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北ローヌを代表する『カーヴ・ド・タン』がウェビナーでエルミタージュ パーセル・テイスティング! [Zoom / ワイン]

  タン・レルミタージュの協同組合カーヴ・ド・タン
 
 (一社)日本ソムリエ協会とSOPEXA JAPONの協力で開催されたオンラインセミナー
 私はジャーナリスト枠で参加しました。
 テイスティング用のワインは6種類、50mlサイズのボトルで届きました。
 セミナーはフランス時間の8時(日本は15時)からスタート
 講師を務めたのはカーヴ・ド・タンのアンバサダー デヴィッド・キラン氏
 フランス語の通訳は素敵なマダム臼井久代さん (お顔が見えなくて残念)

 仏南東部を視察したエマニュエル・マクロン大統領
 
 オンラインセミナー前日、タン・レルミタージュを訪れたエマニュエル・マクロン大統領
(CNNで気になる報道がありましたが、お元気そうなので、安心しました!) 
 カーヴ・ド・タンを代表して4代目理事長のグザヴィエ・ゴマール氏がワインを贈呈
『エルミタージュ・ルージュ ガンベール・ド・ロシュ2015』
 創始者ガンベール・ド・ロシュの名を冠したオマージュワインです!


            カーヴ・ド・タンの沿革
        画像協力:Cave de Tain

VienneヴィエンヌからValenceヴァランセに南下すると、タン・レルミタージュを挟んで、ローヌ河の右岸に位置するアペラシオンがエルミタージュとクローズ・エルミタージュ。

カーヴ・ド・タン・レルミタージュは1933年にルイ・ガンベール・ド・ロシュによって設立されました。彼には後継者がいなかったので、1967年にエルミタージュに所有する6㌶をカーヴ・ド・タンに寄贈。その後、同協同組合は新たなぶどう畑を入手し、全部で22㌶を所有。優れた銘醸畑を有することで、エルミタージュの様々なテロワールを反映させたワインを造り出しています。
超260名のぶどう栽培家が属しており、栽培面積は1000㌶、ぶどう畑は半径15㎞以内にあります。偉大なワインを造ろうという思いを掲げた生産者たちは、88年の長きにわたり、この地で生まれた黒ぶどうのシラーと白ぶどうのマルサンヌをメインにしたワイン造りで高い評価を受けています。

タン・レルミタージュを拠点とする最大の生産者はM.シャプティエ、カーヴ・ド・タンは2番目、その後にはドメーヌ・ポール・ジャブレ・エネが控えており、両ドメーヌはネゴシアンとしても活動しています。


 5つのクリュ
 
  エルミタージュは136㌶のうち21%
  クローズ・エルミタージュは1818㌶のうち38%
  サン・ジョセフは1370㌶のうち11%
  コルナスは155㌶のうち10%
  サン・ペレは103㌶のうち18%
  生産量の90%を占め、残りの10%はIGP

 細分化された単一畑で栽培されたワイン
 フィロキセラ禍( 蔓延したのは1890年前後)以後に植樹されたぶどう樹
 100年近い歴史ある区画、古樹のマルサンヌを手摘みで収穫し、厳しい選果を実施

     エルミタージュ・ブラン オー・クール・デ・シエクル2019
 
デヴィッド:400㍑(新樽45%、一空樽35%、二空樽20%)の樽でアルコール発酵を行い、澱と共に8ヵ月熟成させ、定期的にバトナ―ジュ。マルサンヌ100%、色調は黄金色、種のある果実やアカシアのハチミツの香り、まろやかでねっとりとしていて、ボリューム感もあり、余韻に苦みのニュアンス。20年以上の熟成に耐えうるワイン。

 エルミタージュは世界でも稀なリア
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 エルミタージュは4つの異なる地層が出会う世界でも稀なエリア
 緑のゾーン/丸い小石が多い沖積土
 茶のゾーン/一番古い土壌、ローヌ河によって運ばれてきた小石、中間部は粘土
 黄のゾーン/柔らかい岩石が崩落して粘土に変化。上部は砂混じりのダスト、ロス土壌
 橙のゾーン/浸食による花崗岩、ローヌ河の流れの変遷によってわかれた中央山塊の一部


カーヴ・ド・タンの新醸造所
赤ワインはアルコール発酵後、木樽内でMLFを行い、ブレンドする前に(異なる樽年齢の)木樽で18ヵ月間熟成、その後、瓶熟させています。2014年、カーヴ・ド・タンは新醸造所に1000万€を投資。生産量を増やすためではなく、“質の向上”を目的としたもので、ベースとなる赤ワインを、区画ごとに醸造することでテロワールを反映させ、ヴィンテージ毎の個性をより鮮明に表現できるようになりました。区画に基づくセレクションが実現したことで、2015年には5アペラシオンの生産地区に50の区画が選別されました。


