間あるため、アドリアンさんはワインを開栓できないので、ボトルを持ち上げての乾杯になりました[わーい(嬉しい顔)]

 カウントダウンの前に・・・
 0時までグラスは空の状態(笑)

宮下社長は、「社会的距離を確保しながらの栽培やワインの運搬方法等、様々な懸念事項がありましたが、ひとつずつ課題を克服して今日に至りました。コロナ渦中で大変な年になりましたが、過酷な状況下でもぶどう樹は順調に生育し、素晴らしいワインができました。ヌーヴォーはその年々の特徴を反映させたワインです。2020年らしい楽しみ方をしていただければと思います」と語りました。

 2020年の出来は

「7月は降水量が例年より少なく乾燥し、8月は40度に達するほどの暑い日が続きました。その結果、小ぶりで果皮が濃く、熟度の高い良質のぶどうができました。収穫は8月20日からスタートしましたが、これは2003年以来の早い収穫でした。ブラックチェリーのような完熟した黒い果実の香りにあふれ、芳醇な味わいが心地良い余韻とともに口中に広がります」とアドリアンさん。

栽培や醸造面では、フランス政府の要請で新しいルールを導入しながら行った由。毎年シェアして使いまわしていた道具は、今年はシェアをせず、事務所でも距離を保ち、アルコール消毒剤は随所に設置。マスクの着用も必須。ただ、日本人のようにマスクには慣れていないので、スタッフには徐々に浸透させていったとのこと。現在フランスはロックダウン中で、大人数での集まりは禁止されているため、アドリアンさんは「家族、仲間、同僚と何回かに分けてワインを楽しみたい」と語っていました。

丹精込めて造ったボジョレー ヌーヴォーを無事日本に届けることができて本当に安堵しているご様子でした。祖父から「同じボジョレー ヌーヴォーは二度とない!」と言われ続けてきたなかで、2020年は特にその言葉の意味を強く感じる年になったようです。

 2020年1月に他界したボジョレーの帝王
  画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

 懐かしい笑顔です!
 私は2010年から連続して、SWI主催のカウントダウンに参加させていただきました。
 毎回デュブッフさんとの再会はとても楽しみでした。
 長時間のフライトが困難になり、2年前からはアドリアンさんだけが来日していました。
 カウントダウンを楽しみになさっていたデュブッフさんとの10年間
 ブログにまとめていますので、ご覧いただけると嬉しいです。


             “バラ園”という名のワイン
      偉大な功績を称えるためのオマージュワイン
      2020年のみ日本限定発売
      ボジョレーヌーヴォー2020 ラ・ロズレー
      自社畑の周りに植えられたバラにちなんで命名されました。



             『オレンジ ヌーヴォー』登場
       白ぶどうを赤ワインのように仕込んだワイン
      果実のオレンジから造ったワインではありませ~ん。


 画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

私は、カウントダウンイベントの前に、アドリアンさんに、「世界的なパンデミックで、ワイン市場が2019年の状態に戻るのは2024年(英国のIWSRの調査)と言われています。スティルワインも前比15%くらいダウンしていているなか、来年以降、メゾンとして、新たな取り込み等、具体的な方策を打ち出していますか?」との質問をさせていただきました。

SWIの担当長門さん経由で19日にお返事が届きました。

アドリアン:今年はお会いできず残念です。ご質問のとおり、ワインビジネスはレストランやバーでの売上が多いため世界的に影響を受けています。また人も会うことができなくなっていることも大きな要因ですし、ワインは人と人をつなげるお酒で、家に一人でいると開ける気分にもならないかと思います。ワインビジネスが通常の状態に戻るのは2024年かは分かりませんが、私としてはそれより早い時期であることを期待しています。

そのような中で、我々が最初にすべきことはぶどうの生産者を守ること。ぶどうの価値を理解し、正しい対価を払い、生活を支え、生産者と共によいワインを造り続けることです。そして弊社の従業員そして各パートナー、例えば日本であればサントリーと共に、手を取り合ってワインビジネスを維持し、発展させていきたいと考えています。

オレンジワインの発売は環境が厳しい中で成遂げたひとつの事例になるかと思います。そして弊社は今後ボジョレー地区のリーダーとしてこの厳しい環境下でもボジョレーワインを発展させていきたいと考えています。

