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春期講座最終回は日々前進の醸造家『タルラン』のブノワ・タルランに注目 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 シャンパン講座報告前に、最新情報&講座の要点を 画像はすべて拡大可
 クリストフ・ジュアレス団長から2022年収穫情報が届きました。
 太陽の年と形容できる素晴らしいヴィンテージになりそうです。


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 主要消費国のカテゴリー別比較  2021年度/金額ベース/出典 CIVC
 日本は世界第3位の市場です。
 プレステージを好んでいることがわかります。
 他国と比べ、甘口タイプのシャンパーニュ(全体の11%)の比率が高いです。
 大手メゾンのマーケティングが成功している⁇
 クリコのリッチやポメリーのブルースカイ等がナイトマーケットで大量消費されている!
 シャンパーニュを氷で割って飲む 🤔


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 ここから講座内容をご紹介
 春期講座の〆はタルランのシャンパンに注目しました。
 造っているアイテムのほとんどがノン・ドゼに変わっていたのは、新たな驚き!
 すべてノン・マロ、酒質の綺麗さが、さらにアップしている印象でした。

 いつも迅速にリポートをアップしてくださるブログ仲間のHakoさん
 私がブログを作成している途中に授業風景の写真を送ってくださったので、即、活用。
 授業で使ったパワポの資料が写っているので、それで解説しますね。

上段左 メゾンの歴史は1687年にまでさかのぼることができます。ピエール・マッソンからビオディナミの指導を受け同農法を導入。ドザージュを極力控え、長い熟成を大事にするシャンパーニュメゾン
下段左 タルランが取り組んでいるのが古代品種。2003年から3品種だけを使ったシャンパーニュ生産に取り組み、2014年に完成したアイテムがBAM。15年振りに来日したブノワが新作を披露してくれたことは懐かしい思い出

上段右 タルランには自根のシャルドネがあり、『ラ・ヴィーニュ・ダンタン』というアイテムを生産しています。広報担当をしているブノワの妹メラニーが、昨年オンラインセミナーでタルランが取り組む温暖化対策について語りました。
下段右 新しい容器も使用しています。ブノワ曰く「アンフォラはジョージアで8000年間使われてきた容器なので、シャンパーニュに使ってみたかった」ということで、2011年から粘土で素焼きのアンフォラでワインを自然発酵させています。2014年からは伊クレイヴァー社のセラミックタンク(蚕の繭のような形状)を使用していますが、その理由について「自然界に存在する金属イオン(鉄やアルミニウム)が移動せず、高温で焼き固めた素材なので、ほとんど酸化しない」と語っていました。



              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 左から右の順に供出

 すべて天然コルク、状態は完璧!


 第一フライトは古代品種にフォーカス

 #1:タルラン シャンパーニュ ゼロ ブリュット ナチュレNV
 生産者:タルラン(RM)
 ぶどう品種:CH、PN、ムニエ各32%
 残りの4%はプティ・メリエ、アルバンヌ、ピノ・ブラン
 ドザージュ:0g/L ベースワインは2013年
 価格:8,250円

 #2:タルラン バムBAM NV
 生産者:タルラン(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ブラン25%、アルバンヌ25%、プティ・メリエ50%
 ドザージュ:0g/L 主体となるヴィンテージは2009年、一部2007年をブレンド
 価格:オープン価格/参考上代:24,750円

第3週と第4週で、ボトル内の熟成具合が微妙に異なり、非常に興味深い試飲になりました。#1はタルランの“顔”です。青リンゴ、レモンやマンダリンオレンジ、ハチミツやナッツ。凛とした酸味、温度変化で味わいにふくらみや華やかさ、旨味と心地よい余韻、好感度大!

#2のBAMは、第3週の時には、余韻が、ほんの少し短く感じたので、シャンパーニュの主要3品種の#1と利き比べると、若干の違いを受けましたが、第4週では、瓶内熟成が本当に素晴らしく、「これがブノワの求めているBAM!」と感じました。開発当時から「口中でバンと弾けるような感じなのでバム」と語っていたブノワ。2014年に初めてテイスティングした時には、確かに“弾け感”がありました。でも、今回は落ち着いたニュアンスで、破裂感はおさまっていました。彼ならではの古代品種のシャンパーニュ






 第二フライトはミレジメ


#3:タルラン ミレジメ ラ ルテシエン ブリュット ナチュレ2005
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH80%、PN20%、
ドザージュ:0g/L
価格:14,300円
気泡は細やか、柑橘系果実、ストーンフルーツ、フレッシュバター、ナッツ、ブリオッシュ、ミネラル、豊潤で深みがあり(第3週より第4週の時のほうが熟成感あり)、バランスの取れたシャンパーニュ

#4:タルラン ヴィニ―ニュ ドール ブリュット ナチュレ2004
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:ムニエ100%
ドザージュ:0g/L
価格:20,900円
マルヌ独特の粘土石灰質土壌(スパルナシアン)から造られるムニエ100%。一瞬で飲み手を魅了する熟成感、アロマは南国果実、ミネラル、黒糖、スパイスなど様々。力強く、複雑味があり、余韻も長く、バランス良好。第3週で圧倒的な支持を得ていたアイテム


#5:タルラン ミレジメ レタンスロント ブリュット ナチュレ2002
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH57%、PN29%、ムニエ14%
ドザージュ:0g/L
価格:28,600円
気泡はワインに溶け込み、クリーミー。レタンスロント=花火と命名されたシャンパーニュも20年の歳月を経て、まるみを帯びた印象に。ロースト風味、ビター感、石灰由来のミネラルと酸味の広がり、コクがあり、穏やかに長く続く余韻








            o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 「醸造作業の75%は圧搾にかかっている」と語るブノワ
 コカールは2007年から使っています。
 直近の圧搾画像(右)を送ってもらったところ、
 Tシャツに書いてある文字が気になったので質問してみました。


 お返事は・・・#シャンパーニュに氷を入れるな!
 
 Tシャツは2017年に作ったそうです。
 現在のメンバーは16メゾンで、アグラパールやシャルトーニュ等、
 優秀な若手の生産者が参加しています。
 シャンパーニュは土壌+ワイン何よりテロワールが大事と考えるメンバー

 大手メゾンのマーケティングとヴィニュロンの行動
 かい離、隔たりがありますね!!

製品についてのお問い合わせは株式会社八田/電話03‐3762‐3121

タグ:BAM タルラン
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8月8日リリースの希少アイテムを交え、2ヶ月連続秀逸なブラン・ド・ブラン探求 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 8月の暑さを吹き飛ばしてくれたアイテム


 第1フライト
 樹齢の古さ&酒質の良さのド・スーザとシャルル・エドシック生誕200年記念ボトル

 #1:ド・スーザ ブリュット・トラディション
 生産者:ド・スーザ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ムニエ10%
 ドザージュ:7g/L
 デゴルジュマン:2021年2月2日
 価格:9,570円
 輸入元:wine to style

 1999年からビオディナミを導入しているド・スーザ
 デゴルジュマンは年・月・日まで記載



    #2:シャルル・エドシック200thアニバーサリー・エディションBOX入り
      2022年8月8日出荷開始/限定発売
      生産者:シャルル・エドシック(NM)
      ぶどう品種:ピノ・ノワール40%、シャルドネ40%、ムニエ20%
      ベースヴィンテージ2017年
      リザーヴワインの比率は50%(一部の熟成期間は超20年)以上
      ドザージュ:11g/L
      価格:11,000円
      輸入元:日本リカー


      2種の利き比べ

#1:色調はベージュ。熟した果実、ロースト香、クリームブリュレ似のアロマ、中盤からの味わいに甘味、蜂蜜やキャラメル、丁寧な造りを感じさせるシャンパーニュ
#2:#1よりイエローのニュアンスがあり、気泡の連なりが綺麗。爽快で溌剌とした酸味、アプリコットやマンゴー、ミネラル、塩味、フレッシュさと豊かさ併せ持つ味わい。
ステンレスタンクのみのメゾン『シャルル・エドシック』ですが、このエディションでは、醸造にステンレスタンク、熟成に5~10%のオーク樽を使用


