初来日したモンテス親子が語るチリのスーパー・プレミアム・ワインの世界 [来日したワイン生産者&関係者]
〝プレミアムなワイン造り〟を実現させたモンテス
1988年、サンチャゴから南に180km行ったところにあるコルチャグア・ヴァレー。ここを拠地にして創業したMontesは同じ夢を抱いていた4人の男たちが立ち上げたワイナリーです。
アウレリオ・モンテス・シニア、ダグラス・ムライ、アルフレド・ヴィダウレ、そしてペドロ・グランデ。
彼らの夢、それはチリを代表するプレミアムワインを造ることでした。そして今、モンテスはエントリーレベルのワインから世界レベルのワインに至るまで幅広いレンジを有し、チリ国内のみならず、世界でも広く知られるようになっています。
モンテス親子初来日!
今月初旬、輸入元エノテカの招聘で、モンテス社から創業者のアウレリオ・モンテス・シニア&後継者のアウレリオ・モンテス・ジュニア親子が初来日し、スペシャル・ディナーで過去、現在、未来について語りました。
シニアの夢を辿ると、修道士、消防士、医者、そして21歳の時にはワインメーカー。ワイン界に参入して、夢の実現のために設立した醸造施設はガレージワイナリーのような形態で、何から何まで手作業でした。当時10歳だったジュニアは「大きな変化を感じています。今のワイナリーはモダンでハイテク」とコメントしていました。
シニアは「人と同じことをやるのが嫌いです」と語っていましたが、1994年には丘陵地を開拓し、ぶどう畑に。チリでは平地での栽培が一般的だったので、周囲から異端視されたそうです。現在、素晴らしい出来のぶどう、高品質のワインを生産しているモンテス、見事な展開です!
「親子で働いていますが、ふたりの情熱をシェアできることが幸せ」とジュニア
「世代交代は進めていきたいし、ワイン造りでもまだ息子に伝えたいことがあります。自分も重責を担っているので、息子が良いワインメーカーになって欲しいと思っています」とシニア
シニアの朋友、パトリシオ・トーレス駐日チリ大使もお祝いに駆けつけ、エールを送りました。
「その昔、エノテカ主催のディナーでモンテス・アルファ・エムを初めて味わいました。ファースト・ヴィンテージの1996年で、とてもラッキーでした。当時チリワインは第5位か第6位に甘んじており、特にチリのスーパー・プレミアムワインについては全く認知されていませんでした。昨年チリワインが輸入量No1になりましたが、高品質のモンテスはチリワインに深く貢献しています。来年は日本とチリの国交樹立120周年になりますので、モンテスで乾杯しましょう!」
映像を見ながら~過去・現在・未来~
モンダヴィに会ってジュニアが開眼した歴史的瞬間の写真
ジュニアは父親の情熱を感じ、ワインに興味は持っていました。息子にワイン造りを強要しなかったシニアですが、世界的にもハイテクで素晴らしいワイン造りをしているカリフォルニアのナパに息子を連れて行けば、「気持ちに変化が起きるのではないか」と思い、家族で出かけます。そして、故ロバート・モンダヴィとの出会いにより、ジュニアはワインに開眼。ワインメーカーとして生きることを決意します。
その後、彼は片道切符で豪州に向い、ローズマウントとケープメンテルで奮闘。現地での経験がモンテスの息子としてではなく、醸造家としてのジュニアを誕生させることになります。
余談ですが、前のブログに、故ロバート・モンダヴィから強い影響を受けたエラスリスやルーウィン・エステートのことを書きましたが、今回モンテス・ジュニアの話を伺い、再度、モンダヴィの偉大さを感じています。
アルゼンチンのカイケンで
モンテスがアルゼンチンに所有するカイケン
Photo by F. AOKI (2013年9月撮影)
パタゴニア上空を飛行しながらチリ・アルゼンチン間を往来する雁、可愛いシンボル〝カイケン〟
ジュニアは2007年からモンテスの醸造責任者として参画、2011~2015年にはカイケンを担当。アペリティフで供出されたKAIKEN BRUT NV(カイケン・ブリュットNV)も生産しました。2016年以降は定期的に世界各国のマーケットを回りながら、モンテス・カイケンのプロモーション活動にも従事しています。
シニア会心のアイテム、モンテスのスパークリング
