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上半期最終講座は9月に日本上陸したばかりのレア2008を含む“2008年”にフォーカス! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

  日本での発売は9月1日
  レジス・カミュ シェフ・ド・カーヴが“無限”と表現した2008年ヴィンテージ



[NEW]レア・シャンパーニュにからむ素敵な話題
9月30日の開館を前に、米 ロサンゼルス『アカデミー映画博物館』では、25日にオープニングガラ、28日オープニングナイトイベント、29日プレミアナイトイヴェントを行いますが、その折、アカデミー賞のシャンパンスポンサーであるパイパー・エドシックの『レア・ロゼ2007』と『レア2006』がサービスされるとのこと。WS誌(9月15日付)の記事には、ブノワ・コラールCEOの談話も掲載されています。
華やかな場がとても良く合うレア・シャンパーニュなので、トム・ハンクスや往年の女優ソフィア・ローレンも大満足するはずです。

レア・ロゼのファーストヴィンテージは2007年、わずか1,500本の希少アイテムです。2016年9月に来日なさったブノワ・コラールCEOのインタビューで、最高醸造責任者のカミュさんが「なぜレア・ロゼを造ったのか」を伺いました。カミュさんが“太陽の恵み”と表現したレア2006については、コチラで!



 9月15日&22日の講座リポート
 お気に入りのヴィンテージで半年間の〆を

 #1:ローラン・ペリエ ブリュット・ミレジメ2008
 #2:アンリオ ブリュット・ミレジメ2008
 #3:アルフレッド・グラシアン ブリュット・ミレジメ2008
 #4:シャルル・エドシック ブリュット・ヴィンテージ2008
 #5:レア2008


     上半期を少しだけプレイバック
     リリース直後から高評価を得ているエリザベス・サルモン・ロゼ2008
       
      上半期(4~9月)は4月の第4週と5月・6月が休講に[もうやだ~(悲しい顔)]
      でも、4月テタンジェのコント・ド・シャンパーニュBdeB2008
      7月ビルカール・サルモン エルザベス・サルモン・ロゼ2008
      8月ドゥヴォー D ミレジメ2008
      開講できた各回でとびきりの2008年をお出しすることができました。
      どれも素晴らしく印象的でした!

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  ドゥヴォー 2008/コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン 2008

         2019年9月に供出した2008年ヴィンテージ
2008年は穏やかで雨の多い冬、気温差が激しい春の後、強烈な暑さと涼しさが交互に到来。夏は例外的に涼しく、わずかな日照でありながら、乾燥した気候のもとで、ぶどうはゆっくりと熟成。寒暖の差により、凝縮感のある風味とフレッシュな酸を備えた果実が収穫できた。2008年はシャンパーニュにとって特別なヴィンテージ

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 講座で初めて2008年に特化したのは2年前の9月でした。
 2回目の挑戦となる今回は、以下の順で供出


   9月の講座に登場したシャンパン
   ローラン・ペリエ ブリュット・ミレジメ2008
   生産者:ローラン・ペリエ(NM)
   ぶどう品種:CH約50%、PN約50%
   ドザージュ:10g/L
   価格:10,500円(税別)
   輸入元:サントリーワインインターナショナル

シャルドネはシュイィ、クラマン、アヴィーズ、ル・メニル・シュル・オジェ。ピノ・ノワールはアイ、ヴェルズネー、トゥール・シュル・マルヌ、ルーヴォア、ブージーのクリュ。一点集中の持続性ある気泡の連なり、香りは白い花や白桃、洋なし、ミネラル。溌剌とした綺麗な酸、ビターオレンジやアプリコット似の香りと味わい。フレッシュ、フィネス、エレガンスをコンセプトにしたローラン・ペリエらしいスタイル


 アンリオ ブリュット・ミレジメ2008
 生産者:アンリオ(NM)
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:6g/L
 価格:11,800円(税別)
 輸入元:ファインズ

アンリオ200周年の記念すべきヴィンテージ。約10のプルミエクリュとグランクリュのぶどうを使用。#1とほぼ同じブレンド比率ですが、前者は白系主体、アンリオはそれより若干黄色を連想させる果実で、グレープフルーツや黄桃。アカシア、ミネラル、シルキーな食感、口中を洗い流してくれるような酸が好印象