                 ☆☆☆
祖父デュブッフさんのモットーは “イノベーションとチャレンジ”でした。
それをアドリアンさんなりに表現したのがオレンジ ヌーヴォーであり、このワインに祖父の思いが継承されていると感じているようです。
私は、12月初旬に『ラ・ロズレー』と『オレンジ ヌーヴォー』に合うマリアージュ探求をする予定なので、お役に立つリポートがお届けできたら、と思っています。


  岩田ソムリエのコメント
 
カウントダウンイベントでヌーヴォーをテイスティングした岩田ソムリエ
コメントは以下のような感じでした。参考にしていただけましたら幸いです。

ボジョレー ヌーヴォー2020
太陽を感じる温かな味わいがヴィンテージの中に表われています。ブラックベリーやブラックチェリー、黒スグリの香り、甘いスパイス、ラベンダーの華やかなキャラクターがあり、味わいにはもぎたての肉厚なフルーツをかじっているようなジューシーさがあります。新酒ならではのフレッシュな酸味が心地良く広がります。

オレンジ ヌーヴォ―2020
色調はアンバーがかったきれいなオレンジ、香りはビターオレンジやアプリコット、ネクタリンのような黄色やオレンジ色のフルーツに、少しアールグレー似の茶葉のニュアンスも加わり、フレッシュさとともに複雑味も感じます。味わいにはヌーヴォーらしい爽やかな酸味、白桃やネクタリン、果皮や種からくるほのかな苦みもあるので、奥行きや深みが増幅します。ヌーヴォーのカテゴリーの中では飲んでいて充実感や満足感にあふれるようなタイプです。

料理とのマリアージュ
“豚肉”を使ったメニューで、ボジョレー ヌーヴォーには前菜ならサラミ、メインならローストやグリル。とんかつ(ソース)や角煮等の和食にも合います。オレンジ ヌーヴォーには色を意識して、生姜焼きに合わせると、ジンジャーのスパイシーさとワインのほのかなスパイシーな香り、アールグレーのような華やかな香りが一体となって調和します。

                ☆☆☆
コロナ禍で世界中が大混乱していても、自然はコロナに動じることなく、素晴らしい出来のぶどう実をつけました。日本では昔から、初物は縁起がよく、食すと寿命が延びると言われてきました。収穫したてのぶどうから造った新酒は、“旬”の味覚です。
宮下社長のご挨拶にもありましたが、2020年らしい新酒の楽しみ方をして、ワインラバーの皆さまには大いに若返っていただきたいです!


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サントリー登美の丘ワイナリーつくり手による新酒トークライブ で 旬を満喫!! [ワイン]


山梨県ワイン酒造組合では、県産の「甲州」と「マスカット・ベーリーA」で造られた新酒ワインの解禁日を毎年11月3日にしています。
サントリーワインインターナショナル(株)は、3日に日本ワインの「ジャパンプレミアム」シリーズの中から、『ジャパンプレミアム甲州新酒2020』と『同マスカット・ベーリーAロゼ新酒2020』を発売しました。例年であれば、ワイナリーで新酒イベントが行われるのですが、今年はCOVID-19により、ワイナリー自体が閉鎖中なので、14日(土曜日)に富士山がきれいに見える『登美の丘ワイナリー』のテラスからオンラインイベントで新酒情報を配信しました!

 MCは大山弘平栽培技師長

一番好きなぶどう品種はマスカット・ベーリーA(MBA)だそうです。MBAの生みの親川上善兵衛さんが興した新潟の岩の原葡萄園で勤務なさっていたこともあるとのこと、納得です!

3人.jpg
 お三方の後方に・・・富士山が見えます!
 大山さん(左)、新酒担当の遠藤さん(中央)、醸造担当の吉野さん(右)

ワイン愛好家向けのオンラインイベントでしたが、同社広報がご連絡くださったので、私も参加させていただきました。


 数量限定新発売の甲州とMBAのロゼ

清涼感のある甲州、超フレッシュで柑橘系の切れ味の良い酸味が口中に広がります。
第一香は「白桃」でした。ライブで、大山さんが、お薦めのマリアージュとして「桃缶の桃」を出していました。そうなんです、今年のジャパンプレミアム甲州からは桃のニュアンスを感じました。

私はすし富のお寿司でマリアージュ探求してみました。特に印象に残ったのは鳥貝と鯵、鯵は生姜がブリッジ食材になってくれました。
ロゼはいくらの醤油漬けがイイ感じ、合わせた後、口中に海苔のヨード感も広がって!

