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7月1日発売『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2009』と2008年、2006年の垂直試飲 [シャンパン]

  キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチルの3ヴィンテージにフォーカス

3月下旬にポル・ロジェ社の5代目ユベール・ド・ビィ当主が来日して、ブリュット・レゼルヴ、ブリュット・ヴィンテージ、ブラン・ド・ブラン、ロゼの新ヴィンテージ、そして初夏に発売予定の『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』の新ヴィンテージ2009をひと足お先に披露してくださるはずでしたが、COVID-19の影響で中止に[もうやだ~(悲しい顔)]
メゾンも閉館になっていました。

それから、3ヶ月余りが過ぎて・・・
感染予防に気配りしながら、すでにメゾンは開館しています。パリではエッフェル塔も再開していますし、EUは同域外の渡航制限を段階的に解除する方向で動き出しましたね。
そのような状況を踏まえながら、先週、輸入元ジェロボーム本社にお邪魔して、7月1日発売の『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2009』を含む、直近ヴィンテージの垂直試飲をしてきました。仕事冥利な時間になりました。


      フレッシュ&奥行きを備えた2009年ヴィンテージ
  ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ量7g/L、税別希望小売価格32,000円


      シャンパンラバー必須の2008年ヴィンテージ
  ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ量7g/L、税別希望小売価格32,000円


     シャンパンの醍醐味が堪能できる2006年ヴィンテージ
  ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ量8g/L、税別希望小売価格33,000円


オーストリア製ハンドメイドグラス『ザルト』で試飲
ジェロボーム扱いのグラス『ザルト』のユニバーサル(7,900円) とシャンパーニュ(7,900円) を使用して利き酒してみました。ステムが細くて、手吹きならではの “薄さ”と“軽さ”が魅力。ステムを持った瞬間、素直に手に同化してくるグラス。ジャンシス・ロビンソン女史も絶賛しています。

 ユニバーサル/表情豊かで風味の際立つミネラルと繊細を持ち合わせたワイン向き
 気泡の感触もソフトで、シャンパンの生地(ぶどう品種)が楽しめ、スティルワインを味わう感覚に

(左から)
#1:ウィンストン・チャーチル2009
英国では3月にリリースされました。ブレンド比率は非公開なれど、ピノ・ノワールの出来が良かったので比率は70~80%ではないかと・・・推測

当然のことながら3種のなかで一番フレッシュ。細やかな気泡が絶え間なく連なり、トップ・キュヴェならではの時間の経過を感じさせるアイテム。舌の上をなぞる泡の刺激はソフト。柑橘系果実、ストーンフルーツ、黄りんご、クチナシやアカシアのアロマ、口中滑らか、中盤から厚味が広がり、グラス内の温度があがると、より豊潤。現時点でも、10年、20年以上経過しても、その折々で熟成具合が楽しめるチャーチル好みのヴィンテージ


#2:ウィンストン・チャーチル2008
グラス上部から見た泡沫は2009より繊細&動きはゆるやか。ブリオッシュ、ドライフルーツ、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、インパクトのある酸味は魅力。レモンタルトやアプリコットタルトのような酸を備えた果実とパイ生地の一体感ある味わい。シャルドネに由来するシルクのような滑らかさが層をなして広がり、エレガントな余韻が長く続く。ポル・ロジェのセラーは他のメゾンより1~2度低い9度に保たれているので、低温でゆっくりと熟成させた味わいが出ていると実感。21世紀の傑出したヴィンテージ


#3:ウィンストン・チャーチル2006
色調はゴールデンカラー、熟成からくるバターやブリオッシュ、アーモンドやヘーゼルナッツ、アールグレー、ジンジャー、マッシュルーム、焙煎香。味わいにはかりんの砂糖漬け、グレープフルーツの内果皮似のビター感 (グラス内の温度、時間の経過でソフトに変化!)。丸味と厚味、シャンパンの醍醐味が堪能できるヴィンテージ


香りは#1~#3に進むにつれ、複雑さが増幅。3アイテムとも酒質の良さは秀逸で、特に2008年を味わった瞬間に感じる酸のインパクトが際立ち、シャルドネのエレガントさが全体を引き締めている印象。2006年と2009年にはピノ・ノワールの比率の多さ(推測ですが)由来のふくらみ、重厚さがあり、ヴィンテージの違いが堪能できる3アイテム。ユニバーサルのグラスで味わう時は冷蔵庫温度(9度)より少し高めにして!!


