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本邦初のメディアランチでシャトー・ラトゥール・マルティヤックの魅力全開! [来日したワイン生産者&関係者]

シャトー・ラトゥール・マルティヤックの白ワインにフォーカス


ボルドー地方グラーヴ(レオニヤン)地区のシャトー・ラトゥール・マルティヤックは、1953年に赤ワイン、1959年に白ワインの格付けを得ています。近年、赤ワインの評価があがっていますが、ブランドアンバサダーのエドゥアール・クレスマンが来日して行ったメディア・ランチでは白ワインにフォーカスし、過去から今に繋がる、その魅力について語りました!

19世紀からの歴史を振り返って 
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初代エドゥアール・クレスマンはポーランドから仏ボルドーに移住し、1853年にクルティエ(ワイン仲買人)としての活動を開始します。ボルドー中を駆け回っているうちに、彼は12世紀にモンテスキューの祖先によって建てられたシャトー・ラトゥール(当時のシャトー名)の白ワインにほれ込みます。クルティエ業から2~3年を経てネゴシアンとして独立した彼は『エドゥアール・クレスマン・カンパニー(現CVBG)』を立ち上げ、毎年、シャトー・ラトゥールの白ワインを購入、扱っていました。

シャトー購入& ネーミング変更
それから50年後、息子のアルフレッドが社長に就任。1929年から30年にかけて売りに出されたシャトーを購入し、オーナーに。1930年に入手して早々に行ったことはシャトー名の変更。正面広場に据えられている塔(ラトゥール)に由来する名を、村名のマルティヤックをつけて、シャトー・ラトゥール・マルティヤックに改名します。

曽祖父のテイスティングブックを手本にラベルチェンジ
来日したエドゥアールは「祖父ジャンはアーティストだったので、曽祖父のアルフレッドが使用していたテイスティングブックの表紙を模して、1934年、当時流行っていたアールデコ風(直線的なデザインで黒と金を使用)なラベルを作成」と解説。新ラベルになったワインは1937年、英国のジョージ6世戴冠式にも使われたそうです。

グラーヴの格付け
1952年、ジョンの時代はネゴシアンとしては成功していたものの、戦争の影響を受けてシャトーとしては今ひとつ波に乗っていなかったので、品質向上に努めました。結果、1953年には赤ワインが、1959年には白ワインがグラーヴの格付けを得ます。

現在、ジョンのふたりの息子トリスタンが経営を担当、ロイックが技術責任者として従事、生産量を抑えた良質ワインの生産に力を入れています。今回来日したエドゥアールはロイックの息子で、中国・北京でアジア担当として研鑚を積み、今はブランドアンバサダーとして活躍しています。

ワインコンサルタントはデュブルデュ・チーム
白ワインのコンサルタントは2016年までドゥニ・デュブルデュ教授でした。赤ワインは1995年から2005年までミシェル・ロランで、2006年からは白と同じ同教授。現在は教授の右腕と評されたクリストフ・オリヴィエとデュブルデュ・チームが担当しています。


1983年9月生まれのエドゥアール・クレスマンは「収穫の繁盛期に生まれたので樽と樽の間で育った」と。醸造を学び、IT関係の会社にも勤務。カリフォルニア、アルゼンチン、ボルドーで実地研修。シャトーのアンバサダーとしての活躍に期待したいと思います。

余談ですが、ジョージ6世(エリザベスⅡ世の父)の戴冠式の話が出た時、プレスメンバーから、映画『英国王のスピーチ』でジョージ6世を演じたコリン・ファースに似ているとの声が出て・・・ご本人はご不満だったのか、マット・デイモン似と主張していました(笑)


白ワインはバレルサンプルを含め4アイテム

アプローチしやすいラグラーヴ・マルティヤック・ブラン2014 / 4,600円(税別) 

ぶどう品種はSB80%、セミヨン20%。セカンドラベル。手摘み収穫、小樽発酵、1月にバレルセレクションをして、5ヶ月間樽熟(新樽率25~30%)、さらに2ヶ月タンク(この時にSBとセミヨンをブレンド)で熟成させ、ボトリング。ファーストヴィンテージは白1990、赤1986