       第2フライト
       第1フライトに供出したメゾンのトップ・キュヴェ
       味わっておくべき価値大のブラン・ド・ブラン

 #3:ド・スーザ キュヴェ・ミコリーズ ブリュット ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ
   生産者:ド・スーザ(NM)
   ぶどう品種:シャルドネ100%      
   ドザージュ:3g/L
   価格:16,500円
   輸入元:wine to style

   
     #4:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2011
      画像提供:テタンジェ/サッポロビール
      生産者:テタンジェ(NM)
      ぶどう品種:シャルドネ100%
      ドザージュ:9g/L
      価格:33,000円
      輸入元:サッポロビール

   #5:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール2004
   生産者:シャルル・エドシック(NM)
   ぶどう品種:シャルドネ100%
   ドザージュ:9g/L
   価格:36,300円
   輸入元:日本リカー


 3種の利き比べ
 
#3:ミコリーズは“菌根”の意味。複数のグラン・クリュ(馬で耕作。土壌に空気を含ませることでミコリーズを大事にする)の区画のシャルドネから造るシャンパーニュ。輝きのあるイエローゴールド、ロースト、ヘーゼルナッツ、ミネラル、軽いビター感、旨味、滋味深い味わい
#4:使用するワインのうち5%はオークの新樽(毎年3分の1を交換)で4ヵ月熟成。金色を帯びた麦わら色。白い花や果実、マンダリンオレンジ、メレンゲ、スパイス、口中まろやか、2008VTの硬質なイメージとは対極、現段階で味わっても飲みやすく素直、クリーミー
#5:素晴らしい熟成具合。長熟を旨とするシャルルのトップ・キュヴェ。バター、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ブリオッシュのアロマ。味わいには柑橘果実、石灰由来のミネラル、酸味と旨味のナイスバランス、心地良く上品な余韻。第3週&第4週ともに講座生のこころをとらえていたアイテム。6月に最新ヴィンテージ2007年がリリースされました。




 個性あふれるプラーク

      photo by Fumiko/2015年11月撮影
      シャルル・エドシックの歴史あるクレイエール

 ブラン・デ・ミレネールの白いBOX(右端)は上記のクレイエールを形にしています。
 今回はグラスとボトルを同時撮影できました!


        o○.。o○.。o○.。インフォメーションo○.。o○.。o○.。


      9月下旬シャンパン・チャーリー発売
      熟成を重ねたリザーヴワインが約80%
      ベースワイン(2016年収穫)20%
      使用ぶどう品種はPN48%、CH52%

      プレス会見で試飲したシャンパン・チャーリー
      黄金色、ストーンフルーツのアロマ
      ミネラル感にあふれ、凛としたスタイル、あと引く味わい
      もう1度、会いたいシャンパン・チャーリー!



[NEW](追記:2022年9月4日)シャンパーニュ業界初の快挙
jancisrobinson.comで、パイパー・エドシック、レア、シャルル・エドシックを総括する
EPIグループがB-Corp取得とのニュースを発信していたので、リンクしておきます。
Bコーポ/Bコーポレーションは、2006年にペンシルバニアの非営利団体B Labラボが発足させた国際認証です。環境や地域のコミュニティ、雇用等に関する取り組みで、一定基準を満たした企業に与えられます。利益重視ではなく、良い会社としての認証となるものです。日本の食品業界では、ダノンとネスプレッソの2社のみが取得しています。
EPIグループは今春、スペインのファミリア・トーレスとカリフォルニアのジャクソン・ファミリー・ワインズが立ち上げたIWCAにも参画。気候変動、温暖化対策に力を入れています。シャルル=カミーユ・エドシック生誕200年の記念にふさわしい嬉しいニュース[わーい(嬉しい顔)]


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


     秋講座(2022年10月~2023年3月)募集開始
 
    詳細は第3週🥂、第4週🥂
    コロナ禍の閉塞感を払拭させ、皆さまの五感を刺激すべく頑張ります。
    気軽にアクセスしてください。どうぞ宜しくお願いいたします m(_ _)m

    NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
    受付時間は月曜~金曜 9:30~18:00 (土曜~17:30、日曜~15:00) 

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盛夏にフォーカスしたフレッシュで清涼感あるブラン・ド・ブラン [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 #1:R & L ルグラ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット GC
 #2:ランソン ブラン・ド・ブラン
 #3:ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン
 #4:ランソン ノーブル・キュヴェ・ブラン・ド・ブラン ブリュット2002
 #5: ビルカール・サルモン ルイ・サルモン2008


 第1フライトは3種の利き比べ
 

 #1:R & L ルグラ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュットGC
 生産者:R&L ルグラ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:4g/L以下
 価格:9,724円
 輸入元:BB&R

 2016年に産経EXに連載していた「ワインのこころ」でルグラを紹介
 長年、生産量の大半をフランス国内の星付レストランに納めており、
 国外に出る機会がなかったことから、プロのためのシャンパーニュと呼ばれていました。

 #2:ランソン ブラン・ド・ブラン
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,113円
 輸入元:アサヒビール

 #3:ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン
 生産者:ビルカール・サルモン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%      
 ドザージュ:7~8g/L
 価格:15,070円
 輸入元:JALUX


 左から#1~#3

#1はコート・デ・ブランのシュイィのぶどうのまるみとフィネスが表現されたシャンパーニュ。ピュアでスマート、溌剌さと切れ感、レッドボトムにも注目!

#2はオジェ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ、ヴェルトゥス、トレペイユ、モンギュー等、グラン・クリュGCとプルミエ・クリュPCのぶどうを70%使い、20年以上オーク樽で熟成させたGCとPCのコレクションの中からセレクトしたリザーヴワインを40%使用。2013年にシェフ・ド・カーブとして着任したエルヴェ・ダンタンさんが手掛けたアイテム。グリーンを帯びた黄金色、ライムやレモン、青リンゴや洋なし、アニスシード、ミネラル、軽いビター感、芯の通った酸味、口中を洗い流してくれる印象

#3はアヴィーズ、シュイィ、クラマン、ル・メニル・シュル、オジェの4村のぶどうを使用。リザーヴワインは33~40%。色調は若干淡いゴールド。白い花、ホワイトバター、南国果実、アーモンドやヘーゼルナッツ、エレガントでバランス良好


  第2フライトはトップ・キュヴェ

 #4:ランソン ノーブル・キュヴェ・ブラン・ド・ブラン ブリュット2002
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:6g/L
 価格:20,900円
 輸入元:アサヒビール

 #5: ビルカール・サルモン ルイ・サルモン2008 5月19日出荷開始
 生産者:ビルカール・サルモン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:6~7g/L
 価格:39,600円
 輸入元:JALUX

 左から#4#5

#4はアヴィーズ、ル・メニル・シュル・オジェ、クラマン、オジェ4村のシャルドネを使用。20年経過しているにも関わらず、色調からも香りからもゆるやかな酸化を感じさせない“若さ”があり、まさにノン・マロならではのアイテム。驚くほどフレッシュ。酸味もあるので、まだ、瓶熟が期待できそう (とは言え、すでに完売の由) 。白い花や白桃、アカシア、アーモンドやヘーゼルナッツ、ロースト香、きれいな酒質

#5はシュイィ40%、クラマン33%、ル・メニル・シュル・オジェ20%、アヴィーズ7%のクリュのぶどうを使用。色調は黄金色で気泡は持続性があり繊細。黄色系果実、洋なし、杉、チョーキーなニュアンス。口中クリーミー、味わいの特徴はシュイィに由来する“塩味”、柑橘系果実、アーモンドビスケット、白胡椒。凛とした酸味を伴って続く長い余韻。
ビルカール・サルモンのオンラインセミナーに登場したブラン・ド・ブラン2種についてはブログにまとめてありますので載せておきます。


 限定キュヴェ『クロ・サンティレール』
 画像提供:JALUX
 ビルカール・サルモンのフラッグシップ『クロ・サンティレール』のぶどう畑
 メゾンの裏手にある約1㌶の畑で栽培しているのはピノ・ノワール
 ビオディナミ農法を導入していますが、敢えてラベルには記載していません。


      2008年ヴィンテージラバーにお薦めしたいルイ・サルモン
      ビルカール・サルモンの3大キュヴェ
      キュヴェ・エルザベス・サルモン・ブリュット・ロゼ
      キュヴェ・二コラ・フランソワ・ブリュット
      そして・・・ルイ・サルモン ブラン・ド・ブラン

  アントワン当主が語ったオンラインセミナーの内容はワイン王国webをご覧ください。


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


  御礼、感謝を込めて!
 

