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名醸造家 M.シャプティエが惚れ込んだシャンパンメゾン『ドゥヴォー』の魅力全開 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

        コート・デ・バール地区最大の協同組合ドゥヴォー
    1846年にジュール&オーガスト・ドゥヴォー兄弟がエペルネにメゾンを設立
    3世代にわたり、精力的な活動を続けていましたが、
    いずれの代も、残された未亡人(Veuve ヴーヴ)が活躍!
    1987年、ジャンポル・オーギュスト・ドゥヴォーに跡継ぎがいなかった為、
    協同組合ユニオン・オーボワーズ
    現グループ・ヴィニコール・シャンパーニュ・ドゥヴォーにブランドを譲渡


 画像提供:国分グループ本社(株)
 ドゥヴォーの拠点はコート・デ・バール地区バール・シュル・セーヌ、栽培面積は850㌶


  トップキュヴェ『ステノペ』のフォイルのトップ部分
  ステノペはコート・デュ・ローヌ地方のM.シャプティエとのコラボシャンパーニュ
  両社はレ・リセー村に畑を共同購入して、プロジェクトを開始しました!


                ピンホールカメラ
            ステノペは“ピンホールカメラ”の意味
 そのこころは・・・毎年のヴィンテージを表現する特別なキュヴェ“Cuvée Spéciale”


 シャンパーニュのラインナップ
 この他に「コトー・シャンプノワ」も生産しています。
 輸入元国分グループ本社(株) からご尽力いただき、ドゥヴォーを徹底探求できました。
 講座後の質問にも迅速にご対応いただき感謝しております、ありがとうございました!

 上質なミネラルの洗礼を受け、コロナ渦中、心身ともに浄化された気分です[わーい(嬉しい顔)]


 第1フライトはトップレンジからスタート
 #1:ドゥヴォー ステノペ2011/生産量6,387本
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:非公開
 ドザージュ:非公開
 価格:33,000円(税別)

ステノペ2011は昨年10月、ワイン王国No120の特集『シャンパーニュへの旅』のテイスターとして参加した時に試飲しました。品種やドザージュは非公開なので推測するしかなかったのですが、2011年はシャルドネのできが良かったので、ピノを重視するドゥヴォーでも、このVTは白ぶどうの比率が多いのでは・・・と思いました。
あれから、10カ月余りが過ぎて再試飲したステノペは瓶熟の状態も良好、ミネラル感が際立ち、シャプティエ好みと再認識しました。

香りのインパクト大! 熟した黄桃やアプリコット、ドライフルーツ、果実のコンポート、ヘーゼルナッツやアーモンド、香ばしさと最初から最後まで一貫して続くミネラル感、そしてビターな印象も。グラス内の温度変化(冷蔵庫温度8度から16度位まで)を1時間以上かけてチェック。層になって広がる様々な香りと味わい、気泡が落着いてきた後半は上質な白ワインのイメージ、酒質が本当に綺麗です!


 #2:ドゥヴォー D ミレジメ2008
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN50%、CH50%
 ドザージュ:約6g/L
 価格:13,000円(税別)

#1より少しだけ濃い色調、気泡は繊細で緻密、凛としたミネラル、蜂蜜や蜜を含んだ花の香り、ロースト香やスパイス。2008年ならではの酸味の存在も好印象。バランスが良く、今飲んでも、十数年後に飲んでも楽しめるお薦めのアイテム。第3週&第4週の講座生から圧倒的な支持を得ていたのが#2でした。



2009年3月、ザ・ペニンシュラ東京『ヘイフンテラス』でシャプティエ独占インタビューのチャンスがありました。彼は自他ともに認めるシャンパーニュラバーであり、本拠地タン・エルミタージュのメゾンには、お気に入りのシャンパンがストックされています。ヘイフンテラスの時はテタンジェ『コント・ド・シャンパーニュ』(当時の輸入元は日本リカー)が供出されました。そんなシャプティエが「コラボ相手に何故ドゥヴォーを選んだのか?」、その答えが今講座で理解できました。
1991年から自社畑にビオディナミを導入し、テロワール重視の醸造家として名を馳せるシャプティエと、コート・デ・バールのテロワールをメゾンの誇りとし、それを製品に反映させているドゥヴォー、必然的な繋がりですね!



 第2フライトはコート・デ・バールのPNにフォーカス
 #3:ドゥヴォー ロゼ・デ・リセー2014新製品
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN100%/コート・デ・バール地区レ・リセー村
 小容量のステンレスタンクで発酵、その後MLF
 25%のぶどうは足踏みでプレスし、短時間のマセラシオン
 価格:9,000円(税別)

ルビーやグリオットチェリーのような赤ワインに近い色調。香りは軽快、赤系果実が詰まったバスケット、ピンクペッパーや甘草。タンニンは柔らか、酸味は穏やか、ミネラル感もあり、舌触りはソフト。

  リセー村にある自社畑の厳選した区画の樹齢15~45年のピノ・ノワールを使用。
 生産量が少ない希少アイテム、これは913番目のボトル


 #4:ドゥヴォー クール・デ・バールNV
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN100%/コート・デ・バール地区
 (20年にわたり環境に配慮した畑のぶどう、オーガニックの区画も含む)
 リザーヴワイン:オークの大樽で熟成させたものを20%使用
 ドザージュ:8g/L
 価格: 9,000円(税別)

色調はベージュを帯びたゴールド、フレッシュ感があり、最初に口中に泡の刺激、気泡自体はワインに馴染みスムーズ。第一印象は黒ぶどう由来の力強さ、果実の旨味と厚味、木の実や香ばしさ。中盤から終盤にかけてビター感。コート・デ・バール地区最大のメゾンの自負を感じさせるアイテム

 レ・リセー村の自社畑のピノ・ノワールの味わいを確認。
 ロゼ・デ・リセーとブラン・ド・ノワールの両ピノ・ノワールを利き酒できたことで、
 ドゥヴォー好みの黒ぶどうが見えました。豊潤かつエレガントなスタイル!


