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ワシントン/オレゴンで出逢ったスパークリングワイン [ワシントン/オレゴンワイン]

7月24日シアトルに到着後ワシントン州のワイナリー、28日にはポートランドに移動してオレゴンのワイナリーを視察している途中ですが、これまでに対面したスパークリングを少しだけご紹介します。

ワシントンワイン協会のウェルカムアイテム
スパークリングに特化しているトレベリ・セラーズが口開け!
コロンビア・ヴァレーAVAのブラン・ド・ブラン


ドメーヌ・サンミッシェルが手掛ける泡
『エロイカ』で知られるシャトー・サン・ミッシェルのスパークリング部門ドメーヌ・サン・ミッシェルの泡もの。日本未入荷のアイテムがゲットできたのでシャンパン講座生のお土産に(どのアイテムかはまだ秘密)


若者向けの泡カン
これはシャトー・サン・ミッシェルが20代の若者をターゲットにしたカンのスパークリング(未輸入)。個人的にはロゼの酒質のほうが好み!


ワシントン州でシャンパン!
ワシントン州にある1987年創業『ヘッジス・ファミリー・エステート』のオーナー夫人アン・マリーさんはフランス・シャンパーニュ地方トレパイユ出身で、親しいお仲間とシャンパンを生産しています。ディナーにはロゼも登場しましたが、マグナムサイズで出てくる心憎い気遣い。






コロンビア・クレストのブラン・ド・ノワール
ワシントン最大規模のワイナリー。この泡は生産量が少ないのでセラードアだけで販売。同州のピノ・ノワールはそれだけでも珍しいのですが、コロンビア・クレストでは主としてこの泡もののために使っているそうです。


グリュナー・ヴェルトリーナーと対面
5月のオーストリア訪問ではオーストリアの固有品種グリュナ―・ヴェルトリーナーのワインを数多く試飲してきましたが、ワシントン/オレゴンのユニットランチに、大好きなグリュナーの泡が出てきてビックリ。丁寧な造りで白系スパイスの風味もあり、好印象。



ヴィーニョ・ヴェルデを意識したアルバリーニョの泡
ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデを意識して造ったボルドー瓶のスパークリング。3気圧でフレッシュ感を信条にしています。



明日は定評ある泡ものを生産しているアーガイル(輸入元ワイン・イン・スタイル)訪問も予定されているので、残りの日程でさらなる泡ものとの出逢いが、楽しみです。

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セバスチャン・ル・ゴルヴェ醸造責任者が語ったアンリ・ジローの世界をシャンパーニュ講座で! [来日した生産者/NHK文化センター シャンパン]

シャンパーニュメゾン『アンリ・ジロー』
ルイ13世の統治下の1625年、創業者フランソワ・エマールがアイ村の畑を入手したことから始まりました。現在8㌶の自社畑を有し、年間生産量は約25万本程度ですが、世界中のシャンパンラバーを魅了しています。アルゴンヌの森に惚れこみ、容器の選択には独自の世界を貫き、シャンパーニュ地方が長年培ってきたドザージュをも尊重しているメゾンです。

アイ村出身の醸造責任者


アンリ・ジローの12代目クロード・ジロー当主の次女と結婚したセバスチャン・ル・ゴルヴェさんは、アイ村生まれで、前職は建築家。2000年からメゾンで働き始め、シャンパーニュ造りの手ほどきは義父とワイン醸造家Georges Hardy氏のおふたりから受けました。醸造学校とは無縁の経歴ですが、当主から絶大な信用を得て、今では醸造責任者として活躍しています。ちなみにアンリ・ジローでは2016年からステンレスタンクを全廃しています。


セバスチャンさんは「アイ村は南向きで陽のあたりが良いので、コート・ロティのようです」と形容していました。「地表の20cm下には200 m の石灰土壌が広がっています」との解説では図を描いて!


ラベルに描かれたオークは携帯画像にある6mの樹がモデル


プレスランチョンの口開けはエスプリ・ナチュール
ピノ・ノワール80%(40%はアイ村、それ以外はモンターニュ・ド・ランス)とシャルドネ20%で、ドザージュ7g/L、リザーブワインを1990年からのソレラを50%使用していますが、メゾンでは“perpetual 永遠の”と形容していました。保存用の容器90hlを3個使っている由。


ファアグラのソテー フルーツキャラメリゼ バルサミコヴィネガーと合わせて
ひとさらのなかに、脂分、果実味、酸味がバランスよく同居しており、エスプリ・ナチュールの豊かなまるさと良い相性。


フュ・ド・シェーヌ MV(マルチヴィンテージ)13
アイ村のぶどうを100%使用、「MV13」とはベースワインが2013年という意味
コルクはアグラフ(ホチキスの意味)


アルゴンヌの森の樫の木樽で発酵させてから1年間の樽熟成(85 %が新樽)、リザーブワインは30%、こちらの保存用のタンクは60hlで6個使っているとのこと。
ドライフルーツ、果実のコンフィ、温度変化を楽しみたいアイテム


ホタテ貝のソテー トリュフクリームソース

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黒毛和牛 A4ステーキ 焼き野菜


アルゴンヌの森の話
この森のオークは、16世紀、帆船に使われていたそうです。土壌が貧しいので木はゆっくりと成長し、それにより、木目が詰まった硬くで丈夫な木質になるとのこと。区画ごとに異なるテロワールを読み取って木樽を構成させていますし、樽内部の焼き加減についても自ら、指示している由。「外科医のように、手術中の患者の容態を見ながら行います。最初は白松の香り、次はパンデピス、さらにバター香からブリオッシュ、そして最後がグリオット・タルト。この香りになればそこが終着点です」と。このように表現した醸造家は初めてです!