 山梨県産のマスカット・ベーリーA100%のロゼ
 遠藤さんのお薦めはオムライス、トマトケチャップと相性が良いそうです!
 色調は濃いサーモンピンク、豊かなベリー系果実の香りで、程よい酸味があり、 
 ほのかな甘口ですが、べたつき感がないので、味わいは心地よく、とてもチャーミング
 料理と合せても、守備範囲が広そうです!



 大山さんは甲州に「桃」を薦めていたので、私もロゼに合うフルーツを考えてみました。


 柿の天婦羅×ロゼで第3の味
 ロゼとのマリアージュでひらめいたのが秋の味覚 “柿”
 これは色で合わせるマリアージュにもなります。
 柿をそのまま食すのではなく、衣をつけて揚げると・・・
 思わずニッコリの相性、口中で第3の味覚が生まれました!

 柿を短冊切りして、お好み焼きの粉を使って、天婦羅にして、お塩で食すと、
 最初はゆり根と似たような食感で、中盤から治郎柿の甘さがじ~んわり、衣の甘さも◎

 ロゼ単独で味わった時に感じた甘味や酸味は、天婦羅と合せることで、甘さが消えます。
 隠れていたタンニンの存在も感じることができました。
 チャーミングだった子が、しばらく見ない間に、大人びた印象になっていた
 そんな感じです!

 ジャパンプレミアム新酒についてはコチラを!

遠藤さんが「最高のでき!」と自賛していた通り、2020年の新酒は本当に良い出来です。
新酒はリリースされた時が飲み頃、今が“旬”なので、出来たてを楽しんでください!!


 [NEW]11月21日(土曜)14時~15時に第2弾のワイン愛好家向けオンラインイベント
   所長が語る登美の丘ワイナリーを実施します!

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VINEXPOヴィネクスポの今後の開催予定とヴィネクスポ・パリでの情報を交えて [ワイン]

 VINEXPO 今後の開催予定
 4月末に届いたVINEXPO からのお知らせ
 COVID-19の影響で、開催日時に変更が出ていましたが、以下は現時点での最新情報

 ◆ Shanghai from 21 to 23 October 2020/上海 2020年10月21~23日
 ◆ Paris from 15 to 17 February 2021/パリ 2021年2月15~17日
 ◆ Hong Kong from 23 to 25 February 2021/香港 2021年2月23~25日
 ◆ New York early March 2021/NY 2021年3月初旬 
 ◆ Bordeaux in June 2021/ボルドー 2021年6月
 ◆ Shanghai in October 2021/上海 2021年10月

 日本は2016年11月にVINEXPO TOKYOを開催して以降、完全に蚊帳の外[がく~(落胆した顔)]


 
 2月のヴィネクスポ・パリでのロゼ情報
  (C)The IWSR & Wine Intelligence
 調査対象はそれぞれの国で過去12か月間にロゼワインを飲んだ993人のワインドリンカー

昨年訪問したUSワシントン州やオレゴン州でもロゼは人気で、生産者たちの多くが「動きはとても良い」と語っていました。オレゴン州『イーラス』のワインメーカー、ゲーリー・ホーナーさんは「3年前に3,000ケースからスタートしたのですが、今年(2019年)は3万2,000ケースを早々に完売しました。国内消費が主体で、フロリダやテキサスが快調です。来年(2020年)はさらに伸びると思います」とおっしゃっていましたが、多くのコロナ感染者が出ているUSなので、ワイン全体の動きが気になります。

 (C)The IWSR & Wine Intelligence
 USを例にしてロゼの動向を見ると、顕著なのが若い女性層ですね。

img20200211_12414003.JPG
  (C)The IWSR & Wine Intelligence

今は赤ワインが消費を支配していますが、徐々に白やロゼに浸食されているので、赤のシェアは2023年迄に53%を下回ると予測されています。
予想通りになるか・・・興味津々!


