クチーナ チロレーゼ『三輪亭』&資生堂パーラー『ザ・ハラジュク』で南チロルのワイン『バロン・ロンゴ』の相性探求 [ワイン]
2月にワインのこころでイタリア南チロルのバロン・ロンゴの白ワインを紹介しました。
そのなかで、日本で唯一の南チロル料理専門店三輪亭の三輪学オーナーシェフと、日本で最もバロン・ロンゴのワインに精通している資生堂パーラー ザ・ハラジュク店長の本多康志ソムリエについて触れました。そこで今回は、バロン・ロンゴのさらなる魅力を探るため、両店を訪問し、バロン・ロンゴの実践編をしてきました。
以下、三輪さんと本多さんとのバロン・ロンゴ時間のリポート、長文ですが、お付き合いの程、宜しくお願いいたします!
南チロルの郷土料理に恋した三輪学シェフ
世田谷線でもSDGs TRAINに乗車!
三輪亭は三軒茶屋から世田谷線で山下駅(豪徳寺)下車、徒歩5分程の場所にあります。
画像データ:三輪亭HPより
三輪シェフが肉料理にのめり込んで研鑽を積んだ場所が、イタリア最北部のアルト・アディジェ(=南チロル)でした。海から離れているので、魚料理はほとんどありません。その代わりに、乳製品や肉の加工品がたくさんあります。シェフは「南チロルの料理はドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアの4か国の影響を受けて成立したと思っています」と語っています。
前菜の盛り合わせ×ズィッヒルブルク ソラリス2018
“太陽”を意味するソラリスは害虫や耐病に強い交配品種です。
スターターのワインとしてはまさに適役。第一印象はソーヴィニヨン・ブラン似で、白い花や白系果実、味わいには柑橘系果実のニュアンスを感じました。個性の異なる4種の前菜に自然体で寄り添ってくれるワインです。
ハムとチーズを盛り合わせた“マレンデ”
南チロルを代表するハムとチーズ×ホーヘンシュタイン ゲヴュルツトラミネール2017
自家製ハムやサラミは三輪シェフの人柄が伝わってくる素直な味わい、丁寧な造りを感じます。南チロルのリストランテ『Pichier ピクレル』でハンシ・バウムガートナー当主(お店は閉め、今はチーズ熟成士として活躍)の最後の教え子だった三輪シェフは、肉料理、加工肉やチーズの指導を受け、その技を東京のお店で披露しています。チロルの思い出のこれらの盛り合わせですが、三輪シェフによると、最初からこのようなスタイルだった訳ではなく、一品一品増やしていって、現在のような形になったとのこと。
マリアージュ的に興味深かったのは、画像右端のブルーチーズ! モスカート、ゲヴュルツトラミネール、ノジオラ(白ぶどう)の搾りかすで熟成させた “ゴールデンゲル”です。合わせたワインが樽使用のゲヴュルツだったので、相乗効果十分、嬉しいマリアージュでした。
そして・・・極め付きのチーズがゴールデンゲルの隣にある“ミワ”です。熟成士ハンシ氏が三輪シェフの結婚式の為に来日した折、持ち帰ったワカメが、彼の創作心に火をつけ、ドイツの『Deichkase (海に囲まれた島の洞くつで熟成させたチーズ)』にワカメを巻いて熟成・完成。三輪亭のスペシャリテで、ハンシ氏と三輪シェフの師弟愛を感じる味わいです。
ワインはゲヴュルツトラミネール100%
豊潤で、香りには特徴香のライチ、南国フルーツやエキゾチックフルーツ、酸味も程よく、バランスが取れたワイン。バロン・ロンゴは樽使用と樽無使用の2タイプを生産していますが、これは前者。中盤からの酸の広がりは心地良く、余韻も長く残りました。
木皿に載せた様々な郷土パンの盛り合わせ
私にとって南チロルは未踏の地ですが、隣国のオーストリアは何度か訪問しています。交流会やパーティ会場で良く出てくる加工肉やパンには共通項があり、親近感大!
三輪シェフも気に入っているというゲヴュルツトラミネール
エスニック料理やパクチーを使ったお料理にも合いますよ!
