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再々延期で数カ月間 青山校のセラーで微睡んで(まどろんで)いたシャンパンたち [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

  無病息災を願う重陽の節句
  9月9日でしたね!

当たり前の日常が戻ることを願い、感染対策には十分に留意しつつ、コロナ終息を願っている私ですが、つい先日、「まがりなりにもコロナ収束」なる発言をしたマスク姿が全く様にならない某大臣にはあきれました[がく~(落胆した顔)]
そんな状況下、12日を期限にしていた緊急事態宣言が今月末まで延長になりました。


  再々延期になっていた講座
  今週 待機状態だった講座を実施することができました。

 4月下旬に緊急事態宣言が発令され、4月28日に行う予定だった第4週クラスが休講に!
 翌月に延期したものの、5月も宣言下で開講ままならず、6月30日に再々延期
 そして・・・今月8日、無事開催
 青山校のワインセラーで、の~んびり微睡んでいたシャンパンたちと再会できました!

     注目のアイテム
     4月の講座で供出したかったのがコレです!
     テタンジェが満を持してリリースしたトップ・キュヴェ
     コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008(2020年10月リリース)


 グラスにもフォーカス🥂
 右は講座で使用しているリーデルのリースリンググラス
 左は2021年3月24日にリーデル・ジャパンから発売されたドンペリニヨングラス
 ドン・ペリニヨン2010(2020年10月上旬リリース)をオリジナルグラスでチェック。これは、
 リシャール・ジェフロワ前最高醸造責任者とリーデルとのコラボで開発されたグラス


 5アイテムの選択理由
 ドリンクス・インターナショナル2021のリストからメゾンを選択
 ドン・ペリニヨンが2ランクアップして6位、テタンジェは1ランクアップして8位
 16もアップしたモエとポメリーの実力を再確認したくて、これら“5アイテム”を選択



 第1フライトでトップ・キュヴェを比較
 #1:ドン・ペリニヨン ヴィンテージ2010
 生産者:ドン・ペリニヨン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール/比率非公開
 価格:25,900円(税別)
 輸入元:MHDモエヘネシー ディアジオ

LVMHは世界売上ランキング第1位!
ドンペリは飲んだことがなくても名前だけは知っているという方は多いですよね。

2010年は寒い冬の後、春と夏の初めは涼しく乾燥した気候になり、8月と9月は降雨量も多く、湿度も高め。ボトリティス(灰色かび病)が発生し、ピノ・ノワールには影響が出ましたが、コート・デ・ブランのシャルドネの出来は素晴らしく「過去30年で最高」との評価も

9年間にわたる熟成期間を経て、調和の取れた第1のプレニチュード(熟成のピーク)に達しているシャンパンは、#2と比べて若干濃いゴールド。黄色い花や果実、マンゴー、ブリオッシュ、ナッツやカカオ似の香ばしさ。酸味は#2よりソフト。中盤以降広がるビター感。グラス内の温度が上がるにつれて、ロースト香が際立ち、旨味と重厚感を伴ってフィニッシュ。
ドンペリニヨンングラス(DP)で試すと、先のグラスで感じた個々の要素が、まとまり感を持って舌に乗ってくる印象。ゆえにビター感も抑えられ、素直に楽しめる気がしました(第3週講座で体験)

2021年5月、シャンパーニュ地方で、女性だけのグループ“La Transmission Femmes en Champagne”のお披露目があり、その折にも、DPを試してみました。ブログの後半に、番外編グラスに関する一考察と題した一文があるので参考にしていただけましたら幸いです。


日本で最もドンペリに精通しているワインジャーナリスト柳忠之さんは、2010のリリース直前、ヴァンサン・シャプロン最高醸造責任者とZoomで意見交換しています。
「糖度は過去10年で3番目に高く、酸度は2008年に次いで2番目に高い、素晴らしくバランスの優れたヴィンテージになった」とシャプロンさんは語っていたとのこと。まさに、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュBdeB2008と利き比べるには最適でした!!!