5月25日に発売された『アルゴンヌ2011』は2002年、2004年、2008年に次ぐヴィンテージです。ボトルのラベルデザインはドイツ人の金細工師ウヴェ・シェファーさん。

「2011年はカビに悩まされた厳しい年だったが、それだけにぶどうを厳選。テロワールを反映した素晴らしいシャンパーニュが完成した」とセバスチャンさん。

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リリースして間がないヴィンテージに敬意を表し、30分程前にデキャンターに移して

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(左から供出順に)
#1:エスプリ・ナチュール@7,000(税抜)
#2:フェ・ド・シェーヌ マルチ・ヴィンテージ MV13@26,000(税抜)
#3:アルゴンヌ2011@70,000(税抜)
6月5日に数量限定ギフトBOX・専用オープナー付@75,000(税抜)を発売

至福の味わいラタフィア
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ランチ後、サービスされたのがソレラ・ラタフィア・シャンプノワ
果汁にブランデーを添加した酒精強化で、アンリ・ジローがこだわるアルゴンヌ産オークの小樽に入れソレラ(1990~2013)で熟成、ラベルにも表記されています。濃密度、至福の味わい!


セバスチャンさん 、アンリ・ジローの佐藤GM (後列右から3人目)を交え、全員で「G」サインで記念ショット。


7月のシャンパン講座で4アイテムにフォーカス
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第1フライトはメゾンの顔を容量違いで
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#1:アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール 750ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20% / リザーブワイン50%
ドザージュ:7g/L
価格:7,560円(税込)
白桃や洋梨に加え黒系果実プラムの存在感も。気泡の刺激あり、時間の経過で様々な要素、口中ドライ、柑橘果実のビターな印象、スパイス
裏ラベルにあるQR コードでデータが読み取れます。


エスプリ・ナチュールに使うアルゴンヌ製木樽とテラコッタ製卵型タンク

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#2:アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール 1500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:17,280円(税込)
フレッシュ感とまるみのある味わいが絡み合い、大容量の醍醐味を実感。フルーツの旨味、スパイス(白胡椒)、心地よい余韻

#3:アンリ・ジロー オマージュ 750ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20% / リザーブワイン40%
ドザージュ:7g/L
価格:10,800円(税込)
創始者フランソワ・エマールへのオマージュアイテム。木樽とホウロウ引きした鉄製小型タンクで発酵。香り華やかな、溌剌とした気泡、1よりこなれた印象で果実味と酸味のバランスがナイス!

#4:アンリ・ジロー オマージュ 1500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:22,680円(税込)
熟した果実、フレッシュさがあり、ミネラルと酸味が魅力、まるくて厚味もあり、第1フライトでの一番人気

エスプリ・ナチュールとオマージュの大きな違いは酸味。酸に弱いラバーさんには馴染みやすいタイプ。オマージュはシャンパンを飲みこなしているラバーさんのお気に入りになるはずです。

第2フライトは樽100%
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#5:アンリ・ジロー コード・ノワール
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN100%(土着品種プティ・ドレ)
ドザージュ:7g/L
価格:19,440円(税込)

アルゴンヌ産のオークの小樽で発酵、12ヵ月の熟成後、瓶熟。5種のシャンパンのなかで一番色調が深く、熟成香、アカシアの密、コンポートした果実があり、旨み、ミネラル、温度変化でスカイスの風味も。当日のマイベスト!!

第3フライトは酒精強化ワイン
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#6:アンリ・ジロー ソレラ・ラタファイア・シャンプノワ 500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH30%
価格:7,560円(税込)
セバスチャンさん来日の折、デザートと一緒に楽しんだアイテム。以前とはボトルの形状だけでなく、フィーヌ・ド・シャンパーニュの仕入れ先もアイ村つながり、Jean Goyandになりました。
一日の締めくくりのお酒として、食後にゆったりとした気分で味わいたいお薦めです!!
※輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン TEL: 03- 5777-2639
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バースデー・ヴィンテージ・ワインとしてもお薦めしたい輝きにあふれた『Lux Vitis 2015』 [来日したワイン生産者&関係者]

このところ、日照時間の少ない日が続いていますね。
太陽が恋しいなぁ・・・
そんな思いをしている方に、“豪華な光”に満ちたイタリアワインをご紹介します。


ぶどう品種はカベルネ・ソーヴィニヨン95%、サンジョヴェーゼ5%、生産本数は7,500本
セメントタンクで発酵、ブレンドしてからフレンチオーク(新樽100%)で24ヶ月熟成、希望小売価格27,000円(税別)


命をはぐくむ光のワイン


テヌータ・ルーチェ社が10 年ぶりにリリースした新製品ルックス・ヴィティス
ラテン語でLuxは光、Vitisはぶどう属で、 “Vita(命)”をはぐくむ光という意味が込められています。すべてのものに命をもたらす“光”、その光に敬意を込めて命名されました。