 アルフレッド・グラシアン ブリュット・ミレジメ2008
  第3週&第4週ともに人気が高かったグラシアン/昨年12月に発売

 生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH主体、PN、M(非公開)  ※2004VTはCH64%、PN25%、M11%
 ドザージュ:7g/L
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:nakato

シャルドネはル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、シュイィ、クラマン、オジェ等、ピノ・ノワールはブージー、アンボネー、キュミエール等、ムニエはルイユ、ダムリー等のクリュ。樽発酵、樽熟成でMLFは一切しないメゾン。シャブリエンヌから古樽を購入、瓶内熟成96~108ヵ月間。5アイテムのなかで唯一の樽使い。インパクトのある熟成香、スパイス、樹脂(若干のセメダインっぽさ)、シャープな酸、厚味と旨味のナイスバランス

 シャルル・エドシックブリュット・ヴィンテージ2008
 2019年11月に発売したシャルル・エドシック

 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH4
 ドザージュ:8g/L   デゴルジュマン:2019 年
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:日本リカー

10のグランクリュとプルミエクリュのぶどうを使用/オジェ、シュイィ、ヴェルテュ、キュイ、ヴェルズー、アイ、リュド、アンボネー、トージェール、アヴネのクリュ。繊細で規則正しい気泡、柑橘系果実、#3の後に味わうと、酸味にまるみを感じ、全体に程よいバランス。ドライフルーツ、ロースト風味、モカ、ミネラル、塩味、余韻にビターなニュアンス


     余韻の長さも際立つレア2008
     生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
     ぶどう品種:CH70%、PN30%
     ドザージュ:9.5g/L
     価格:25,000円(税別)
     輸入元:日本リカー

6月にZoomで2008年VTのお披露目をしてくださぅたカミュさん。コメント中、“トニック”という表現を使っていたのですが、今回改めて試飲して、それが認識できました。日本で言うなら、“柚子”とのこと!  他の4アイテムよりも明らかに長い余韻。グラス内の温度変化で様々な表情を見せてくれたレア。私がコメントを書くのは野暮なので、カミュさんの熱のこもったお言葉を是非ご覧くださいませ。レア2008の熟成のポテンシャルは2040年~45年です!

 コルクの熟成具合で、味わいがイメージできます!
 アルフレッド・グラシアンとレア、コルクと味わい=人気の高さに比例していたかも(笑)

 下半期も、ソーシャルディスタンスを厳守し、第3週&第4週の2クラス制で行います。
 検温、手洗い、マスク&フェイスシールド着用、会話を控える、を徹底してまいります。
 引き続き、何卒宜しくお願いいたします!

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ドメーヌ・ツィント・フンブレヒトの当主フンブレヒトMWのアルザスまるごと解説 [Zoom / ワイン]

アルザスとオンラインで繋いで

アルザス地方ドメーヌ ツィント・フンブレヒトのオリヴィエ・フンブレヒト12代目当主による初Zoomセミナー。4種のワインの解説を交えながら、アルザスの多様な土壌形成やテロワール、ビオディナミ、カナダでのコンサルタント等について言及しました。
フンブレヒト氏は、26歳でフランス人初のマスターワイン(MW)取得者になった方です。ワインメーカーという肩書なら世界で2人目、今も昔も向上心の旺盛さは変わっていないようです。プロフィール写真が若い時のままなのも・・・気持ちは昔のままだと言いたいのでしょうかね

  特製ミニボトルで届いたワイン

 左から
 #1:ファントム・クリーク・エステーツ リースリング2017/カナダ産
 #2:ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト リースリング ロッシュ・カルケール 2016
 #3:同ピノ・グリ2018
 #4:同ゲヴュルツトラミネール2016


アルザスの沿革
アルザスはフランスの北東部、ほぼシャンパーニュとブルゴーニュの中間、ヴォージュ山脈の東側に位置しています。ぶどう栽培面積は大幅に増大していて、70年前はわずか6,000㌶でしたが、現在は16,000㌶。夏暑く、冬寒い半大陸性気候下にあり、北西から吹いてくる風に含まれる湿気はヴォージュ山脈によって遮られています。アルザスはイメージ的に、冷涼な気候の産地と思われていますが、年間の降水量は500~650㎜、コルマールを例にするなら、年間1,800時間の日照に恵まれています。ぶどうの熟度に関しても日較差があるので、酸味の充実したぶどうが得られます。土質は複雑で多様性に富んでいるので、気候と地形から見ても、アルザス地方はフランスの他の地方とは違う特徴があります。


