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Wine Summit ~オーストリア情報はコンファレンス と東京でのイベントをクロスさせて~ [Wine Summit2019]

奇数年に開催しているWine Summit@オーストリア


オーストリア・ワイン・マーケティング・ボード(AWMB)主催のWine Summit には世界各国のワイン関係者およびジャーナリストが招聘されます。今年は世界39ヶ国から約200名が集いました。5月23‐26日の前半は、(1)ドナウ河に沿ったオーストリア北東部を巡る1グループ (2)シュタイヤーマルク&ブルゲンラントを巡る2グループ。5月26-29日の後半は(3)シュタイヤーマルク&ブルゲンラントを巡る2グループという5部構成で、各エリアを視察しました。

全員が集ったコンファレンス

伝統の都ウィーンのニーダーエステライヒ宮殿


画像提供:AWMB
5月26日に前半と後半のメンバーが一堂に会して!
前列最右にヴィリ・クリンガーAWMB会長

クリンガーAWMB会長が語ったオーストリア情報
ドメーヌ・ヴァッハウで働いた後、イタリアのアンジェロ・ガヤの輸出担当マネージャーとして活躍し、33年の歴史を有すAWMBの現会長として、13年間オーストリアワインの伝道に尽力なさってきたクリンガー氏。集会の冒頭、「12月末で会長を退任します」との挨拶がありました。

日墺国交樹立150周年

今年は日本とオーストリア友好150周年であり、両国にとっての記念年にお招きいただき嬉しく思いました。

Wine Summit2019から1ヶ月後の再会@東京

画像提供:AWMB
7月1日、シャングリラホテルでオーストリアワイン大試飲会が開かれました。50名以上のオーストリアワイン生産者と600名以上のトレード、300人のワイン愛好家が集い、大盛況となりました。


2日にはオーストリア大使公邸でプレス会見およびレセプションが行われ、朋友であるフーベルト・ハイッス駐日オーストリア大使と握手を交わしたクリンガー会長。日本のプレスの前に出るのはこれが最後です。

ここからは会長が5月@オーストリアと7月@東京で語った“オーストリア情報”です。

Exports2018

2018年の輸出額は1億7,000万€(前比6.9%増)、輸出量は5,300万㍑(前比10.5%増)、1㍑あたりの平均価格は3.24€(前比0.11€減)

オーストリアのワイン生産量は全世界のわずか1%程度です。2003年から2018年までの15年間の統計を見ると、輸出額は右肩上がり。「会長に就任してから毎年平均6.5%の成長率を継続してきました」とクリンガー氏。一方の輸出量はここ8年ほどは横ばい状態、5,000万㍑前後になっています。


画像提供:AWMB

スイス、アメリカ、オランダ、英国好調

最大の輸出相手国はドイツ(全体の49.6%)で2000年比では3倍、2位のスイスは6倍、3位のアメリカは9倍、4位のオランダは10倍、5位の英国は15倍の伸びとのことでした。


我が国は15位に甘んじていますが、1㍑あたりの平均価格は約8€/㍑、高額なワインが売れる市場です。
東京のイベントで詳細な数字が発表されました。「2018年の輸出量は139,000㍑(前比2.2%増)、輸出額は110万€(前比11.8%増)。日本は今後10倍になる可能性がある」とクリンガー会長。ちなみに日本は2000年と比べると2倍!?


もう1つの話題『Wine in Austria』

ヴィリ・クリンガー会長の13年間の仕事の締めを飾るに相応しい500頁から成る集大成『オーストリアのワイン』、カール・フォセルカ教授等、30人以上の有識者が著述。2019年12月上梓予定。


ダニエル・デッカー博士によるフリードリッヒ・ツヴァィゲルト博士(1888-1964)に関する講和


共同編集者カール・フォセルカ教授の歴史解説

コンファレンスの後半はウォ-キングランチテイスティング

オーストリアが世界に誇るワイナリーのワインを堪能


ぺットナットのブースもあり!


アプリコット・ティラミス、美味


ウィーンの夜はホイリゲ・パーティ

フーアガスル・フーバーのお店


音楽とワインは切り離せないホイリゲ


ウィーンのワイン、ゲミシュターサッツのブース


いつ飲んでも安定した味わいのツァーヘル!


2013 Riesling Brut Sekt Grosse Reserve Niederösterreich g.U. Langenlois Ried Heiligenstein

今回のツアーでは、泡ものを集中的に試飲する機会がなかったので、初日のパーティーで出逢えた12アイテムは貴重でした。オーストリアの泡もので定評ある『Steininger シュタイニンガー』


オーストリアのゼクトの規定




2016年に制定されたオーストリアン・ゼクトは3段階のピラミッドで構成されています。
下から順に、クラシック、レゼルヴェ、グローセ・レゼルヴェになります。画像のシュタイニンガーのゼクトはグローセ・レゼルヴェのクラス、“Ried(リート)”は単一畑を意味する表記です。


コンファレンスで、気になる瞬間がありました。
輸出相手国について解説していた会長が、15位までに入っていないNZを“fabulous 素晴らしい”と形容し、軽く触れていたからです。
Wine Summitが終って1週間余りして・・・AWMBからニュースリリースが届きました。クリンガー会長の後任に関する内容でしたが、それを読んで謎が解けました。90名の候補者の中から5名に絞り込まれ、最終的に会長職に就いたのはNZのクリス・ヨーク氏。現職はNZワイングロワーズ グローバル・マーケティングデイレクターです。

7月の来日時、クリンガー会長は「クリス・ヨークはNZで毎年10%の成長率を達成させてきたので、オーストリアでその勢いを示せば、3億€は軽くクリアできるはず」と語っていました。来年からのAWMBの動きにますます注目です。
クリンガー会長は9月に現地で会見をして、次なるステップを発表なさるようですが、ワイン界とは関わっていくとのお話でしたので、日本での再会もありそうです!

タグ:Wine Summit2019
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