最初はシャイな印象、空気と触れ合うことで少しずつ表情に変化が・・・
深みのあるガーネット、フルーツの凝縮感、サンジョベーゼに由来する芯の通った酸、エレガントさと複雑さを備えた味わい、ふくらみのある長い余韻。



1995 年、ヴィ ットリオ・フレスコバルディとロバート・モンダヴィのジョイントベ ンチャーとして誕生したトスカーナの革新的なワイナリー『テヌータ・ルーチェ』。モンダヴィと離れ、2004年、フレスコバルディがすべての権利を取得した時点で、今までルーチェに使っていなかったぶどう品種カベルネを植樹し、新たな挑戦に取り組みます。それがルックス・ヴィティス! 砂質土壌に適合し、収穫のタイミングもほとんど同時期のカベルネとイタリアのDNAそのもののサンジョヴェーゼをブレンドして造り上げた逸品。



アジアパシフィック・エリアマネージャーのエリカ・リバルディさんが新製品を解説。
鎌倉見学の後、会場に駆け付けたエリカさんは、開口一番「初めての鎌倉でたくさんのエネルギーをもらいました」と挨拶し、ビックバンのようなパワフルな鮮烈さで集まったメンバーをくぎ付けにしました。
2015年を初ヴィンテージにしたことについて、「イタリアにとって素晴らしい年で、ブルネッロ協会は5つ星の収穫年を与えています。ルーチェプロジェクトでぶどう樹を植樹してから23年経過していること等、いくつかの理由があります」とコメントしました。

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ルックスをテイスティングして、はち切れんばかりの笑顔に


文句なしのマリアージュは乾燥イチジク、ドライアプリコットとワインの酸もナイス!

瓶詰の年月日&時間まで記載


プレス会見の折、サービスされたボトルに、L 8/038 11:51 との刻印がありました。
これはL(ルックス)、8(2018年)、038(1月1日から数えて38日目、つまり2月7日)、11:51(11時51分)を示すものです。全ボトルにデータが刻まれていますが、ここまでのこだわりが凄い!

そこで思ったことが・・・


子供が生まれた時に、お洒落なプレゼントをいただきました。
銀製のスプーンとフォークのセットで、表面の柄の部分には「出生時間」、裏面には「生年月日とファーストネーム」が刻印されているので大事な記念になっています。ルックスもそれと同じ感覚で楽しめます。

2015年のバースデー・ヴィンテージ・ワインを探しているなら、これはお薦めです。
生産量の10%だけを日本市場で販売するとのお話だったので、いずれにしても希少ワインです。興味があれば是非!

[ダイヤ]製品についてのお問い合わせは日本リカー(株)事業部
TEL:03-5643-9772

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コンチャ・イ・トロのマルケス・デ・カーサ・コンチャを主軸にして3産地を比較 [来日したワイン生産者&関係者]



チリのコンチャ・イ・トロからワインアンバサダーのパブロ・プレサックさんが昨年に続いて来日。チリの土壌の多様性を表現したワイン『マルケス・デ・カーサ・コンチャ』をベースにした比較試飲を行ない、近年注目されている最南端の産地ビオ・ビオ・ヴァレーで生産している同リミテッド・エディションシリーズのシャルドネとピノ・ノワール(いずれも日本未輸入)も紹介。テイスティングは3フライトに分け、最北端リマリ・ヴァレーのケブラダ・セカ・ヴィンヤード&サン・フリアン・ヴィンヤード、チリ最高のカベルネを産するアルト・マイポ・ヴァレーのプエンテ・アルト&ピルケ・ヴィンヤード、最南端にあるビオ・ビオ・ヴァレーのキトラルマン・ヴィンヤードのワインを供出しました。
地図は拡大してご覧いただけます。























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北(リマリ)vs南(ビオ・ビオ)
マルケス・デ・カーサ・コンチャはスペイン国王から受けた“マルケス(侯爵)の称号をネーミングにしたワインで、コンチャ・イ・トロの多様性を表現しています。1976年が初リリースでカベルネ・ソーヴィニヨンからスタートしました。ワイン造りのスタイルは基本的に同じ。ワインメーカーはマルセロ・パパです。

第1フライトはシャルドネ
#1:2017 マルケス・デ・カーサ・コンチャ シャルドネ 小売価格2,200円(税別) 
D.O. リマリ(リマリ・ヴァレー) ケブラダ・セカ・ヴィンヤード
畑は標高190m、リマリ川の北岸、太平洋から10~18kmに位置し、霧が多く、午後は日射が強いエリア。石灰質主体で有機物を含んだシルト(沈泥質粘土)の沖積土壌。リマリ川を流れる水にたくさんのカルシウムが含まれていて、それが石や岩に付着して堆積。年間の降雨量は80mm、水源は地下水&アンデスの雪解け水を利用。昨今干ばつの影響を受けており、ケブラダ・セカで栽培をしているのはコンチャ・イ・トロ社だけ。破砕、圧搾後、オークの発酵槽で12~15日以上発酵、5%MLF、12ヶ月樽熟成。コースタルに由来する塩味、柑橘果実の内果皮似のビターさ、舌の上に広がる粘性、透明感のあるフレッシュな酸味。

