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シャンパーニュ研修ツアーで訪問した『ペリエ ジュエ』リポート [シャンパーニュ研修ツアー2018]

エペルネの目ぬき通りアベニュー・ド・シャンパーニュに位置する『ペリエ ジュエ』

メゾンのカラー“グリーン”を生かしたエントランス


カーヴの案内をしてくださったのはVIP担当のサンドリーヌ・カヴァッツィーニさん

ペリエ ジュエはコルク職人のピエール・ニコラ・ペリエとノルマンディー出身のアデル・ジュエが結婚した翌年1811年に創業したメゾンで、1840年代には英国に向けて輸出も開始しています。3人の子供たち(男2名、女1名)にも恵まれ、2代目のシャルル・ペリエはブリュット(辛口)タイプやヴィンテージを手掛けました。
余談ですが、1854年にシャルルが建設したシャトー・ペリエは、1943年にエペルネ市に寄贈されたのですが、現在修復作業中(2019年末に完成予定)。完成後は美術館になる予定とのこと。

1902年、3代目アンリ・ガリス社長からボトルデザインを依頼されたのがアールヌーボーの巨匠エミール・ガレで、彼はアネモネのボトルを制作しました。
第1次世界大戦以降、行方がわからなくなっていたそのボトルが、1964年、当時のシェフ・ド・カーヴによって発見され、アネモネボトルが復活することになります。3代目の社長とガレが生きた時代“ベル エポック(美しき時代)”という名を冠したシャルドネ主体のスペシャルキュヴェ、『ベルエポック』の誕生です!


時空を超えた空間にタイムスリップ

創業200年を記念したビサントゥネールのセラー

奥のセラーにストックしてあるのは200年祭でリリースされた『ベル エポック1998 』

The living Legacy


2011年に2本組(マグナムサイズ)で100セット販売されました。
1本は購入者に手渡され、もう1本はエペルネの同セラーで最長100年間保管可能。購入した家族の次世代に受け継がれる“The living Legacy”

手吹きガラスによる筒

デザイナー、シモン・ヘイデンスさんによる“PHARE No.1-9”
筒のなかの水とライトによる神秘的な投影


カーヴは地下20m(最深部)、室温10~12度、湿度70度、全長10km、1,000万本を貯蔵


ペリエ ジュエの要はシャルドネ
瓶内熟成中のベル エポック ブラン・ド・ブラン


ギネスにも登録されている最古のヴィンテージ1825年や希少ヴィンテージが眠る“エデン”

ガウディに影響を受けたLost Time

ロンドンを拠点に活躍するデザインデュオグリテロ
アントニ・ガウディのサグラダ・ファミリアの曲線に影響を受けたデザイナーは、ロープにビーズを細工してその美を表現。吊り下げられたビーズの重さでドレープ状になった作品が10cmほどの水面に映り込むと深い水底を見ているような錯覚に陥ります。画像では伝えられない奥深さ


最高醸造責任者エルヴェ・デシャン講師によるスペシャルセミナー
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訪問前日の早朝、中国から帰還なさったばかりのエルヴェさんが講師、光栄です!
35年前にペリエ ジュエに入社し、10年間前任のシェフ・ド・カーヴの元で研鑚を積み、7代目のシェフ・ド・カーヴに就任。今はペリエ ジュエの顔として世界中を飛び回っています。
















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(供出順 左から)
#1:ペリエ ジュエ グラン ブリュットNV
ベースワインは2014年。シャルドネ20%、ピノ・ノワール40%、ムニエ40%をブレンド、ドザージュ9g/L、リザーヴワイン15%(最大10年キープしたワイン)、白い花、レモンやグレープフルーツ、パイナップル、ビスケット、口中での第1印象はフレッシュ、爽快な酸味

#2:ペリエジュエ ブラン・ド・ブランNV
ベースワインは2014年。2017年4月世界に先駆け日本で先行発売したアイテム、シャルドネ100%(産地はコート・ド・セザンヌ&モンターニュ・ド・ランス)、ドザージュ8g/L、繊細な気泡、アカシア、すもも、桃、洋梨の香り、ミネラル、塩味、バランスが良く、生き生きした酸の広がりが好印象。エルヴェさんは「若いシェーブルがお薦め」と。

#3:ペリエ ジュエ ベルエポック2011
シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%、ドザージュ8g/L、軽やかで繊細な気泡、白い花、蜂蜜、洋梨、桃、レモンのコンフィー、バター、ヴァニラ、ブリオッシュ、クリームブリュレ、後味に若干のビター感、力強さとエレガントさを併せ持つスタイル。チーズならコンテがお薦め

#4:ペリエ ジュエ ブラン・ド・ブラン2004
シャルドネ100%、生産開始は1993年で、2000年リリースを目標に誕生させたアイテム、生産量は35,000~40,000本。色調は黄金色、ハチミツ、洋梨、白胡椒、生姜、レモンの皮、アーモンドヌガー、少し焦がしたブリオッシュ、長く続く余韻。生で薄切した帆立、寿司や刺身(すずき、ひらめ、あわび、火を通した牡蠣)、パルメザンチーズがお薦め

#5:ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼNV
シャルドネ25%、ピノ・ノワール50%、ムニエ25%、ドザージュ9g/L、「1985年位から手掛けたアイテムで、当時はヌーヴェル・キュイジーヌの台頭で、食の世界にも変化が出てきた頃」とエルヴェさん。最初にスグリのような赤い果実、続いてオレンジやグレープフルーツのような柑橘、造りのポイントとしては、赤ワインが入ることで、シャルドネの酸が隠れ、フレッシュで優しい味わいに。鴨や鳩やマグロ(中トロ)、インドカレー、特に厚揚げ(生姜添)がお薦め

#6:ペリエ ジュエ ベルエポック ロゼ2006
シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%、ドザージュ8g/L、最初に苺や木苺、ザクロ、グレープフルーツ、ブラッドオレンジ、ドライローズ、ビスケット。鶏、ジビエ、内臓料理、ショコラに合わせて!

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グラスも左から右に


ボトルに描かれているのはエミール・ガレの“アネモネ”


メゾン・ベル エポック

エルヴェさんの案内でペリエ ジュエの迎賓館へ

All'ombra della luce(光の影)
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日本のガラス作家三嶋りつ惠さんがデザインした大小さまざまの手吹きガラス


(C)Perrier-Jouet
淡グリーンのトーン、メゾンでは初見のロートレック!


エミール・ガレのアネモネは日本の“春明菊”がモデルなのですが、それを迎賓館の庭園で発見!


歴史が息付いているメゾンで優雅なランチ



ザリガニとフォアグラ × ベル エポックのブラン・ド・ブラン2004


鴨のマグレとポテトのピュレ × ベルエポック2011


チーズのムースとレモンのシャーベット × ベル エポック ロゼ2006
まわりがチーズで小さくカットしたマンダリンオレンジが隠し味、美味!


4年前からメゾンのお抱えシェフとして活躍しているジョゼフィーヌ・ジョノさん
柑橘系果実の話をしている時に、エルヴェさんは「中国で食したグレープフルーツの味が良かった」と語っていました。世界中を旅している彼の洗練された味覚はメゾンで供出される至福のマリアージュにしっかり反映されていると実感しました。


エスキスのディナーでお目にかかって1週間後の再会だったのでとても嬉しかったです!


記念のサインを求められて


アネモネショコラは五感を刺激してくれる逸品


エペルネのアベニュー・シャンパーニュの上空には気球

来週はベル エポックと和食の世界を堪能できそうです、Happy!

タグ:Belle Epoque
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