 右がコント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008
 シャルドネ100%とは思えないほどの深みのある色調

 #2:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008
 生産者:テタンジェ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:9g/L
 価格:30,000円(税別)
 輸入元:サッポロビール

2008年ヴィンテージとの最初の出会いは、輸入元サッポロビール招聘によるお披露目会でした。2020年10月27日のことです。和紙デザイナーの堀木エリ子さんとのコラボレーションで、その時はバカラのシャンパーニュグラスでサービスされました。奇しくも、その翌日、ワイン王国のシャンパーニュ特集120号のため、同社にお邪魔した折、コント・ド・シャンパーニュBdeB2008がリストにあったので、再度試すことができました。3回目は年が明けて、4月のシャンパン講座第3週。そして4回目は今月8日の第4週のクラスでした。この間に、テタンジェの実力をじっくり観察することができました。

1回目、2回目はデビューしたばかりの赤ちゃん状態でしたが、2008年ヴィンテージならではの“酸の存在感”は秀逸! シャンパンを構成している各要素は落ち着いていませんでしたが、多大なポテンシャルを感じました。半年経過して3回目にチャレンジ。この時は豊潤な果実味、凛としたミネラル感、層になって広がる旨味、フェノール由来のビターなニュアンス(これは時間の経過でワインに溶け込みスムーズに)に魅了されました。そして今回、第4週の講座メンバーとテイスティングした感想は、チボー4世ゆかりのシャルドネをメゾンの要にしているテタンジェの最高傑作の1つと確信しました。格調あるミネラル感、一本芯の通った上質な酸味、和食と合わせて楽しみたい塩味、すべてにおいて品格をまとった趣き。DPで試すと、凛とした酸味はまるくなり、果実の要素を顕著に感じます。


 第2フライト/メゾンの顔NVから個性を読み取る
 #3:モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアルNV
 生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール、ムニエ(各30~40%)、シャルドネ(20~30%)
 ドザージュ:9g/L
 価格:6,500円(税別)
 輸入元:MHDモエヘネシー ディアジオ

#1との共通項は、香ばしさ、余韻に残るホロ苦さ。発酵・醸造はステンレスのみ、リザーヴワインは20~30%使用、24ヵ月瓶内熟成、飲む時はキリリと冷やして!


 #4:ポメリー ブリュット・ロワイヤルNV
 生産者:ポメリー(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ34%、ピノ・ノワール33%、ムニエ33%
 ドザージュ:9~9.9g/L
 価格:6,800円(税別)
 輸入元:ヴランケン ポメリー

軽快でクリーミー、ストーンフルーツ(種の大きな果実)のニュアンス、果実味とフレッシュな酸味のナイスバランス。全体的にまるみがあり、黒ぶどう由来の旨味、酒質も良好。当日は女性講座生からの人気も高く、好感度がアップした印象。2017年から 最高醸造責任者が変わったことも要因!?


 中央がポメリー、3つのなかでは一番濃い色調、黒ぶどうの要素も感じます。

 #5:テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV
 生産者:テタンジェ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール+ムニエ60%
 ドザージュ:9g/L
 価格:6,908円(税別)
 輸入元:サッポロビール

#2との共通項は、石灰由来のピュアなミネラル、綺麗な酸味、若干のビター感。バランスが良く、スマートでエレガントな印象。美的センスのあるヴィタリー・テタンジェ女史が5代目当主になったのでシャンパン業界を大いに刺激して欲しい気分です!


               o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

           [NEW]シャンパーニュ地方の2021年の収穫情報
  出典:シャンパーニュ委員会日本事務局


          o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 今月で上半期の講座が終了します。私の大好きなヴィンテージを揃えて、
 第3週&第4週の皆さんをお迎えしたいと思っていますo○.。


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gillman

いつも思うんですが、スパークリングワインの瓶のデザインって、もちろん圧に耐えるということもあるんでしょうが、重厚な素晴らしいものが多いですね。
by gillman (2021-09-11 11:27) 

fumiko

gillmanさん、こんにちは。
シャンパーニュは5~6気圧あるのでスティルワインより瓶は厚くて重いのですが、近年、温暖化対策(CO2の排出等)としてボトルの軽減化も進んでいます。デザインはローラン・ペリエのトップ・キュヴェ『グラン・シエクル』のようにアンリ4世時代の瓶を開発したものや、細い鶴首(熟成が穏やかに進むことを考慮)タイプの優雅な瓶等、メゾンの誇りを感じさせるものが多いので、それもシャンパンの魅力になっています!
by fumiko (2021-09-13 13:11) 

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