キトラルマン・ヴィンヤード

ビオ・ビオ・ヴァレーのキトラルマン・ヴィンヤードはビオ・ビオ川の南岸194mに位置し、2007年にぶどう樹(シャルドネ&ピノ・ノワール)を植樹。土壌は山から崩れた岩や石がそのまま堆積したコルヴィアル(崩積土壌)、年間の降雨量は1,256mm。

#2:2017 マルケス・デ・カーサ・コンチャ シャルドネ リミテッド・エディション 日本未輸入
D.O.ビオビオ(ビオビオヴァレー) キトラルマン・ヴィンヤード
2017年は例年より若干冷涼な気候。降雨量は多いが、主として冬期に集中。シャルドネの土質は火山土壌に起因する赤い粘土質。オーク樽で10~12日以上発酵、15%MLF、樽で12ヶ月熟成(新樽20%、一空樽80%)、ベントナイトで清澄、低温処理後瓶詰。白桃やトロピカルフルーツ、ビターな厚み、酸の広がり、心地良い余韻。

供出された6アイテム

(左から)
#1:2017 マルケス・デ・カーサ・コンチャ シャルドネ
#2:2017 マルケス・デ・コンチャ シャルドネ リミテッド・エデイション
#3:2016 マルケス・デ・カーサ・コンチャ ピノ・ノワール
#4:2017 マルケス・で・カーサ・コンチャ ピノ・ノワールリミテッド・エデイション
#5:2016 マルケス・デ・カーサ・コンチャ カベルネ・ソーヴィニヨン
#6:2016 ドン・メルチョー

第2フライトはピノ・ノワール


#3:2016 マルケス・デ・カーサ・コンチャ ピノ・ノワール 小売価格2,200円(税別) 
D.O. リマリ(リマリ・ヴァレー) サン・フリアン・ヴィンヤード
標高190m、太平洋から30km、リマリ川の南岸に位置する畑。丸い石や石灰を含む赤いローム粘土質で、有機物の含有はほとんどなし、水はけの良い沖積土壌。オープントップのステンレスタンクで7日間コールドマセレーション。発酵は12~14日間、11ヶ月樽熟成、MLFは自然に行われる。凝縮感があり、#4よりロースト風味(樽由来)あり。それについて「造りの違いに起因するものなのか」と質問したところ、「ワイン造りのスタイルは同じで、樽の焼き方も同様」との回答だったので、ヴィンテージが1年違うことによる差、産地の個性による差と推測。双方を飲み比べた印象は2017年ヴィンテージの#4のほうが好み。ちなみに2016年ヴィンテージはエルニーニョの影響で降雨量は例年の倍だった。「収穫が早まったことでワインはフレッシュでエレガントなスタイルになった」とパブロさん。

#4:2017 マルケス・デ・カーサ・コンチャ ピノ・ノワール リミテッド・エディション
日本未輸入
D.O.ビオビオ(ビオビオヴァレー) キトラルマン・ヴィンヤード
ピノ・ノワールの畑は上層部が赤い粘土で下層部は石の多い水はけの良い土壌。発酵はオープントップのステンレスタンクで10~12日(7日間のコールドマセレーション含)、12ヶ月熟成(新樽20%、一空樽80%)。ミネラルと樽由来のビター感、中盤からインパクトがあり、余韻も長くエレガント。

第3フライトはカベルネ!
#5:2016 マルケス・デ・カーサ・コンチャ カベルネ・ソーヴィニヨン 小売価格2,200円(税別)
D.O.マイポ(マイポ・ヴァレー)、プエンテ・アルト・ヴィンヤード&ピルケ・ヴィンヤード
アンデス山脈の麓(プエンテ・アルトは標高650m、ピルケ570m)に位置し、マイポ・ヴァレーで最も冷涼なエリア。日較差が大きい。2013年から収穫を少し早めにすることで酸味を残し、フレッシュで果実味を重視したスタイルにチェンジ。ぶどうはプエンテ・アルト6割、ピルケ4割の割合で使用。熟成にイタリアンカスク(5000L)を50%使うが、樽材はフランス製で樽の生産だけをイタリアで行っているガンバカスク。熟成は16ヶ月(フレンチオークとガンバカスク)。マルケス・デ・カーサ・コンチャはドン・メルチョーのセカンド的存在、カベルネ・ソーヴィニヨン91%、シラー5%、カベルネ・フラン4%。果実の凝縮感、シルキーで滑らか、柔らかなミネラル、バランスが良く、カリテプリ!!