 地質の成り立ち画像協力:ドメーヌ ツィント・フンブレヒト
 ワイン産地の形成が始まったのは約3億年前の古生代/石炭紀
 ヘルシニア山脈の隆起により花崗岩が形成された。この時期、多くの火山活動があった。
 ヴォ―ジュ山脈の本体(基盤岩)をなすのは最下部の花崗岩と、それが変化した岩石
 海中生物や貝殻が堆積して形成された魚卵状石灰岩(ウーライト)
 貝殻石灰岩(ムッシェルカルク)、その他には、古い二畳紀の赤い砂岩
 三畳紀のピンク色をしたブレンド砂岩等があり、それらが複雑に入り組んでいる。

 ジュラ紀の末期に移動するプレートに押されて、中央部が隆起し、地上に出現。
 白亜紀と始新世初期にジュラ紀の地層は一部分浸食されて平らになった。
 始新世中期には、今までプレートで押されていた力が弱まり、
 隆起していた地形は少しずつ沈降し、周囲の地殻との間に断層が生じた。
 沈降はさらに激しくなり、ラインの両側は、ヴォ―ジュ山脈と黒い森となり、
 沈降した部分に、現在のライン地溝帯が形成された。



       地質時代と地層名 
       出典:武田弘先生作成の地質表
     古生代、中生代、新生代の区分けはこの表でご理解いただけると思います。

出典:アルザス地方の地質に関しては、フンブレヒトMWの解説に加えて、鉱物学の大家 武田弘先生(ソムリエ協会機関誌No81)からご教授いただいたデータを参考文献にしています。


 ワイナリーの概要
 ドメーヌ ツィント・フンブレヒトは1620年から続く家族経営のワイナリー
 次期当主(13代目)となる長男もワイナリーに参画
 6コミューンに41㌶のぶどう畑(すべて認証取得)を所有、伝統的なワイン造りを実施
 生産しているワインは25アイテム、年間の生産量は20万本(年によって若干の変動あり)
 5頭の馬で耕作。急斜面の畑では使えないので、困難な場所はウィンチによる手作業
 畑のぶどう樹はマサルセレクションのみ、クローンは使わない主義
 ぶどう品種はリースリング40%、PG28%、ゲヴュルツトラミネール20%、PN12%他


 オーガニック・ビオディナミ農法に関して
 オーガニックは1990年代から、ビオディナミは1998年から導入
 オーガニック認証エコセール(1998年~)/ビオディナミ認証ビオディヴァン(2002年~)

ルドルフ・シュタイナーに影響を与えたヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ
 1920年にビオディナミを始めたシュターナーは、ドイツの詩人、小説家、哲学者で、
 自然科学者でもあったゲーテから多くのことを学びました。
 Zoomセミナーでは、ゲーテが著した「植物を理解するための3つのキー」について、
 それぞれの例を挙げながら、フンブレヒトMWは次のように解説しました。

 (1)方向 (2)エレメント (3)惑星
 (1)方向の1つめは求心力。地球の中心に向かって動こうとする力で、良い例がオーク
  2つめは遠心力、求心力とは反対に宇宙に向かっていこうとする力、例で言えば大麦
  3つめは求心力や遠心力はないが、植物間での交換力のあるイラクサやスギナ
  生姜は求心力が強く、味の濃い果実は遠心力が強い。
  ぶどう樹は求心力や遠心力がほとんどないので
  強いパワーのあるものをぶどう樹のそばに置くことで効果が得られる


 (2)のエレメントは土/ミネラル、水/植物、空気/動物、火/意識
  地球は主に土と水から成るので、ぶどう栽培には地球が持つ要素が必要。
  地球のさまざな要素を増やすためにビオディナミのプレパラシオン(宇宙と植物を繋ぐ役目)
  を使用。火の要素を使うことで、強い味わいが得られる。
 