赤と白の色どりも綺麗なひとさら
ビーツのカネーデルリ 白いチーズソース
食感が嬉しい逸品!
プチプチ感は大麦、サクサク感はホワイトアスパラ、これぞ大麦のオルツォット
対馬産猪すね肉のグーラッシュ×フレイドべルク ラグレイン2017
「ある程度食感を残して仕上げるのがポイント」とシェフ、三輪亭を代表する肉料理
source:(C) Vini Alto Adige
アルト・アディジェはイタリアで最も小さなワイン産地のひとつで、生産比率は赤ワイン38%、白ワイン62%の割合です。ラグレインは赤ワインの品種のなかで3番目で、現地では“ベルベットのスーツを着たアルト・アディジェの貴族”と形容されています。
バロン・ロンゴのフレイドべルク ラグレイン2017は、発酵・熟成とも木樽で行い、フレンチオークの小樽(3分の2)、500㍑の大樽(3分の1)を併用しています。深みのある色調で、形容通りの滑らかな食感。舌の上に広がる旨味が浸み込んだ猪肉の脂分をまるみのあるタンニンが洗い流してくれる印象です。
デザートの逸品
温かなリコッタチーズのカネーデルリ
オレンジ色のソースは杏ソース、赤いソースは木いちごソース
思わず笑顔になってしまうひとさら
三輪学シェフ
三輪学さんは東京農工大学工学部で物理を専攻し、将来はエンジニアか教育関係の仕事に就こうと考えていましたが、大学在学中に飲食業のアルバイトをしていて、食の世界を“天職”と直感。2年生の時に、62歳という年齢で他界してしまった父親の死に直面し、「自分も短命であるなら、目標に向かって突き進もう。今できることを全力でやろう!」と強く思い、大学に通いながら飲食業に方向転換することを決意します。学業を終え、その後、本格的なイタリアンで働くことになりますが、調理師学校とは無縁の人生だったので、料理修行に関しては0からスタートでした。
三輪シェフとは過去に2度お目にかかっていますが、今回のバロン・ロンゴの件で再訪し、新たな視点でシェフの洞察力、料理への切り込み方を、リサーチすることができました。業界のなかでは異質の理系シェフ、論理的な考え方にも納得できました。
世田谷・豪徳寺の住宅街に位置するクチーナ チロレーゼ『三輪亭』は、日本でオンリーワンの南チロル専門店で、人気のスポットになっています。今回、三輪亭で、3種のワインをテイスティングしましたが、すべて単一ぶどう100%のタイプ。Vini Alto Adigeは、公式サイトで、「自分たちのワインは流行のワインではなく、独自の個性を持ったワイン」と書いています。
三輪シェフのお料理にも、バロン・ロンゴのワインにも、自我を押し付ける要素は皆無。双方に共通する“人間性”もありますが、来る人を優しく迎い入れてくれる安心感があります。その点が、長く人を引き付けている魅力だと感じました。
ワインラバーの皆さんには、三輪亭でバロン・ロングのワインとの相性を愉しんでいただきたいと思っています。
🍷 🍷 🍷 🍷 🍷
資生堂パーラー ザ・ハラジュクでの体験
視覚と味覚で魅了されたお花畑のような創彩
ワインはシュッターシュタイン ピノ・ビアンコ2018
ワイナリー視察のみならず、Vinitalyの開催時にはブースを訪れ、アントン当主と親しく交流。バロン・ロンゴのワインを数多くテイスティングしている本多康志ソムリエが口開けワインとして薦めてくださったのがピノ・ビアンコでした。
「アルト・アディジェのなかでも南のエリアで産するピノ・ビアンコが好きです。柔らかさがあり、輪郭がはっきりしていない部分が、却って、汎用性が高いと思っています。どのような料理にでも寄り添ってくれるので無理なく合わせられます。また、Alcも低いので、体に負担がかからない “みずみずしさ”があります」と本多ソムリエ。
樽熟成させずにステンレスタンクのみで造られたワインながら、口中では熟したニュアンス。カルパッチョやオリーヴオイルとの馴染み感が好印象。一歩引いた印象で、極めて日本的。気が付かないうちにボトルが空いていた、そんな感じの心地良いワインです!