#6:2016 ドン・メルチョー 小売価格11,000円(税別)
D.O.プエンテ・アルト(アルト・マイポ・ヴァレー)、ドン・メルチョー・ヴィンヤード
標高650m、アンデス山脈の麓にあり、マイポ川の北側に位置する畑プエンテ・アルトではドン・メルチョー、アルマ・ヴィーヴァ、チャドウィックのワインを造っているので、チリ屈指のカベルネの産地と言える。ドン・メルチョーの区画は7つあり、それらはさらに140以上に細分化され、別々に醸造。カベルネ・ソーヴィニヨン93%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド3%、メルロー1%。ステンレスタンクで発酵10日間。発酵後10日~20日間タンクで密閉し、マセレーション。フレンチオークで14ヶ月(新樽55%、一空樽45%)。#5より明るい紫色を含んだ色調、粘性が高く、小さな赤系果実、グラファイト、木目の細かなタンニン、口中での存在大、長い余韻


セミナーの後はチリ人シェフのメニューで歓談タイム


フリオ・フィオレ駐日チリ大使の代理として出席したフェリペ・ディアス参事官(後列右)
コンチャ・イ・トロのパブロさん等を囲んで記念ショット

[ダイヤ]製品についてのお問い合わせは日本リカー(株)事業部 TEL:03-5643-9772

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アキコ・フリーマンさん来日で和食に合わせたテイスティング・ランチョン@蕎麦割烹こうもと [来日したワイン生産者&関係者]

昆布だしの旨味 ユーキ・エステートのピノ・ノワール
ワイン・イン・スタイルの招聘でフリーマン・ヴィンヤード&ワイナリー(以後フリーマン)のオーナー兼醸造家のアキコ・フリーマンさんが来日し、新製品『ユーキ・エステート ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2016』を含む、全6アイテムを紹介。それらを蕎麦割烹こうもとの料理に合わせて探究しました。



ユーキ・エステートは2007年にフリーマンご夫妻が購入した、太平洋から8km程内陸に入った標高300mの丘に位置する自社畑。披露された2016年ヴィンテージは初リリースから数えて3番目のヴィンテージです。
アキコさんは「“ユーキ”は13歳の甥っ子の名に由来していますが、“悠久の時”を生きる樹木を意味するユーキと、日本語の“勇気/ユーキ”につながります」と語りました。


希少アイテム『アキコズ・キュヴェ』を手にアキコさん
生産量全体の90%が国内消費。輸出相手国は英国、香港、シンガポール(近年上昇中)が上位で、日本向けは3%とのことでした。

供出された6アイテム

(左から順に/すべて外税)
#1:2017 涼風 シャルドネ ロシアン・リヴァー・ヴァレー@7,400
#2:2016 ピノ・ノワール ソノマ・コースト@7,700
#3:2016 ピノ・ノワール ロシアン・リヴァー・ヴァレー@7,700
#4:2015 グロリア・エステート ピノ・ノワール「輝」ロシアン・リヴァー・ヴァレー@9,000
#5:2016 ユーキ・エステート ピノ・ノワール ソノマ・コースト@10,500
#6:2015 アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール ソノマ・コースト@11,700

和の世界に寄り添う奥深さ

ワインと料理のマリアージュを担当したのは、広尾の隠れ家レストラン 蕎麦割烹こうもとで、杉浦康祐支配人は「事前にワインをテイスティングさせていただき、それに合わせて考えました」と。そのお言葉通り、見事な組み立てを楽しむことができました!

前八寸を2種のワインに合わせて

とうもろこしすり流し おぼろ豆腐 雲丹 わさび 餡かけ × 涼風CH
"白い妖精"と呼ばれている京都産の甘いとうもろこしのすり流し&雲丹の塩味とわさびの辛味を穏やかなおぼろ豆腐のアクセントにした二品。シャルドネを味わうことで、とうもろこしとは甘味、豆腐とは酸味のハーモニー。トロピカルフルーツの香りと爽やかな酸味を備えたワインの奥行きを引き出す効果が出てナイスマリアージュ!
毎年同じ区画のぶどうをフリーマンが購入して生産ているワインで、ロシアン・リヴァー・ヴァレーの畑のぶどう樹は1982年に植樹された古樹。いつ飲んでも魅力的なシャルドネ!

ホワイトハウスで供されたシャルドネ
私がアキコさんに初めてお目にかかったのは2015年のことでした。
銀座にある金沢懐石のお店で開催されたプレスランチで、涼しい海風の影響を受けた“凛としたスタイル”の『フリーマン涼風シャルドネ』を試飲した時、日本人の琴線の触れる機微さに感銘を受けました。その折、オバマ大領領が主催した晩餐会の逸話を伺いました。その素敵な出来事は連載していた産経新聞のワインのこころで紹介しました。ご笑覧いただけましたら嬉しいです。


出汁巻き天ぷら 鱧(はも)焼霜造り梅肉醤油 × PN ソノマ・コースト
「ソノマ・コーストのピノは料理に合わせやすく、ワインラバー向き」とアキコさん。黒系果実、深みのある香りでスパイシーなニュアンスも。ナチュラルな酸味と旨味が融合したワイン。2016年ヴィンテージには自社畑ユーキのぶどうを50%ブレンド。

焼物にはロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ

長野県天竜川 若鮎塩焼、当日のマイベストのマリアージュ
天然鮎の腸(はらわた)のほろ苦さや白身のほくほく感、双方の味わいに見事に太刀打ち。厳選された素材だったので生臭さも皆無で、ロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノの底力を実感。塩の効果も◎

