塩辛でワインの“酸化”具合をチェック! [ワイン]
前回のブログでは、農学博士の渡辺正澄先生から伝授されたチョコと赤ワインと塩辛の関係を報告させていただきました。今回は・・・
塩辛でワインの酸化をチェックする方法、これも渡辺先生直伝です!
15年前、渡辺先生が行っている『ワイン総合研究所』で酒販店主対象の講習に入れていただき、「塩辛体験」をしたのですが、本当に強烈な時間でした。
やり方は、1㎝ほどにカットした塩辛を用意し、グラスに注がれた何種類ものワインを試飲していきます。この時、塩辛を口に含んだら、すぐにワインも口中に入れて合わせます。
「ワインを口にした瞬間、なまぐさ臭が消えればワインは酸化していないと判定できる」と先生。赤&白ともに分析できますが、口中で消える生臭さの速度が“ポイント”です。
還元力のあるワインは魚介類の代表的な臭みトリメチルアミンを消去してしまいます。ゆえに、生臭さの残り方=酸化 という判断ができるとのことでした。
私は後日、ドメーヌ・ペランの『ぺラン・レゼルヴ・ブラン2001』で試してみたのですが、何事もなかったように、一瞬で口中の臭みが消えました。
さすがペラン、還元力のあるワインだと痛感しました!
2016年にはフィリポナで
食に精通するシャンパンメゾン、フィリポナ当主お薦めの相性は、
なんと“フィリポナ ロワイヤル レゼルヴ ノン・ドゼNV(右のボトル)と塩辛”
シャンパン講座で試してみましたが、講座生も納得の相性でした!
フィリポナではNVにソレラシステム※で保存しているリザーヴワインを使っています。大きいものでは2500㍑、画像のフードルは1500㍑。酸化しないようにするために、きっちり収まる様々な容量(228㍑、600㍑)も使用しています。
※スペインの酒精強化ワイン。シェリーの製法。3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古くなり、最下部は床(スエロ)近くにあるのでソレラと呼ばれている。シェリーを造る時、ソレラ(最下段)から適量のワインを抜き取り、その空き部分には上部の樽からのワインを補充。順次、上の樽から下の樽に補填していくシステムなので、ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。
直近では南チロルの白ワインで
今年2月に塩辛体験したワインは、先日、ワインのこころで紹介したイタリアの南チロルにある『バロン・ロンゴ リーベンシュタイン キュヴェ・ブラン2017』でした。2~3日続けて実験してみたのですが、本当にフレッシュ、素晴らしい還元力でした!
生臭さを消すワイン
先生の名著『ワイン常識がガラリと変わる本』にある一節を以下に抜粋させていただきました。わかりやすい説明なので、なまぐさ臭が消える理由がおわかりいただけると思います。
~なまぐさ臭は、微生物の自己消化物だけでなく、樽熟させない白ワインより、樽熟させて樽中から抽出されたポリフェノールなどの渋味によっても消失される。例えば、オーストラリアやブルゴーニュの樽熟をゆっくりさせた白ワインによっても消されやすい。また、樽熟以外でもアルコール発酵時にスキンコンタクトをさせて、果皮や種子から抽出される渋味のある赤ワインはもちろん、白でもスキンコンタクトさせた、つまり、ぶどう果皮と一緒に短期間浸漬発酵させたアルザスやローヌなどの白ワインも、食品のなまぐさ臭を消してくれる。ワイン自身は何もいわないが、これらは、ワイン中の果皮、種子、あるいは樽から抽出されるポリフェノールとの作用で還元消去されるからだ~
出典:ワイン常識がガラリと変わる本/154~155ページ
ワイン好きの皆さまが、ためしてガッテンしてくださると、とっても嬉しいです!
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