 (3)の惑星に関しては、
  月は冬を象徴/オーク、水星は春/カモミール、金星は開花/西洋ノコギリソウ 
  太陽は結実/オトギリソウ、火星はベレゾン/欧州ヨモギ、木星は実が熟す/タンポポ
  土星は種が熟すエネルギー(次世代を生み出す)/西洋カノコソウ

 「ぶどうは放っておくとあまり実をつけない植物なので、冬に剪定を行い、
  ぶどう樹にストレスをかけることで良い実ができる
」とフンブレヒトMW
  求心力や遠心力を持たないぶどうは人が何もしないと実をつけようとしなくなる[がく~(落胆した顔)]


気候変動とビオディナミ
気候変動、これは問題なのか、それとも好機か?
フンブレヒトMWが提示した、このテーマを見て、真っ先に頭に浮かんだのは、シャンパンメゾン『ルイ・ロデレール』のジャン・バティスト・レカイヨン醸造責任者でした。彼は1974年にクリスタル・ロゼを発売して以来のアイテムとして『ブリュット・ナチュール フィリップ・スタルク』をリリースしていますが、ビオディナミの導入で、糖度の高いぶどうが収穫できるようになったことが、きっかけだったようで、「気候変動の影響を考え、ぶどう樹の仕立て方や新しいぶどう品種に取り組むこともひとつの選択肢ですが、シャンパーニュ地方のシャンパンという飲みもの、そのアイデンティティをきちんと表現することが大事であり、温暖化だからこそ造ることができたアイテムです」と語っていました。

フンブレヒト氏に話を戻すと・・・レカイヨン氏と同じく、彼も優れたワインメーカーであり、ビオディナミの認証も受けているので、温暖化を好機と捉えていると、私は推測しています。

✥アルザスは10年前と比べて、収穫の時期が3週間早まっている。
✥1970年代と比べると、降雨量が減っている/総雨量は10年ごとに4㎜減少

気候変動による影響
2021年は欧州の多くのワイン産出国が春の遅霜害を受けましたが、アルザスには及んでいません。
10年後にはアルコール度数が1%アップする可能性があるものの、酸の高いリースリングには好都合。
収穫が早まれば、腐敗は軽減されますが、甘口ワインの生産は難しくなります。

発生するさまざまな問題をビオデイナミ農法との関連で考えると、有機栽培をより効率的に行うことが可能になる由。生理的な熟度を得ることが大事なので、早い時期に収穫ができ、温暖化の影響下にあっても、よりフレッシュなタイプのワインを造ることができるとのこと。「畑で完璧なぶどうが収穫出来れば、セラーでの人為的な作業が減ります」とフンブレヒトMW



  4種のテイスティング


 カナダのファントム・クリーク・エステーツでの新たな活躍
 ブリティッシュ・コロンビア州オカナガン・ヴァレーにある新興ワイナリー

ファントム・クリーク・エステーツではボルドータイプの黒ぶどうやオカナガンの代表的な品種シラーやヴィオニエを栽培。白ワインはアルザスタイプに注力しているので、フンブレヒトMWがコンサルタントとしてサポート。今夏からベリンジャー家のマーク・ベリンジャー氏も新ワインメーカーとして就任しています。世界レベルの指導者たちが脇を固めているので、今後の発展が楽しみです。

 今年1月に日本上陸したニューフェイス
 北オカナガンの自社畑イースト・ケロウナのリースリング100%/8,000円

オカナガン湖の好影響下にある冷涼な気候のエリアで、土壌は砂質ローム、粘土、石灰質。土着酵母で4ヵ月かけて発酵させ、ステンレスタンクとフードルを併用して約10ヵ月熟成させたワイン。MWは「アルザスと同じ気候」と語っていましたが、香りはアルザスとは異なる印象。白い花や洋なしの白い果肉を連想、はちみつやミネラルのニュアンス。中盤以降に軽いビター感。