 女性受けしそうなロゼをご紹介
 天使が微笑むシャトー・デクスランの『ウィスパリング・ロゼ2018』

              発酵食品との相性

石川県出身の仲間と試した相性チェックで全員が笑顔になったマリアージュ!
『かぶら寿し』は、塩漬けしたかぶに、塩漬けした鰤をはさみ、米麹で漬け込んで発酵させて作った伝統的な食品。個性的な味わいなので、初めて食べた時(1970年代)は衝撃でしたが、今では、かぶら寿しならではの風味に惹かれています。


     シャトー・デスクラン『ロック・エンジェル』は魚介類と良い相性!



ブラピとアンジーがプロヴァンス地方のワイナリーを購入し、コート・デュ・ローヌ地方の名醸造家マーク・ペランさんとの共同プロジェクトで誕生させた『ミラヴァル』。溌剌とした酸味と南仏独自のガリーグ(ハーブのような香り)のニュアンスが魅力。毎年、夏至に販売を開始しています。



俳優カイル・マクラクランさんは生まれ故郷ワシントン州コロンビア・ヴァレーでワイン造りをしています。『ブラッング ベア ロゼ』は生産量424 ケースの希少ワイン

 スティルワインだけでなくロゼ・シャンパンも

 3月&4月の自粛中に飲んだロゼのなかの一押しは『ドラピエ ロゼ・ド・セニエNV』
 守備範囲の広いアイテムです!



 頑張っている自分へのご褒美に、すこし奮発して『ベル エポック ロゼ』
 いつも通りの日常に、早く戻れますように・・・

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『世界で最も称賛すべきワインブランド2020』の第1位に選ばれたアルゼンチンの『カテナ』 [ワイン]

 Photo by Fumiko/2017年9月撮影
 アルゼンチン⇔チリのフライトではアンデスの雄大な景観を見ることができます。
 LAN航空は乗客のために山頂上で若干速度を下げる気配りも!


  世界で最も称賛すべきワインブランド2020

 カテナから世界中のディストリビューターとzoomで繋がった記念画像が届きました!
 4代目当主ラウラ・カテナさん (2段目右から3人目)
 輸入元ファインズの吉川由紀子社長(下段左から2人目)
 同社 福井英晃氏(上段右から3人目)



世界48ヵ国のワイン専門家が選んだザ・リスト byドリンクスインターナショナル
3月にドイツのプロヴァインで発表される予定でしたが、今年はコロナウイルスの関係で開催が延期になり、このような形での発表になりました。


 アルゼンチン・メンドーサにあるボデガ・カテナ・サパータ
アメリカ大陸の中で最も優れた文明を持つとされるマヤのピラミッドを模したデザイン

 外観だけでなく、内部にもこだわりが

 ラ・ピラミデ畑は標高950m、CS、マルベック、PV、CFを植樹

   カテナを代表する品種マルベック、ラベルにもワイナリーが描かれています。

 南米を代表する料理エンパナーダ

南半球のアルゼンチンは今、収穫シーズンです!
コロナウイルス対策には万全の注意を払い、スタッフはマスクと手袋を着用し、ぶどう畑に出かけているそうです。そのような状況下、第1位を獲得したことは大きな励みになったことと思います。
おめでとうございます!!

日本では家飲みワインの機会が増えています。
エントリーレベルからプレミアムワインまで幅広いレンジを有すカテナはお薦めできるワイナリーです。特にアルゼンチンを代表するマルベックに関してはトップクラスなので、是非お試しを!
[ダイヤ]正規代理店 (株)ファインズ
https://www.fwines.co.jp/lineup/winery/ag_01/

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恵比寿 和の食『いがらし』で春万菜をテーマにしたマリアージュ [ワイン]

  世田谷観音のソメイヨシノ
 お彼岸明けの24日、徒歩圏内にある世田谷観音へ!
 例年より開花が早かったソメイヨシノに心身ともに癒されました。

 コロナウイルス禍の終息を『夢違観音』に祈願してきました!

 恵比寿 和の食『いがらし』で
 自粛前にお邪魔したのは恵比寿の『いがらし』、5ヵ月ぶりです。
 五十嵐料理長が厳選した春の食材と持ち込みワインとの相性を探求してきました。
 国際ソムリエ協会認定ソムリエの森上久生さんとは久々の会食でした。
 マダム森上を偲びつつ・・・後れ馳せの一周忌もできました!




       森上さんが『いがらし』の料理に合せて選んだロゼの逸品

 従来からのブリュット・ロゼ表示のラベルからチェンジ!


