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7月7日公開!! 大人の女性とシェアしたい映画『ボンジュール、アン』 [映画でワイン・レッスン]

エレノア・コッポラの長編劇映画初監督作品『ボンジュール、アン』

監督・脚本・製作:エレノア・コッポラ
出演:ダイアン・レイン、アルノー・ヴィアール、アレック・ボールドウィン
原題: PARIS CAN WAIT / 2016年 / アメリカ
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
[黒ハート]7月7日(金) TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー


(C) the photographer Eric Caro

~人生って、まだまだステキ
カンヌからパリへ、おとなの寄り道は、ワインと美食と、こころのさがしもの~ 
『ボンジュール、アン』より

映画プロデューサーの夫マイケル(アレックス・ボールドウィン)とカンヌ映画祭にやって来たアン(ダイアン・レイン)。ふたりはそのままフランスでバカンスを楽しむつもりだったが、新作の撮影のため、急遽ブタペストへ飛ぶことに。耳の不調を感じていたアンは、フライトを取りやめ、夫とは別行動で、友人がいるパリで休息することにする。

アンはパリに戻る夫の仕事仲間、フランス人のジャック(アルノー・ヴィアール)の車に同乗してカンヌからパリまでの7時間予定のドライブに出発するが、料理やワインに精通し、名所・旧跡にも詳しく、機知に富んだ会話で気持ちを和ませる術に長けた彼との予期せぬ寄り道旅行は、アンが忘れていた“自分再発見”の扉を開いて・・・


エレノアさんの知性を感じるシーンがいっぱい
エレノアさんは映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の妻&監督としての才能を見事に発揮しているソフィア・コッポラさんの母上。今月初旬、映画公開に先駆けて、主役のダイアン・レインさんと一緒に来日していました。

記者会見の翌日、フランシス・フォード・コッポラ ワイナリーのワインを輸入しているワイン・イン・スタイルさんからのお声がけで、エレノアさんと異業種で活躍する女子8名だけのディナーに同席させていただいたのですが、フランスワインに詳しいソムリエール(カルフォルニア在)からアドバイスを受けたこと、資金集めに6年かかったこと等を話してくださいました。
「皆さんのプロフィールは」との問いかけがあったので、「ワインとの関わりはサントリーに在職していたから」との私の返事にエレノアさんは「サントリー! ロスト・イン・トランスレーションに出てきますね」と素早いリアクション。ソフィアさんがアカデミー脚本賞を受賞した映画で、サントリー『響』のCMシーン、とても目立っていました。
ディナー中も終始笑顔で、本当に魅力的だったエレノアさん。人を包み込む素敵なオーラがありました!

その数日後、私は『ボンジュール、アン』の試写会に!
エンドロールが終わり、場内が明るくなる寸前、一瞬、ラベンダーの香りを感じて・・・
ひととき、アンとジャックと一緒に、フランスの美食街道、セザンヌやルノワールの絵の世界を旅していた・・・そんな錯覚に陥ってしまった、とってもおいしい映画でした[レストラン]

『ボンジュール、アン』はエレノアさんの実体験がベースになっているので、カンヌからパリまでのドライブの間、実在のレストランも登場します。テキスタイル(布地、織物)が大好きで、世界中を旅して多くの情報を得ているエレノアさん。
この映画ではアートのプロ、ワインのプロとしての知識もしっかり反映されています。フード・コーディネーターはナパにある『ロバート・シンスキー・ヴィンヤーズ』のマリア・へレム・シンスキーさん

アン&ジャックと一緒に美食散歩
ヴィエンヌではコンドリューとコート・ロティ
BAツゥCARO#092
(C) the photographer Eric Caro
お茶目なジャックにアンも満身の笑み
ジャックがセレクトしたのは白はコンドリュー、赤はコート・ロティ!

寄り道ドライブでのアンとジャックの宿泊地はヴィエンヌ
コート・ダジュールとパリの中間、リヨンの南に位置するヴィエンヌには二ツ星『ラ・ピラミッド』があり、スクリーンにも、あのピラミッドの外観が出てきます。このレストランには近隣のぶどう畑から、コンドリューやコート・ロティのあらゆる銘柄のワインが届きますが、実際の撮影場所はここではなく、パリから40kmのところにある閑静なホテル&レストラン 『Les Jardins d’Epicure』
コンドリューはローヌ河の右岸にあり、白ワインだけを生産する栽培地。白ぶどうのヴィオニエを使用、アプリコットやジャスミンのニュアンス。コート・ロティ(“焼けた斜面”の意)はローヌ地方最北に位置する赤ワインの産地、シラー種から造られるワインは濃厚でスパイス風味


大伴家持の和歌も
ヴェズレーに向うドライブの途中で、月を見ながら、アンが口ずさんでいたのは、『万葉集』にある大伴家持の和歌
ふりさけて三日月(みかづき)見れば一目見し人の眉引(まよびき)思ほゆるかも 
When I see the first / New moon, faint in the twilight / I think of the moth eyebrows / Of a girl I saw only once
エレノアさんは万葉集だけでなく、源氏物語や枕草子にも興味をお持ちのはず、凄い!