ディナーのウエルカムドリンクとして登場したのは、シニアが満を持して生産したMONTES SPARKLING ANGEL NV(モンテス・スパークリング・エンジェルNV)。ジュニアのカイケン・ブリュットと対(品種&ブレンド比率)をなしています。
ワインのこころで2アイテムを紹介していますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。
スペシャル・ディナーはエアーズの料理で
鮑の粕漬 檜の香り 燻製セミドライトマトを添えて
仔羊のサルシッチャを包んだラヴィオリと蕪のステーキ ファンデュータ仕立て
MONTES ALPHA SPECIAL CUVEE SAUVIGNON BLANC 2014 (モンテス・アルファ スペシャル・キュヴェSB2014)
海に近いエリアのワイン、ステンレスタンクだけを使うことで、フレッシュさを表現。「ワインは喜び、情熱を表現するために樽は使わない」とシニア。加えて、「鮑とSBのシャープな酸味が良く合っていました」と。
KAIKEN ULTRA CHARDONNAY 2014(カイケン・ウルトラCH 2014)
フレンチオーク30%、ステンレスタンク70%のワインをブレンド、果実味を生かした造り。カイケン・ブリュットと同じく畑の標高は1000m以上。冷涼エリアで、土壌は石灰岩、ワインから土壌由来のミネラルを感じます。
(左から)
MONTES TAITA 2009(モンテスタイタ2009)、KAIKEN MAI 2012(カイケン・マイ2012)、MONTES PURPLE ANGEL 2013(モンテス・パープル・エンジェル2013)
ボルドー原産のカルメネールはチリの気候風土と相性が良く、熟度の高いぶどうが収穫できます。カルメネールは冷涼なエリアと温暖なエリアとでは香り、味わいに違いが出ます。パープル・エンジェルはカルメネールを92%使いますが、海寄りの冷涼エリアと内陸の温暖なエリアのカルメネールを半分ずつ使用。残り8%はPVを使い、ワインに骨格を与えています。
鰻の白焼き カカオの香る鰻だれ カシスのアクセント
デミカップのなかにはカカオとバジルのソースが入っていて、このソースを鰻にかけて
ボトルには見事な細工の天使
タイタのブレンドの割合は
タイタ CS2009
シニアは創業者のひとり、ダグラス・ムライさんと傑出したワインを造ろうと決意。ジュニアもワイナリーに入っていたので、3人でベストなワインを造るためのリサーチを行い、特別な場所を発見します。地質の起源はジュラ紀(2億万年以上前)に遡る沖積層の土壌で、構成は粘土と石灰岩。粒が小さく、アロマ豊かなぶどうができることがわかりました。チリのCSの特徴、テロワールの違い、味わいの違いを表現したワイン。
基本的にCS85%、残りの15%は秘密。その年によって醸造家が判断、シラーやメルロを使うとのこと。フレンチオーク18ケ月熟成、4年間の瓶詰期間を経てリリース。
〝タイタ〟とは、父親や祖父のことで、年長者の知識を持って息子、次世代を育てることを意味する言葉のようです。
スーパー・アイコン・ワイン
モンテスの25周年を記念して誕生したタイタ
濃厚な赤紫色、ベリー系果実の凝縮感、ヴァニラ、ココア、黒鉛、甘草、木香、長い余韻
黒毛和牛フィレ肉のソテー プルチーニモンテスソース
何と、このソースはマイとパープル・エンジェルを使った豪華版でした!
デザートは紫の天使
メニューにはなかったサプライズ!
パープル・エンジェルに合わせて〝紫の天使〟をイメージ。天使は紫いも、羽根はホワイトチョコ、添えてある季節の果物のコンポートには3種の果実を使っていますが、柿にはパープル・エンジェル、梨にはモンテス・アルファSB、ぶどうはスパークリングワインで それぞれコンポートしてありました、贅沢!
次世代に夢をつないで
モンテスの『Where Angels Trend The Story of Vina Montes』の序文は英国のヒュー・ジョンソンが書いています。アウレリオ・モンテス・シニアは冒頭のあいさつで、ジョンソンが「モンテスは無からスタートして、次第に品質をあげ、夢を実現させたワイナリーのひとつ」と表現したその部分を紹介、ドリーム・カム・トゥルー!