 8月31日にジョエル・ロブションで行うシャンパーニュ特別ディナーは、
 満席 (現在キャンセル待ち) になっております。
 ありがとうございました!
 高丸智天シェフソムリエから既に完璧なメニューが届いておりますので、
 ご参加予定の皆さま、大いにご期待くださいませ。
 密を避け、感染対策には今まで以上に気を配ってまいりますので、
 何卒宜しくお願いいたします。

 NHK文化センター青山校は8月11日~16日まで夏期休業
 第3週のシャンパーニュ講座は休み明けの17日、第4週は24日になります。
 良き夏休みを 🥂 🥂 🥂 

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第3回シャンパーニュ講座は樽発酵、樽熟成、ノン・マロを貫くアルフレッド グラシアン! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

      徹底した造りにこだわるメゾン
      エペルネにあるアルフレッド グラシアン。現在はヘンケルの傘下

 1864年から150年以上続くシャンパーニュメゾン


 シェフ・ド・カーブはジェジェ家が務め伝統を継承しています。4代目二コラ氏は、
 2018年にギド・アシェット誌から“最優秀シャンパーニュ・メーカー”に選出されました。


 シャンパーニュ講座ではNVからプレステージまでにフォーカス
 左から右の順に
 #1:アルフレッド グラシアン ブリュットNV
 #2:同ナチュールNV
 #3:同ブラン・ド・ブラン2015
 #4:同ブリュット ミレジメ2008
 #5:同キュヴェ パラディ ブリュット2013


     第1フライトはノン・ヴィンテージ比較
     #1:アルフレッド グラシアン ブリュットNV
     生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
     ぶどう品種:CH54% PN24% M22%  
     ドザージュ量:9g/L、リザーヴワイン約40%
     価格:8,250円

     #2:アルフレッド グラシアン ナチュールNV
     生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
     ぶどう品種:CH50% PN25% M25%
     ドザージュ量:0g/L、リザーヴワイン約40%
     価格:8,470円

#1#2も使用品種の比率はほぼ同じ。ともにソレラシステムで継ぎ足しながらキープしているリザーヴワインを約40%ブレンドしています。#1は果実感と親しみやすさにあふれ、ナッツや香ばしさ、旨味のあるバランスの良いスタイル。#2は、第1香は控えめ、ぶどうの熟度&酒質の良さを感じさせるドライでスマートな味わい、樽使いに優れたノン・マロ&ノン・ドゼのスタイル。いずれも上質、興味深い比較試飲でした。


 第2フライトはヴィンテージ比較
 #3:アルフレッド グラシアン ブリュット ブラン・ド・ブラン グランクリュ2015          
 生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ量:6g/L
 価格:11,000円

 #4:アルフレッド グラシアン ブリュット ミレジメ2008           
 生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH56% M23% PN21%
 ドザージュ:8g/L
 価格:17,600円

 #5:アルフレッド グラシアン キュヴェ パラディ ブリュット2013 
 生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH65% PN35%
 ドザージュ:8g/L
 価格:22,000円

ブログ仲間Hakoさんが書いていた「2008年ヴィンテージにフォーカスした時」のブログをチェックしてみました。アルフレッド・グラシアンが第3週&第4週の講座生から受けが良かったことも思い出しました[わーい(嬉しい顔)]

2021年9月は「シャルドネはル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、シュイィ、クラマン、オジェ等、ピノ・ノワールはブージー、アンボネー、キュミエール等、ムニエはルイユ、ダムリー等のクリュ。樽発酵、樽熟成でMLFは一切しないメゾン。シャブリエンヌから古樽を購入、瓶内熟成96~108ヵ月間。5アイテムのなかで唯一の樽使い。インパクトのある熟成香、スパイス、樹脂(若干のセメダインっぽさ)、シャープな酸、厚味と旨味のナイスバランス」と記述していました。今回またまた講座生からの受けもよく、私の“ベスト1”でもありました。熟成具合が素晴らしいので、2008年VTラバーさんにはお薦めしたいです!

#3のブラン・ド・ブランは気泡活発、柑橘果実やミネラル、上品な酸味、切れ感のある味わい。#5はメゾンのトップキュヴェ、造りの丁寧さが伝わってきます。シャンパーニュの古酒に感じるモカや焙煎香があり、時間の経過で複雑味やふくらみ。樽によるゆっくりとした酸化熟成の旨味を感じ、アルフレッド グラシアンのスタイルここにありの印象。4代目の二コラ氏の技量、さすが!


 7月からはボランジェの扱いも!
 アルフレッド グラシアンの輸入元はwine to style (nakatoとwine in styleが併合)
 wine to styleはボランジェ社と国内での独占販売契約を締結。
 7月から販売を開始します!


      photo by Hako

   先程ご紹介したHakoさんのブログには、ボトルの表・裏が載っています。
   裏ラベルには デゴルジュマンの年月も記載してあるので、大事な記録になります。
   紫色のラベルとBOXが映えた画像、ナイスです!

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5月のシャンパーニュ講座は5アイテム同時供出 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 World's Most Admired Champagne Brands 2022の上位5位までの比較試飲
 左から右の順
 *シャルル・エドシック
 *ポル・ロジェ
 *ボランジェ
 *クリュッグ
 *ルイ・ロデレール

       2022年のThe List
      Drinks Internationalが毎年刊行しているリスト
      信頼できるデータとして参考にすることが多いです。
      30位までには⁈と思うメゾンもあり、100%同意していませんが、
      9割以上のメゾンはブレがないと思っています。
      今月は1位から5位までのメゾンのアイテムを同時供出で利き比べました。


 いずれも素晴らしいシャンパーニュ

 プラークも個性にあふれて


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 今回と同様のブラインドテイスティングを2年前に行いました。
 コロナ禍の余波で、4月から9月まで休講となってしまい、
 私も講座生の皆さんも我慢するしかなかったのですが、
 万全な対策を取って、意を決して番外編を開講。
 お力を貸してくださったのが日比谷 松本楼の小坂文乃社長でした。

 右から順に供出、5アイテムはすべてマグナム

        2022年とメゾンの顔ぶれは同じ、順位には違いあり

 2020年当時のデータとテイスティングコメント


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 現在講座は2クラスに分かれているので、シャンパーニュはレギュラーサイズで供出

 #1:シャルル・エドシック ブリュット レゼルヴ
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:CH PN M 各1/3ずつ 
 ドザージュ量:11g/L
 価格:9,350円
 輸入元:日本リカー
創業1851年、自社畑 非公開、シェフ・ド・カーブはシリル・ブラン
ぶどう品種:PN、CH、M各3分の1。ステンレスのみ使用。ベースワインは2017年/60%、リザーヴワイン40%は平均10年以上のVT、デゴルジュマン 2020年、ドザージュ11g/L
気泡細やか、フレッシュ感と力強さ、中盤から酸味、まるみとスマートさ、程よいバランス


 #2:ポル・ロジェ ブリュット レゼルヴ
 生産者:ポル・ロジェ(NM)
 ぶどう品種:PN CH M 各33%
 ドザージュ量:8g/L
 価格8,250円
 輸入元:ジェロボーム
創業1849 年、自社畑90㌶、シェフ・ド・カーブはダミアン・カンブル
ぶどう品種:PN、CH、M各3分の1。ステンレスのみ使用。ベースワインは2016年、リザーヴワインは2015、2014、2013の直近3年分、比率は25%程度。ドザージュ8g/L
果実味豊か、フレッシュ感と旨味、ステンレス使いのメゾンならではのフィネス、安定した味わい


