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2020年のシャンパン講座【現行&増設】2クラス終了しました、2021年に再会! [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

 正しく恐れて、きちんと防ぐ

コロナ禍で上半期(4~9月)休講になっていた講座は、三密を避け、2クラス(各11名)体制にしたことで、下半期(10月~) から無事開講できるようになりました。12月の講座も滞りなく終了し、ホッとしてます。

講座時は各自マスク必須、試飲時は青山校から配布されたフェイスシールドを着用、1テーブルひとり着席で距離を取って…
コロナをやみくも怖がるのではなく、何をすれば良いか、わかってきたので、“正しく恐れて、きちんと防ぐ”を徹底しました。結果、私も講座生もコロナとは無縁で、年末を迎えることができました!


テイスティンググラスは消毒の必要があるので、今期から同ビル内にあるリーデル・ジャパン様からレンタルしています。


 シャンパン&醸造家にフォーカス
 ワイン王国120号/2021年1月号

今回、醸造家にフォーカスしようと思ったのは、ワイン王国のシャンパーニュ特集がきっかけでした。4人のテイスターのひとりとして私は参加したのですが、その折、23種のシャンパンをテイスティングしました。なかで断トツの存在感を示していたのが、ドン ペリニヨンプレニチュード2 2002 でした[exclamation]
そこで…卓越したドンペリの醸造家リシャール・ジェフロワさんと、彼に比肩し、かつ2002年ヴィンテージも生産している方を探しました。それが、レア・シャンパーニュのレジス・カミュさんです。20世紀最も受賞歴が多かった名醸造家です。第2フライトの利き比べで、おふたりのスタイルの違いが良くわかりました。

 

  左から
  #1:シャルル・エドシック ブリュット ヴィンテージ 2006
  #2:レア・シャンパーニュ 2006
  #3:ドン ペリニヨン プレニチュード2 2002
  #4:レア・シャンパーニュ 2002


   メゾンについて 
   シャルル・エドシックパイパー・エドシックを所有しているのは、フランスの
  ラグジュアリーブランド企業EPIグループです。

   シャルル・エドシックの歴代シェフ・ド・カーヴ
  
  上段が4代目(2015~)シリル・ブランさん
  中段左が初代(1976~2002)ダニエル・チボーさん
  中段右が3代目(2011~2014)ティエリー・ロゼさん
  下段が2代目(2002~2011)レジス・カミュさん
  2002年からパイパー・エドシックのシェフ・ド・カーヴに就任


  シャルル・エドシック2006 vs レア・シャンパーニュ2006
  冬はとても寒く、雪が多かった。春は比較的暖かかったが、雨が多かった。夏は暑く、頻繁に雨が降った。
  収穫の2週間前から好天になり、レジス・カミュさん曰く「“太陽の恵み”と表現できるヴィンテージ」


  #1:シャルル・エドシック ブリュット ヴィンテージ 2006
  生産者:シャルル・エドシック(NM)
  ぶどう品種:ピノ・ノワール59%、シャルドネ41%
  ドザージュ:10g/L
  価格:13,000円(税別)
  輸入元:日本リカー
  #2:レア・シャンパーニュ 2006
  生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
  ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
  ドザージュ:9.5g/L
  価格:25,000円(税別)
  輸入元:日本リカー


第1フライトは、レジス・カミュさんの造りのスタイルを知る良いチャンスになりました。歴代の表にあるように、シャルル・エドシックの2代目シェフ・ド・カーヴはカミュさんです。2002年から2011年まで在籍なさっていたので、#1の2006年ヴィンテージは彼の作になります。ジャスミンやアカシア、種の大きな果実(アプリコット、黄桃、ネクタリン)、ローストしたヘーゼルナッツ、白コショウ。フレッシュバターや塩味、クリーミーでまるみのある味わい。質&量ともに素晴らしかった2006年にはシャルドネ由来の豊潤さとピノ由来の赤い果実のアロマが備わっています。

一方のレア・シャンパーニュは#1よりスマート。はちみつ、へーゼルナッツ、ヨード、ミネラル、ピュアで上質な酸味が中盤以降舌の両サイドをなでるように広がり、フィニッシュ。2018年3月からパイパー・エドシックのトップ・キュヴェだったレア・シャンパーニュは独立したブランドになりましたが、1976年の初ヴィンテージからカミュさんのなかには、“レア・シャンパーニュはレア・シャンパーニュ(フレッシュさを備え、デリケートで繊細で複雑)”という徹底した思いがあったことを感じました。