初来日したモンテス親子のワインへの情熱、次世代への継承、モンテスの自負を強く感じました。
最新アイテム、スーパー・アイコン・ワイン『タイタ』には愛を込めて、伝統をスムーズに継承していく意味がありますが、まさに、チリのモンテスの未来は〝タイタ〟そのものです。
製品についてのお問い合わせはエノテカ(株)ワインショップ事業部℡03-3280-6258
ワインの購入はエノテカ オンラインで
1988年、サンチャゴから南に180km行ったところにあるコルチャグア・ヴァレー。ここを拠地にして創業したMontesは同じ夢を抱いていた4人の男たちが立ち上げたワイナリーです。
アウレリオ・モンテス・シニア、ダグラス・ムライ、アルフレド・ヴィダウレ、そしてペドロ・グランデ。
彼らの夢、それはチリを代表するプレミアムワインを造ることでした。そして今、モンテスはエントリーレベルのワインから世界レベルのワインに至るまで幅広いレンジを有し、チリ国内のみならず、世界でも広く知られるようになっています。
モンテス親子初来日!
今月初旬、輸入元エノテカの招聘で、モンテス社から創業者のアウレリオ・モンテス・シニア&後継者のアウレリオ・モンテス・ジュニア親子が初来日し、スペシャル・ディナーで過去、現在、未来について語りました。
シニアの夢を辿ると、修道士、消防士、医者、そして21歳の時にはワインメーカー。ワイン界に参入して、夢の実現のために設立した醸造施設はガレージワイナリーのような形態で、何から何まで手作業でした。当時10歳だったジュニアは「大きな変化を感じています。今のワイナリーはモダンでハイテク」とコメントしていました。
シニアは「人と同じことをやるのが嫌いです」と語っていましたが、1994年には丘陵地を開拓し、ぶどう畑に。チリでは平地での栽培が一般的だったので、周囲から異端視されたそうです。現在、素晴らしい出来のぶどう、高品質のワインを生産しているモンテス、見事な展開です!
「親子で働いていますが、ふたりの情熱をシェアできることが幸せ」とジュニア
「世代交代は進めていきたいし、ワイン造りでもまだ息子に伝えたいことがあります。自分も重責を担っているので、息子が良いワインメーカーになって欲しいと思っています」とシニア
シニアの朋友、パトリシオ・トーレス駐日チリ大使もお祝いに駆けつけ、エールを送りました。
「その昔、エノテカ主催のディナーでモンテス・アルファ・エムを初めて味わいました。ファースト・ヴィンテージの1996年で、とてもラッキーでした。当時チリワインは第5位か第6位に甘んじており、特にチリのスーパー・プレミアムワインについては全く認知されていませんでした。昨年チリワインが輸入量No1になりましたが、高品質のモンテスはチリワインに深く貢献しています。来年は日本とチリの国交樹立120周年になりますので、モンテスで乾杯しましょう!」
映像を見ながら~過去・現在・未来~
モンダヴィに会ってジュニアが開眼した歴史的瞬間の写真
ジュニアは父親の情熱を感じ、ワインに興味は持っていました。息子にワイン造りを強要しなかったシニアですが、世界的にもハイテクで素晴らしいワイン造りをしているカリフォルニアのナパに息子を連れて行けば、「気持ちに変化が起きるのではないか」と思い、家族で出かけます。そして、故ロバート・モンダヴィとの出会いにより、ジュニアはワインに開眼。ワインメーカーとして生きることを決意します。
その後、彼は片道切符で豪州に向い、ローズマウントとケープメンテルで奮闘。現地での経験がモンテスの息子としてではなく、醸造家としてのジュニアを誕生させることになります。
余談ですが、前のブログに、故ロバート・モンダヴィから強い影響を受けたエラスリスやルーウィン・エステートのことを書きましたが、今回モンテス・ジュニアの話を伺い、再度、モンダヴィの偉大さを感じています。
アルゼンチンのカイケンで
モンテスがアルゼンチンに所有するカイケン
Photo by F. AOKI (2013年9月撮影)
パタゴニア上空を飛行しながらチリ・アルゼンチン間を往来する雁、可愛いシンボル〝カイケン〟
ジュニアは2007年からモンテスの醸造責任者として参画、2011~2015年にはカイケンを担当。アペリティフで供出されたKAIKEN BRUT NV(カイケン・ブリュットNV)も生産しました。2016年以降は定期的に世界各国のマーケットを回りながら、モンテス・カイケンのプロモーション活動にも従事しています。
シニア会心のアイテム、モンテスのスパークリング
ディナーのウエルカムドリンクとして登場したのは、シニアが満を持して生産したMONTES SPARKLING ANGEL NV(モンテス・スパークリング・エンジェルNV)。ジュニアのカイケン・ブリュットと対(品種&ブレンド比率)をなしています。