 ピュアさが魅力のリースリングとピノ・グリ
 リースリング ロッシュ・カルケール2016/4,500円

“ロッシュ・カルケール”はフランス語で“石灰岩”の意味”
テロワールはシリカを含む石灰質土壌、畑の向きは東と南、収量78hl/㌶、平均樹齢42年
オークの発酵槽で12ヵ月間発酵させ、オーク樽で18ヵ月間熟成、瓶詰時期2018年2月
石灰質土壌由来の柑橘系果実のニュアンス、凛として引き締まった酸味(オカナガンのワインには感じなかった)、今飲んでも、さらに熟成させても楽しめるワイン。上質な酒質、ポテンシャルあり。リースリング好きは是非! インダイス1


 ピノ・グリ ロッシュ・カルケール2018/4,500円

テロワールは貝殻石灰岩(ムッシェルカルク)、30㌶の森林のなかの7㌶がぶどう畑。畑を取得したのは1989年。ピノ・グリの畑は孤立していて、他との距離があるので、ビオディナミには最適。収量60hl/㌶、平均樹齢28年。オークの発酵槽で14ヵ月間発酵させ、オーク樽で18ヵ月間熟成、瓶詰時期2020年1月。
白い果実、トースティ、ドライ&クリーミー、和の要素に寄り添うワイン、インダイス1


 表情豊かなゲヴュルツトラミネール
 マイベストだったゲヴュルツトラミネール ロッシュ・カルケール2016/4,500円

テロワールはウーライト、収量47ha/㌶、平均樹齢35年、オークの発酵槽で約2週間発酵、オーク樽で12ヵ月間熟成。瓶詰時期は2017年8月、飲み頃は2019年から2028年
第一香から飲み手を魅了するピュアなアロマ、エキゾチックフルーツ、豊潤なテクスチュア、フェノール由来の心地良いビター感、グラス内の温度変化を楽しみたいワイン、インダイス3

インダイス:ドメーヌ ツィント・フンブレヒトでは、すべてのワインに1 から5 までの指標(インダイス)を使用しています。ラベルのAlc表示の下に記載。RSは残糖度。2001年から実施していますが、数値はあくまでも目安 1=RS<9g/L、2=9<RS<15g/L、3=15<RS<30g/L、4=30<RS<45g/L、5=RS>45g/L 


 90分の緻密な解説
 フンブレヒトMWの人となりが伝わってくる緻密な90分でした。

アルザスでビオディナミが発展した理由について、MWは「スイスとの近さにあると思います。1920 年代にルドルフ・シュタイナーが建てたゲーテアヌムはバーゼルにあり、ここはフランスとスイスの国境、かつアルザスにも近いです。バーゼルやライン川沿いでは、人智学の運動がとても盛んであり、フランスで最初のビオディナミワイン生産者もアルザス(1969年)、メゾン・ド・ラ・ビオディナミは当初からコルマールにあります。アルザスには数多くのシュタイナー学校もあり、人口比ではフランスの他の地域よりも多くなっています」と回答していました!


 モノローグ
 オンラインセミナーは5月後半に行われました。

セミナーの時間内では対応しきれないほどの多くの質問があったので、輸入元日本リカーでは、質問を一括してMWに送り、戻ってきた回答は参加者全員にフィードバックするという形式を取りました。フンブレヒト氏らしい、長文の丁寧なお答えばかりだったので、日本リカーの作業が完結するまでに、約1ヵ月かかりました(笑)

偉大な産地でありながら、日本では十分にその魅力が伝わっているとは思えないアルザス! 
オンラインセミナーの詳細な話を、わかりやすくまとめるのに少し苦労しましたが、ワインラバーの皆さまのお役に立てば幸いです。

製品についてのお問い合わせ先
日本リカー株式会社 03‐5643‐9772

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再々延期で数カ月間 青山校のセラーで微睡んで(まどろんで)いたシャンパンたち [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

  無病息災を願う重陽の節句
  9月9日でしたね!

当たり前の日常が戻ることを願い、感染対策には十分に留意しつつ、コロナ終息を願っている私ですが、つい先日、「まがりなりにもコロナ収束」なる発言をしたマスク姿が全く様にならない某大臣にはあきれました[がく~(落胆した顔)]
そんな状況下、12日を期限にしていた緊急事態宣言が今月末まで延長になりました。


  再々延期になっていた講座
  今週 待機状態だった講座を実施することができました。

 4月下旬に緊急事態宣言が発令され、4月28日に行う予定だった第4週クラスが休講に!
 翌月に延期したものの、5月も宣言下で開講ままならず、6月30日に再々延期
 そして・・・今月8日、無事開催
 青山校のワインセラーで、の~んびり微睡んでいたシャンパンたちと再会できました!