 
 #3~#5

         #3:ボランジェ ラ・グランダネ2014
          2022年4月末リリース


 ボランジェならではの底力を感じる2014年ヴィンテージ
 生産者:ボランジェ(NM)
 ぶどう品種:PN61%、CH39%
 ドザージュ量:8g/L
 価格:29,700円
 輸入元:アルカン インポーター契約は6月末迄、寂しいです[もうやだ~(悲しい顔)]
創業1829 年、自社160㌶、シェフ・ド・カーブはジル・デコート
ぶどう品種:PN61%、CH39%。2014年のヴィンテージ・シャンパーニュ。19のクリュのぶどうで、グラン・クリュ79%、プルミエ・クリュ21%の割合、ドザージュ8g/L
発売されたばかりのトップキュヴェ。難しい2014年を手中におさめたシャンパーニュ。ボランジェの徹底したシャンパーニュ造りを感じさせる逸品。層を成して広がる複雑味、上質な酸味、シャンパーニュラバーには是非とも試していただきたいアイテム


 #4:クリュッグ グランド キュヴェ170           
 iDナンバーで検索するとボトルについての詳細がわかります。

 生産者:クリュッグ(NM)
 ぶどう品種:PN51%、CH38%、M11%
 ドザージュ:非公開
 価格:38,170円
 輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ
創業1843年、シェフ・ド・カーブはジュリー・カヴィル
ぶどう品種:PN51%、CH38%、M31%。最も古いワインは1998年、最も若いワインは2014年。12年間の異なる195種類のワインをブレンド、マルチ・ヴィンテージ。
黄色系果実、ミネラル、味わいの豊かさ、第4週の講座生から一番支持を得ていたアイテム

 #5:ルイ・ロデレール コレクション242
 2021年10月1日に登場したコレクション242

 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH42%、PN36%、M22%
 ドザージュ:8g/L
 価格:8,250円
 輸入元:エノテカ
創業1776年、自社畑240㌶、シェフ・ド・カーブはジャン・バティスト・レカイヨン。
ぶどう品種:CH42、PN36、M22%。ベースワインは2017年/56%、リザーヴワインはパーペチュアル・リザーヴ34%(2012、2013、2014、2015、2016)および大樽熟成10%(2009、2011、2013、2014、2015、2016)、ドザージュ8g/L、マルチ・ヴィンテージ。フレッシュ感と豊潤さ、熟した果実、塩味、中盤から酸味、後味に軽いビター感、シルキーでソフト


 比較し甲斐のある5アイテムでした。
 好みのメゾン探しには最適
 確たる道しるべになる秀逸なお薦めのシャンパーニュ🥂🥂🥂 

 ブログ仲間のHakoさんの気合のこもったリポートもご覧くださいませ!

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春期NHK文化センター青山校のシャンパーニュ講座がスタートしました! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 2012年ヴィンテージにフォーカス
 #1:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ミレジメ2012
 #2:ブルーノ・パイヤール エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン2012
 #3:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 #4:ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン2012
 #5:ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム2012 草間彌生



 色調だけでBdeBかBrutかを見極めるのはなかなか[ふらふら]


         きっかけを作ってくれたアンリオのミレジメ2012
      新ヴィンテージの発売にからみ、ファインズさんから届いた2012を、
      即、テイスティング&リポート
      アンリオらしい丁寧な造り。何より、ピュアな果実味が魅力的
      温度変化で厚味、様々なニュアンスを感じ、
      食とのマリアージュでも守備範囲が広く素晴らしかったので、
      アンリオと比肩しうる2012年VTのアイテムを選択しました!

アンリオのジル・ド・ラルズィエールCEOにもリポートを読んでいただきました。
Many thanks for your very kind note about our Millésime 2012. It is a beautiful wine and as I could read your notes on it, I think you perfectly captured its qualities.
とのお返事があり、2012VTの素晴らしさを共有できて嬉しく思っています!



 鯛、クレソン、葉&茎を利用したセロリ、カラフルミニトマト
 柚子味噌とオリーブオイルでさらっと味付け、仕上げに白胡麻をまぶして完成!
 和柑橘や和風調味料との相性が素晴らしいシャンパーニュ

 2012年ヴィンテージについて
 データ提供:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候
 7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 講座の第1フライトは白ぶどう100%のブラン・ド・ブラン
 #1:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ミレジメ2012
 生産者:ドゥラモット(NM)
 ぶどう品種:CH100%
       GCのル・メニル、アヴィーズ、オジェ、クラマン、オワリー、シュイィ 
 ドザージュ量:6.5g/L
 価格:12,000円(税別)

完売した2008年に次ぐヴィンテージ。繊細で輝きのある気泡。レモンやGFのような柑橘系果実、白い花、石灰由来のミネラル、#2と利き比べると軽快。クリーミー、切れの良さ。きりりとした酸を伴いながら着地

 日本人画家菅原健彦さんが描いた桜のラベル
 #2:ブルーノ・パイヤール エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン2012
 生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
 ぶどう品種:CH100%/GCのオジェ、ル・メニル
 ドザージュ量:3g/L
 価格14,000円(税別)
 輸入元:ミレジム

ぶどうの20%を使い古した小型のオーク樽で醸造。ブルーノ・パイヤールさんは「デゴルジュマンは外科手術と同じなので、シャンパーニュが回復するまで時間をかけることが必要」というのが持論。ゆえに、デゴの後、18ヶ月かけて落ち着かせてから市場にリリースしています。ちなみに他のメゾンは大体6ヶ月程度。 輝きのあるゴールド、グラス上部から見る泡沫活発、白桃やアプリコット、GF、白い花や蜂蜜、ブリオッシュ。酸味のメリハリ、果実の風味、かすかな塩味、きれいな酒質、ミネラルと旨味、余韻はドライで無駄のない印象

デゴルジュマンを施した年月が、#1は2019年6月、#2は2019年4月。ぶどう畑はともにGCのみ。同ヴィンテージなので、容器、醸造、ドザージュの違いを知ることで、メゾンのスタイルがよくわかりました!



 第2フライトはブリュット3種
 #3:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 生産者:アンリオ(NM)
 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ量:6g/L
 価格:14,000円(税別)
 輸入元:ファインズ

グラン・クリュとプルミエ・クリュのぶどうを使用。コード・デ・ブランはシュイィ、アヴィーズ。モンターニュ・ド・ランスはトレパイユ、マイィ、ヴェルズネー、アヴネー。フローラル&様々な果実の香り、ミネラル、切れ感があり、バランス良好、エレガント。冷涼年に感じるミネラルやヨード感。一方で、口中に広がる甘やかさ、スパイスやコーヒーのアロマは暑い年に由来する要素。劇的な変化をもたらした2012年ヴィンテージならではの特徴が表現されたアイテム


 #4:ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン2012
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:PN55% M25% CH20%
 ドザージュ:0g/L
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:エノテカ

ビオディナミ100%のキュミエール村のぶどう(PN、CH、M)を同時収穫して仕込み、15%のみ木樽を使用して発酵。ノン・ドゼ、ノン・マロの純なシャンパーニュ。 醸造責任者のレカイヨンさんに「ドザージュをしていないシャンパーニュは糖分添加したシャンパーニュより、熟成が早まると思うのですが」と質問したことがあります。その時、「通常の温度(セラー温度10度)より、低い温度で保存すると、熟成は緩やかに進むので、温度への配慮を」とのお返事をいただきました。温度管理も反映しているシャンパーニュ

ルイ・ロデレールは、2012年ヴィンテージを ①緻密、②洗練、③優しい泡、の3単語で形容。色調はグリーンがかった黄金色、熟成香が際立ち、ミネラル、熟した果実、ヘーゼルナッツ、白胡椒の要素。中盤以降軽いビター感、フレッシュ、ドライでありながら豊潤。第3週・第4週ともに一番人気だったアイテム


 #5:ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム2012 草間彌生
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM)
 ぶどう品種:PN90% CH10% 
 ドザージュ:6g/L
 価格:23,400円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ

27歳で未亡人となり、亡き夫のシャンパーニュメゾンを大成させたマダム・クリコ&28歳で生まれ育った日本を離れて渡米し、世界的名声を収めたマダム・ヤヨイ。二人のマダムのコラボレーション。 ピノ・ノワールはアイ、ヴェルズネー、ヴェルジー、アンボネイ、ブージー、シャルドネはアヴィーズ、メニル・シュル・オジェを使用。
ブラインドで、グラスの色だけを見て、「白ぶどうのほうが多い?」と迷っていた講座生も・・・ その答えが覆されたのは、グラス内の温度変化。最初に白い花のアロマが広がり、その後、ストーンフルーツ(白桃やネクタリンやカリン等)、新鮮なアーモンド、ジンジャーの要素。口中では心地よいミネラル感、ドライアプリコット、蜂蜜、柑橘果実の内果皮似のビター感。中盤から厚味、ふくらみ。
私たちの黒ぶどうは、最高の白ワインをもたらします」 マダム・クリコ 1825年


 最初は円筒形のコルクたち
 瓶口に圧縮したコルクの下半分を挿入することで、長い熟成を経てキノコ型に変形

 
 王冠(プラーク)にはメゾンの個性が反映しています!