本多式抜栓法⁈
リーべンシュタイン キュヴェ・ブラン2017
ワインのこころで紹介させていただいたアイテムです!
キャップシュールはロウ栓のように見える Shellac(シェラック)というリサイクル可能な素材。私はロウ栓を抜栓するのと同様に、ソムリエナイフをキャップのトップからまっすぐに差し込んで抜きましたが、なんと、本多ソムリエは画像にあるようにキャップシュールに切れ目を入れ、丸ごと抜栓、お見事です!!
本来のメニューは牡蠣、私は帆立に変更願い!
ワインはシャルドネとピノ・ビアンコのブレンドで、白い花や白系果実や白胡椒、塩味も感じます。クリーミーさと帆立のふっくらした食感が上品なマリアージュになりました。
ヴェレンベルク カベルネ・ソーヴィニヨン&メルローキュヴェ2017
日本で一番バロン・ロンゴのワインに精通している本多ソムリエ
ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョン80%、メルロー20%
樹齢60年、丁寧にプレスして発酵させますが、野生酵母を使用。
熟成は225㍑のフレンチオーク(樽熟20ヶ月)
第一香はニューワールド的なニュアンス
赤系果実のアロマ豊かで、やさしい甘味、樽由来のヴァニラやカカオ
無駄なパワフルさがなく、良い意味で抑制されたワイン
JET カップの優勝者の動きは実にスマート
目からウロコの体験
ポットで登場したのが資生堂パーラー伝統のコンソメ
きのこの旨味も
バロン・ロンゴの最大の理解者 本多ソムリエが薦める絶品の組み合わせがコレです!
本多さんは「カベルネ主体のワインでもタンニンがシルキー(タンニンが粗いとバランスを崩す)で、コンソメのなかのきのこの良さも引き出してくれる陰影を備えた冷涼感のあるカベルネ・ソーヴィ二ヨンなので、その全体的な繊細さが、余分な脂分がない旨味ベースのコンソメと合せた時に、お肉料理としての満足感を与えることができると思っています」とコメント。
納得のマリアージュ、さすがです!
フォン・ド・ボーのソース、手前は田舎みそ
締めのひとさらは・・・カレー
資生堂パーラーの伝統的な逸品、粘性のあるタイプ!
付け合わせは福神漬けと自家製のたまねぎの2種
サラダ油・醤油・酢をマックス12時間かけて仕上げたたまねぎ
素直に嬉しい季節のいちごパフェ
ワインは供出順右から
✥シュッターシュタイン ピノ・ビアンコ2018
✥リーべンシュタイン キュヴェ・ブラン2017
✥ヴェレンベルク カベルネ・ソーヴィニヨン&メルローキュヴェ2017
ワゴンから自由にチョイスできるデザート、私は4種で我慢(笑)
本多康志店長兼ソムリエ
本多さんは1974 年生まれ。1995 年に専門学校を卒業後、『レストラン ラ・ティグレ』に調理担当として入社。その後、都内レストラン各店勤務を経て、2000 年『資生堂パーラー』に入社。2001年に開業した『レストラン ファロ資生堂』のシェフソムリエとして活躍後、 昨年6月に原宿にオープンした『資生堂パーラー ザ・ハラジュク』の店長に就任、現在に至っています。2009年 日欧商事主催の第3 回JETCUP イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクールの優勝者です!
アントン・ロンゴ男爵に感謝を込めて!
アントン当主からのご丁寧なお手紙とショコラ
イタリア南チロルの郷土料理に惚れ込み、その味わいを東京で発信している三輪シェフ
イタリアワインの魅力を多くのワインラバーに発信している本多ソムリエ
バロン・ロンゴを媒体にして、おふたりから様々な情報を得ることができました。
アントンさんとは未だ面識がありませんが、本多店長が語る「ニコラス・ケイジ似、
握手をする時の究極のソフトタッチ」には興味津々です。
コロナ終息後のお目文字を心待ちにしています。
アントン・ロンゴ男爵のご配慮に感謝です、ありがとうございました!