ワインのこころで2アイテムを紹介していますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。
スペシャル・ディナーはエアーズの料理で
鮑の粕漬 檜の香り 燻製セミドライトマトを添えて
仔羊のサルシッチャを包んだラヴィオリと蕪のステーキ ファンデュータ仕立て
MONTES ALPHA SPECIAL CUVEE SAUVIGNON BLANC 2014 (モンテス・アルファ スペシャル・キュヴェSB2014)
海に近いエリアのワイン、ステンレスタンクだけを使うことで、フレッシュさを表現。「ワインは喜び、情熱を表現するために樽は使わない」とシニア。加えて、「鮑とSBのシャープな酸味が良く合っていました」と。
KAIKEN ULTRA CHARDONNAY 2014(カイケン・ウルトラCH 2014)
フレンチオーク30%、ステンレスタンク70%のワインをブレンド、果実味を生かした造り。カイケン・ブリュットと同じく畑の標高は1000m以上。冷涼エリアで、土壌は石灰岩、ワインから土壌由来のミネラルを感じます。
(左から)
MONTES TAITA 2009(モンテスタイタ2009)、KAIKEN MAI 2012(カイケン・マイ2012)、MONTES PURPLE ANGEL 2013(モンテス・パープル・エンジェル2013)
ボルドー原産のカルメネールはチリの気候風土と相性が良く、熟度の高いぶどうが収穫できます。カルメネールは冷涼なエリアと温暖なエリアとでは香り、味わいに違いが出ます。パープル・エンジェルはカルメネールを92%使いますが、海寄りの冷涼エリアと内陸の温暖なエリアのカルメネールを半分ずつ使用。残り8%はPVを使い、ワインに骨格を与えています。
鰻の白焼き カカオの香る鰻だれ カシスのアクセント
デミカップのなかにはカカオとバジルのソースが入っていて、このソースを鰻にかけて
ボトルには見事な細工の天使
タイタのブレンドの割合は
タイタ CS2009
シニアは創業者のひとり、ダグラス・ムライさんと傑出したワインを造ろうと決意。ジュニアもワイナリーに入っていたので、3人でベストなワインを造るためのリサーチを行い、特別な場所を発見します。地質の起源はジュラ紀(2億万年以上前)に遡る沖積層の土壌で、構成は粘土と石灰岩。粒が小さく、アロマ豊かなぶどうができることがわかりました。チリのCSの特徴、テロワールの違い、味わいの違いを表現したワイン。
基本的にCS85%、残りの15%は秘密。その年によって醸造家が判断、シラーやメルロを使うとのこと。フレンチオーク18ケ月熟成、4年間の瓶詰期間を経てリリース。
〝タイタ〟とは、父親や祖父のことで、年長者の知識を持って息子、次世代を育てることを意味する言葉のようです。
スーパー・アイコン・ワイン
モンテスの25周年を記念して誕生したタイタ
濃厚な赤紫色、ベリー系果実の凝縮感、ヴァニラ、ココア、黒鉛、甘草、木香、長い余韻
黒毛和牛フィレ肉のソテー プルチーニモンテスソース
何と、このソースはマイとパープル・エンジェルを使った豪華版でした!
デザートは紫の天使
メニューにはなかったサプライズ!
パープル・エンジェルに合わせて〝紫の天使〟をイメージ。天使は紫いも、羽根はホワイトチョコ、添えてある季節の果物のコンポートには3種の果実を使っていますが、柿にはパープル・エンジェル、梨にはモンテス・アルファSB、ぶどうはスパークリングワインで それぞれコンポートしてありました、贅沢!
次世代に夢をつないで
モンテスの『Where Angels Trend The Story of Vina Montes』の序文は英国のヒュー・ジョンソンが書いています。アウレリオ・モンテス・シニアは冒頭のあいさつで、ジョンソンが「モンテスは無からスタートして、次第に品質をあげ、夢を実現させたワイナリーのひとつ」と表現したその部分を紹介、ドリーム・カム・トゥルー!
初来日したモンテス親子のワインへの情熱、次世代への継承、モンテスの自負を強く感じました。
最新アイテム、スーパー・アイコン・ワイン『タイタ』には愛を込めて、伝統をスムーズに継承していく意味がありますが、まさに、チリのモンテスの未来は〝タイタ〟そのものです。
製品についてのお問い合わせはエノテカ(株)ワインショップ事業部℡03-3280-6258
ワインの購入はエノテカ オンラインで
素敵なお話しです!!
こうしたドラマを伺うと、手に取ってみたくなります。
いつもありがとうございます!!
by tsworking (2016-10-15 19:52)
tsworkingさんの感性に響けば何より、ありがとうございます!
by fumiko (2016-10-16 00:47)