 春万菜をテーマにして
 突き出し、山菜類のお浸し
 こごみ、そら豆、うるい、ぼうふう、タラの芽をだし汁で 仕立てた一皿

 醤油ベースで味付けした白ネギとアオリ烏賊

 五感を刺激したマリアージュ
 旨味を含んだ下味の烏賊を炙ると、香ばしい香りが漂い・・・

 烏賊も思わず飛び上がって(笑)
 森上:メイヤール反応の香りもあるので奥行きと旨みのあるワインしか呼応しません。 
 ガヴィ本来のヨード香が旨みをまとった烏賊と白ネギに良く合っていました。

 前菜、活き車海老 、蒸し鮑、ハマグリの酒蒸し 、菜の花、椎茸ごぼうの酢飯
 森上: 渾然一体となる多様性ある味わい深い一皿にロゼが有効でした!
 ピノの微量でジューシーなタンニンが鮑やハマグリの心地良い味わいを品良くカバー

 風神、雷神のお椀、だし汁は3年以上寝かせた利尻昆布を使用
 ガヴィと合せると、より複雑味が増し、混然一体感、木の芽がアクセントに!

 建仁寺の風神雷神屏風、迫力があります(2018年10月撮影)

 鯛とアオリ烏賊のお造り、雲丹ゼリーは鯛のアラで煮凝りにした一皿。
 ロゼ・ド・セニエとは色で合わせるマリアージュ、口中での余韻も良い感じでした!

 100周年を迎えたラ・スコルカ渾身のボトル

 噛み応えある白身魚と上質の山葵がガヴィの酒質と品良く調和

 雛の風情の八寸、甘鯛の鱗焼き、飯蛸等

 素晴らしい守備範囲のロゼ
 森上: 小松菜の辛子味噌和えにはフルーティーさが寄り添い、甘鯛の松笠焼きには
 懐の広さが相乗

 熊本産赤牛の腿肉炭火焼き、山葵とクリスマス島の塩を添えて

 大分出身の森上さんにとって特性の甘だれ醤油は九州人には納得の味だそうです!
 森上:咀嚼すると赤牛ならではの芳醇な味わいがジワリと口中に広がっていきます。

 可愛い啓翁桜


 炊き合わせ、筍と根三つ葉、タイの子(卵)
 森上: 素材とガヴィの深い味わいが調和し、ぶどうの豊かな資質が寄り添う印象

 土鍋御飯は京都産の筍を贅沢に使って

 
 森上:筍御飯にはかすかに鴨脂も入れてあると思います。ガヴィが良く合っています。


      筍御飯のおにぎりと『いがらし』特製水ようかん

 夏場は青柚子、冬場は黄柚子を使った、みずみずしい食感の水ようかん
 口に含むとふ~んわりと広がる柚子の香りで幸せな気分!
 五十嵐料理長、美味しい時間をありがとうございました。
 森上さん、お気遣い&コメント、ありがとうございました。


 2019年に創業100周年を迎えたラ・スコルカ
 
2018年7月、日欧商事の招聘で、伊ピエモンテ州の名門『ラ・スコルカ』から5代目のキアラ・ソルダーティ女史が初来日しました。その折、プレスランチにお声がけいただきました。ラ・スコルカのネーミングは「Sfurca (注意)」と、以前監視所だった農家の名が由来しています。すべて自社畑(50㌶)、非表記ですがビオディナミ農法を導入、世界50ヶ国に輸出しています。
その席上、「2019年に創業100周年を迎えます」とソルダーティ女史は語っていました。


そして・・・昨年末、『ガヴィ・デイ・ガヴィ[レジスタードトレードマーク]』の100周年記念ボトルが届きました!
『ガヴィ・デイ・ガヴィ[レジスタードトレードマーク]』のぶどう品種はガヴィ・ロヴェレートの丘陵地帯の樹齢60年のコルテーゼ100%、土壌は粘土質。ステンレスタンクで発酵、シュル・リーで7ヶ月間熟成させ、毎年4月に瓶詰しています。若くても10年程熟成させても楽しめるワインで、通常の生産本数は30万本


光沢あるイエロー、フレッシュ感と旨味、ミネラル、白い花、白胡椒、アーモンド、グラス内の温度変化で厚味と複雑味。合わせる食材や調味料によって様々な表情を見せてくれた包容力あるアイテム

