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ハイライトは初リリースのアビス・ロゼ2018 ~ルクレール・ブリアンの世界へ~ [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

          シャンパーニュ講座の幕開けは海中熟成ロゼ
        昨年末、日本初上陸した希少アイテム『アビス・ロゼ2018』

 シャンパーニュ講座を少しだけご紹介
 NHK文化センター青山校の教室
 コロナ禍以降、ひとりひとテーブル、2回(第3週・第4週の水曜日)に分けて開催


 グラスはリーデル・ジャパンさんからレンタル
 アビス・ロゼ2018の特徴を明確につかむことができました!


 供出した5アイテム
 昨年末、輸入元テラヴェールさんでルクレール・ブリアンの新VT全キュヴェを試飲
 その中から、これだけは味わいたいというアイテムをセレクトしました。

 すべてブラインド
 青山校のスタッフが手作りしてくださった愛を感じるタグ[わーい(嬉しい顔)]
 前半50分で、
 第1フライトNo.1&No.2、第2フライトNo.3&No.4、第3フライトNo.5に分けて供出
 メゾンについては一切触れず、メゾンが取り組んでいるビオディナミのみ解説
 各アイテムのぶどう品種&発酵・熟成(No.5だけは非公開)&ドザージュを公表


                  o○.。o○.。o○.

 
  ルクレール・ブリアンについて
 資料提供:テラヴェール


 参考画像:テラヴェール
 ルクレール・ブリアンの醸造家エルヴェ・ジェスタンさん

 参考画像:テラヴェール
 2022年に年間の最優秀ワイナリーを表彰する『ブランド・オフ・ザ・イヤー』を受賞
 式典ではマクロン大統領が授与を行いました。


                o○.。o○.。o○.


  第1フライト
  2アイテムとも3品種使用、リザーヴワインは極少量の2%
  ベースヴィンテージ&デゴルジュマン&ドザージュは異なる
IMG_6865.jpg
 シャンパーニュの集大成を目指しトライアルを実践しているアイテム
 エクストラブリットのベースヴィンテージは2014年、ドザージュ量は2g/L
 第3週と第4週とでは僅かながらボトル差があり、第4週のほうが若干酸化熟成した印象
 いずれも豊潤でヘーゼルナッツやスパイスの風味、複雑味も感じました。
 講座時はメゾン記載の数値をお知らせしましたが、ここでは裏ラベルの数値を記載

 参考画像:テラヴェール
 ステンレスタンクや木樽、ウッフ、アンフォラ🏺等 さまざまなタイプの容器を使用


 ブリュットのベースヴィンテージは2018年
 フレッシュで柑橘果実やストーンフルーツ等の果実、酸味とのバランスも良好


  第2フライト
  2アイテムとも品種はシャルドネ100%、発酵&醸造は同じ、SO2無添加、ノン・ドゼ
  ヴィンテージ&デゴルジュマンは異なる
 グラン・ブランの初リリースは2012年VT
 当時はGCのクラマンのシャルドネのみ、ネーミングも違っていた由
 2013年ヴィンテージから3つのグラン・クリュ畑のぶどうをブレンド  
 息が長く、エネルギーを感じるシャンパーニュ
 グラス内の変化も魅力で、時間の経過で土壌由来のミネラル、塩味が増してくる印象


 2014は熟成感あり
 旨味、様々な要素が輪のように広がり、時との対話が楽しめるシャンパーニュ
 今飲んで素直に美味

 第3フライト
 ブルターニュ地域圏のウェサン島で10ヶ月海中熟成させたシャンパーニュ
 アビス・ロゼを沈めた位置は北緯48度28分、西経5度03分です。
 初リリース、日本入荷分は90本🥂