  現シェフ・ド・カーヴのシリル・ブランさん

家系はアイ村で3代続くワイン醸造家・ワイン商人。ヴーヴ・クリコのワインメーカーとして超15年勤務した後、2015年5月がらシャルルのシェフ・ド・カーヴに就任。メゾンの精神と卓越性を永続させ、活発なコミュニケーションにより、透明性を高め、メゾンのスタイルと評判をさらに確立していくことを目標に活動中。


  レア・シャンパーニュのレジス・カミュさん
カミュさん.jpg

1954年フランス北部エーヌ県(ベルギーに隣接)生まれ。生物学と生化学を履修後、ワイン造りの魅力に惹かれ、ランスで醸造学を修得、1988年にエノロジスト地域組合の会長に就任し6年間従事。1994年にパイパー・エドシックに入社、2002年にシェフ・ド・カーヴに就任。2018年3月からレア・シャンパーニュ専任のシェフ・ド・カーヴ。IWCのスパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを2004年から通算8回受賞、数多くの受賞歴を誇る醸造家
参考:レジス・カミュさんが語ったヴィンテージ、レア・シャンパーニュ


 ドン ペリニョン P2 2002 vs レア・シャンパーニュ2002
 8月は全体的に雨が多く、9月は時に激しい雷雨に見舞われたが、気候的には恵まれた。
 レジス・カミュさん曰く「“豊かさ”と表現できる年で、質も量も自然が我々に寛大だったヴィンテージ」


  #3:ドン ペリニヨン プレニチュード2 2002
  生産者:ドン・ペリニヨン(NM)
  ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ 非公開
  ドザージュ:非公開
  価格:56,800円(税別)
  輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ
  #4:レア・シャンパーニュ 2002
  生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
  ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
  ドザージュ:9.5g/L
  価格:25,000円(税別)
  輸入元・日本リカー


ジェフロワさんと親しいワインジャーナリストの柳忠之さんから、「ジェフロワさんが意図するP1とは“完璧なハーモニー”、P2は“エネルギーの最高潮”」と伺いました。ワイン王国の時も、シャンパン講座の時も、香りのインパクト、熟成感、複雑味、余韻の広がりは他を圧するパワーにあふれていたので「おっしゃる通り」との思いを強くしました。

片や、レア・シャンパーニュは花の香りからスタートし、カミュさんが強調するスパイス(エスニックスパイス)、ロースト風味と時間の経過と共に様々な要素が層を成して広がってきます。P2と比べると、繊細でエレガント、フェミニンです。
1年前の12月にも体験していますが、加齢するにつれ、若さが増していて、びっくり。グラス内の温度が上がっても、最初に受けたフレッシュさは最後まで持続していました。

受講生から、「レジスさんは謙虚で寡黙。レア・シャンパーニュも最初はおとなしい印象ですが、時間と共に内に秘めたる凄さを感じさせ、心底納得という感じです」とのコメントを頂戴しました。
私も同感です! カミュさんは饒舌ではありませんが、シャンパーニュを語る時は情熱的で丁寧、レア・シャンパーニュの味わいにその人となりを思わず重ねてしまいました。

  ドン ペリニヨンに輝きを添えた醸造家リシャール・ジェフロワさん
  Photo by Tadayuki YANAGI

1954年シャンパーニュ生まれ。1982年に医学博士号を取得し、ランスの国立醸造学校に入学。84年に卒業しカリフォルニアのドメーヌ・シャンドンで勤務。1990年にドン ペリニヨンの最高醸造責任者に就任し、28年間、素晴らしい活躍でワイン業界を牽引。リタイア後、富山県で日本酒『IWA 5』をリリース。2019年1月からドン ペリニヨンの醸造責任者にはヴァンサン・シャプロンさん(右)が就任。

  歳月を感じさせる締まり具合

              オーヴィレーヌ修道院
       エペルネから車で10分程の場所にあるオーヴィレーヌ修道院
     ドン ペリニヨンが使っていた醸造の器具等もあり、歴史を体感できる場所!

 ドン ペリニョンの直筆
  Photo by Fumiko(2004年3月)
  丁寧で几帳面な性格を感じます!



IMG_0576.jpg
  銀職人さん手作りのティアラはボトルから外して使えます!

  講座生の皆様、お疲れ様でした。
  2021年の1月は20日【増設クラス】、27日【現行クラス】になります。
  シャンパン講座の番外編は16日に行いますので笑顔の再会を楽しみにしております。
  どうぞ、良い年をお迎えくださいませ!!

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