「万人に好まれるピノ。霧の出方がソノマ・コーストより少ないので、ぶどうは陽を受けて熟します」とアキコさん。フラワリーでフルーツ感豊か、心地良い酸味と優しい余韻。

強肴(しいざかな)にはグロリアとユーキ

鰻押し寿司 × グロリア・エステート(左)
力強さに焦点を合わせた一品、双方を合せることで甘味の要素がより広がる印象

合鴨ロースト× ユーキ・エステート(右)
旨味(醤油と出汁と醤油麹)がポイント、ロースト風味と醤油の一体感


2016 グロリア・エステート(左)
自社畑ワイン。初リリースの2012年から数えて5番目のヴィンテージ。「カリフォルニアのピノらしい力強さがあり、ラベンダーの花やミカンの皮に通じるオレンジ系の香りが特徴」とアキコさん。

2016 ユーキ・エステート (右)
「収穫時期はグロリアより2~3週間遅く、グロリアとの大きな違いは天然酵母。ぶどう畑は20度以上の急斜面で、冷涼な地域でもしっかり実を付ける23、2Aのスイスクローンを使っています。ユーキは昆布だしや旨味を感じるワインで、醤油を使う料理と良く合います」とアキコさん。2010年にソノマの条例で、斜面のきつい場所でのぶどう栽培は禁止(土砂崩れ等の災害を避ける意味で)されたのですが、フリーマンでは2010年以前に畑を購入したので、条例は適用外。


2015 アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール ソノマ・コースト

生産量300~400c/s。プロダクションチームが、その年できた200程の樽を全部味見して、そのなかから10~15樽を選んでブレンドしてキュヴェを生産。それをチーム全員でブラインドテイスティングして、一番人気のキュヴェを選択。2002年からリリースしているワインですが、毎年アキコさんのブレンドがトップになるので、アキコズ・キュヴェと命名。ちなみにトヌリエ(樽メーカー)は5社、樽の焼きはミディアム・ロングとのこと。ナツメグやシナモン等のスパイス、厚みと凝縮感があり、口中滑らかで余韻も長い。


こうもと手打ち蕎麦 飛騨牛花山椒佃煮
蕎麦割烹のお店だけに、手打ち蕎麦の食感とタレ絶妙、花山椒の存在も複雑味のあるアキコズ・キュヴェと良い相性でした。私には飛騨牛の佃煮の味が少し濃かったので、量的にも味わい的にももう少し控えめ目だと良かった印象。蕎麦好き、ピノ好きには試して欲しいマリアージュ。


アイスクリーム 焙じ茶のマカロン
焙じ茶と赤ワインのポリフェノールの相乗効果!



アキコさんを囲んでの記念ショット
飲むたびに"日本人の感性"が伝わってくるアキコさんのワイン。アキコさんの食に多大な影響を与えた祖父の存在にも敬意を表している私です。

[ダイヤ]ワインに関するお問い合わせ先はワイン・イン・スタイル株式会社
TEL:03-5413- 8831
URL:http://www.wineinstyle.co.jp/

蕎麦割烹こうもと

〒106-0047
東京都港区南麻布5-1-10
TEL:03 -3440-1166

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メゾン内での光栄なるマリアージュ体験@ローラン・ペリエ [シャンパーニュ研修ツアー2018]


Ne Buvez Jamais d'Eau(決して水は飲まないで)
シャンパンを飲んで というメッセージが込められています!

前回のブログで、シャンパンメゾン『ローラン・ペリエ』のグラン シエクルに関する最新情報をお伝えしました。それに続いて、今回は昨年11月にメゾン訪問をした折のマリアージュ体験を報告します。併せてご覧いただけると嬉しいです!


トゥール・シュル・マルヌに位置するローラン・ペリエでは醸造も熟成もステンレスタンクのみ。棚の上にある木樽たちは昔の名残りです。


前当主ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏は、マルヌ県に保管されていた古文書をヒントにして、アンリ4世時代のボトルをグラン シエクル用に開発。


カーブの長さは11km、地下7m、室温は10~11度、湿度は80~90%。
メゾン全体でキープしているボトルは2,400万本(2年半位の収穫分)


グラン シエクルのカーブには14基のステンレスタンクが並んでいます。デザインしたのはシェフ・ド・カーブのミッシェル・フォコネさんです。

ここは、コトー・シャンプノワ用の樽(200L)が置いてあった場所で、元々はドゥ・ノナンクール氏が設計したタンクヤードでした。その跡地に新しいタンクの施設を造ったことは、アレクサンドラ当主にとっても妹ステファニーさんにとっても意義あることで、2010年に他界した父親の偉業をたたえるとともに、その意志を自分たちが引き継いでいくという意思表示でもあります。


グラン シエクルのタンクの前で、LPアンバサダーのサンドラさんとギヨームさんを交えて!


グラン シエクルのテイスティングルームで現行ヴィンテージを試飲
ぶどう品種はメゾンが重視するシャルドネを約55%、ピノ・ノワールを約45%使用



当主の名を冠したアレクサンドル・ロゼ2004
グラン・クリュ畑のピノ・ノワールとシャルドネが同時に熟さないと造れないシャンパンで、初ヴィンテージは1982年(1987年に市場デビュー)。その後は85年、88年、90年、97年、98年、そして現行の2004年。次のヴィンテージは2006を予定しています。


日本人で初めて!?