 ぶどう品種はシャルドネ85%、ピノ・ノワール15%

        2019年5月の講座で取り上げたアビス

なぜ海中 2019年5月に質問
来日時、ジェスタンさんに「なぜ、海中熟成させたのか」と伺ってみました。
彼は「ボトルを沈めたブルターニュの海は2つの海流が交差している為、渦を巻いています。これはビオディナミの調合を攪拌させる(ディナミゼーション)のと同じ条件になります。水深60mの場所はシャンパーニュの気圧(6気圧)とバランスが取れるので、シャンパンをストレスの無い状態で熟成させることができます」とおっしゃっていました。さらに、エルヴェさんの測定によると、アビスは通常の熟成シャンパンより、エネルギー量が30%増になっているとのことでした。

加えて講座でアビスを出すにあたり、ご丁寧なお手紙を頂戴しました。
そこには以下のような記述がありました。

24歳の時に初めて技術的なワイン造りを始めたものの、3〜4年後には行き詰まりを感じ、それを打開するには自然と密接に繋がった作業をすることだと確信。でも、このアプローチに関する情報や書籍は何もなかったので、すべてを自分で考案せざるを得ない状況で、何年もかかりました。
ボトルを沈めた場所はフランスのブルターニュ地方、生まれ故郷です。生きているワインとこの環境間の“共鳴”はとても強く、シャンパーニュ地方のチョークは何百万年も前の海底の堆積物から形成されており、ぶどうの根はこのチョーク質を求めて地中深く根を広げていきます。アビスはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3品種を均等に使ったノン・ドゼ。テイスティングの最中は考えることをやめ、ワインのエネルギーを感じ取る為に、感情のおもむくままに味わうことが大事



 Don't think, Feelで!
 ジェスタンさんが言及しているエネルギーを感じ取るために瞑想状態で試飲
 シャンパーニュを1分間口中に含み、舌の上で転がしながらゆっくり味わう 
 より集中できるように部屋を暗くして、感じるままに・・・
 ブルース・リーの名言 Don't think, Feel/考えるな、感じるんだ、です。

ブラインドテイスティングの間、講座生の皆さんにはメゾン名は公表していません。
このロゼを体験した第3週のHakoさんは「宇宙を感じた」、Ayanoさんは「エネルギーを」。第4週のYamashitaさんは「海中にいるような気持ちに」、Harumiさんは「凄いエネルギー」、他の皆さんからも、エネルギー、穏やかで優しい気持ちになる、味わいがスムース、滑らかな等・・・

ジェスタンさんが造りに求めていた「水圧と気圧の相殺」+「ディナミゼーション同様の海流の回転」、これらの効果が生み出した絶妙な熟成シャンパーニュだと実感しました。

私の場合は、第3週では暗黒の中で、何か強い力で中心部に引っ張られていくような状態になり、ロゼを口に含んでゆっくりと転がしていると、まろやかさ、シームレスさ、心地良さ。その後から、ベリー系果実や赤いバラ等の赤系の香りがあふれ出し、凜としたシャルドネの切れ味が、長い余韻となって続いていく印象でした。第4週では、赤系果実や紅バラより、“梅”の要素がより強く出ていて、中盤以降にはきめ細かなタンニンの風味が広がり、第3週とはまた違う熟成感を受けました。
海中での位置が異なることで、ボトルにも少しずつ、違う変化が出るのだと思います。
考えることを自然にストップさせ、感情のままになれる、得も言われぬ気分にさせてくれたロゼ。でも、これは、言葉でなく、試さないとご理解いただけないかも

[NEW]追記 2023年1月28日:海中熟成ワインについてDecanter誌Chris Mercerさんのリポート(2021年4月10日付)、とても興味ある内容なのでリンクしておきます。
果実やフローラルな香りの強さ、シルクのような滑らかな口当たり、エネルギー等、2回の講座で試して感じた結果と共通していました。


 参考データとして

 エルヴェ・ジェスタンさんの哲学&ビオディナミ関連のブログを添付しておきます!
 参考にしていただけると嬉しいです。
 >>>https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2019-04-30
 >>>https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2019-05-27

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