日本でバロン・ロンゴのファンが増えることを願っております!!
そのなかで、日本で唯一の南チロル料理専門店三輪亭の三輪学オーナーシェフと、日本で最もバロン・ロンゴのワインに精通している資生堂パーラー ザ・ハラジュク店長の本多康志ソムリエについて触れました。そこで今回は、バロン・ロンゴのさらなる魅力を探るため、両店を訪問し、バロン・ロンゴの実践編をしてきました。
以下、三輪さんと本多さんとのバロン・ロンゴ時間のリポート、長文ですが、お付き合いの程、宜しくお願いいたします!
南チロルの郷土料理に恋した三輪学シェフ
世田谷線でもSDGs TRAINに乗車!
三輪亭は三軒茶屋から世田谷線で山下駅(豪徳寺)下車、徒歩5分程の場所にあります。
画像データ:三輪亭HPより
三輪シェフが肉料理にのめり込んで研鑽を積んだ場所が、イタリア最北部のアルト・アディジェ(=南チロル)でした。海から離れているので、魚料理はほとんどありません。その代わりに、乳製品や肉の加工品がたくさんあります。シェフは「南チロルの料理はドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアの4か国の影響を受けて成立したと思っています」と語っています。
前菜の盛り合わせ×ズィッヒルブルク ソラリス2018
“太陽”を意味するソラリスは害虫や耐病に強い交配品種です。
スターターのワインとしてはまさに適役。第一印象はソーヴィニヨン・ブラン似で、白い花や白系果実、味わいには柑橘系果実のニュアンスを感じました。個性の異なる4種の前菜に自然体で寄り添ってくれるワインです。
ハムとチーズを盛り合わせた“マレンデ”
南チロルを代表するハムとチーズ×ホーヘンシュタイン ゲヴュルツトラミネール2017
自家製ハムやサラミは三輪シェフの人柄が伝わってくる素直な味わい、丁寧な造りを感じます。南チロルのリストランテ『Pichier ピクレル』でハンシ・バウムガートナー当主(お店は閉め、今はチーズ熟成士として活躍)の最後の教え子だった三輪シェフは、肉料理、加工肉やチーズの指導を受け、その技を東京のお店で披露しています。チロルの思い出のこれらの盛り合わせですが、三輪シェフによると、最初からこのようなスタイルだった訳ではなく、一品一品増やしていって、現在のような形になったとのこと。
マリアージュ的に興味深かったのは、画像右端のブルーチーズ! モスカート、ゲヴュルツトラミネール、ノジオラ(白ぶどう)の搾りかすで熟成させた “ゴールデンゲル”です。合わせたワインが樽使用のゲヴュルツだったので、相乗効果十分、嬉しいマリアージュでした。
そして・・・極め付きのチーズがゴールデンゲルの隣にある“ミワ”です。熟成士ハンシ氏が三輪シェフの結婚式の為に来日した折、持ち帰ったワカメが、彼の創作心に火をつけ、ドイツの『Deichkase (海に囲まれた島の洞くつで熟成させたチーズ)』にワカメを巻いて熟成・完成。三輪亭のスペシャリテで、ハンシ氏と三輪シェフの師弟愛を感じる味わいです。
ワインはゲヴュルツトラミネール100%
豊潤で、香りには特徴香のライチ、南国フルーツやエキゾチックフルーツ、酸味も程よく、バランスが取れたワイン。バロン・ロンゴは樽使用と樽無使用の2タイプを生産していますが、これは前者。中盤からの酸の広がりは心地良く、余韻も長く残りました。
木皿に載せた様々な郷土パンの盛り合わせ
私にとって南チロルは未踏の地ですが、隣国のオーストリアは何度か訪問しています。交流会やパーティ会場で良く出てくる加工肉やパンには共通項があり、親近感大!
三輪シェフも気に入っているというゲヴュルツトラミネール
エスニック料理やパクチーを使ったお料理にも合いますよ!
赤と白の色どりも綺麗なひとさら
ビーツのカネーデルリ 白いチーズソース
食感が嬉しい逸品!
