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シャンパン講座下半期の初回はルイ・ロデレール『コレクション242』をメインにして [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 ルイ・ロデレールが35年振りに刷新したスタンダード・キュヴェ『コレクション242』
   2021年10月1日全国発売

 規則的で繊細な泡沫


 10月は2メゾンにフォーカス
 第1フライトはルイ・ロデレール、第2フライトはジャクソン🥂🥂🥂


 9月に開催されたプレス向けオンラインテイスティングセミナー
 画像提供:エノテカ株式会社
 ジャン・バティスト・レカイヨン醸造責任者兼副社長は、「ブリュット・プルミエを、
 2年瓶熟させるとコレクション242に近い味わいになる」と語っていました。
 10月のシャンパン講座では9月に伺った内容を基本にしつつ、新旧を利き比べました。


 温暖化を逆手に取った発想
 左がブリュット・プルミエ、右がニューフェイスのコレクション242


  本題に入る前に少しだけ寄り道 レカイヨンさんの凄さを感じたアイテム

上の画像は日本醸造協会のセミナーのために作成した「世界のワイン最前線」の一部です。シャンパーニュの紹介で、ルイ・ロデレールの『ブリュット・ナチュール フィリップ・スタルク』についてまとめたものなのですが、2019年にメゾンを訪問した折、レカイヨンさんは「気候変動の影響を考え、ぶどう樹の仕立て方や、新しいぶどう品種に取り組むこともひとつの選択肢ですが、シャンパーニュ地方の“シャンパンという飲み物”のアイデンティティをきちんと表現することが大事であり、温暖化だからこそ造ることができたアイテム」と語っていました。

キュミエール村の健全果を使った『ブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルク2006年と2009年』、『ブリュット・ナチュール・ロゼのフィリップ・スタルク2012』の3ヴィンテージが製品化されていますが、“極めて自然に近い造り、ノン・ドゼでノン・マロ”がコンセプトです! 畑は10㌶、3区画あり、南向きで黒い粘土質土壌にはピノ・ワール、南向きで標高が高く、微量の石灰質含む粘土質土壌にはシャルドネ、西向きの黒い粘土質土壌にはムニエを栽培しており、収穫はオーストリアのウィ―ンで造るゲミシュター・サッツと同じで、3品種同時に行い、醸造も同時にしています。

新アイテムが誕生したのは、ビオディナミの導入により、糖度の高いぶどうが収穫できるようになったことがきっかけです。今回リリースされた『コレクション』も同じ発想です。

温暖化の影響と2000年以降、オーガニックやビオディナミ栽培に転換したことで、ぶどうの熟度が格段に上がり、安定的に高品質なぶどうが収穫できるようになったことが、「コレクション」の誕生に繋がりました。


  コレクション242はブレンドの芸術性を尊重
 データ:エノテカ株式会社

1986年に発売されてから根強い人気を誇っていたブリュット・プルミエは、ハウススタイルの一貫性を重視したタイプでしたが、コレクションは、毎年ナンバリングを施し、その年の作柄やブレンドごとの創造性・芸術性を尊重しています。複数年のリザーヴワインに、その年に収穫したぶどうを使用したベースワインをブレンドして完成させたシャンパンで、リザーヴワインは大樽で熟成させたタイプと、2012年から毎年継ぎ足しステンレスタンクで熟成させた(=パーペチュアル・リザーヴワイン)タイプの2種類を使っています。“242”という数字は創業から数えて何回目の収穫かを表しています。
“永続的な”を意味する言葉で、シェリーのソレラシステムのように毎年継ぎ足し熟成させるリザーヴワイン

コレクションには契約農家のぶどうを20~30%使用していますが、収量などの要因から、年によって若干比率は変動します。ただ、最良の区画を選んでいるので大きな変化はありません。現在、区画については適切かどうか試行錯誤中とのことでした。


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 アプリで裏ラベルのQRコードを読み取れば詳細が得られます。


 #1:ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV 2021年9月30日終売
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH40%、PN42%、M18%
 ベースワイン2016年
 メゾンの241回目の収穫:2016年9月15日~10月1日
 リザーヴワイン:大樽熟成9%使用/2011、2012、2013、2014、2015
 デゴルジュマン:2019年12月
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,200円(税別)
 輸入元:エノテカ

