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11月18日公開!! 含蓄ある言葉と不屈の精神にあふれた『戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン』 [映画でワイン・レッスン]

 映画『 戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン
 映画のメイン画像に登場しているのはレバノンの国旗
 中央には高潔さと不滅を表すレバノン杉が描かれています。
 
Main.jpg
  (C)ユナイテッドピープル

 原題:WINE and WAR
 監督:マーク・ジョンストン、マーク・ライアン
 脚本 : マーク・ジョンストン、マーク・ライアン、マイケル・カラム
 プロデューサー:マーク・ジョンストン
 製作総指揮:セルジュ・ドゥ・ブストロス、フィリップ・マスード
 撮影:マーク・ライアン
 音楽:カリム・ドウアイディー
 出演:セルジュ・ホシャール、マイケル・カラム、マイケル・ブロードベント
 ジャンシス・ロビンソン、ミシェル・ドゥ・ブストロス、サンドロ&カリム・サーデ他
 配給:ユナイテッドピープル
 95分/アメリカ/2020年/ドキュメンタリー

お問い合わせ先】
 配給・宣伝:ユナイテッドピープル/関根健次 Tel.090-8833-6669
 Email: pr@unitedpeople.jp
 文中敬称略


 11月18日からアップリンク吉祥寺で全国順次ロードショー
 🎬予告編 https://www.youtube.com/watch?v=xGZqj1U1Sqk


著者マイケル・カラムとワイン生産者セルジュ・ホシャールの会話 
マイケル・カラム(画像/右)の著作『レバノンのワイン(原題:Wines of Lebanon)』に触発された映画監督のマーク・ジョンストンとマーク・ライアンは中東レバノン各地のワイン生産者たちに話を聴くために現地に向かう。そこでマイケル・カラムと出会い、3人チームになる。カラムは他のインタビューで、「この映画は2013年から2018年の間に製作された」と答えている。映画の主役的存在シャトー・ミュザールの2代目セルジュ・ホシャール当主(画像/左)は2014年12月末に死去したので、彼へのオマージュ映画でもあると感じた。
カラムの問いかけにホシャールが返した言葉が・・・印象深かった!

  (C)ユナイテッドピープル

        私は7歳の時、両親にこう尋ねた。
       「なぜ僕の許可なく、産んだの? 呼びもせずに」と。

       「お前だとは知らなかった」と両親は言った。

        私は自分の意に反して、生かされたわけだ。
        そして、その人生は75年も続いている。


        ワインに戦争の有無は関係ない!
        人間が戦っていても、酵母はワインを造る。
        収穫時期にワイナリーに来た。

        最初に到着したぶどうを食べてみたらおいしかった。
        2日後、ぶどうが輝きだし、泡を吹き始めた。
        何事かと思ったよ。

        それがワインと生命の奇跡だと知り、
        私は人生を信じるようになったんだ。
         出典 / 戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン



  静寂と戦時下のはざまで
 (C)ユナイテッドピープル
 紀元前2世紀、フェニキア人(古代レバノン人)によってワインが世界にもたらされた。
 貿易商人、ワイン商人のフェニキア人、彼らの功績である。

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 (C)ユナイテッドピープル
 ベイルート港では2,700トンの化学物質が爆発し、首都が破壊され、数百人が死亡、
 数千人が負傷するという痛手を受けたが、彼らは苦難を乗り越えようと努力している。


 貴重な時間を共有できたことに感謝
 シャトー・ミュザール
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 photo by Fumiko/2014年2月@東京アメリカンクラブ 
 ホシャール当主と2010年からワイナリーに参画した3代目のマーク

 ワインメーカーにとっての仕事はワインを造ることではなく、
 どのようなワインを造りたいかを見つけること
 ワインは口の中で感じた味わいではなく、
 飲んだ後の余韻の長さが大事
 ワインこそ、記憶につながる飲み物

 と語っていたホシャール当主
 この時の言葉も深いです!!


 (C)ユナイテッドピープル
 シャトー・ミュザールの2代目セルジュ・ホシャール
 1975年から1990年にかけての内戦をものともせずレバノンワインを世界に売り込み、
「レバノンワインの父」と呼ばれた。
 1984年英国デキャンタ誌でマン・オブ・ザ・イヤー受賞
 2014年12月末 不慮の事故で他界

 photo by Fumiko/2015年12月@南青山Essence
 2014年から1年後の再会、かなり大人びた印象
 レバノンでのワイン造りの大変さも伝わってきた。
 彼が語った内容はブログにまとめてあるのでご参考までに!


 ドメーヌ・ド・バージュラス(シリア)とシャトー・マーシャス
 photo by Fumiko/2019年6月@コンラッド東京“風花”
 いまでやの招聘で2016年以来2度目の来日をしたサーデ家のサンドロ・サーデ
 サーデ家はキリスト教徒(正教会)でレバノンとシリアの二重国籍を取得している。
 2003年にシリア、2005年にレバノンにぶどう樹を植樹

 (C)ユナイテッドピープル
 サンドロ&カリム・サーデ 
 シリア内戦の最中でもワインを造り続けた。
 2020年8月のベイルート大爆発では辛くも死を免れた。
 そのニュースは世界に報道された。


 世界的なワインジャーナリスト ジャンシス・ロビンソンMW
 photo by Fumiko/2010年2月@銀座アルジェントASO
 Koshu of Japanの招聘で来日セミナーを行ったジャンシス・ロビンソンMW
 2000年の来日時、ジャンシスは自分の人生を変えたワインについて言及した。
 そのワインはレストランで飲んだ『シャンボール・ミュジニー レ・ザムルーズ1959』
 彼女にとってのワインとは「背後にある歴史や地理、審美学、形態学すべてを含め、
 それぞれの個性を味わいとる知性の喜び」と述べていた。

 (C)ユナイテッドピープル 
 レバノン内戦の初期に、シャトー・ミュザールを訪問
 ホシャール家との信頼関係は篤い。
 映画ではホシャール当主の直球勝負でない受け答えやお茶目な一面について語った。


映画公開記念イベント
9月末、配給会社ユナイテッドピープル主催で公開記念ローンチワインパーティが開催された。ニダル・ヤヒヤー駐日レバノン共和国特命全権大使ご臨席のもと、同国の代表的な料理や輸入元ジェロボーム、いまでや、ヴァンドリーヴのワインが披露された。

 シャトー・ミュザール/輸入元ジェロボーム

 タブレ(パセリのサラダ)やキッベ(ひき肉のスナック)


          o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

冒頭に紹介した3人は、レバノン、フランス、アメリカ、イギリスを訪問し、35人のワインメーカー、4人の考古学者、7人のワイン評論家や小説家、そして修道士にインタビューしている。そのなかには、過激派組織ISISとシリア内戦という不安定な情勢下で生活し、活動しているワイナリーの当主たちもいた。地球上で最も古いワイン産地のひとつであるレバノンでは、どんな状況下でワインを造っているのか、どんな思いでワイン造りをしているのか、その答えは映画のなかにあり、観る者の感性に訴えかけてくる。

         戦地でできたワインほど強いワインはない。
         命と再生の産物だからだ。
              マサヤのサミー・ゴスンの言葉から抜粋


      戦地のヴィテイス Vitis=命の樹=ぶどう樹に人生を懸ける人々
      これは、琴線に触れるドキュメンタリー映画だ!

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