プチプチ感は大麦、サクサク感はホワイトアスパラ、これぞ大麦のオルツォット
対馬産猪すね肉のグーラッシュ×フレイドべルク ラグレイン2017
「ある程度食感を残して仕上げるのがポイント」とシェフ、三輪亭を代表する肉料理
source:(C) Vini Alto Adige
アルト・アディジェはイタリアで最も小さなワイン産地のひとつで、生産比率は赤ワイン38%、白ワイン62%の割合です。ラグレインは赤ワインの品種のなかで3番目で、現地では“ベルベットのスーツを着たアルト・アディジェの貴族”と形容されています。
バロン・ロンゴのフレイドべルク ラグレイン2017は、発酵・熟成とも木樽で行い、フレンチオークの小樽(3分の2)、500㍑の大樽(3分の1)を併用しています。深みのある色調で、形容通りの滑らかな食感。舌の上に広がる旨味が浸み込んだ猪肉の脂分をまるみのあるタンニンが洗い流してくれる印象です。
デザートの逸品
温かなリコッタチーズのカネーデルリ
オレンジ色のソースは杏ソース、赤いソースは木いちごソース
思わず笑顔になってしまうひとさら
三輪学シェフ
三輪学さんは東京農工大学工学部で物理を専攻し、将来はエンジニアか教育関係の仕事に就こうと考えていましたが、大学在学中に飲食業のアルバイトをしていて、食の世界を“天職”と直感。2年生の時に、62歳という年齢で他界してしまった父親の死に直面し、「自分も短命であるなら、目標に向かって突き進もう。今できることを全力でやろう!」と強く思い、大学に通いながら飲食業に方向転換することを決意します。学業を終え、その後、本格的なイタリアンで働くことになりますが、調理師学校とは無縁の人生だったので、料理修行に関しては0からスタートでした。
三輪シェフとは過去に2度お目にかかっていますが、今回のバロン・ロンゴの件で再訪し、新たな視点でシェフの洞察力、料理への切り込み方を、リサーチすることができました。業界のなかでは異質の理系シェフ、論理的な考え方にも納得できました。
世田谷・豪徳寺の住宅街に位置するクチーナ チロレーゼ『三輪亭』は、日本でオンリーワンの南チロル専門店で、人気のスポットになっています。今回、三輪亭で、3種のワインをテイスティングしましたが、すべて単一ぶどう100%のタイプ。Vini Alto Adigeは、公式サイトで、「自分たちのワインは流行のワインではなく、独自の個性を持ったワイン」と書いています。
三輪シェフのお料理にも、バロン・ロンゴのワインにも、自我を押し付ける要素は皆無。双方に共通する“人間性”もありますが、来る人を優しく迎い入れてくれる安心感があります。その点が、長く人を引き付けている魅力だと感じました。
ワインラバーの皆さんには、三輪亭でバロン・ロングのワインとの相性を愉しんでいただきたいと思っています。
🍷 🍷 🍷 🍷 🍷
資生堂パーラー ザ・ハラジュクでの体験
視覚と味覚で魅了されたお花畑のような創彩
ワインはシュッターシュタイン ピノ・ビアンコ2018
ワイナリー視察のみならず、Vinitalyの開催時にはブースを訪れ、アントン当主と親しく交流。バロン・ロンゴのワインを数多くテイスティングしている本多康志ソムリエが口開けワインとして薦めてくださったのがピノ・ビアンコでした。
「アルト・アディジェのなかでも南のエリアで産するピノ・ビアンコが好きです。柔らかさがあり、輪郭がはっきりしていない部分が、却って、汎用性が高いと思っています。どのような料理にでも寄り添ってくれるので無理なく合わせられます。また、Alcも低いので、体に負担がかからない “みずみずしさ”があります」と本多ソムリエ。
樽熟成させずにステンレスタンクのみで造られたワインながら、口中では熟したニュアンス。カルパッチョやオリーヴオイルとの馴染み感が好印象。一歩引いた印象で、極めて日本的。気が付かないうちにボトルが空いていた、そんな感じの心地良いワインです!