     注目のアイテム
     4月の講座で供出したかったのがコレです!
     テタンジェが満を持してリリースしたトップ・キュヴェ
     コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008(2020年10月リリース)


 グラスにもフォーカス🥂
 右は講座で使用しているリーデルのリースリンググラス
 左は2021年3月24日にリーデル・ジャパンから発売されたドンペリニヨングラス
 ドン・ペリニヨン2010(2020年10月上旬リリース)をオリジナルグラスでチェック。これは、
 リシャール・ジェフロワ前最高醸造責任者とリーデルとのコラボで開発されたグラス


 5アイテムの選択理由
 ドリンクス・インターナショナル2021のリストからメゾンを選択
 ドン・ペリニヨンが2ランクアップして6位、テタンジェは1ランクアップして8位
 16もアップしたモエとポメリーの実力を再確認したくて、これら“5アイテム”を選択



 第1フライトでトップ・キュヴェを比較
 #1:ドン・ペリニヨン ヴィンテージ2010
 生産者:ドン・ペリニヨン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール/比率非公開
 価格:25,900円(税別)
 輸入元:MHDモエヘネシー ディアジオ

LVMHは世界売上ランキング第1位!
ドンペリは飲んだことがなくても名前だけは知っているという方は多いですよね。

2010年は寒い冬の後、春と夏の初めは涼しく乾燥した気候になり、8月と9月は降雨量も多く、湿度も高め。ボトリティス(灰色かび病)が発生し、ピノ・ノワールには影響が出ましたが、コート・デ・ブランのシャルドネの出来は素晴らしく「過去30年で最高」との評価も

9年間にわたる熟成期間を経て、調和の取れた第1のプレニチュード(熟成のピーク)に達しているシャンパンは、#2と比べて若干濃いゴールド。黄色い花や果実、マンゴー、ブリオッシュ、ナッツやカカオ似の香ばしさ。酸味は#2よりソフト。中盤以降広がるビター感。グラス内の温度が上がるにつれて、ロースト香が際立ち、旨味と重厚感を伴ってフィニッシュ。
ドンペリニヨンングラス(DP)で試すと、先のグラスで感じた個々の要素が、まとまり感を持って舌に乗ってくる印象。ゆえにビター感も抑えられ、素直に楽しめる気がしました(第3週講座で体験)

2021年5月、シャンパーニュ地方で、女性だけのグループ“La Transmission Femmes en Champagne”のお披露目があり、その折にも、DPを試してみました。ブログの後半に、番外編グラスに関する一考察と題した一文があるので参考にしていただけましたら幸いです。


日本で最もドンペリに精通しているワインジャーナリスト柳忠之さんは、2010のリリース直前、ヴァンサン・シャプロン最高醸造責任者とZoomで意見交換しています。
「糖度は過去10年で3番目に高く、酸度は2008年に次いで2番目に高い、素晴らしくバランスの優れたヴィンテージになった」とシャプロンさんは語っていたとのこと。まさに、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュBdeB2008と利き比べるには最適でした!!!


 右がコント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008
 シャルドネ100%とは思えないほどの深みのある色調

 #2:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008
 生産者:テタンジェ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:9g/L
 価格:30,000円(税別)
 輸入元:サッポロビール

2008年ヴィンテージとの最初の出会いは、輸入元サッポロビール招聘によるお披露目会でした。2020年10月27日のことです。和紙デザイナーの堀木エリ子さんとのコラボレーションで、その時はバカラのシャンパーニュグラスでサービスされました。奇しくも、その翌日、ワイン王国のシャンパーニュ特集120号のため、同社にお邪魔した折、コント・ド・シャンパーニュBdeB2008がリストにあったので、再度試すことができました。3回目は年が明けて、4月のシャンパン講座第3週。そして4回目は今月8日の第4週のクラスでした。この間に、テタンジェの実力をじっくり観察することができました。

