オーストリアの新星“ニューチャプター”と和食との融合@八芳園 [来日したワイン生産者&関係者]
来日したレンツ・モーザーご夫妻
マダム・モーザーは“ニューチャプター”の名付け親
有言実行のワイン醸造家レンツ・モーザー氏
彼はトライゼンタールのマルクス・フーバー氏とタッグを組み、
オーストリアの固有品種グリューナー・ヴェルトリーナー(以後GV)から造った、
ニューチャプターを世界のトップ白ワインの仲間入りさせようと奮闘しています。
誕生ストーリーはコチラをご笑覧くださいませ。
オーストリアワインマーケティング協会(AWMB)が、
ウィーン大学と協力して作成したデジタル ワインアトラス
上記の地図は拡大できます。
トライゼンタールの位置をお示しするために検索してみました。
ここは大陸性気候とパノニア気候が交差するエリアで、
森林もあり、自然の要塞のような景観。
土壌は東側がレスとローム、西側が石灰と花崗岩を含む礫岩。
全体の87%を白ワインが占めています。
フーバー氏の畑は底土がすべて石灰質、
そこから収穫された高貴なGV主体の白ワインがニューチャプター
出典:AWMB
オーストリアの主要品種と有機栽培の比率も載せておきます/ 2022年のデータ
🍀🍀🍀🍀🍀
八芳園の庭園で1年ぶりの再会を祝って乾杯🥂
フーバー氏が手掛けるGV100%のスパークリングワイン
石灰質土壌由来のミネラルを感じる口当たり
夕映えが良く似合う泡ものでした!
~少し寄り道~
2023年に80周年を迎えた八芳園。歴史をたどってみると、江戸時代初期は大久保彦左衛門の屋敷でした。その後、明治の実業家渋沢栄一翁のいとこ渋沢喜作氏の所有となり、明治から大正の変革期には喜作氏からこの地を譲り受けた財界人久原房之助氏の私邸として使われていました。戦後、久原氏から長谷敏司氏に、庭園の一部と屋敷が提供され、飲食店を開業、八芳園がスタート。現在もオーナーである長谷家によって継承されています。
庭園から移動して壺中庵へ
松の間に向かう途中、
亡き吉右衛門さんの押し隈発見
黄色のお花、インパクト大
各ヴィンテージに合わせた和のテイスト
ロブマイヤーのバレリーナワイングラスⅢは輸入元(株)ロシナンテ協賛
羽根のように軽いロブマイヤーのグラスを使うとGVのさらなる繊細さがわかります。
左から
NC2020/99%GV、1%リースリング
NC2021/95%GV、各1%ずつSB、CH、PG、リースリング、ムスカテル
NC2022 (2024年秋発売) /98%GV、2%SB
BERG2022/ このワインの一部をNC2022に使用。
GVと相性の良いアカシアの大樽で発酵熟成させた余韻の長い白ワイン
単一畑ベアクは2021年VTからBIO表記。NCも2023年VTからBIO表記にする予定
モーザー氏は、ニューチャプターのコンセプトについて
■ドイツ語圏で9割以上消費されてしまうGVを世界市場で知らしめ認知させる
■オンリーワンのワイン造り(ニューチャプターだけを生産)
■明日のGVのスタイルを今飲んで欲しい(未来を読み込んだワイン=将来を見据えたGVなので10年後にはオーストリアのスタンダードなワインになっているであろう)
と語りました。
冒頭にも書きましたが、モーザー氏は有言実行の人物なので、
昨年の来日時「2020年から最新VTまでの垂直試飲をするよ」と語り、
その約束をきちんと果たしました。
次回は「70年代、80年代、90年代と2000年代のGVを比較試飲するつもり」と!
ワクワクする宣言
2022年は降雨もあり、ヴィンテージ的にはナーバスな印象とコメントしていましたが、
2023年に関しては「太陽に恵まれた年」と述懐。
フーバー氏は収穫のタイミングをじっくり待ち、9月末から開始し10月末までかけた由
糖度の上がり具合、種の熟し方等、満足できる状態だったようです。
🍀🍀🍀🍀🍀
来日期間中、モーザーご夫妻は和食との相性探求に余念がなかった由。「オーストリアのすべての料理がGVに合うとは言い難い。しかしながら、和食との相性は素晴らしくとても良く合う」と述べていました。八芳園では総料理長が、日本ならではの食材を使い、NCの各ヴィンテージの特徴を踏まえながら、和食の世界の魅力を示してくれました。
先附
桜鱒昆布締め、鱒子塩漬け、うるい、花弁百合根、クコの実、柑橘入り出汁ジュレ
厳選した昆布から抽出される旨味と特製ジュレが食材を引き立てGVの繊細な味わいと相乗
吸物
蛤若筍椀、こごみ、花弁人参、木の芽
出汁は3~4年寝かせた利尻昆布を使用。蛤のヨードと土壌由来の味わいが寄り添い好印象
造里(さしみ)
サヨリ、本マグロ、梅醤油
梅酒は八芳園の庭の梅から造ったオリジナル。醤油のコクがブリッジ役
モーザー氏が納得なさっていた「おさしみと2021年ヴィンテージ」の組み合わせ
焼物
鰆蕗味噌焼き、白アスパラ、蚕豆、酢取茗荷
蕗の香りとマスカルポーネで風味付けした白アスパラガスの味わいが五感を刺激
2020年ヴィンテージ
初VTの2020年はステンレスタンク&500㍑のブルゴーニュ樽とアカシアの大樽を併用。
1%だけリースリングをブレンドしています。
■GV100%ではない造り ■毎年ブレンド比率&品種が異なる造り
それがニューチャプターのキャラクターです!