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 最新情報 by シャンパーニュ委員会CIVC
 名称保護・価値向上を管轄する部門のディレクター、エゴロフさん
 2020年に就任した方で、“シャンパーニュの今”をテーマに解説
 本国からの来日は3年ぶりでした!
 2021年の出荷数量は3億2,000万本(前年比31%増)
 金額では57億€(前年比36%)


 2021年の輸出数量ランキングTOP10
 出典:CIVC
 数量ベースで1位は米国、2位は英国、日本は3位


 日本向け輸出量・金額の推移
 出典:CIVC
 2021年は1,380万本、3億5,400万€
 数量ではコロナ禍以前の2018年とほぼ同等
 金額では過去最高の売上を誇った2019年の数字に近い躍進


 会見の後、3種のシャンパーニュ登場!

 
 ランチのお弁当はHinokiの藤田社長が担当



     サービスされた3アイテム
     心地よい日差しのもとでワンショット 
     一瞬ですが、コロナの喧騒を忘れることができました🥂

 シャンパーニュ委員会は今年もシャンパーニュデイを開催します。詳細はコチラから!
 どのメゾンのシャンパーニュで乾杯しましょうか[わーい(嬉しい顔)]

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桜の開花予想にワクワク、5種のロゼ・シャンパーニュ探求もワクワク [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

シャンパーニュ最古のメゾン ルイナール
その魅力については2016年にippinでも紹介させていただきました。

NHK文化センター青山校の3月講座はルイナール、ヴーヴ・クリコ、ドラピエにフォーカスしました。要のメゾンはルイナール!
古文書の調査を進めていた同メゾンが、2011年に発見した文献は、シャンパーニュ業界のロゼ造りの歴史を覆す結果に[exclamation×2] そこには「1764年3月14日、120本のシャンパーニュを出荷。その中には60本の『ウイユ・ド・ペルドリ(山うずらの目)』があった」との記述があり、「ロゼ・シャンパーニュ最古の造り手は1818年にブレンド法を用いたヴーヴ・クリコ」という従来からの定説を塗りかえました。

 シャンパーニュラバー訪問必須のメゾン
  (C) photo by Fumiko AOKI
 古代の白亜質の石切り場跡クレイエール、25m、35m、40mの深さがあります。


 上半期最後はロゼの競演
IMG_612523.jpg
 左から
 #1:ルイナール ロゼNV
 #2:ヴーヴ・クリコ ロゼNV
 #3:ドラピエ ロゼ・ナチュールNV 
 #4:ヴーヴ・クリコ ヴィンテージロゼ2012
 #5:ドン・ルイナール ロゼ2007




IMG_6133.jpg
 色合いの微妙な違いにも魅せられて


 第1フライト
 #1:ルイナール ロゼNV
 生産者:ルイナール(NM)
 ぶどう品種:CH45% PN55%、赤ワインを18%ブレンド
 ドザージュ量:8g/L
 価格:10,900円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
ゴールデンオレンジカラー、気泡は持続性があり細やか、香りはチェリーやラズベリー、金柑やアプリコット、白桃、味わいはピュアでフレッシュ、綺麗な酸味とスマートに続く余韻

 #2:ヴーヴ・クリコ ロゼNV
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM)
 ぶどう品種:PN50~55% CH28~33% ムニエ15~20% 赤ワインを12%ブレンド
 ドザージュ量:10g/L
 価格:8,200円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
サンセットカラー、ムニエ由来のフラワリーな要素と溌剌感、ラズベリー、ブラックベリー、チェリーやアプリコット、バターやブリオッシュ、口中ではブラッドオレンジやマンダリンオレンジ、中盤から酸味が広がり、味わいスムーズ、満開の桜に似合うロゼ

 #3:ドラピエ ロゼ・ナチュールNV 
 生産者:ドラピエ(NM)
 ぶどう品種:PN100% セニエ製法
 ドザージュ量:0g/L
 価格:7,800円(税別)
 輸入元:テラヴェール
供出した5アイテムの中で唯一のセニエ製法。10度以下だと香りは閉じ気味、温度の変化で本領発揮。画像からもわかるようにオレンジを帯びた濃い色調、ストロベリーやラズベリーの香り、レモンやマンダリンオレンジの風味、白コショウ、ドザージュは0なので、口中ではドライながら、良質なピノ・ノワールの熟度が全体をバランス良くまとめている印象。第4週の講座生から高い支持を得ていたロゼ


 地平線に沈む夕日を連想させるオレンジ色

 第2フライト
 #4:ヴーヴ・クリコ ヴィンテージロゼ2012
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM)
 ぶどう品種:PN51% CH34% ムニエ15%、 ブジー産のPNを13%ブレンド
 ドザージュ:8g/L
 価格:10,800円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
深みのある銅色、果実味豊かでベリー系果実が嗅覚を支配、ドライローズ、緻密なタンニン、クリーミーな食感、フレッシュさを伴って広がる余韻、酒質の綺麗なロゼ!

 #5:ドン・ルイナール ロゼ2007
 生産者:ルイナール(NM)
 ぶどう品種:CH80% PN 20%
 ドザージュ:5g/L
 価格:34、200円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
コート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスのシャルドネとアイ村のピノ・ノワールを使用。20%ブレンドした赤ワインのトーンを感じる赤銅色、酸を含んだ柑橘系果実、ピンクペッパー、アールグレー、ココア、焙煎香があり、口中ではブラッドオレンジの甘さ、ピンクグレープフルーツの内果皮似の軽いビター感、シャルドネを芯にしたエレガントなスタイルで、時間の経過で様々なニュアンスを感じさせる秀逸なロゼ、飲む価値ありの1本!

ヴーヴ・クリコはPNをメインにしたメゾンであり、赤系果実の宝庫のような香りは魅力。ルイナールはシャルドネ重視のメゾンらしい品格を備え、石灰由来のミネラルと酸味の綺麗さは見事。両メゾンの個性が楽しめました。

      copper/銅色という表現が合いますね


 来週早々には東京の桜も満開!

4月からのオーダーメイドなシャンパンレッスン<第3週>&<第4週>ともキャンセル待ちになっています。ご参加くださるシャンパンラバーの皆さまには心から感謝しております。
秀逸なシャンパーニュたちとの出会いをお楽しみに!

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2月の講座は秀逸なピノ・ノワールの産地アンボネー村にフォーカス! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 シャンパーニュ講座のラインナップ
 2フライトに分けて供出

 シャンパーニュの味わいにも反映しているコルクの締まり具合


 黒ぶどう100%と黒ぶどう主体のアイテム


  新装した教室、密を避けた空間
 第4週クラスの内部、1テーブル1名席。お部屋の奥には使いやすい水場も!