トップキュヴェのテイスティングを終えてメゾンに戻り、マリアージュ体験。
訪問時はレストランにお連れいただくのが通例でしたが、今回は、メゾンでも初めてのマリアージュランチ。対応してくださったLPインターナショナル キー アカウントマネジャー&日本・韓国担当マネジャーのギヨーム・パイヤールさんいわく「メゾン内でこのような形でマリアージュをするのは、日本人では青木さんが初めてだよ」と!
まぁ、何とも光栄なおもてなし、参加者一同、ハッピー\(^o^)/


メニューは4種のシャンパンに合わせて考案してくださいました。


赤カブ コリアンダー 生姜包み × ウルトラ ブリュット
切れの良さが信条のノン・ドゼ、岩清水のごとく透明感のあるシャンパンには新鮮な素材を生かした組み合わせが合います。ここではコリアンダーの香りと隠し味的に使った生姜がブリッジ食材のお役目。


スズキのタルタル 柚子風味 × ラ キュベ

アレクサンドラ当主が従来からのアイテムにさらに磨きをかけてリニュアルデビューさせたのがラ キュベ。
和の食材に寄り添う逸品なので、ギヨームさんは柚子を使ったひとさらを用意してくれました。このマリアージュには参加者全員が納得でした!

ローラン・ペリエでは、圧搾に関して、一番搾りの最初の自然流下分10%と最後の10%は除外し、その間の80%のみをラ キュベ(果汁のハートの部分)に使用しています。シャンパーニュ委員会(CIVC)では自然流下分は二番搾りに入れるように推奨しています。


ブージー産赤ワインを使ったテリーヌ × ブリュット ミレジメ2007
フレッシュさ、エレガントさ、バランスの良さの3つを基本としたシャンパン。グラン シエクルを構成するアイテムで、この70年間で生産したのは29回。現行ヴィンテージの2007年は舌の上に広がるテリーヌの脂分をきれいに洗い流し、リフレッシュさせてくれる効果と旨味をさらに引き立てる力を備えていました、お見事!


(左から)
ウルトラ ブリュット、ラ キュベ、ブリュット ミレジメ2007、ロゼ


海老とオニオンのカレー風味 × ロゼ
リリースして昨年で50周年を迎えました。樹齢の古さも加わり、酒質上々、包容力大です!
胡椒のようなスパイスの要素も備えているので、仲介役のカレーとも相乗


ギヨームさん自ら参加メンバーにサービス


色で合せるマリア―ジュ、ロゼにマカロン!


シャンパーニュ地方生まれのギヨームさんのパフォーマンス

ヴェルサイユ宮殿の晩餐会に登場したグラン シエクル

前任者のジャン・クリスチャンさんと久々の再会!
素敵なお知らせを伺いました。





昨年9月、日仏友好160周年の式典のために渡仏なさった皇太子殿下(現 今上天皇)を、ヴェルサイユ宮殿の晩餐会でおもてなしくださったマクロン大統領ご夫妻。その折、供出されたシャンパンは『グラン シエクル』でした。「ローラン ペリエにとって名誉なことでした」とジャン・クリさん。
メニューのトリコロールカラーもお洒落!

庭園に囲まれたレ・クレイエールへ

ルレ・エ・シャトーに加盟しているシャンパーニュ地方の歴史ある『レ・クレイエール』に、夜は有志でお邪魔しましたが、ここでもギヨームさんが粋な計らいをしてくださっていました!


顧客への気配り、温かなおもてなしは好感度100%


視覚・味覚ともに印象に残った逸品、巨大マッシュルーム!


ローラン・ペリエと深い繋がりのあるレ・クレイエールのワインリストには市場に出ていないスペシャルバージョンもあり・・・もちろんマグナムサイズでいただきました!


フィリップ・ミル シェフは日本でのイベントのため、不在でしたが、馬田スー・シェフのホスピタリティーに感謝です!
厨房やワインセラーも見学させていただき、一同大満足でした、ありがとうございました!

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ブランド史上初「No.」入り製品として新登場のローラン・ペリエ『グラン シエクル』 [来日したワイン生産者&関係者(シャンパン)]

ローラン・ペリエ チーム勢揃い!

(左から)
来日したギヨーム パイヤールLPインターナショナル キー アカウントマネージャー&日本・韓国担当マネージャー、マルセル ベルトLPアジア総括ディレクター、アレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール当主、ミッシェル フォコネ シェフ・ド・カーブ、ステファン ダルヤック社長&日本在住のフィリップ ソーゼット LPブランドアンバサダー

60年の歳月を経て・・・


ネックラベルに「No.」を記したグラン シエクル
No.24は2004年2006年2007年の3ヴィンテージによって構成されています。


前当主ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏が1948年に、ローラン・ペリエ(LP)社を引き継いで、わずか60年足らずで、約100位から世界第3位に躍進したことは良く知られています。彼は新たなアイテムを次々と世に送り出してきました。その最高傑作はトップキュヴェの『グラン シエクル』、名付け親はあのシャルル・ド・ゴール大統領です。
この時、ドゥ・ノナンクール氏は39歳! 
1952年、1953年、1955年の3ヴィンテージをアサンブラージュ(ブレンド)して完成させた『グラン シエクル』のデビューは1959年でした。