絵画でも魅力満載、セザンヌの『プロヴァンスの家』、マネの『草上の昼食』、ルノアールの『ブージヴァルのダンス』の原画を彷彿とさせるシーンを挿入させて、登場人物と重なり合う手法も素敵!


ヴェズレーではディディエ・ダグノーの『シレックス2012』

『レスペランス』 参考画像:Relais & Châteaux 2008

ワイン好きなら、気になるワン・シーン
ジャックが「ヴェズレーで最高のレストラン」と言って案内してくれたお店はとてもゴージャス。ディディエ・ダグノーの『プイィ・フュメ シレックス 2012』が登場します!

2012ヴィンテージはフランスのワイン専門誌『ラ・レヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』でロワール・ベスト・ソーヴィニヨンに選ばれた逸品。ピクニックの後、リヨンの市場散策で、ジャックは「僕の好みは“クロタン・ド・シャビニョル”」と語っていますが、まさに、このチーズとシレックスは同郷、とても良い相性です。
ロワールの風雲児と言われ、ロワール地方で最高の白ワインの造り手だったディディエ・ダグノー。2008年、自家用小型飛行機の事故で急逝、享年52歳。ドメーヌは現在息子のルイ・ベンジャミン・ダグノーが継承
ソーヴィニヨン・ブラン100%。シレックス(火打石)土壌由来のあふれるばかりのミネラル感、力強い果実味、存在感のある酸、長い余韻

エレノアさんがイメージしていたレストランは『レスペランス(現在閉鎖中)』だったようです。
“永遠の丘”と形容される世界遺産ヴェズレーにあり、オーナーシェフのマルク・ムノーによって輝かしい時代を刻んでいたホテル&レストラン。ギヨーム・マルトリエとアラン・デュカスが設立した会社が買収したことで、2018年に新装オープン予定です。

さて、映画に出てきたレストランですが、雰囲気があって歴史を感じさせる空間でした。
これはパリの行政控訴院の地下のフリースぺースをレストランに設えて撮影したとのこと。チャンスがあれば行ってみたいです!

スペシャリテとして登場したのは

Nipples of Venus(ヴィーナスの乳首)!
映画『アマディウス』に登場して話題になったお菓子
ディナーの前に、アンが望んで訪問したサント・マドレーヌ大聖堂での出来事が伏線になっているのでは


『ボンジュール、アン』を観終わって、細い糸から1枚の布が織られている印象を受けました。それはエレノアさんがお好きなテキスタイルのようです。1つの出来事には、それに付随する何かがあり、それは「点」ではなく、「面」で広がって・・・。一例ではクロ・タンとシレックスのように、時間差によって織り込まれてく感じ、です。

観る人の感性でどれだけでも面白さが広がる映画『ボンジュール、アン』
“大人の女性”たちとシェアしたい映画『ボンジュール、アン』

最後に・・・
『ボンジュール、アン』のAnne(アン)、『ローマの休日』のAnna(アン)王女
つかの間の体験で、新しい自分を発見していく姿が、私には重なって見えました。
エレノアさんとお会いしたのは試写会前だったので伺えませんでしたが、ネーミングの裏にある意図(糸)を私は感じています(笑)
このページの美食散歩が、映画を観る時の参考になれば本望です!


番外編
エレノアさんとの光栄なるディナーで
ウェルカムワインはソフィア ロゼ モントレー・カウンティ

フルーティで飲みやすい色鮮やかな辛口ロゼ。
ソフィア自身が選んだスタイリッシュなボトルも魅力

メインの仔牛ロースにエレノア レッド・ワイン

エレノアさんの情熱を表現している3つの鍵が〝ワイン、アート、テキスタイル”
ラベルはテキスタイルの本のなかから見つけた模様をヒントにして彼女がデザインしたもので、結婚50年目を記念してコッポラ監督がエレノアさんのために造った数量限定ワイン


エレノアワインにサイン! 
初版本(在庫なし)にもサインをしていただきました。元気が出るメッセージで、“映画とワイン”に関わる作業を続けてきてホント良かったと実感!
『映画でワイン・レッスン(エイ出版)』のイタリア編に、『ゴッドファーザー』や『ソフィア』誕生の経緯を書いていますので、ご笑覧いただけると嬉しいです。電子書籍&プリント・オン・デマンド(POD)で取扱中


エレノアさんからの「しっかりね」というメッセージを感じます!

エレノアさんは気品があり、繊細ながら、限りないパワーを内に秘めている女性でした。同性の先輩として、学ぶこと、感じること多々ありでした。
ワイン・イン・スタイルのマイケル・クーCEO、斎藤美樹ジェネラル・マネージャー、光栄なる時間を共有させていただき、ありがとうございました!
『ボンジュール、アン』の宣伝、樂舎の佐野美加取締役社長には多大なるサポートをいただき、こころから感謝しております。ありがとうございました。

『ボンジュール、アン』にGo、ですね!!

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