 シャンパーニュ地方のグラン・クリュ
 地図の出典は(C)酒販ニュース
 ブログの村表記は日本ソムリエ協会の教本に合わせていますが、
 各アイテムについては輸入元の表示に統一しています。

 今回注目したアンボネーはモンターニュ・ド・ランスの南部に位置する村で、
 主として南向き斜面、ピノ・ノワール中心、原酒は酸が高く、しっかりとした骨格が特徴

 第1フライトはブラン・ド・ノワール
 お間違えのないように!
 #1は2013年ヴィンテージ
 #2はノン・ヴィンテージ
 ボトル上の2021デゴルジュマンをした年

 #1:スゴンデ・シモン キュヴェ・ル・ヴィラージュ GCブリュット2013
 生産者:スゴンデ・シモン(RM)/1866年創業
 ドザージュ:6g/L
 ぶどう品種:PN100%(ブラン・ド・ノワール) 
 ドザージュ:6g/L
 価格:13,500円(税別)
 輸入元:ヌーヴェル・セレクション
所有する6㌶の畑はすべてアンボネイ村にあり、キュヴェ・ル・ヴィラージュは0.089㌶のモノポール畑「ル・ヴィラージュ」に植樹された樹齢約50年のPNから、傑出した年に限り、年間300本だけ限定生産されるスペシャルアイテム。フルーティで、時間が経過してもそれが持続。香りにはリンゴ、カリン、ナッツ、甘草。若干の塩味とフェノール、中盤から酸味の広がり

 #2:エリック・ロデズ GCアンボネイ ブラン・ド・ノワールNV
 生産者:エリック・ロデズ(RM)/1900年創業
 ぶどう品種:PN100% (ブラン・ド・ノワール) 
 ドザージュ:4g/L、 デゴルジュマン:2021年
 価格:11,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
自社畑6㌶、収穫したぶどうは古い小樽を中心に新樽、大樽、ステンレスタンク等を組み合わせて醸し、当主は大手メゾン(クリュッグの元チーフ・エノロジスト)で身につけたアッサンブラージュや樽使いの技術にも長けている。#1と利き比べるとドザージュ量の違い明確、極めてドライ。10度以下の供出では香り控えめ、グラス内の温度が上がると、マンダリンオレンジ、ナッツ、ミネラル、スパイス。酸味がきれいでふくらみもあり、口中スムーズ

 第2フライトはピノ主体のブレンドタイプ
 #32013年ヴィンテージ、#52006年ヴィンテージ
 #4はノン・ヴィンテージで、ボトルにある2020はデゴルジュマンをした年
 #2#4は輸入元ヴァンパッションによる表示なので、収穫年と混同なさらないように!


 #3:アンリ・ビリオGCアンボネイ・ブリュット・ミレジメ2014
 生産者:アンリ・ビリオ・フィス(RM)/1930年創業
 ぶどう品種:PN75%、CH25%
 ドザージュ:8~9g/L、デゴルジュマン:2020年10月12日
 価格:10,000円(税別)
 輸入元:豊通食料
自社畑4.7㌶、アンボネイ村の中央に位置するメゾン。年間出荷量は3.5~4万本、その多くがイギリスの特定の愛好家に販売され在庫が尽きてしまうとの情報も。醸造面では、すべてノンマロ、リザーヴワインは常に50%と多め。気泡細やか、オレンジや金柑、金木犀、スパイス、余韻に酸の印象

 #4:エグリ・ウーリエ GC トラディション・ブリュットNV
 生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/1930年創業
 ぶどう品種:PN70%、CH30%
 ドザージュ:3g/L、デゴルジュマン:2020年10月
 価格:14,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
自社畑12㌶、年間出荷量は10万本、トラディション・ブリュットはアンボネイの南向きの穏やかな斜面に植樹された樹齢40年のPNを中心に、東向きのCHをブレンド。全体の50%を樽発酵&樽熟成 (12 ヵ月)、51ヵ月の瓶熟成。リザーヴワインは50%以上使用。第4週の講座では、すべてのアイテムに関して、口中に含んだら、20秒以上、舌の上で転がし、その後、飲み込んでから鼻腔で感じる香りや余韻の長さをチェックしてもらいました。口中の存在感と余韻の長さが際立っていたエグリ・ウーリエ、納得できる結果に!

[いす]私が同メゾンを初訪問したのは2009年のことでした。当時連載していたasahi.comに、フランソワさんのコメントを載せているので、ご参考までに!

 #5:アンドレ・ボーフォールGC アンボネイ・ミレジメ2006
 生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)/1969年創業
 ぶどう品種:PN80%、CH20%
 ドザージュ:8g/L
 価格:17,000円(税別)
 輸入元:テラヴェール
自社畑は非公開、年間の生産量2,500c/s、ミレジメに関しては、ひとつの原酒から、ドザージュ少なめのブリュットタイプとドザージュ多めのドゥミ・セックの2種類を生産。第一香はシェリー似、黒糖、果実の甘露煮、ココア、香ばしさ。口中クリーミーで味わいはほろ苦さと旨味のハーモニー。思わず、クリーム・ブリュレを連想、滋味あふれるシャンパーニュ

[いす]受講生のhakoさんがマップを入れたレポをアップしてくれました。アンボネーの位置が良くわかります。

 
  おいしいスプリングカラー
 少しずつ春めいてきましたね。
 先日、高野のフルーツチョコをいただきました。
 可愛いいパッケージは我が家のパステル調の花たちに映えて[わーい(嬉しい顔)]


       [NEW]春期のオーダーメイドなシャンパンレッスン募集開始
     第3週講座
     第4週講座

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温暖化とシャンパーニュ地方の関係を探りつつ、コトー・シャンプノワにフォーカス [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 2022年初のシャンパーニュ講座は非発泡性ワインからスタート
 左から順に
 #1:ドゥ・ヴノージュ コトー・シャンプノワ・ルージュ ラ・フォレ2018
 #2:アンリ・ジロー コトー・シャンプノワ ルージュ2016
 #3:ボランジェ ラ・コート・オー・ザンファン2016
 #4:アンリ・ジロー ロゼ ダム・ジャンヌNV
 #5:ドゥ・ヴノージュ プランス・ロゼNV


             シャンパーニュ地方の土壌 拡大可
       データ提供:CIVC日本事務局



            シャンパーニュ地方の気候 拡大可
     出典:CIVC

2019年11月にシャンパーニュ委員会本部を訪問してフィリップ・ウィブロット広報部長から伺ったところによると、同地方の平均温度は10度ですが、1961~90年までの約30年間で1.1度上昇しており、直近30年間を見ると、収穫の時期は18日早まっているとのこと。1㍑あたりの総酸度は1.3%減少し、アルコール度数は0.7%高くなっています。

ルイ・ロデレールでは15年間の長期プロジェクトの末に、2021年7月、コトー・シャンプノワのルージュとブランを発売。同9月には、シャルル・エドシックもコトー・シャンプノワ アンボネー・ルージュをリリースしました。気候変動の好影響下、シャンパーニュ地方ではぶどうの熟度が上がり、シャルル・エドシックのようにスティルワインだけのぶどう畑を確保する動きが出ています。



           第1フライトは3種のコトー・シャンプノワ

  講座ではアイ村とレ・リセ村に注目しました!
  地図を拡大していただくと、色別で土壌が記載されているので、
  イメージがおわかりいただけると思います。
  アイは白亜質、硬質と軟質の石灰質、石灰砂質、泥灰質 (粘土石灰質)
  レ・リセは泥灰質とキンメリジャン(シャブリと同じ、大小の貝化石が含まれた堅い石灰質土壌)


#1:ドゥ・ヴノージュ コトー・シャンプノワ・ルージュ ラ・フォレ2018 2021年3月発売
生産者:ドゥ・ヴノ―ジュ(NM)
ぶどう品種:PN100% シャンパーニュ地方南部の単一畑レ・リセ産のぶどう
1973年~1977年に植樹、土壌は粘土石灰質とキンメリジャン
醸造:ステンレスタンクで発酵、フレンチオークで6ヵ月熟成
生産量:1,000本
価格:12,000円(税別)
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
3つのなかで唯一2018年ヴィンテージだったので、#2や#3と比べると、若さを感じさせる紫色が顕著。フレンッシュで、香りにはレッドチェリーやラズベリー様な赤い果実、甘草や丁子。心地良い酸味と程よいタンニンが、ウフ・マヨネーズと合わせて楽しめそう!


