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Rare Champagne Tasting Seminar with Régis CAMUS レア・シャンパーニュ・テイスティング [シャンパン]

レア シャンパーニュ


パイパー・エドシック(PH)は創業100周年にあたる1885年に、当時のオーナーだったフェルディナン=テオドール・クンケルマンが宝石職人ピエール=カール・ファルベルジュに依頼し、ユニークなジュエリーボックスを完成させます。
その100年後(200周年)の1985年にはヴァンクリフがボトル装飾を担当。ヴィンテージは1976年。この200周年ボトルの推定金額は100万フラン超でした。



画像協力:パイパー・エドシック
ティアラ作成中の銀職人さん。
ボトルのティアラは若手デザイナーのアルテュス・ベルトランさんが手掛けており、ぶどう畑からインスパイアされた葉や樹を表現しています。

レジス・カミュさんが語った3ヴィンテージ
“稀(まれ)”を意味するレアはPHのプレステージ・キュヴェとしての位置付けでしたが、昨年2018年3月からレア・シャンパーニュは単独のブランドとして独立し、レジス・カミュさんが専任のシェフ・ド・カ―ヴに就任しています。

カミュさんは「PHとレアはトヨタとレクサスの関係と同じ」とコメント。同じ会社のアイテムでも愛飲している層は決して同じではなく、多くが異なる顧客層によって支えられていると判断している。これがプレステージ・キュヴェらしい扱いだと思っている」と言葉を添えました。

レアは初ヴィンテージの1976年から最新ヴィンテージの2006年までを入れても、わずか9つしか生産していません。それらすべてのヴィンテージを知り尽くしているカミュさんが今回のテイスティング・セミナー用に選んだのが1998年、2002年、2006年の3ヴィンテージ。卓越した醸造責任者のコメントには新たな発見がいくつかありました。

レア・シャンパーニュの特徴
◍デリケートさ
◍繊細さ
◍複雑さ
◍エキゾチックフルーツ
◍ワイルドスパイス
かすかなスパイスのタッチ、ペッパーやヴァニラ。そして次に出てくる香りはオリエンタルスパイス(クローブやスターアニス等)
「上記の要素が爽やかさとともに表現されることを目指している」とカミュさん



(左から)
レア1998/ 1500ml 希望小売価格70,000円(税抜) 参考出品
レア2002/ 750ml 同25,000円(税抜) 現行ヴィンテージ
レア2006/ 750ml 同25,000円(税抜) 11月1日から出荷開始

“豊かさ”の2002年ヴィンテージ


ぶどう品種:CH70% PN30%
デゴルジュマンは1年半前
「質でも量でも自然が我々に寛大だった年。ひとことで言うなら“豊かさ”。2001年は年明けから収穫まで雨が多く、熟すのが難しい年だったが、それを覆してくれたのが2002年で、2年分の豊かをもらった気がする。
香りはリッチで、エキゾチックフルーツ(マンゴー、キウイ、パッションフルーツ)、ワイルドスパイス、口中では熟したマンゴーを頬張った印象、それらの後には爽やかさ、ピュアさ、ミネラル感、若さが広がり、香りも味わいも余韻として長く残る。爽やかでシルキー。グラス内の温度が上がるにつれて豊かさが出てくる。これからまだ長い熟成が期待できるヴィンテージ。フルート型ではなく、ワイングラスで」とカミュさん。


2002年(左)と2006年
10年以上の歳月を経ているにも関わらず、若々しい色調で輝きも備えている2ヴィンテージ
熟成状態からシチュエーションを選ぶならカミュさん的には「レストランで飲むなら2002年、カクテルパーティーなら2006年」とのこと。

“太陽の恵み”の2006年ヴィンテージ


ぶどう品種:CH70% PN30%
「ひとことで言うなら“太陽の恵み”。この年は2002年より複雑だった。冬はとても寒く、雪も多かった。春は比較的暖かかったが、雨が多かった。夏は暑く、頻繁に雨が降ったので、ボトリティスの発生を心配したが、収穫の2週間前から好天になり、太陽の恩恵を受けることになった。シャンパンは温かみのある色調で、熟した果実や蜂蜜。香りにはおいしいものを早く口に入れたいという衝動に駆られるワクワク感がある。ワイルドスパイス、チョコ、ヨード。口中ではカプチーノやモカ、ミネラル、デリケートで繊細、余韻も長い。友好関係にあるふたつの要素がせめぎ合っている印象で、2006年の寛大な温かみのある味わいとレア・シャンパンの活発さが交互に出てくる。まだまだ若く、13年経過していることを忘れてしまう」とカミュさん
カミュさんが使うカプチーノやモカは “クリーミー” という意味合いだそうです。

1998年ヴィンテージを“英国紳士”と形容


ぶどう品種:CH70% PN30%
デゴルジュマンは7年前
「まさにレア(希少)、数が少ない。1998年をリリースした時、“英国紳士”と形容した。なぜなら英国のジェントルマンは、スタイリッシュ、エレガント、個性と知性だから。色調は光り輝くゴールド。レアの古いヴィンテージにあるトースト香、甘草、シダ、お茶、ジャスミンティー、白胡椒、ミネラル、ヨード、それだけでオリエンタルテイストのシャンパンであることがわかる。口中では西洋すもも、フルーツリキュール、味わいは優しく柔らかく、ドライアプリコット、なつめ、乾燥イチジク、ミネラル、ヨード感。ここでも2つの要素のせめぎ合いがあり、1998年ヴィンテージのストレートさと熟成感が交互に出てくる。


1998年はマグナムサイズのみ生産、ティアラの部分にパイパー・エドシックの表示あり
2002年と2006年に関しては表示もレア・シャンパーニュにチェンジ


多くのシェフ・ド・カーヴの中でも、受賞歴が多いカミュさん
IWCのスパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを通算8回受賞しています。
カミュさんは香りの表現で、「私が造るシャンパンからナッツの要素が出てくることはない」と断言。熟成により変化していく香りでも、栗やシャンピニオンは許容範囲。でも、20年以内の熟成のシャンパンにきのこの香りを感じたら、明らかに欠点があると感じている。まぁ、シャンピニオンは50年くらい経てば必然的に出てくるもので、超50年のシャンパンを飲む機会はそう滅多にない。トリュフの香りは白でも黒でも問題ない」とおっしゃっていました。


パイパー・エドシックのシェフ・ド・カーブに就任したエミリアン・ブティヤさんについては「すごく良かったと思っています。とても優秀な若者ですし、将来的に見て可能性があるし、何より陽気な性格なので」とおっしゃっていました。
パイパー・エドシック&レア・シャンパーニュの更なる発展を楽しみにしています。

◍製品についてのお問い合わせは日本リカー(株)
℡03-5643-9772

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