  シャンパーニュグラスで
  シャンパーニュ高貴でエレガントな世界のスパークリングワイン向け
  泡の感触を大いに楽しみたいシャンパンラバーさんにお薦め!

#1:ウィンストン・チャーチル2009
気泡の連なりが綺麗、舌の上に広がる細やかな泡の触感、同時に酸味とミネラル。シャンパンの供出温度を低めにしてサービスし、温度変化による各要素(気泡やミネラル等)を楽しんで!

#2:ウィンストン・チャーチル2008
酸味が特徴のヴィンテージなので、口中で感じる酸の広がりはシャープ。熟成による果実感、ミネラル感はユニバーサルで味わった時より、明確に出てくる印象

#3:ウィンストン・チャーチル2006
長い熟成による細やかな気泡、口中ではワインに溶け込んだ印象できわめてまろやか。エレガントな酸味、シャンパンラバーさんにはできれば“両方のグラス”でお試しいただきたい気分!


  天候を振り返って

2009年の春は穏やかで、霜害も受けなかった。いくつかの嵐はあったが、ぶどうは最適な気候下で生育。8月は日中乾燥して暑く、夜間は冷涼な日が続いたので、ぶどうは順調に成熟。収穫は9月8日から21日まで続いた。完璧で健全なぶどう、特にピノ・ノワールの出来が良かった。


2008年は穏やかで湿気の多い気候からスタートし、7月は嵐、8月は冷涼で晴天の日は限られたが、9月は良好な天気に恵まれ、15日から収穫を開始。ぶどうは健全で酸と糖のバランスは完璧だった。


2006年は非常に乾燥した気候の後、激しい豪雨に見舞われたが、春に霜害が発生しなかったので、ぶどうは順調に成長。6月は太陽にも恵まれ、開花も良好。涼しく湿った夏だったが、9月は温暖で日照もあったので、健全なぶどうが収穫できた。際も早い区画では9月6日から収穫を開始、25日にすべてを終了した。ピノ・ノワールの出来が良かった。

       細部へのこだわり

キャップシュール(王冠)に描かれているのはチャーチルですが、2002年ヴィンテージから、表面に肖像とヴィンテージ、裏面にPol Roger の刻印を入れています。フェイクボトル対策のひとつです。
今まで多くのシャンパンを開栓してきましたが、トップ・キュヴェのキャップシュールの裏に、メゾン名やシャンパン名を入れているのは、『ウィンストン・チャーチル』とペリエ・ジュエの『ベル エポック』だけだと思います。細部へのこだわり、さすがです、奇しくも両メゾンとも拠点はエペㇽネ!

 3年前の来日で

2017年11月、2006年ヴィンテージのお披露目のため来日していたュベール・ド・ビィ当主。この時はホテル雅叙園の中華料理に合わせながら、マリアージュ談義にも花が咲きました。お料理が得意でご家庭でも夕食を作ることが多いと語っていた当主。今春は残念ながら訪日ならずでしたが、渡航できるようになったら、『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』で乾杯したいです。
どのヴィンテージと聞かれたら、若くて魅力にあふれた2009年で🥂
お食事と一緒なら2006年、器の大きな2008年にはもう少し時間をあげたいです。
いずれのヴィンテージも忘れ難く・・・

あっ、最後に一言!
ビィ当主は「the 2008 Churchill is for collectors, the 2009 is for drinkers.」と語っております🍾

【関連記事】
https://ippin.gnavi.co.jp/article-9632/
https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2017-03-23

★ポル・ロジェ&ザルトについてのお問い合わせ/山下陽子さん 電話03-5786-3280
URL: http://www.jeroboam.co.jp
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