#2:アンリ・ジロー コトー・シャンプノワ ルージュ2016
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN100% アイ村の自社畑のぶどう
醸造:オークの新樽15ヵ月熟成
価格:28,000円(税別)
輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン
下の文字が透けて見える淡めのルビー色、レッドチェリー、ザクロ、新樽からくるロースト香やヴァニラ、口中スムーズ、凝縮したぶどう由来の厚味が魅力。樽使いの上手さを感じさせる1本。第3週クラスの講座生から人気が高かったアイテム

#3:ボランジェ ラ・コート・オー・ザンファン2016
生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:PN100%、アイ村にある4㌶の単一自社畑のぶどう
醸造:3分の1全房発酵、オークの小樽で8ヵ月熟成
価格:16,000円(税別)
輸入元:アルカン
“子供の丘”という名の畑で、急斜面ゆえ、体が小さな子供しか入ることができなかったとのいわれあり。秀逸年しか生産しない希少ワイン。ボランジェのラ・グランダネ・ロゼ(5%程度)に使う赤ワインとしても知られている。深みのあるルビー色、ブラックベリーやブルーベリー、ピンクペッパー、甘草、ルバーブ、酸味は程よく、まるいタンニン。第一香は閉じ気味、グラス内の温度変化で、様々な要素が層を成して広がるワイン、存在感大!



IMG_4710.jpg
 ヴィンテージや土壌の違いが色調や香りに反映


      第2フライトはロゼ比較

   #4:アンリ・ジロー ロゼ ダム・ジャンヌNV
   生産者:アンリ・ジロー(NM)
   ぶどう品種:PN90%、CH10% 赤ワイン6%ブレンド/樹齢超70年
   醸造:ピノ&シャルドネとも発酵・熟成にアンフォラを使用
   ドザージュ:7g/L
   価格:11,000円(税別)
   輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン

PN(90%)のぶどう畑は丘の上。CH(10%)の畑は丘を下ったマルヌ川に近い場所に位置し、南向きで日照が良く、川から涼しい風が吹き、朝晩の温度差があるので、酸のノリも良く、特に天候に恵まれた年のぶどうは秀逸。発酵も醸造もすべてアンフォラ(2018年頃まで樽使用)。セバスチャン・ル・ゴルヴェ氏は、卵型テラコッタタンクを使うのはマイクロオキシデーションの作用による味の複雑性と澱の自然回遊によるふくよかさを生み出す為で、アンフォラによって生み出される繊細な味わいと香りがロゼに相応しいと判断した由。オレンジ色を含んだ淡いサーモンピンク、気泡細やか、控え目ながらオレンジの様なアロマ、口中の泡のアタックや酸味はソフト、タンニンに由来するかすかなほろ苦さ、時間経過で広がるふくらみ。


   #5:ドゥ・ヴノ―ジュ プランス・ロゼNV
   生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
   ぶどう品種:PN100%
    モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ&プルミエ・クリュおよびレ・リセ産
   醸造:ステンレスタンクで発酵・熟成、100%MLF
   ドザージュ:6g/L
   価格:12,000円(税別)
   輸入元:ヴィレッジ・セラーズ

プランス独自のカラフェ型ボトルなのでブラインド供出では瓶型をごまかすのに一苦労。ドゥ・ヴノ―ジュは発酵も熟成もステンレスタンクのみ。サーモンピンクに若干オレンジのトーン、赤系果実のイチゴやクランべリー、シトラス、中盤以降に感じるビターさからブラッドオレンジを連想。口に含むとフレッシュな溌剌感、塩味、酸味のバランス良好、素直に楽しめるロゼ。第4週クラスの講座生から人気が高かったアイテム


    2種ともブレンドタイプのロゼ
    赤ワインの酒質向上が、そのままロゼの味わいに出ています!


 樽材にこだわるアンリ・ジローらしい木箱


 ボランジェのラ・グランダネ・ロゼに使われているラ・コート・オー・ザンファン


 絶妙なマリアージュをご紹介
 2020年10月@帝国ホテルのメインダイニング『レ・セゾン』
 ティエリー・ヴォワザンシェフが披露してくれた組み合わせ

黒トリュフをまとわせた比内地鶏卵には、ブルーベリー等の果実を加えた濃厚なソース(ピノ・ノワールを使用)が添えられており、卵にナイフを入れると、濃黄のとろとろの卵黄が流れ出し、舌の上を卵のねっとり感が! コトー・シャンプノワ・ルージュを口に含むと、今度はさっぱり感が口中を支配。本来なら卵と相性の良くないはずの赤ワインPNが素晴らしい調和を見せてくれました。


 『ラフィナージュ』のオーナーシェフ高良康之シェフお薦めのマリアージュ
 ランド産仔鳩のロースト、赤ワインソース × ラ・コート・オーザンファン


 [exclamation×2]インフォメーション[exclamation×2]
 2021年のシャンパーニュ総出荷量は3億2,200万本、対前年比32%増[グッド(上向き矢印)]
 データ提供:CIVC日本事務局


【醸造容器の違いがワインに与える影響】
ワイン醸造に樽以外の容器が使われている昨今、容器がワインに与える影響について、チリとスペインの研究者グループが、ソーヴィニヨン・ブランを使って、円筒型ステンレスタンク・卵型ポリエチレンタンク・卵型コンクリートタンク・粘土製アンフォラの4容器で発酵・熟成させた研究結果を発表しました。原文は IVES Technical review vine&wineに掲載された”Impact of type of winemaking vessel on the chemical composition of Sauvignon blanc wines”
安田まりさんが、サイトに掲載している和訳の転載許可をくださったので貼り付けます。
講座に登場したアンリ・ジローのロゼがアンフォラ容器だったので、タイムリーな話題になりました。


【ボトルの色と遮光率の関係】
第3週の回を受講してくださっているブログ仲間のhakoさんはいつも迅速なリポートをしてくださいます。今回、逆光で撮影した画像が、ボトルと太陽の光との関係を説明するのにちょうど良い教材なのでお借りしました。濃アンバーやCIVC推奨の深緑ボトルは遮光率が高いので、保存に重要な役割をしています。

 画像提供:hakoさん

  データ提供:シャンパンメゾン ティエノー

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50年の歳月を経てリリースされた『Piper-Heidsieck Hors-Série パイパー・エドシック オール・セリィ1971』 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 希少なアイテムを堪能
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 左から順に
 #1:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール2006  
 #2:パイパー・エドシック オール・セリィ1971
 #3:ポル・ロジェ リッチNV
 #4:マム アイス・エクストラNV
 #5:パイパー・エドシック シュブリームNV

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 カラフルなキャップシュール



 パイパーとシャルルの関係は⁈
 シャンパーニュのパイパー・エドシックとシャルル・エドシックは、
 フランスのラグジュアリーブランド企業EPIグループの傘下で、同グループには、
 高級靴で有名なJ.M.Westonや、子供服Bonpointなどが名を連ねています。

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 シャンパン業界の3つのエドシック、両メゾンの繋がりは無しです。
 シャンパーニュ講座用に作成したパワポを添付しておきます。

 シェフ・ド・カーヴを見ると・・・
 シャルルの現シェフ・ド・カーヴは4代目シリル・ブランさん
 2代目はレジス・カミュさんでした。
 パイパーの現シェフ・ド・カーヴは3代目エミリアン・ブティヤさん
 2代目はレジス・カミュさんでした。

 両メゾンの多大なる貢献者レジスさんは本日/12月31日付で引退なさいました。
 まだまだ、ご活躍できる卓越した才能の持ち主です。
 コロナ渦中、来日もままならずだったので、本当に残念です。
 来年1月にオンラインによる引退式が予定されているので、その日にご挨拶いたします。
 素晴らしいお仕事の数々、こころに残るシャンパーニュたちと出逢えて幸せでした。
 お疲れ様でした!


