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大手メゾンに対抗し得る逸材『CM生産協同組合のCastelnauカステルノー』 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 ずっと気になっていたシャンパーニュメゾン『カステルノー』


       World's Most Admired CHAMPAGNE Brands 2022
      Drinks Internationalが毎年発表している30位までのリストです。
      18位にランクインしているCM/生産協同組合のカステルノー
      2021年は21位、2020年は18位にランキングされています。
      ちなみに、CMで最大の二コラ・フィアットは2022年は23位


  カステルノーの沿革
 ツール・ド・フランスの公式シャンパーニュ
 1916年ワイン商のジャン・ラルマンが創設したシャンパーニュブランド
 2003年以降、ランス・シャンパーニュ協同組合CRVC(1962年設立)が所有/直営 
 現在750を超えるぶどう栽培家、150以上のクリュ、900㌶を所有、年間出荷量80万本


 スタンダードキュヴェで最低6年、ミレジメで10年以上


 セラーマスターはエリザベート・サルスレさん
 2016年にセラーマスター・オブ・ザ・イヤーを受賞
 2021年からは彼女と長年働いてきたカリーヌ・バイユルさんにバトンを委ねています。


  ユニークなニューフェイス
 今年になって2回ほどソレラオリジンを試飲する機会があり、
 酒質の良さにひかれました。加えて、Drinks Internationalのリストの常連で、
 気になっていたメゾンだったことから今回フォーカス
 メゾン側が記載しているように「価格に対して高い品質」を実感、さすがです!

 ブランドの位置付け
 カステルノーが考える位置付け一覧表
 縦軸はアぺリティフからガストロノミー、横軸はお手軽なものから高価格
 カステルノーは自らを🔵の位置にしています。

 表のなかに記載してあるシャンパーニュはすべて講座で検証していますが、
 1つだけ反論したいのがグラン シエクルのポジション
 味わっていただけば、マリアージュの面でも、ここではないと断言できます。
 それを解説していたシーン(受講生のhakoさんが送ってくださった画像、感謝です!)



 第1フライトはスタンダードタイプ
 #1:カステルノー ブリュット レゼルヴ
 生産者:カステルノー(生産協同組合/CM)
 ぶどう品種:CH40%、ムニエ40%、PN20% / リザーヴワイン20%
 ドザージュ:8g/L  
 価格:7,200円(税別)
色調はベージュ、ストーンフルーツ(黄桃やアプリコット)やブリオッシュ、スパイスのアロマ、柑橘系果実の内果皮似の軽いビター感、ミネラル、中盤以降綺麗に広がる酸味、丁寧な造りを感じさせるアイテム

 #2:カステルノー エクストラ・ブリュット
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH45%、ムニエ45%、PN10% / リザーヴワイン20%
 ドザージュ:2g/L   
 価格:8,100円(税別)
カステルノーはこのキュヴェの完成に多くの研究を重ねてきた由。ノン・ドゼの範疇なれどエクストラ・ブリュット表記。黄リンゴやアプリコット、ヘーゼルナッツ、塩味、余韻に続く酸味とドライ感。厳選ぶどう由来の熟度がドザージュ2gとは思えないバランスの良さを生み出しているアイテム



 第2フライト
 
 #3:カステルノー ソレラ オリジン ES-9.0  
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH50%、ムニエ35%、PN15%
 ドザージュ:5g/L    
 価格:9,500円(税別)
2009年から始動したソレラシステムによる新しいキュヴェ。十数年の歳月を経て、このファースト・エディションをリリース。ESは発案者シェフ・ド・カーブのエリザベート・サルスレさんの頭文字。ソレラオリジンに使われているのは2009年VTで、これは「ソレラになる前」のオリジン。セカンド・エディションは2009年と2017年のソレラでリリースされ、ES/9.1になります。白い花、蜂蜜、ミネラル、石灰、まろやか&凛としたイメージ、余韻の切れ感

 #4:カステルノー ブラン・ドゥ・ブラン ミレジメ2007
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:8g/L
 価格:11,500円(税別)
色調はゴールド、カリンや黄桃、ブリオッシュ、クリームブリュレ、モカ、焙煎香。土壌に由来する火打石のニュアンス、味わいはクリーミー、10年以上の時を経た瓶熟の旨味と醍醐味

  第3フライト
 
 #5:カステルノー ミレジメ2006
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH50%、PN30%、ムニエ20%
 ドザージュ:8g/L     
 価格:10,800円(税別)
ひとことで表現するなら“エレガント”、気泡細やか、バター風味のトーストやジンジャーブレッド。酸味、甘味、旨味のハーモニー

 #6:カステルノー ミレジメ2003
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:PN70%、CH30%
 ドザージュ:8g/L
 価格:12,700円(税別)
この機に及んで2003年ヴィンテージを利き酒できたことはとても貴重でした。シャルドネを多用するカステルノーがピノ・ノワールを7割使って仕上げた異例のシャンパーニュ。色調は黄金色、クリームブリュレ、モカ、ロースト、果実のコンポート、スパイスの要素(ジンジャー)、泡はワインに溶け込みクリーミー。時間&温度変化で口中での厚味、複雑味が増してくるアイテム



第1フライトから、第2、第3と移るにつれ、坂を登っていく印象でした。
各アイテムからシャルドネをベースにしたカステルノーのスタイルが明確に伝わり、グレードがアップしていく感あり。“メゾンの個性を探る”にふさわしい時間になりました。
物価高騰の折、良心的価格で酒質が素晴らしいカステルノーは安心してお薦めできます。
輸入元は元BB&Rで活躍していた田上健一氏が代表を務めるワインエクスペリエンスです。


            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

  余談ですが・・・
  2009年に昭和女子大カレッジのシャンパン講座で供出した2003 by ボランジェ

2003年のフランスは猛暑で多くの死者が出たのですが、ぶどうにも酷な年でした。
そのような中、自社畑を誇るボランジェでは『2003 by Bollinger』をリリースしていました。ちょうど2009年3月にシャンパーニュ視察をしていて、自由時間にパリのLAVINIA(今はオンラインのみ)で、このボトルを見かけて気になり~
帰国後、当時の輸入元にお願いし、希少アイテムのボランジェ2003を出すことができました。凄く印象に残ったのでボトルもボックスも大事にキープしていました。
今回11月の講座でカステルノー2003を出したので、久々に取り出して撮影してみましたが、装丁も凄くお洒落だったことに改めて感激!
katsudaさんの2003 by Bollingreに関する情報、面白いです!https://www.rakuten.ne.jp/gold/katsuda/bo_2003.html



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

    11月第3木曜日に解禁されたボジョレ・ヌーヴォー2022
    モメサンのBNはパープルを帯びたルビー色で、凝縮したベリー系果実
    まるみのある味わいで、好感度100%
    第4週の皆さんと“健康を祝して”乾杯 🍷  
    第3週は解禁前だったので講座ではご披露できずsorry!

    早いもので、来月で2022年の講座も一段落
    たかがシャンパーニュ、されどシャンパーニュ
    本当に奥が深い世界です!

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