アサンブラージュ(ブレンド)する理由
1950年代、ドゥ・ノナンクール氏が考え続けていたこと、それが“パーフェクトなヴィンテージの創造”です。

気候は毎年異なり、1度として同じ気候はない。シャンパン造りにおいて、たった1つのヴィンテージで、すべてを完璧に表現することは不可能である。ゆえに自然界が我々に決して与えてくれない“完璧さ”を追求するには、“複数のヴィンテージをブレンドする”こと。それこそが完璧なシャンパン造りの道である。

ベールを外したグラン シエクル
LPではこの70年間で29回ヴィンテージシャンパンを生産しています。
グラン シエクルに使用する品種はシャルドネ約55%、ピノ・ノワール約45%、ドザージュ約7g/Lで、3ヴィンテージをブレンドしますが、核をなすのは一番若いヴィンテージ。ぶどうの出処はシャンパーニュ地方にある317のクリュのなかのグラン・クリュだけで、白ぶどうはアヴィーズ、クラマン、シュイィ、ル・メニル・シュール・オジェ、黒ぶどうはアンボネイ、ブージー、マイィ、ヴェルジを中心とした11のグラン・クリュ。但し、デビュー以来、ブレンドしている3ヴィンテージについては非公開でした。

アレクサンドラ当主は「家族経営としてのメゾンを構築し、革新的なブランドとして発展させることが父ベルナール ドゥ ノナンクールの挑戦だったとしたら、メゾンの独立性を確たるものにすることが私と妹ステファニーの使命です」と語り、偉大な父親がブレンドの妙を生かして誕生させた『グラン シエクル』に、新情報を加えることを決断しました。

シェフ・ド・カーブが語った4つのグラン シエクル

1973年から3代目シェフ・ド・カーブとして活躍しているミッシェル・フォコネ氏、2014年以来の来日でした。その折の貴重なグラン シエクルテイスティングも載せておきます!


創業200周年の2012年に完成したグラン シエクルだけの醸造施設(2018年11月撮影)

最高峰のものは時(の経過)がそれを教えてくれる。長熟なシャンパーニュはセラーで時を重ねていくことで、それが表現できる(ミッシェル・フォコネ)

グラン シエクルの熟成期間は最低でも8年を要します。
フォコネ氏は、バランスの良さ力強さエレガントさ、の3つの特長が突出しているシャンパンを造るために、3つのヴィンテージをブレンドした“マルチヴィンテージ”を採用し、ドゥ・ノナンクール氏が求めていた最高峰のシャンパン造りを手掛けています。


最新バージョンNo.24
3ヴィンテージは、酸はソフトながら骨格ある酒質の2004年、繊細かつエレガントな2006年、しっかりした酸を備えた2007年。色調は輝きのある淡いイエロー、細やかな気泡、フレッシュ感とシャルドネ由来の酸、シルキーなタッチ、今後の熟成が楽しみ。

現行ヴィンテージはNo.23

3ヴィンテージは、骨格のある2002年、爽やかさの2004年、No.23の中心となるヴィンテージでシャルドネのフィネスと繊細さの2006年。淡いゴールド、香りのインパクトはNo.24より際立ち、中盤から後半にかけての蜂蜜の要素好印象。石灰由来の香り、ミネラル、若干のビター感、今飲んで美味しいアイテム。

No22はマグナムでサービス


大容量は通常のボトルより熟成期間が長いのが特徴。15年間セラーで寝ていたシャンパン。3ヴィンテージは、フィネスとエレガンスの1999年、骨格の2002年、爽やかさとまるみの2004年。色調は深みのあるゴールド、 香りに複雑さがあり、柑橘果実、なかでも レモンやグレープフルーツ、ビスケットやブリオッシュ、中盤からグラン シエクルらしい蜂蜜のニュアンス、シルキーで爽やか。


ステファン ダルヤック社長とエレガントな女性当主アレクサンドラさん




特別供出されたのはLP創業200周年のためにリリースされた『レ・レゼルブグラン・シエクル』。No.17はシャルドネが完璧だった1990年、エレガントさの1993年、骨格の1995年の3ヴィンテージから構成されており、カーヴのなかでは“キュヴェ №571J”と呼ばれていました。ボトルのネック部分には職人の手による黒いひもが巻かれています。



セラーで24年間過ごしてきたシャンパン。白をベースにした綺麗なイエローで、香りにも味にも古酒の風味。最初に柑橘系果実、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、さらに熟成によるモカや焙煎香、スーボワの香りが広がり、口中ではシームレス、滑らかな舌触りで魅力的!


パークハイアットでサービスを担当したソムリエ諸氏


(左から供出順に)
No.24(2004/2006/2007)
No.23(2002/2004/2006)
No.22マグナム(1999/2002/2004)
No.17(1990/1993/1995)


アレクサンドラさんとは昨年以来の再会で、とっても幸せでした!


2007年もパークハイアット東京

2007年、ローラン・ペリエの輸入元がサントリーワインインターナショナル(株)に変わった時のお披露目イヴェントで、櫻井前社長とアレクサンドラさんの握手シーン。
この時の会場もパークハイアット東京でした。ローラン・ペリエにとっては節目の時にふさわしいホテルなのかも知れません(笑)

ブランド特設サイト公開
順次、「No.」のグラン シエクルがリリースされますが、No.ごとのヴィンテージは、サイトで閲覧可能です!

■製品についてのお問い合わせ先
サントリーワインインターナショナル株式会社(お客様センター)/ ℡0120-139-380

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