本多式抜栓法⁈
リーべンシュタイン キュヴェ・ブラン2017
ワインのこころで紹介させていただいたアイテムです!
キャップシュールはロウ栓のように見える Shellac(シェラック)というリサイクル可能な素材。私はロウ栓を抜栓するのと同様に、ソムリエナイフをキャップのトップからまっすぐに差し込んで抜きましたが、なんと、本多ソムリエは画像にあるようにキャップシュールに切れ目を入れ、丸ごと抜栓、お見事です!!
本来のメニューは牡蠣、私は帆立に変更願い!
ワインはシャルドネとピノ・ビアンコのブレンドで、白い花や白系果実や白胡椒、塩味も感じます。クリーミーさと帆立のふっくらした食感が上品なマリアージュになりました。
ヴェレンベルク カベルネ・ソーヴィニヨン&メルローキュヴェ2017
日本で一番バロン・ロンゴのワインに精通している本多ソムリエ
ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョン80%、メルロー20%
樹齢60年、丁寧にプレスして発酵させますが、野生酵母を使用。
熟成は225㍑のフレンチオーク(樽熟20ヶ月)
第一香はニューワールド的なニュアンス
赤系果実のアロマ豊かで、やさしい甘味、樽由来のヴァニラやカカオ
無駄なパワフルさがなく、良い意味で抑制されたワイン
JET カップの優勝者の動きは実にスマート
目からウロコの体験
ポットで登場したのが資生堂パーラー伝統のコンソメ
きのこの旨味も
バロン・ロンゴの最大の理解者 本多ソムリエが薦める絶品の組み合わせがコレです!
本多さんは「カベルネ主体のワインでもタンニンがシルキー(タンニンが粗いとバランスを崩す)で、コンソメのなかのきのこの良さも引き出してくれる陰影を備えた冷涼感のあるカベルネ・ソーヴィ二ヨンなので、その全体的な繊細さが、余分な脂分がない旨味ベースのコンソメと合せた時に、お肉料理としての満足感を与えることができると思っています」とコメント。
納得のマリアージュ、さすがです!
フォン・ド・ボーのソース、手前は田舎みそ
締めのひとさらは・・・カレー
資生堂パーラーの伝統的な逸品、粘性のあるタイプ!
付け合わせは福神漬けと自家製のたまねぎの2種
サラダ油・醤油・酢をマックス12時間かけて仕上げたたまねぎ
素直に嬉しい季節のいちごパフェ
ワインは供出順右から
✥シュッターシュタイン ピノ・ビアンコ2018
✥リーべンシュタイン キュヴェ・ブラン2017
✥ヴェレンベルク カベルネ・ソーヴィニヨン&メルローキュヴェ2017
ワゴンから自由にチョイスできるデザート、私は4種で我慢(笑)
本多康志店長兼ソムリエ
本多さんは1974 年生まれ。1995 年に専門学校を卒業後、『レストラン ラ・ティグレ』に調理担当として入社。その後、都内レストラン各店勤務を経て、2000 年『資生堂パーラー』に入社。2001年に開業した『レストラン ファロ資生堂』のシェフソムリエとして活躍後、 昨年6月に原宿にオープンした『資生堂パーラー ザ・ハラジュク』の店長に就任、現在に至っています。2009年 日欧商事主催の第3 回JETCUP イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクールの優勝者です!
アントン・ロンゴ男爵に感謝を込めて!
アントン当主からのご丁寧なお手紙とショコラ
イタリア南チロルの郷土料理に惚れ込み、その味わいを東京で発信している三輪シェフ
イタリアワインの魅力を多くのワインラバーに発信している本多ソムリエ
バロン・ロンゴを媒体にして、おふたりから様々な情報を得ることができました。
アントンさんとは未だ面識がありませんが、本多店長が語る「ニコラス・ケイジ似、
握手をする時の究極のソフトタッチ」には興味津々です。
コロナ終息後のお目文字を心待ちにしています。
アントン・ロンゴ男爵のご配慮に感謝です、ありがとうございました!
日本でバロン・ロンゴのファンが増えることを願っております!!
2021-04-01 23:53
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