2022年ヴィンテージ
2022年VTは木樽を10%使用し、SBを2%ブレンド
爽快さと若干のロースト感、スレンダーでエレガンな印象
お品書きと併せて
蛍烏賊と山菜の天麩羅、新玉葱、菜の花、たらの芽、塩、酢橘
2022年VTの新鮮さとミネラル感が軽快な食感の天麩羅と絶妙なバランス
蛍烏賊を食しながらワインを合わせても生臭さは皆無
双方が奥行きある味わいになり、素晴らしい調和を見せてくれました。
2022年に2%だけブレンドされているSBがスパイス的なお役目。
SBに和柑橘のニュアンスもあるので酢橘の酸味と同化。
モーザー氏も天麩羅と酢橘に大満足
食事
駿河湾の桜海老鍋御飯、味噌汁、香の物
NCのマーケティング戦略
ユニークさを重視したラベルとボトル
際立つイエロー、ボルドーのアンティークな瓶型を模した特製ボトル
スペシャルな生け花
草月流いけばな作家の久保島一裕氏
この日の為に活けてくださった特別な作品、お見事
イメージ写真っぽく撮ってみました。
🍀🍀🍀🍀🍀
朋友と味わったマグナム
昨年、2021年VTのマグナムサイズを試飲し魅了されて購入。
モーザー氏から「マグナムは親しい仲間と」と言われていたので、
ゴールデンウィークの最終日、朋友11名と楽しみました。
GVの愛称はグルビー(“緑”の意味)
新緑の5月にぴったりのワインなので、
色で合わせるマリアージュもお薦めです。
アボカドや山葵との組み合わせは文句なし!
昨年の来日でお披露目された2021年VT。
そのリポートはコチラで!
【ニューチャプター新ヴィンテージ情報】
2022年ヴィンテージの発売は今秋を予定しています。
お問い合わせは輸入元 (株)ロシナンテ 03-3423-4552 まで!
マダム・モーザーは“ニューチャプター”の名付け親
有言実行のワイン醸造家レンツ・モーザー氏
彼はトライゼンタールのマルクス・フーバー氏とタッグを組み、
オーストリアの固有品種グリューナー・ヴェルトリーナー(以後GV)から造った、
ニューチャプターを世界のトップ白ワインの仲間入りさせようと奮闘しています。
誕生ストーリーはコチラをご笑覧くださいませ。
オーストリアワインマーケティング協会(AWMB)が、
ウィーン大学と協力して作成したデジタル ワインアトラス
上記の地図は拡大できます。
トライゼンタールの位置をお示しするために検索してみました。
ここは大陸性気候とパノニア気候が交差するエリアで、
森林もあり、自然の要塞のような景観。
土壌は東側がレスとローム、西側が石灰と花崗岩を含む礫岩。
全体の87%を白ワインが占めています。
フーバー氏の畑は底土がすべて石灰質、
そこから収穫された高貴なGV主体の白ワインがニューチャプター
出典:AWMB
オーストリアの主要品種と有機栽培の比率も載せておきます/ 2022年のデータ
🍀🍀🍀🍀🍀
八芳園の庭園で1年ぶりの再会を祝って乾杯🥂
フーバー氏が手掛けるGV100%のスパークリングワイン
石灰質土壌由来のミネラルを感じる口当たり
夕映えが良く似合う泡ものでした!