イタリアのコロナウイルスの感染者 (4月1日現在)は超10万人になっています。高等衛生研究所(ISS)は31日に「感染者数はピークに達した」と発表していましたが、それが現実であれば良いと思っています。森上さんも3月に予定していたイタリアツアーが1年後に延期になってしまったばかりです。一日も早く以前のような日常生活に戻れることをこころから願っています。

【店舗&輸入元】
恵比寿『いがらし』
日欧商事
テラヴェール


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ルイ・ジャド 2018 バレルテイスティング 量質ともに良好なヴィンテージ [ワイン]

 日本リカー主催バレルティスティング&セミナー
 恒例のバレルテイスティング、ヴィンテージは2018年

 長年ルイ・ジャドの旗振り役だったオリヴィエ・マスモンデ輸出部長の後任として
 アメリー・サンテュックさんが就任しています。

ブルゴーニュ全体
◆昨年は世界的な需要の高まりで、数量8.8%増、金額10%増
主要な輸出相手国は米国、英国、日本、カナダ、スウェーデン、中国&香港
◆価格の上昇
第159回オスピス・ド・ボーヌ(2019年開催)で22%アップ
前年2,000€だった某メゾンのプイイ・フュイッセは昨年1万€で落札等
◆2020年は米国の関税、ブレグジット、コロナウィルス、中東・香港の情勢等、懸念事項多々

ルイ・ジャドに関する最新情報
◆2019年は過去最高の販売 6,800万€
◆世界126ヶ国に輸出。米国、英国、日本・カナダが上位
◆シャブリに新醸造所を設置し、計7ヵ所になったことで作業がより円滑に!
◆新AOCブルゴーニュ コート ドール2017(赤・白)をリリース 日本のみで販売
◆フランス農水省が管轄しているHVE(環境価値重視)の認証はレベル3
◆キャップシュール部分のロゴ表記やボトルの色変更、赤のGCボトルの軽量化

2019年&2018年のヴィンテージ情報
2019年は収量が過去10年間で最も少ない。全体で50%減、春の霜害(4月4日、14日の2回)の影響、平均収量35hl/ha
2018年は赤・白とも恵まれた収量。冬の間雨が多かったが、水分が土壌に蓄わえられていたことで結果的にぶどう樹が救われた。
冬は多湿だったが、4月から9月は例外的な日差しで良好なヴィンテージに。収穫は8月29日からヴォルネイ、ムルソーのいくつかの早熟な区画から始まった。シャルドネは9月4日からスタートし、健全果で畑では選果の必要はほとんどなく、約2週間で終了。
アメリーさんいわく「ボージョレからシャブリまでのエリアで、ほぼ同時に収穫が始まり、さらにボージョレでは白(通常赤)、コート・ドールでは赤(通常白)から収穫という逆転現象が起きました」

【シャブリ】
穏やかな冬の後、暖かく乾燥した春、ぶどうは熟度も高く健全、収穫は8月31日からで量的にも恵まれ、果実味にあふれ長熟のポテンシャル
【ドメーヌ・フェレ】
1990年以降2番目の暑さ。区画によってぶどうの生育が均一でなかった為、醸造責任者は栽培面積18㌶の畑の収穫を3週間かけて行った。収量は58hl/ha、2011年以来の大収穫。エレガントで果実味豊か
【シャトー・デ・ジャック】
60日間続いた雨の多い冬、芽吹きは4月中旬の10日間、早い開花、7月&8月は乾燥した異常気候、8月30日から収穫、通常は黒ぶどうからスタートするが、2018年は白ぶどうから開始。深い色調、複雑なアロマ、果実味&凝縮感



 セミナーでは2アイテムを試飲
 赤はフルーティ&ジューシー、凝縮感があり、アロマも豊か。基本的に18ヵ月の樽熟成
 白は熟度があり、リッチで豊潤。MLF40% 程度。新樽、1年樽、2年樽を各30%使用
 バレルテイスティングでは赤13種類、白10種類を試飲(セミナーの2アイテム含)

 ヴォルネイ プルミエ・クリュ クロ・ド・ラ・バール
ルイ・ジャドの所有ではないが1980年代から直接耕作している畑。栽培面積1.31㌶で半分は樹齢70年、半分は2011年に植え替えをしたぶどう樹。下の文字が読めるルビー色、スミレやローズのアロマ、タンニンは柔らかで赤・黒系果実の旨み、2018年の特徴が出ている赤ワイン