 オンラインでシェフ・ド・カーヴから解説していただいた2アイテム
 10月27日にブティヤさんと『オール・セリィ1971』を試飲
 ブティヤさんのバースディ・ヴィンテージでもあります!
 ちなみに、カミュさん引退後は、彼がレアのシェフ・ド・カーヴを兼任なさる由

 11月22日にシリル・ブランさんが『ブラン・デ・ミレネール2006』について解説


 第1フライトはブラン・デ・ミレネール2006とオール・セリィ1971
 長い熟成状態を感じさせるコルクの締まり具合

 #1:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール2006  2021年12月1日発売
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 デゴルジュマン:2019年3月
 ドザージュ:7g/L
 価格:36,300円(税込)
 輸入元:日本リカー

グリーンを帯びた黄金色、気泡は繊細で活発、ブラッドオレンジやグレープフルーツの様な柑橘系果実、アプリコットやフレッシュなパイナップルの香り、ぴ~んと張り詰めた石灰質のカーヴを感じさせるミネラル感、白胡椒、特徴的とも言える塩味、ローストのニュアンス、軽いビター感、上品に広がる心地良い余韻、今後の熟成が楽しみ!


 #2:パイパー・エドシック オール・セリィ1971 2021年10月27日出荷開始
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 生産本数2021本、日本への入荷本数300本
 収穫:1971年9月
 ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
 ブレンド:1972年3月、GCとPCの12村のぶどう
 ボトリング:1972年7月26日~30日
 デゴルジュマン:2021年2月/ノン・マロ(非MLF)
 ドザージュ:10g/L
 価格:71,500円(税込)
 輸入元:日本リカー

オール・セリィは号外・番外編の意味。1970年代のシェフ・ド・カーヴ、クロード・ドゥミエールさん(現在92歳)が手掛けたシャンパーニュ(メゾンの創始者フローレンス・ルイ・エドシックへのオマージュとして生産していた『キュヴェ・フローレンス』)。50年間カーヴで静かに寝ていたシャンパーニュを起こして澱を抜いたのが今年の2月、人間なら大手術です。門出のリキュールには2019年収穫のシャルドネ(ノン・マロ)を使用。その後、6ヶ月以上シャンパーニュを静養させ、今秋日本に上陸しました。

黄金色、気泡はワインに溶け込み、舌触りはクリーミー。第一香はシェリーの様な酸化のニュアンス、その後、鼻腔を軽くなでるように、黒糖、ドライアプリコット、焙煎コーヒー、ロースト香、果実の甘露煮、エスニックスパイスが広がり、口に含んで目を閉じて10秒以上シャンパーニュを転がしてみると、口中の温度で複雑味が増し、香りの変化が層をなしてくる魅力。半世紀の時を経た逸品、50年という時を感じさせないフレッシュ感(ノン・マロ効果)は素晴らしい!


  色調、気泡の状態にも差があり、貴重なアイテムでした!

     1983年、1985年、1990年、1995年、2004年に継ぐ2006年
     メゾン史上、5番目のヴィンテージになります。
     2002年と1989年に匹敵する成熟度で、質・量ともに豊かな年
     シリル・ブランさんは「1995年に似ている」と述べていました。


 コート・デ・ブランの4つのGCと1つのPCのシャルドネを使用

 GCはアヴィーズ、クラマン、オジェ&ル・メニル・シュール・オジェ
 PCはヴェルテュ、ここは年によって出来が違うので、その特質を生かして使用


    パイパー・エドシック オール・セリィのコンセプトは
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   他に類するものがない独立性、少量生産、卓越性があり模範となりうるスタイル


 ラベルにはシリアルナンバーを印字、講座で供出したのは823、831
 木箱には国内の森から採取された硬いオーク材を使用
 オークはオール・セリィ同様、50年の樹齢
 色合いや木目がひとつずつ異なっている木製のボックスです。

 メイラード反応/アミノカルボニル反応
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ソムリエ協会機関誌編集長時代、エノログの戸塚昭先生に上記の反応について伺いました。
シャンパーニュの瓶内二次発酵時に発生する香りを経時的に解析した報告はないようですが、各種アミノ酸とグルコースを加熱した時に生成する香りを分析した結果から類推して、シャンパーニュの瓶内二次発酵時に生成するカラメル様、チョコレート様、焙煎コーヒー様の香りは、アミノカルボニ反応によるものと思われるとのことでした。

先生は「近年、辛口ワインが主流で、セックやドゥミ・セックは市場性が低いので、クラシックなタイプのシャンパーニュの風味を楽しみたい者にとっては残念なことで、アミノカルボニル反応に伴って生成すると類推される複雑な風味が減少している」とおっしゃっていましたが、オール・セリィには、その風味がしっかりとあり、古酒の醍醐味を満喫できました。貴重なシャンパーニュでした!



  まぁ、ミラヴァル城
 1971年にエルトン・ジョンが『ロケットマン』をレコーディングしたのが、
 現在ブラピが所有しているシャトーミラヴァル(右/エルヴィル城と記載あり、これはミラヴァル)
 繋がっていますね。

 1970年代にプレイバック
 懐かしい懐かしい曲と出会えるかも・・・
 ジョン・レノンのイマジンは1971年の代表作
 QRコードでお試しください



 第2フライトは3種のドゥミ・セック

 #3:ポル・ロジェ リッチNV
 生産者:ポル・ロジェ(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエ各3分の1ずつ
 最低36ヶ月熟成、
 ドザージュ:34g/L
 価格:7,700円(税込)
 輸入元:ジェロボーム

ポル・ロジェはブリュット・レゼルヴ、ピュア(エクストラ・ブリュット)、リッチの3アイテムとも3品種(PN、CH、M)同率なので、それらを同時に利き比べるチャンスがあれば、メゾンスタイルやドゥミ・セックの甘さの具合が、他のメゾンよりつかみやすいと思います。ドライフルーツや蜜蝋、スパイスの香り、口中クリーミー、余韻にキャラメルのニュアンスとビター感

 #4:マム アイス・エクストラNV
 生産者:メゾン・マム(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール51%、ムニエ34%、シャルドネ15%
 最低20ヶ月熟成、アメリカンオークで熟成させたリザーヴワインを使用
 ドザージュ:35g/L
 価格:8,470円(税込)
 輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン

3つのなかで、一番甘やかでヴァニラビーンズやキャラメルの香り、蜂蜜やアメリカンオーク由来のヴァニラ感、女性の講座生からの受けが良かった印象

 #5:パイパー・エドシック シュブリームNV
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、ムニエ30%、シャルドネ20%
 最低36ヶ月熟成、リザーヴワインは約25%使用
 ドザージュ:35g/L
 価格:7,920円(税込)
 輸入元:日本リカー

ヴァニラやトロピカルフルーツの香り、味わいは凝縮した果実、酸味の印象もあり、全体のバランス良好、第2フライトのマイベスト

 ドゥミ・セックのドザージュ量は32~50g/L
 ノン・ドゼやブリュット全盛の時代なので、講座生の一部から「あまい!」との声が!
 でも、不況時には甘口ワインがよく動きますし、コロナ渦中、ストレスが溜まっている時
 には甘露な存在、癒し効果ありますよ。
 ロックや好きなフルーツを使ったカクテル、甘さを緩和したいなら炭酸を少々加えてもOK
 自由な発想で楽しめます。
 ブルーチーズ、カラメリゼした洋なしなどのデザートや、
 お正月のお節なら、栗きんとんや甘めに味付けした品目とも合わせやすいです。


 ナイスマリアージュだったマムとマアム
 アメリカンオークを使ったリザーヴワインとカントリーマアムのヴァニラ風味が相乗

 慣れ親しんだ6階のお教室とお別れ
 2016年から慣れ親しんできた605教室、603教室の使用は今年で終わり。
 来年からは4階と5階のみになるため、講座生の皆さんと記念ショット[カメラ]
 NHK文化センターは長テーブルに1名着席、マスク&フェイスシールド着用厳守なので、
 コロナに悩まされることなく、無事講座を追えることができました。

 第3週&第4週のクラスに1971年生まれが、それぞれ1名ずついらしたので、
 木箱・ボトル・キャップシュール[プレゼント]


 今年もブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
 オリンピックが終わったので、
 来年からワインアカデミー@ホテルオークラの担当講座も再開します。 
 シャンパン講座と併せて頑張りますので、引き続き、宜しくお願いします。

 どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ[わーい(嬉しい顔)]
 
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