         エルミタージュ・ルージュラ・クロワ2015

デヴィッド:なだらかな台地、土壌は深みのある黄色味を帯びた茶色で、砂と粘土と泥土から成る。収穫は9月22日、22日間のマセラシオン、そのまま木樽内でMLF、400㍑の木樽(新樽100%)で18ヵ月熟成。(砂や粘土に由来する)酸味を含んだ酸っぱいプラム。アタックはしなやか、綺麗な酸味、余韻に残るスパイシーさ=シラーらしさ。エレガントで、シルクを連想させるしなやかさと軽やかさのあるワイン。

        エルミタージュ・ルージュ ボーム・ミュレ2015
 
デヴィッド:丘の斜面にある区画。ローヌ河の段丘の崩積土。珪岩質石灰岩の小石から成り、その下には砂と小石混じり茶色の土壌、畑は南向き。収穫は9月19日、26日間のマセラシオン、木樽内でのMLF、228㍑の木樽(新樽60%、一空樽40%)で熟成。ブラックチェリーのブランデー漬けの香り、アタックはすっきり、キルシュやシラーの特徴香の黒胡椒、存在感のあるタンニン、綺麗な酸味と長い余韻、(小石混じりの土壌由来の)果実感。 ガンベール・ド・ロシュにボーム・ミュレをブレンドすると力強さと毛皮のようなタッチが備わる。

          エルミタージュ・ルージュ メアル2015
 マイベストの区画がメアル、ワインはリッチで豊潤!

デヴィッド:最も急斜面、ぶどう畑は全て南向き、大きな石と小石は日中太陽からの熱を取り込み、夜間に放出。区画はメアルの最上部、西側に位置し、地層は花崗岩質と崩積土。収穫は9月21日、23日間のマセラシオン、木樽内でのMLF、228㍑の木樽(新樽3分の2、一空樽3分の1)で熟成。香りはシュガーローストしたイチジク、シナモンやスターアニス似のスパイス、アタックはまろやかで勢いがあり、カシミアのようなソフトタッチのワイン。


         エルミタージュ・ルージュ エルミト2015
 エルミタージュの由来となる区画エルミト

デヴィッド:100%花崗岩質(オレンジ色の酸化鉄を含む)、標高300m、段丘が多く、畑は南東向きなので朝の陽ざしを受ける。1982年から2000年まで18年かけて改植。収穫は9月21日、23日間のマセラシオン、木樽内でのMLF、228㍑の木樽(新樽3分の2、一空樽3分の1)で熟成。赤系果実、オリエンタルスパイスやクローヴ、ミネラル塩、輪郭のはっきりしたタンニン、きめ細かいレザー感、(花崗岩由来の)混じり気のないシラーらしいワイン。


       エルミタージュ・ルージュ ガンベール・ド・ロシュ2015
 
デヴィッド:ブレンドによって完成したワイン。我々は花崗岩の持つパワーと緻密さとまっすぐな印象をワインに表現したいと思っています。 1933年からのワインを2万本ストックしているヴィノテークを設け、1950年以降のワインを販売しています。2015年ヴィンテージはキルシュや野生のハーブ、ワイルドスパイスの香りがあり、しなやかでさわやか、口中ではねっとり感があり、花崗岩の明快さを感じます。長熟を予感させる骨格のあるタンニン、力強さと果実味、完璧な円熟味、ガンベール・ド・ロシュはエルミタージュの丘の品格を表わしています。

 豊かさと複雑さにあふれたグランヴァン
 エルミタージュ・ルージュ ガンベール・ド・ロシュ2015は、
 メアル14%、エルミト44%、ボーム・ミュレ13%、レ・シニュオー6%、
 ガンベール10%、ラ・クロワ13%の区画のワインをブレンドしています。 
 スターシェフや星付きレストラン、エアライン等でも愛用されていますし、
 先日は、タン・レルミタージュを視察中のマクロン大統領に贈呈!


 中華料理のスパイス(八角等)とシラー種の特徴香(黒胡椒、シナモン)とのバランス良好  
 口中に残る脂分はタンニンが洗い流してくれる印象

 
 昨今、ZoomやTeamsによるウェビナーがとても多くなっています。
 カーヴ・ド・タンの日本向けオンラインセミナーも今回が初めてだったようです。
 講師のデヴィッドさんの熱心さが画面を通して伝わってくる内容だったので、
 SOPEXA JAPONの佐藤コンサルタントにお声がけいただき、良かったと思いました。

 ただ、参加者のなかに、“マイクをオフにしていない人”がいたので、
 セミナー中に雑音が入り、話が聞き取り難くなる箇所があったことは残念でした。
 主催者側から、3回ほど、「マイクをオフに!」との忠告もありましたが、
 オフにしていないご当人たちは全く気が付いていない様子(苦笑)

 私は、今まで、プレス限定や人数制限のウェビナーばかりだったので、
 今回のような人数の多いオンラインセミナーは初めて、このような事態も初めて。
 今後、ますます増える可能性のあるオンラインセミナーなので、
 参加する側は、ビデオとマイクは必ず“オフにして!”
 他の参加者のためにも、これだけは、徹底すべき事項だと思っています。

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