 フィサン クロ・モロー モノポール
コート・ド・ニュイの北に位置し、12世紀の教会のすぐ下にある畑で1㌶が白ぶどう、0.5㌶が黒ぶどう。標高270~360mで穏やかな東向きの丘陵、石灰岩質主体の若干マールを含む土壌。白い花や果実風味豊かで塩味やフェノール、シルキーでまろやか、好感度〇

 バレルテイスティングのマイベスト
 シャンボール・ミュジニー “レ・ドラゼ” 
 
ガジェ家が所有する東・南東向き畑で土壌は石の多い石灰岩と砂利質。輝きのあるルビー色、心地良いアロマとミネラル、フェミニンなスタイルで和の要素に寄り添う印象

 シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネール
 
グラン・クリュの多い右岸にありながら、凛とした佇まいを見せてくれるプルミエ・クリュ『モンテ・ド・トネール』はシャブリのなかで一番好きなクリュ!
456㍑の大樽とステンレスタンクを併用してシャブリらしい活き活きさを表現。ぶどうの熟度も高く、キンメリジャン由来のミネラル感、柑橘系果実や白コショウのニュアンス

 サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ クロ・デ・ゲット
 
ビオディナミ農法を導入していても、それを大げさに宣伝しないのがルイ・ジャド。このワインはまさに自然体。果実やスパイス、ボリューム感や複雑味、石灰由来の切れ感があり、価格&品質面で〇


ブルゴーニュワインラバーさんが一番気になっているのが価格だと思います。
アメリーさんに伺ったところ、「2018年は量的に潤沢だったので価格は据え置いています。ブルゴーニュ全体を見ると、値上がりしているかもしれませんが、ルイ・ジャドでは変えていません。ただし、2019年は収量が50%減になってしまったので変わります。収量が少なかった地域名は特に」とのお返事でした。

◆製品についてのお問い合わせは日本リカー(株)
電話 03‐5643‐9770
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ワインオーストラリアからの最新データ [ワイン]

オーストラリアのNo.1市場は中国
オーストラリア南東部に待望の雨、それもかなりの雨が降ったので「森林火災の約3分の1が鎮火しました」というCNNのニュースを聞いて、ほんの少し安堵しました。消防士や住民の皆さまの心労が1日も早く癒されること、森に生息する動物たちの安全が確保できるように、早期の鎮火を願っています。折しもワインオーストラリアから2019年のデータが届いたので情報をまとめておきます。
添付の表はクリックで拡大


2019年1月-12月の同国の輸出量は金額ベースで29億1,000万ドル(3%増)、数量ベースでは7億4,400万リットル(12%減)でした。


数量は減でしたが、金額ではファインワインへの移行に成功していることがわかります。
輸出量全体の63%が120の市場に輸出されています。現在アジアは成長の中心で、北東アジアは11%増で13億3,700万ドル、東南アジアは17%増で2億ドル、中東も4%増の3,400万ドルとなりました。

金額ベースのトップは中国(香港、マカオ含)で12%増の12億8,000 万ドル、2位の米国は1%減の4億1,900万ドル、3位の英国は9%減の3億5,200万ドル、日本は現在7位で4%減の5,200万ドルです。

先日メルシャンが発表していた日本におけるワイン輸入量国別構成比 表1をみると、オーストラリアは順位は変わらねど、2009年に6.6%だったシェアが2019年には3.5%に減少!! 
2015年1月15日に日豪EPAを締結して以降、少しずつ伸長していたはずですが、表2を見ると2019年はダウン。2018年と2019年の収量が少なく、輸出できるワインが少なかったことも要因のひとつだと思いますが、ワインオーストラリア事務局は日本から撤退していますし、躍進中のアジア圏と言えども、オーストラリアが注力している市場はなんといっても中国。ここ2年ほど、プレスリリースも英語と中国語併記、英語と中国バージョンの2通りが用意されています。

データ提供 (表1):メルシャン

データ提供(表2):メルシャン

ワインオーストラリアのアンドレアス・クラークCEOはプレスリリースの中で「2020年に向けて、中国の販売ではコロナウイルスの影響が出ると考えられますが、現時点ではその影響の程度を予測することは不可能です」とコメントしていました。英国のブレグジットもあり、オーストラリアにとっての最重要国の動向が気になるところだと思います。
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