 第3フライトはコレクションDシリーズ
 メゾンのこだわりが凝縮しているコレクションDシリーズ
 ソレラシステムで保管しているリザーブワイン(1995年~2011年)を使用
参考ドゥヴォーは1992年からリザーヴワイン用に10基のフードルを導入。うち1つは2002年からソレラシステムに使用、毎年30%を入れ替え、継ぎ足ししている。この他、1995年からステンレスタンクでもソレラシステムを採用


 #5:ドゥヴォー キュヴェD
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN55%、CH45%
 発酵:ステンレスタンクとシャンパーニュ産の樽25%(うち10%は300㍑で8~9ヵ月)
 ドザージュ:約7g/L
 価格:9,000円(税別)

色調はゴールドイエロー、白い花や白胡椒、ブリオッシュの香り、ふくらみのある味わいで舌触りはきめ細かくクリーミー。シェフ・ド・カーヴ 一押しのマリアージュは夏に搾乳したコンテ!


 #6:ドゥヴォー ウルトラD
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN55%、CH45%
 リザーヴワインの比率は35%、一部MLF
 ドザージュ:約3g/L(エキストラ・ブリュット)
 価格:10,000円(税別)

色調はゴールドイエロー、快活でフレッシュ、白い花、ミネラル、塩味、ヨード、香ばしさと若干ビターなニュアンス。キュヴェDにはコンテがお薦めとのことなので、私的にはヨードの要素に相乗させるべく、フルムダンベールに海苔を巻いてチャレンジしたい気分!


 #7:ドゥヴォー D ロゼ
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN55%、CH45% /うちPNを10%ブレンド
 ステンレス製の大樽でアルコール発酵させた後、一部MLF
 ドザージュ:約6g/L
 価格:11,000円(税込)

色調はアプリコットサーモンピンク、芳醇でフルーティー、ラズベリーやアプリコット、全体にまるみがあり、酸味も強すぎることなく素直な印象、ロゼを飲み慣れていない人にも薦めやすいアイテム


 
 第3フライトはすべてぶどう品種(PN55%、CH45%)の比率は同じ
 講座生を惑わせていたのが、#5#6のドザージュ量4gの違いでした。
 シャンパンを飲み慣れている人ほど、キュヴェDのほうをドライと感じたようです。

 ワイン王国誌上に、ドゥヴォーの現地取材をしたボーヌ在住の熊田有希子さんが、
「ドゥヴォーは所有畑850㌶のうち、選別された100㌶をコレクション用の畑にしている。
 メゾンには数多くの選択肢があり、様々なテクニックを組み合わせることで、幅広く、
 複雑なアロマを生み出し、清涼感と熟成感のバランスを保っている」と書いています。

 キュヴェDは、10%の樽発酵を行い、5年以上の長熟でも、清涼感を損なわないように、
 倉庫の温度を12度に設定し、MLFをさせないようにしているとの記述もありました。
 MLFのかけ方も微妙に異なるDシリーズ、その塩梅が講座生を混乱させたようです。

 前述の熊田女史が「ぶどう品種や樹齢を料理でいう素材に例えるなら、
 ドゥヴォーは無限のレシピを持っているといえよう」とコメントしているように、
 メゾン勤続30年のシェフ・ド・カーヴ、ミッシェル・パリゾさんが、
 メゾンの顔“Dシリーズ”に並々ならぬ愛を注いでいることがよくわかりました。
 ここは講座生と研修ツアーで訪問してみたいメゾンです!!


 点字導入の先駆者シャプティエ
 1995年から点字ラベルを採用したM.シャプティエ
 友人に盲目の音楽家がいらしたことがきっかけだったと伺いました。
 ステノペは白と黒を基調にしたスタイリッシュなパッケージ、点字表記わかりますね
 このボトルは限定生産6387本中1646番目になります。
 今期参加のブログ仲間Hakoさんのリポートもご覧ください!


 ドゥヴォーに関するお問い合わせは国分グループ本社 (株)03-3276-4125 (代表)


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 味覚受容体TAS2R38とコロナウイルスの関係
 
8月18日、ちょうど第3週のシャンパーニュ講座直前に、ワイン専門商社(株)Firadisからワインのスーパー・テイスターとコロナウイルス耐性(記事の内容はFiradisの翻案であり、文責はすべて同社に帰属)と題する興味深いワインニュースが届きました。
「苦みを知覚する受容体TAS2R38が活発化すると、繊毛の動きや粘液の分泌が増加し、さらには、一酸化窒素を放出するので、コロナウイルスを発症させるスパイクタンパク質の活動を抑える働きがある。ゆえに敏感な味覚を持つスーパー・テイスターはTAS2R38の働きで、コロナウイルスに対する自然耐性がある」との内容でした。
さてさて、皆さまは、コーヒーやブロッコリー、ピノ・ブランを口にした時、苦みをしっかりキャッチできていますか?


NHK文化文化センター青山校の秋期講座の募集開始は9月1日からです。
感染対策には、今まで以上の配慮をしながら、2クラス体制で進めてまいります。
10月からのシャンパーニュ講座も、引き続き、宜しくお願いいたします!!

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