 #2:ルイ・ロデレール コレクション242  2021年10月1日発売
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH42%、PN36%、M22%
 収穫は2017年8月31日~9月9日
 ベースワインは2017年、56%使用
 リザーヴワイン:大樽熟成10%使用(品種、畑ごと)
         2009、2011、2013、2014、2015、2016
 パーペチュアル・リザーヴワイン:ステンレスタ熟成34%使用
         2012、2013、2014、2015、2016
 MLF:34%実施
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,500円(税別)
 輸入元:エノテカ

第3週と第4週の講座生の好みを聞いたところ、第3週は半々、第4週は3対7という結果でした。#1はレストランでも、グラスワインとして重宝されていただけあって、バランスが良く安定した味わい。第3週にはそんなブリュット・プルミエの酒質を記憶している面々が多かったように思います。温度が上がっても絶対にブレない点は本当に素晴らしいです。
#1は白系果実、石灰由来のフレッシュ感、ヘーゼルナッツ、心地良い塩味、すぐに飲んでも、熟成させてから楽しんでも楽しめるアイテムでマリアージュでも包容力あり。#2は豊潤な果実感、リンゴや黄桃、酸味、ミネラル、後味に軽いビター感、リザーヴワイン由来の複雑味を感じますし、口中クリーミー、バランス良好

 ジャクソンのワインスタイル
 自社畑28㌶+契約畑7㌶でトータル35㌶
 マルチ・ヴィンテージの先駆者的存在ジャクソン
 2000年にキュヴェ728(ベースワイン2000年)をリリース
 メゾンの一貫したスタイルを表現したNVではなく、収穫年の個性を体現したNV
 キュヴェ740からは、収量を約16%削減、リザーヴワインも全体の20%のみにして、
 収穫年の特徴をより明確化。100%樽発酵&樽熟成、ノン・フィルター、清澄処理もなし


 裏ラベルに詳細情報を記載


 #3:ジャクソン キュヴェ744 2021年6月発売
 生産者:ジャクソン(NM)
 ぶどう品種:CH50%、PN25%、M25%
 ベースワインは2016年
 55%(アイ、ディジー、オーヴィレイ村)、45%(アヴィズ、オワリー村)
 リザーヴワインは20%使用
 743、742、741、739、738、737、736等、過去に造られた700番シリーズのワインをブレンド
 デゴルジュマン:2020年11月
 ドザージュ:0.75g/L
 価格:11,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
 メゾンのコピーは「ピノ・ノワールの傑作年と言われる2016年をベースにした自信作」
 気泡は活発、ぶどうの熟度を感じさせる蜂蜜や甘露さ、ナッツ、スモーキーさ

 #4:ジャクソン キュヴェ738 デゴルジュマン・タルディフ 2020年11月発売
 生産者:ジャクソン(NM)
 ぶどう品種:CH61%、PN18%、M21%
 ベースワインは2010年、67%
 リザーヴワイン:2009年のディジーのCH11%/2008年のアヴィズのCH3.4%
         キュヴェ735を13.8%、キュヴェ736を2.4%、キュヴェ737を2.4%
 デゴルジュマン:2019年6月
 ドザージュ:0.75g/L
 価格:22,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
 気泡はワインに溶け込み、香りはシェリー似、ミネラル、塩味、焙煎香、ミント

 #5:ジャクソン ジャクソン キュヴェ736 デゴルジュマン・タルディフ  2017年11月発売
 生産者:ジャクソン(NM)
 ぶどう品種:CH53%、PN29%、M18%
 ベースワインは2008年、66.3%
 リザーヴワイン:2007年のCH26.3%/2006年のPN2.9%/キュヴェ735を4.5 %
 デゴルジュマン:2016年11月
 ドザージュ:1.5g/L
 価格:22,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
 ロースト香、りんごタルト、旨味、ビター感、3グラスの中で余韻は一番長め

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ジャクソンは収穫年の個性を尊重するスタイルですが、正直言って難しかったです。2008年VTが好きで、講座でもプライべートでもいろいろ体験していますが、キュヴェ736 (2008年VTがベースワイン) からVTを感じ取るには[ふらふら]
一方、ルイ・ロデレールは、メゾンの一貫性を尊重したブリュット・プルミエの進化系の要素があるので、今まで、体験してきたNVの味わいをグラスの中に感じ取ることができました。レカイヨンさんのお言葉に従い、ブリュット・プルミエを最低2年瓶熟させ、コレクションと比較試飲してみようと思っています。今後リリースされるコレクション243、コレクション244・・・がどんな感じなのか、とても楽しみです!

11月は、10月の講座に関連したアイテムを取り入れてみました。早めにまとめます!!

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