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Arrivé au Japon Leroy45ans  髙島屋&≪ルロワ≫提携45周年記念テイスティング [来日したワイン生産者&関係者]

髙島屋とルロワ社

髙島屋のイメージフラワーは薔薇、1952年に包装紙に初登場したのが1本の薔薇でした!

ブルゴーニュの至宝ルロワ

(C)髙島屋
1868年、フランス中部オクセー・デュレスに創設され、ブルゴーニュの至宝と称されるルロワ

髙島屋がルロワの輸入・販売を開始したのは1972年。その16年後(1988年)には資本提携し、両社のつながりはより強固になりました。そして、昨年(2017年)11月21日、ルロワ日本登場45周年を記念した特別テイスティングセミナーが行われました。


赤いエチケット・ホルダーは2012年の40周年記念テイスティングの為に、マダム・ラルー・ビーズ・ルロワが用意してくださったもので、中には同日供出されたワインのラベルが入っています。この時はVTごとにマダムからのメッセージがあったので、お立ち寄りいただけると嬉しいです。


45周年はマダム厳選の12本
 
(左から)2007年から10年毎に遡ったVTで、1997年、1987年、1967年、1957年


マダムがセレクトした〝7〟に因んだワイン


ナビゲーターは40周年の時と同じく、今イベントの為だけに来日したフレデリック・ロメール取締役

第1フライトは2007年

#1:サヴィニレボーヌ プルミエ・クリュ レ・ナルバントン(ドメーヌ・ルロワ)


当日のベスト3だったサヴィニレボーヌ!
芳醇なアロマ、果実の凝縮感、ピュアな酸味、バランスの取れたエレガント系ワイン
#2:ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ レ・ボーモン(ドメーヌ・ルロワ)
赤系果実の要素、果実由来の旨味、レザー、トリュフ、焙煎香、酸の広がり、長い余韻
#3:クロ・ド・ヴージョ グラン・クリュ(ドメーヌ・ルロワ)
香り閉じ気味で後半重厚&複雑味、カシス、ブラックチェリー、樹皮、黒蜜、芯のある酸、さらなる熟成に期待

ロメール:2007年はやや難しい年で、一部病害虫の発生もあったので収量は少な目。このヴィンテージ(VT)はバランス良く開いていて、この先30年、40年、50年の熟成に耐えることができます。2007年と前後するVTですが、2005年は強い凝縮感があり、2006年はポマールやサヴィニレヴォーヌとも今飲み頃。2008年は酸が強め、2009年は果実味、フルーティさがよく出ています。


ドメーヌ・ルロワの誕生は1988年。シャルル・ノエラが所有していたグラン・クリュ畑(リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、クロ・ヴージョ、ヴォーヌ・ボー・モン、オー・ブリュレ等)、その後、ドメーヌ・フィリップ・レミーの畑(クロ・ドゥ・ラ・ロッシュ、ジュヴレ・シャンベルタン・レ・コンボット、ラトリシェール・シャンベルタン、シャンベルタン)を買収。
ビオディナミ農法への着手も1988年からで、当時ブルゴーニュで取り組んでいたのは1~2ヶ所だけでした。ビオディナミ農法を導入するとワインの品質については問題なしですが、収量は減ります。調剤は500(根に効果)、501(葉に効果)、マリアトゥーンの堆肥等を活用。1999年には完全に「芽かき」を止め、新芽はそのまま伸ばす。また、パリサージュ(枝の誘因・固定)をしないことで、樹は160~170cm の高さになり、これにより、ぶどう樹は地中からの養分をまっすぐに吸い上げることができるようになりました。
化学肥料を排除し、天体の動きを利用する自然農法。ルロワではこの農法が極めて有効な方法あると考えています。

醸造面では、2007年は18~19hl/ha、2008年はさらに少なく15~16hl/haで、過去最低の数字でしたが、作業は通常と同じ。すべて手摘みで、8~10kgの箱に入れて、温度調整した車で輸送。選別は17名が2組(34名)で行い、その際、ぶどうは除梗も破砕もせず、房のまま。重さが60kgになった段階で醸造所に搬入。アルコール発酵は15~20日間(年により異なる/天然酵母使用)。新樽で14~16ヶ月寝かせてから瓶詰。


第2フライトは1997年

#4:ポマール レ・ヴィーニョ(ドメーヌ・ルロワ)
97年のポマールにしては控えめでおとなしい印象、ブラックチェリー、アールグレイ、ダークチョコ、アーシーなニュアンス

#5:ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ レ・コンボット(ドメーヌ・ルロワ)
当日のベスト1、アメリカンチェリーやグリオットチェリー、ピンクペッパ―やレザー等、様々な香りの連鎖。中盤以降の酸とタンニンのナイスハーモニー、滑らかできめ細かい食感





#6:ラトリシエール・シャンベルタン グラン・クリュ(ドメーヌ・ルロワ) 
凝縮した赤系果実、香りにミント系ハーブ、アルコール由来の甘みが酸の存在を押し上げていく印象、持続性のある酸味、タンニンのストラクチュア、口中にボリューム感、今後の熟成が楽しみ!