~少し寄り道~
2023年に80周年を迎えた八芳園。歴史をたどってみると、江戸時代初期は大久保彦左衛門の屋敷でした。その後、明治の実業家渋沢栄一翁のいとこ渋沢喜作氏の所有となり、明治から大正の変革期には喜作氏からこの地を譲り受けた財界人久原房之助氏の私邸として使われていました。戦後、久原氏から長谷敏司氏に、庭園の一部と屋敷が提供され、飲食店を開業、八芳園がスタート。現在もオーナーである長谷家によって継承されています。
庭園から移動して壺中庵へ
松の間に向かう途中、
亡き吉右衛門さんの押し隈発見
黄色のお花、インパクト大
各ヴィンテージに合わせた和のテイスト
ロブマイヤーのバレリーナワイングラスⅢは輸入元(株)ロシナンテ協賛
羽根のように軽いロブマイヤーのグラスを使うとGVのさらなる繊細さがわかります。
左から
NC2020/99%GV、1%リースリング
NC2021/95%GV、各1%ずつSB、CH、PG、リースリング、ムスカテル
NC2022 (2024年秋発売) /98%GV、2%SB
BERG2022/ このワインの一部をNC2022に使用。
GVと相性の良いアカシアの大樽で発酵熟成させた余韻の長い白ワイン
単一畑ベアクは2021年VTからBIO表記。NCも2023年VTからBIO表記にする予定
モーザー氏は、ニューチャプターのコンセプトについて
■ドイツ語圏で9割以上消費されてしまうGVを世界市場で知らしめ認知させる
■オンリーワンのワイン造り(ニューチャプターだけを生産)
■明日のGVのスタイルを今飲んで欲しい(未来を読み込んだワイン=将来を見据えたGVなので10年後にはオーストリアのスタンダードなワインになっているであろう)
と語りました。
冒頭にも書きましたが、モーザー氏は有言実行の人物なので、
昨年の来日時「2020年から最新VTまでの垂直試飲をするよ」と語り、
その約束をきちんと果たしました。
次回は「70年代、80年代、90年代と2000年代のGVを比較試飲するつもり」と!
ワクワクする宣言
2022年は降雨もあり、ヴィンテージ的にはナーバスな印象とコメントしていましたが、
2023年に関しては「太陽に恵まれた年」と述懐。
フーバー氏は収穫のタイミングをじっくり待ち、9月末から開始し10月末までかけた由
糖度の上がり具合、種の熟し方等、満足できる状態だったようです。
🍀🍀🍀🍀🍀
来日期間中、モーザーご夫妻は和食との相性探求に余念がなかった由。「オーストリアのすべての料理がGVに合うとは言い難い。しかしながら、和食との相性は素晴らしくとても良く合う」と述べていました。八芳園では総料理長が、日本ならではの食材を使い、NCの各ヴィンテージの特徴を踏まえながら、和食の世界の魅力を示してくれました。
先附
桜鱒昆布締め、鱒子塩漬け、うるい、花弁百合根、クコの実、柑橘入り出汁ジュレ
厳選した昆布から抽出される旨味と特製ジュレが食材を引き立てGVの繊細な味わいと相乗
吸物
蛤若筍椀、こごみ、花弁人参、木の芽
出汁は3~4年寝かせた利尻昆布を使用。蛤のヨードと土壌由来の味わいが寄り添い好印象
造里(さしみ)
サヨリ、本マグロ、梅醤油
梅酒は八芳園の庭の梅から造ったオリジナル。醤油のコクがブリッジ役
モーザー氏が納得なさっていた「おさしみと2021年ヴィンテージ」の組み合わせ
焼物
鰆蕗味噌焼き、白アスパラ、蚕豆、酢取茗荷
蕗の香りとマスカルポーネで風味付けした白アスパラガスの味わいが五感を刺激
2020年ヴィンテージ
初VTの2020年はステンレスタンク&500㍑のブルゴーニュ樽とアカシアの大樽を併用。
1%だけリースリングをブレンドしています。
■GV100%ではない造り ■毎年ブレンド比率&品種が異なる造り
それがニューチャプターのキャラクターです!
2022年ヴィンテージ
2022年VTは木樽を10%使用し、SBを2%ブレンド
爽快さと若干のロースト感、スレンダーでエレガンな印象
お品書きと併せて
蛍烏賊と山菜の天麩羅、新玉葱、菜の花、たらの芽、塩、酢橘
2022年VTの新鮮さとミネラル感が軽快な食感の天麩羅と絶妙なバランス
蛍烏賊を食しながらワインを合わせても生臭さは皆無
双方が奥行きある味わいになり、素晴らしい調和を見せてくれました。
2022年に2%だけブレンドされているSBがスパイス的なお役目。
SBに和柑橘のニュアンスもあるので酢橘の酸味と同化。
モーザー氏も天麩羅と酢橘に大満足
食事
駿河湾の桜海老鍋御飯、味噌汁、香の物
NCのマーケティング戦略
ユニークさを重視したラベルとボトル
際立つイエロー、ボルドーのアンティークな瓶型を模した特製ボトル
スペシャルな生け花
草月流いけばな作家の久保島一裕氏
この日の為に活けてくださった特別な作品、お見事
イメージ写真っぽく撮ってみました。
🍀🍀🍀🍀🍀
朋友と味わったマグナム
昨年、2021年VTのマグナムサイズを試飲し魅了されて購入。
モーザー氏から「マグナムは親しい仲間と」と言われていたので、
ゴールデンウィークの最終日、朋友11名と楽しみました。
GVの愛称はグルビー(“緑”の意味)
新緑の5月にぴったりのワインなので、
色で合わせるマリアージュもお薦めです。
アボカドや山葵との組み合わせは文句なし!
昨年の来日でお披露目された2021年VT。
そのリポートはコチラで!
【ニューチャプター新ヴィンテージ情報】
2022年ヴィンテージの発売は今秋を予定しています。
お問い合わせは輸入元 (株)ロシナンテ 03-3423-4552 まで!
コメント 0