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アルザスの名門ヒューゲル・エ・フィスがファミーユ・ヒューゲルに社名変更&ラベルも刷新! [来日したワイン生産者&関係者]

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1639年創業のヒューゲル家は仏アルザスのリクヴィール村を本拠地にして家族経営を貫いてきました。現在は12代目と13代目が経営を坦っています。

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12代目当主エティエンヌ・ヒューゲルさん
ヒューゲルカラーの黄色と赤色について、「マギー社の色からヒントを得ました。当時、同社でマネージャーをしていたのが私の祖母です」

日本好きで何度も訪日しているエティエンヌさんですが、今回の来日では2つのことを力説。
1つめが社名の変更です。ヒューゲル・エ・フィス(父から息子)から、ファミーユ・ヒューゲル(女性も含めた家族一丸となって)へ。ヒューゲル家はPFVプリムム・ファミリエ・ヴィニのメンバーです。フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル&スペインの最高級ワイナリーを所有する11ファミリーによって構成されている団体で設立は1992年。91年にスペインのミゲル・トーレスとブルゴーニュのロベール・ドルーアンの対話が契機となって発足しました。同家はその一員であるコート・デュ・ローヌのファミーユ・ぺランと特に親しく、ぺラン家同様、〝ファミーユ〟呼称に変わりました。


2つめが95年間変化がなかったラベルの刷新です。 新ラベルの日本上陸は3月22日頃の予定

テイスティングではヒューゲルの神髄〝リースリング〟を中心に
#1:ジョンティ・ヒューゲル2014
#2:ファミーユ・ヒューゲル・リースリング・クラシック2013
#3:ファミーユ・ヒューゲル・リースリング・エステート2011
#4:ファミーユ・ヒューゲル・リースリング・グロシ・ローイ2010
#5:ファミーユ・ヒューゲル・リースリング・レゼルヴ・エクセプショネル1981 マグナム


「粘土石質土壌のリースリングは開くのに時間がかかる」とエティエンヌさんはおっしゃっていましたが大容量ボトルで熟成させた最上級のリースリングは果実味、酸味ともに35年の歳月を感じさせない若さがあり、ぺトロール香、黄色系果実のコンポート、蜂蜜、白コショウ、口中ドライで長い余韻、度量の大きいワイン!

#6:ファミーユ・ヒューゲル・リースリング・シェルハイマー2007
口中に何層にもなって広がる果実味、果皮由来のビターさ、きりりとした酸とミネラル感、温度の変化で香り&味わいがより複雑に。リッチで豊潤なワイン

#7:ファミーユ・ヒューゲル・ピノ・グリ・クラシック2013
#8:ピノ・グリ・グロシ・ローイ2010
#9:ファミーユ・ヒューゲル・ゲヴェルツトラミナー・エステート2012
#10:ファミーユ・ヒューゲル・ゲヴェルツトラミナー・ヴァンダンジュ・タルディヴ2007

登場したレンジの紹介
最左はエントリーレベルのジョンティ・ヒューゲル、その上に以下の4レンジがあります。
クラシックの初ヴィンテージは2013年、自社畑と契約畑をブレンドしたワイン
エステートは自社畑100%のワイン、今回が世界初のお披露目。畑名と品種はGCグラン・クリュ、シュナンブールのリースリング、GCグラン・クリュ、スポーレンのゲヴェルツトラミナー
グロシ・ローイ

初ヴィンテージは2010年、グロシ・ローイはアルザスの言語で最高の〝テロワール〟を意味しています。ピノ・ノワールに白ラベルを使っている点もユニーク。従来最良の収穫年に仕込んでいた「ジュビリー」シリーズは2009年ヴィンテージで生産中止、それに代わるアイテムとして登場。
グロシ・ローイは単なる新製品ではなく、歴史ある畑のテロワールに深く根差したヒューゲル家の時を超えた文化的価値への真の回帰(1950年代、1960年代、1970年代に使用していたラベルの復刻版)を表現しています。
その象徴が〝Grand Vin d'Alsace〟表記。同地方では、この表記は認められていませんが、今回、ヒューゲルではラベルに使用。「今までラベルにグラン・クリュという表記は使ってきませんでした。グラン・クリュ制度(1975年)が導入されてから、その規定がワインの品質に見合ったものであるかどうか疑問視していたからです。斜めに書いてある赤字のリミテッド・エディション(限定生産)表記は、2015年VT(現在申請中)から、GCシュナブールのぶどうを100%使用しているので、リミテッド・エディションという表記の代わりにグラン・クリュという表記になる予定です」とエティエンヌさん
2009年はジュビリーに関して多大な功績を果たした叔父ジャン・ヒューゲルさんが逝去した年であり、ジュビリーの2009年ヴィンテージはジャンさんのオマージュワインになっています。また、この年はエティエンヌさんのご子息がヒューゲルに入社した年でもありました。

シェルハイマーは単一畑。シュナンブールの中央、斜面中腹の理想的な場所に位置し、2007年に素晴らしいぶどうを収穫した際、区画ごとに別々に仕込んだリースリング。長熟の可能性を秘めたワイン


ワインと戦争

第2次大戦時、エティエンヌさんの祖父が自宅から撮影したリクヴィールの市街
当時カラー写真はとても珍しかったようです。ナチスの旗が・・・


私の愛読書『ワインと戦争(ヒトラーからワインを守った人々)』

エティエンヌさんが「歴史に興味があればワインと戦争を読んでみてください」とおっしゃっていました。この本にはローラン・ペリエやドルーアン、そしてヒューゲル等が登場しています。アルザスはドイツの占領下でフランス語を使えない時代もありました。

95年ぶりにラベル刷新したヒューゲル家ですが、ワインと戦争の本によると・・・
  ~アルザス人はフランス国民としての市民権を取り戻し、安心してフランス語をしゃべれるようになった。(中略)通りや会社や市町村の名前にもフランス名が復活した。リッヒェンヴァイアーはリクヴィールになり、ヒューゲル・ウント・ゼーネ社はふたたび、ヒューゲル・エ・フィス社になった~ 

第2次世界大戦が終わり、フランス語による社名が復活した1945年から昨年2015年の社名変更までの70年間。この歳月から、ワインだけでなく、ヒューゲル家の歴史の重みも感じることができました。


リースリングの魅力をタトゥーシールで拡散
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腕にシールを貼ったら湿ったタオルを押し当てて

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ワイン界の著名人たちもエティエンヌさんの〝リースリングタトゥー〟に洗脳されています(笑)

コルク栓に関しては、2004年からハーフボトルにDIAMを使い始め、トライアルを重ねた結果、2009年以降すべてのレンジに導入。裏ラベルのQRコードから畑や醸造の詳細なデータを見ることができます。また、HPは日本語を含む8カ国語対応なので、一度、覗いてみてください。ワインのコメントは世界最優秀ソムリエでアルザスのオーベルジュ・ド・リル、シェフ・ソムリエのセルジュ・デュプスさんが担当しています!
http://www.hugel.com/jp/index.php

ファミーユ・ヒューゲルについてのお問い合わせはジェロボーム(株)℡03-5786-3280

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