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シャンパーニュ講座の下期スタート、第1回は『ロベール・モンキュイ』 [NHK文化センター青山 シャンパン講座]

シャンパン講座下期開始

第1回は10月最終週の30日でした。その5日後からシャンパーニュ研修ツアーに突入したので、アップが大幅に遅れてしまいました。すみません m(_ _)m

ル・メニル・シュール・オジェ村の『ロベール・モンキュイ』
1889年設立のメゾンです。
当初はぶどう栽培農家で、長年にわたり、ビルカール・サルモンやルイ・ロデレールにぶどうを供給していました。創始者アレックス・モンキュイの孫ロベールが1928年からシャンパーニュ造りに着手し、2000年からはロベールの孫の5代目ピエール・アミエが栽培醸造を仕切っています。
所有する畑はすべてがコート・デ・ブランの聖地ル・メニル・シュール・オジェで、区画ごとにわけた細かな醸造を行っています。

以前はステンレスタンクのみを使用していました。試行錯誤を重ねて、近年、樽も導入。バリックや大樽を併用することで、従来からのピュアさに加え、味わいに深みと複雑味のあるスタイルに変化しています。
今秋、Wine & Spiritsの『2019 Top 100 Wineries』に選ばれました。
今まで単独のアイテムにフォーカスすることはあっても、メゾンに特化することはなかったので、この機会に改めて検証させていただきました。ちなみにシャンパーニュで選ばれていたのはボランジェ、ブルーノ・パイヤール、クリュッグ、ルイ・ロデレールとロベール・モンキュイです。

第1フライト
ロベール・モンキュイはシャルドネ100%なので、このフライトでは、シャルドネ重視のメゾン『ローラン・ペリエ』の顔となるアイテム『ラ キュベ』を比較の相手に選びました。


#1:ローラン・ペリエ ラ キュベ
生産者:ローラン・ペリエ (NM)
ぶどう品種:シャルドネ50~55%、ピノ・ノワール30~35%、ムニエ15~20%
樽で熟成させたリザーヴワイン:20~30%
ドザージュ:8~10g/L
価格:7,000円(税別)
2017年に『ブリュットL・P』をリニューアルして誕生させたのが『ラ キュベ』
ブレンドするクリュは100以上、シャルドネの比率は5%アップし、熟成期間も1年増えて4年に。より複雑味が増しました。フレッシュで、白い花や白桃、透明感のある酸味、蜂蜜、ミネラル感、クリーミーで旨味があり、バランスが良くエレガント、長い余韻。

#2:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン
レ・グラン・ブラン エクストラ・ブリュットGC
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:ル・メニル・シュール・オジェを主体にオジェのシャルドネをブレンド
デゴルジュマン:2019年1月
樽で醸造したリザーヴワインを20%使用
ドザージュ:3g/L
価格:6,500円(税別)
チョーク質由来のミネラルが特徴、切れ感のある酸味、泡の刺激、蜂蜜、果実の旨味、若干のビター感

#3:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン
レゼルヴ ペルペテュエル エクストラ・ブリュットGC
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:ル・メニル・シュール・オジェ産のシャルドネ100%
デゴルジュマン:2018年12月6日
ドザージュ:3g/L
価格:7,500円(税別)
ル・メニル・シュール・オジェのぶどうについて、ローラン・ペリエのシェフ・ド・カーヴのミシェル・フォコネ氏から「ル・メニル・シュール・オジェのシャルドネはミネラルと酸味が強く、長い余韻が特徴。時間が経過してもなかなか香りが立たず、シャンパンのブレンドに使っても年月が経たないと膨らんでこない。その存在感は圧倒的。ゆえにメニルにシャンパンを入れると良いヴィンテージものができそうという気になる」との説明を受けたことがあります。

#3は2006年以来継ぎ足しているリザーヴワインがベースのワインで、60ヶ月以上の瓶熟成を経て出荷されます。グラス表面から見る泡沫は極めて繊細で活発、石灰質のニュアンスがあり、最初にミネラル感、白い花、グレープフルーツ、中盤から綺麗な酸味が広がり、熟成感と複雑味を備えたロベール・モンキュイのなかでは骨太なイメージのアイテム。

第2フライトはモノ・セパージュ、モノ・クリュ比較

#4:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン
   ブリュット・ミレジメ GC2012
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:ル・メニル・シュール・オジェ産の樹齢50年のシャルドネ100%
デゴルジュマン:2017年5月4日
ドザージュ:3g/L
価格:13,000円(税別)
カリンやアカシア、低いドザージュ量ながらぶどうの熟度を感じる味わい、上質なミネラル感、持続性のある酸味、長い余韻、味わい&価格的にお薦め!

#5:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン

左から#4~#6

ヴォゼミュー エクストラ・ブリュットGC 2011
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:単一畑ヴォゼミュー産シャルドネ100%
デゴルジュマン:2017年12月20日
ドザージュ:4g/L
価格:17,000円(税別)
#6の単一畑シェティヨンと対をなすアイテムで、石灰より、粘土の割合が多い土壌。ノン・マロ。グラス上部からの泡沫活発、オイリー、複雑味、軽いビター感、芯のあるスタイル。


裏ラベルにはヴィンテージ2011年、デゴルジュマンの年月日2017年12月20日、ドザージュ量 4g/Lの表示あり。デゴルジュマンに関して、年月日まで記載するメゾンは少ない。

#6:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン 
レ・シェティヨン エクストラ・ブリュットGC 2012
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:単一畑シェティヨン産シャルドネ100%
デゴルジュマン:2018年1月29日
ドザージュ:2.25g/L
価格:20,000円(税別)
気泡はワインに溶け込み、触感クリーミー、香りは控え目(低温では閉じ気味)、ノン・マロで、シェティヨン産のぶどうが持つ際立つ酸味を生かしたシャンパン。酸の存在感は見事、ピュアな酒質、熟成によるロースト感、バルーン型のグラスで、低温からスタートして、温度をあげて楽しみたいアイテム。



今週水曜日に行うシャンパン講座では、先日訪問したばかりの7メゾンのうち、6メゾンのシャンパンをマグナムサイズで揃えたので、じっくり利き比べてみたいと思っています。
講座生の皆さま、どうぞ、お楽しみに!

[NEW]
シャンパーニュ地方は1961年~1990年間の約30年間で平均と比べて気温が約1.1度上昇し、収穫は18日早まっています。総酸度は1.3g/L減、アルコール度数は0.7%上っています。
11月5日にシャンパーニュ委員会本部にお邪魔した折、フィリップ広報部長から伺ったCIVCの温暖化対策や気候変動への取り組み等の情報が発信(11月16日付)されていたので、添付しておきます。
https://www.champagne.fr/assets/files/dossier_presse/dossier-climat-change-adaptation-june-2019.pdf

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