1995、2013そしてバレルサンプル


熟成した白ワイン1995のバランスの良さを実感。ハーブや蜂蜜のニュアンス。ファミリーが昔から力を入れている白ワインはエレガントかつ熟成による複雑味を備えたスタイル。近年、フルーティさを求めて、SBの比率が多くなっているとの話でしたが、直近の2015年と2016年はセミヨン60%、SB40%(2010年はSB70%、セミヨン30%)とセミヨンが増えている模様。セミヨンの使用率はグラーヴの他の生産者より多いラトゥール・ラルティヤック、時を重ねたセミヨンから醸し出されるふくよかさは魅力です。

(右から)
■シャトー・ラトゥール・マルティヤック・ブラン1995
ぶどう品種:セミヨン55%、ミュスカデル5%、SB40%
■同2013 / 7,200円(税別)
ぶどう品種:SB70%、セミヨン30%(Gratte-Capのセミヨンをブレンド)
手摘み収穫、圧搾、発酵後、10~11ヶ月樽熟(新樽率30%)、6~7ヶ月タンク熟成、非MLF
■同バレルサンプル2016
ぶどう品種:セミヨン100%
初の試みで持参したバレルサンプル。Gratte-Capと呼ばれる1884年に植樹したセミヨンの区画0.8㌶。エドゥアールいわく「2~3年前に土壌を耕したところ、ぶどう樹が強くなり、収量もあがってきた」と。

シャトーの誇りグラット・キャップのセミヨン

『Gratte-Cap グラット・キャップ』区画のセミヨン100%

1998年にグラット・キャップの畑でマサルセレクションを開始。ぶどうを観察して (セミヨンは房が大きくなりがちなので)房が小さくておいしいぶどう樹に印を付け、翌年も同じ作業を繰り返した中から、40~50のぶどう樹を選択。そこから20~25の苗木を作り、2000年にコンサバトリーの区画に植樹。次の3年間で、房の数、ベリーの大きさ、ぶどうの味(味わい、テクスチュア、果皮の厚さ等)を調査。作業の結果は2006年までにリストアップされ、このデータに基付き、ベストなクローンを選び、シモンヌと名付けた区画に、最終的に3つのクローンを選択して植樹。収穫されたぶどうは14年以上にわたる調査研究の成果として、シャトー・ラトゥール・マルティヤック・ブランの2014年ヴィンテージに反映されています。シモンヌのぶどう樹はまだ若いので、これからですが、樹齢を重ねることでシモンヌのセミヨン100%のワイン誕生も期待できるかも知れません。


ワインと料理のマリア―ジュはザ・リッツ・カールトン東京@Azure45
「事前にワインを送り、シェフに試してもらった」とエドゥアール。
ブラン1995はハーブやスパイスの要素があり、スナップエンドウやグリーンアスパラと合せて絶妙、和食にも合わせやすいワインだと思いました。


新玉ねぎのムース


スナップエンドウ ゴーダゴールドスター ニョッキ フュメエキュム


グリーンアスパラバス 卵黄ピュレ レモンサヴァイヨン


鮑のアンクルート 紫蘇 昆布
ブラン1995と予想外の相性、生臭さも出ず、熟成した白の包容力を実感


■シャトー・ラトゥール・マルティヤック・ルージュ2005 / 12,000円(税別) 
CS65%、ME32%、PV3% 
■同2014 / ※現行VTは2013 6,500円(税別)
CS66%、ME27%、PV7%


仔羊のロースト ラベンダー風味


ショコラ ドモリ グレープフルーツのムース


(左から)
ラグラーヴ・マルティヤック・ブラン2014、シャトー・ラトゥール・マルティヤック・ブラン2013、同1995、同ルージュ2014、同ルージュ2005
http://www.latourmartillac.com/

ワインのお問い合わせは富士インダストリーズ(担当:堀江) ℡03-3539-5415

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