ロメール:収穫は比較的遅かった年で、フルーティさが強めに出ています。少し前に飲んだ印象では、コート・ド・ニュイは最初は閉じ気味で時間の経過で開き、一方、コート・ド・ボ―ヌは早くから飲めると思っていましたが、今、味わってみると、双方ともにバランスが良くなったきた感じです。ポマールは四角ばったまじめな印象ですが、熟成と共に硬さが取れてくると思います。
#5、#6ともにシャンベルタンですが、シャンべルタンは隣の畑同士でも異なります。マダムが畑を購入する時にも、「周囲と違う印象」との思いがあり、ラトリシエールは優雅で上品、飲み比べると良くわかります。

第3フライトは1987年

#7:ボーヌ プルミエ・クリュ オー・クシュリア(メゾン・ルロワ)
#8:ジュブレシャンベルタン レ・グレーブ(メゾン・ルロワ)
#9:ジュヴレシャンベルタン プルミエ・クリュ レ・シャンポー(メゾン・ルロワ)

ロメール:1987年の収穫は9月半ばから下旬迄で、収量は多め。今、熟成を迎えている飲み頃のVTです。マダムは1955年から家業であるネゴシアンの仕事に関わっていますが、ぶどうやワインの買付にあたっては十分な選別をしてきました。良いものを選び続けるのはなかなか難しいのですが、ブラインドで自身の感覚だけで選び抜き、30年、40年という時を経たワインがカーブで眠っています。メゾン・ルロワが果たしてきた役割はとても重要だったと思っています。

ラストフライトは1967年と1957年

#10:ニュイ・サン・ジュルジュ PC レ・シャブッフ1967(メゾン・ルロワ)
(他メンバーのグラスと比べて)色調、香りが異なり、ボトル差があった印象。5年前に体験したNSGらしいミネラルを感じられなかったのが残念。

#11:シャルム・シャンベルタン グラン・クリュ1967(メゾン・ルロワ)

当日のベスト2、オレンジを含む色調なれど50年の歳月を感じさせない若さ、若干シェリー的アロマ、エスニックスパイスやハーブ、おだやかな酸、シームレスな味わい、層になって広がる余韻

#12:ジュヴレシャンベルタン PC レ・カズティエ1957(メゾン・ルロワ)
質量ともに平凡な年と言われる1957年ゆえに、ルロワの心意気が伝わってくる1本。スワリングでレザー、タバコ、アーシーな香り。ワインに溶け込んだ渋味と旨味のバランス、ぜい肉を取り去った余韻、貴重な体験!

ロメール:1967年の収穫は10月初めから半ばにかけて行いました。ぶどうがなかなか実らない年で、マダムいわく「人間と同じで、時間をかけて熟した方が味があるのよ」と。その甲斐あって、今、味わいがとても良く出ています。シャルム・シャンベルタンは馥郁(ふくいく)たるイメージがあり、#6のラトリシエール・シャンベルタンに似ています。

最後のジュブレ・シャンベルタンは60年を経たワインであり、ありきたりの言葉で説明しようという気持ちにはなれません。メゾンの畑や醸造所では多くの人が働いており、彼らの仕事の成果が60年の歳月を経て、我々に手渡され、残されていることを思うと、心からの感動を覚えます。

コルクに関して


1967年VTにリコルクしたものがあり、参加者から質問がありました。
ちなみに、リコルクした時期は「5年前」とのことでした。


ロメール:現在100万本を超える在庫があります。マダムと品質管理の4名が定期的に点検していて、2~3年周期で必要に応じてリコルクしています。その際は特殊な装置を使い、ボトル内の液体が空気にふれない形でコルクを取り換えることができます。補充する場合は同じクリュの同じワインです。ルロワでは1950年代以降、スペインのサングレラ地方のコルクを使用しているので、以前ほどリコルクする頻度は少ないのですが、それ以前のものはコルクが小さめの規格だったのでリコルクしています。

Hors d'oeuvres


すべてのテイスティングが終り、6種の料理とのマリア―ジュをチェック!
(1) フォアグラのソテーとブルオッシュ マルサラワインの香り
(2) キャビアと蟹のタルタル エクレア仕立て
(3) 青豆のムースに雲丹とイクラをあしらって
(4) 合鴨とオレンジのパイ包み コンソメジュレとトリュフ
(5) 白エビのフリット'
(6) 帝国ホテル伝統のビーフシチュー パルマンティエール風

甲殻類(蟹、白エビ)や魚卵系(キャビア)、ビーフシチューに寄り添っていた#7、クリーミーで脂分が口中に広がるフォアグラは #8、タンニンの存在感がある#9は青豆のムース&雲丹と好印象。いずれも第3フライトのワインたちで、単独で味わった時より、料理と合せると、一層精彩を放ち、マリアージュの本質を十分に感じ取ることができました。当日のベスト2だった#11 は白エビと合わせて良好。



3ヶ国語(仏・英・日)対応のルロワ本『Domaine LEROY, Domaine D'AUVENAY』


マダムからのお土産は≪ルロワ≫の真髄が詰まった書籍

40周年、45周年ともマダムは来日なさいませんでしたが、加齢(85歳)しても、エレガントで凛としたたたずまいは変わらない偉大な醸造家マダム・ラルー・ビーズ・ルロワ、これからも素晴らしいワインを造り続けて欲しいです。最後に、貴重な機会にお招きくださった髙島屋&グッドリブ様に御礼申し上げます。
ありがとうございました!

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