1回目、2回目はデビューしたばかりの赤ちゃん状態でしたが、2008年ヴィンテージならではの“酸の存在感”は秀逸! シャンパンを構成している各要素は落ち着いていませんでしたが、多大なポテンシャルを感じました。半年経過して3回目にチャレンジ。この時は豊潤な果実味、凛としたミネラル感、層になって広がる旨味、フェノール由来のビターなニュアンス(これは時間の経過でワインに溶け込みスムーズに)に魅了されました。そして今回、第4週の講座メンバーとテイスティングした感想は、チボー4世ゆかりのシャルドネをメゾンの要にしているテタンジェの最高傑作の1つと確信しました。格調あるミネラル感、一本芯の通った上質な酸味、和食と合わせて楽しみたい塩味、すべてにおいて品格をまとった趣き。DPで試すと、凛とした酸味はまるくなり、果実の要素を顕著に感じます。


 第2フライト/メゾンの顔NVから個性を読み取る
 #3:モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアルNV
 生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール、ムニエ(各30~40%)、シャルドネ(20~30%)
 ドザージュ:9g/L
 価格:6,500円(税別)
 輸入元:MHDモエヘネシー ディアジオ

#1との共通項は、香ばしさ、余韻に残るホロ苦さ。発酵・醸造はステンレスのみ、リザーヴワインは20~30%使用、24ヵ月瓶内熟成、飲む時はキリリと冷やして!


 #4:ポメリー ブリュット・ロワイヤルNV
 生産者:ポメリー(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ34%、ピノ・ノワール33%、ムニエ33%
 ドザージュ:9~9.9g/L
 価格:6,800円(税別)
 輸入元:ヴランケン ポメリー

軽快でクリーミー、ストーンフルーツ(種の大きな果実)のニュアンス、果実味とフレッシュな酸味のナイスバランス。全体的にまるみがあり、黒ぶどう由来の旨味、酒質も良好。当日は女性講座生からの人気も高く、好感度がアップした印象。2017年から 最高醸造責任者が変わったことも要因!?


 中央がポメリー、3つのなかでは一番濃い色調、黒ぶどうの要素も感じます。

 #5:テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV
 生産者:テタンジェ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール+ムニエ60%
 ドザージュ:9g/L
 価格:6,908円(税別)
 輸入元:サッポロビール

#2との共通項は、石灰由来のピュアなミネラル、綺麗な酸味、若干のビター感。バランスが良く、スマートでエレガントな印象。美的センスのあるヴィタリー・テタンジェ女史が5代目当主になったのでシャンパン業界を大いに刺激して欲しい気分です!


               o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

           [NEW]シャンパーニュ地方の2021年の収穫情報
  出典:シャンパーニュ委員会日本事務局


          o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 今月で上半期の講座が終了します。私の大好きなヴィンテージを揃えて、
 第3週&第4週の皆さんをお迎えしたいと思っていますo○.。


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NHK文化センター青山校 2021年秋期(10月~3月)シャンパン講座の募集開始です! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

     [NEW]シャンパン講座@NHK文化センター青山校
     秋期も従来通り、感染対策には十分な配慮をしてまいります。
     1テーブル1名席 
     マスク&フェイスシールド着用 

 グラスは消毒の必要を考え、リーデル青山本店からレンタル


 オーダーメイドなシャンパンレッスン<第3週> ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
 開催6回/毎水曜日 /19時~21時
 ◍10月20日
 ◍11月17日 
 ◍12月15日 
 ◍1月19日 
 ◍2月16日 
 ◍3月16日 
 講座の詳細はコチラありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]

 オーダーメイドなシャンパンレッスン<第4週> ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
 開催6回/毎水曜日 /19時~21時
 ◍10月27日
 ◍11月24日 
 ◍12月22日 
 ◍1月26日 
 ◍2月23日 
 ◍3月23日 
 講座の詳細はコチラありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]

 NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
 受付時間は月曜~金曜 9:30~18:00 (土曜~17:30、日曜~15:00) 


 [NEW]ホテルオークラワインアカデミー秋期講座
 オリンピックも終わったので、いつものクラスに戻ります[わーい(嬉しい顔)]
 新たな話題も盛り込んで、実のある時間にしたいと思っています。
 第32期のスケジュールはコチラから

 引き続き、宜しくお願いいたします🥂🥂🥂

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